春になると花を咲かせるライラックは、見た目がかわいらしく香りもいいので、庭木として人気があります。開花すると小さな花がいくつも集まったような形になり、白や紫など鮮やかな色合いが魅力的な植物です。
しかし、大きく成長し過ぎてしまうと、個人で管理することは難しくなるので、それを避けるために必要になるのが剪定作業です。
ライラックの剪定は、基本的には樹形を整える程度の軽い剪定にとどめておく必要があります。それは、ライラックの萌芽力が弱く、一気に強い剪定をしてしまうと木が枯れる原因になるからです。小さくしたい場合は、2~3年かけて幹を切っていきましょう。
ライラックの特徴や正しいお手入れの仕方がわかれば、大きさを調整することも枯れることがないように育てることも可能です。本記事を参考にして、理想の樹形・サイズのライラックを育てましょう。
目次
剪定をする前に!適切な育て方を確認しよう
ライラックは、モクセイ科の落葉樹で、春に香りのよい花を咲かせる花木です。花の色は、紫色を想像する方が多いかもしれませんが、白色や赤色、ピンク色など品種によってさまざまです。
樹高は高いものだと6mほどにまで成長します。お庭のなかでのバランスや管理のしやすさを考慮して、サイズを調整して育てましょう。
また、耐寒性があるので寒さには強いですが、暑さに弱いという特徴があります。暖地での栽培は難しい場合があるので、ご紹介する栽培環境をしっかりと整えるよう注意してください。
栽培環境
ライラックは日当たりのよい場所を好みますが、真夏などの強い日差しや西日は嫌います。そのため、1日中日に当たるような場所ではなく、西日に当たりにくい場所を探して植え付ける必要があるのです。
このように、日当たりについては難しい条件がありますが、用土や水やりについてはあまり難しく考える必要はありません。
土は、水はけがよければ問題なく育ちます。鉢植えで育てる場合は、自分で土を配合しなくてはならないので、赤玉土と腐葉土を混ぜて水はけのよい土壌を用意しましょう。
水は、庭植えの場合は基本的に降雨のみで育ち、鉢植えで栽培する場合や暖地に植えた場合、真夏などの土が乾きやすい時期には水やりをする必要があります。土の表面が乾いてきたころを目安に、涼しい朝の時間帯に水やりをおこなうようにしましょう。
お手入れ年間スケジュール
基本的な栽培環境はご紹介した通りですが、それとは別に決まった時期におこなうべきお手入れがあります。
剪定や植え付けに適した時期、開花時期、肥料を与える時期を表にしてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
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開花 | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 |
ライラックは暑さに弱いので、植え付けや植え替えは落葉期の10月~3月におこないます。また、肥料はあまり多く与える必要はありません。年に2回少量を与えて成長を促してあげましょう。
基本的には上記のような流れで年間のお手入れをおこないますが、ここでご紹介した時期はあくまでも目安です。
開花時期は成長具合などによって異なる場合があるので、栽培しているライラックの状態を見ながらお手入れしてください。
ライラックの剪定に適した時期と方法
ライラックは、初夏に花を落とし、7月~8月の夏に時期にはもう翌年の花芽を付けるのです。そのため、翌年の花付きを悪くしないよう剪定するためには、花後の5月~6月に剪定をおこなうのが適しています。
ライラックはほかの樹木に比べて剪定の際にかかるダメージに弱く、必要以上に枝を切ると枯れてしまうこともあります。幹への日当たりや風通しがよくなるよう、不要な枝を切る程度の剪定をおこないましょう。
また、剪定後も木の成長が止まるわけではありません。翌年の剪定時期までに枝が込み合っていると感じた場合は、冬場に枯れた枝葉を取り除いてもよいでしょう。その際は、花芽を落とさないよう十分注意して作業してください。
剪定すべき不要な枝
不要な枝を切るといっても、どのような枝を切ればよいのかわからなければ、樹木にダメージを与えて弱らせるだけになってしまいます。
剪定しておきたい枝はおもに3種類ありますので、それぞれの特徴を覚えて、間違いのないように取り除きましょう。
上にむかって勢いよく飛び出した枝のことで、樹形を崩す原因になります。勢いよく成長しているため、徒長枝には栄養が集まりすぎてしまい、花付きが悪くなる原因にもなります。
絡み枝
残しておきたい枝に絡まって枝が込み合う原因になるものです。絡み枝が残っていると日当たりが悪くなり、ほかの枝が正常に育てなくなるおそれがあります。
枯れ枝
その名の通り枯れてしまった枝のことで、放っておくと害虫が発生する原因になることがあります。害虫被害が広範囲に及ぶと、枝だけでなくライラックの木そのものが枯れる原因になるので、見つけたら剪定しておきましょう。
不要な枝を切断するときは、中途半端に枝を残して剪定すると、残った部分から腐って枯れる原因になる場合があります。必ず枝の付け根から切り落とすようにしましょう。
そして、剪定後は殺菌剤(癒合剤)を塗っておくことも大切です。切り口から菌が入って病気にかかることがないように、できる限りの対策をしておきましょう。
強剪定は時間をかけて
ライラックの基本的な剪定は、不要な枝を切るだけの軽い剪定です。しかし、大きくなり過ぎてしまった場合は、強剪定をおこなう必要があります。
樹高の高いライラックは、見た目はスラリと美しいかもしれませんが、枝先に手が届かず剪定が困難です。管理しやすい大きさに調整して、長く健康に育てましょう。
強剪定もおこなう時期は通常の剪定と同じです。あらかじめ高さを決めて幹を切ってから、周りの伸びすぎた枝を短くしましょう。
ただし、一気に大きくサイズを変えると、樹木への負担が大きくなります。せっかく管理しやすい大きさにしても、すぐに枯れてしまうかもしれません。一度でコンパクトにしようとするのではなく、2~3年かけてサイズ調整をしていきましょう。
ライラックを育てるときの注意点
寒さに強く、大きく成長するライラックですが、繊細な一面もあります。元気に育てるためには注意すべきふたつのポイントがあるのです。
病害虫
ライラックは、かかりやすい病気が1種類と、よりつきやすい害虫が2種類あります。被害を受けた範囲が広ければ、そのまま樹木が枯れてしまうこともあるので、以下のような状態になっている場所がないかよく確認しておきましょう。
〇病気
・うどんこ病
暖かい地域で栽培する場合に発症しやすいといわれています。発生時期は5月~6月と9月~10月です。
症状は、葉や茎に白い粉がふくようにカビが発生します。悪化するとカビが葉全体を覆って、成長の妨げとなります。
〇害虫
・カイガラムシ
木の枝から樹液を吸い上げて樹木を弱らせます。幼虫は殺虫剤で駆除できますが、成虫は殺虫剤が効きにくいため、こすり落として取り除かなくてはなりません。
枝が込みあって通気性が悪くなった場所を好むので、定期的にライラックを剪定することが対策になります。
・テッポウムシ
うどんこ病同様、暖かい地域での被害が多い害虫で、幹の内部を食い荒らします。幹の根元におがくずのような粉が落ちている場合は、被害にあっている可能性が高いので、殺虫剤を使って駆除しましょう。
枯れる原因
ライラックが枯れる原因は、間違ったお手入れをしているか、栽培環境が悪いか、病害虫の被害にあっているかのどれかです。
日ごろのお手入れが原因の場合は、水をやり過ぎている可能性があります。乾燥し過ぎるのも好ましくはありませんが、過剰な量の水はライラックが根腐れする原因になるのです。前述した適量を超えた水を与えないようにしましょう。
栽培環境については、前述した通り強い日差しや西日に当たらないことが重要です。どうしてもそれらの当たる場所から移動できないという方は、ついたてなどの障害物をおくなどして過剰な日差しをさえぎりましょう。
病害虫の被害にあっている場合は、すぐに殺虫剤や殺菌剤を使って菌や虫を取り除き、被害にあった部分を切り取るのが大切です。
また、枯れてはいないけれど花が咲かないという場合は、剪定時期が適期からずれているか、誤って花芽を切ってしまったかのどちらかでしょう。剪定時期や剪定の方法を見直してみましょう。
ライラックを増やしたいときの方法
ライラックを育ててみて気に入ったというときは、今ある木からライラックを増やすことができます。繁殖方法は複数あるので、やりやすそうな方法を選んで試してみましょう。
挿し木
繁殖させたいライラックの枝を切り取り、鉢に入れた土に挿す方法です。
(1)挿し木用の細かい土(小粒の赤玉土など)を用意します。
(2)切り口を斜めにして、若く元気な葉の付いた枝を約10cm切り取ります。
(3)切り取った枝の切り口に活力剤などを塗ってから土に挿します。
(4)根が増えてきたら大きい鉢や庭に植え直しましょう。
つぎ木
繁殖させたいライラックの枝を切り、別の植物の枝へつなげる方法です。このとき、土台となる別の植物の枝を台木といいます。ライラックの場合はイボタノキを使用するのが一般的です。
(1)別の植物の枝を株元から5cmほどのところで切ります。
(2)別の植物の切り口に縦に切れ込みを入れます。
(3)切れ込みにライラックの枝を挿します。
※ライラックの枝は両側をそぎ落として平行にしておくとつながりやすいでしょう。
(4)つなげた後はテープでまいて固め、つなぎ目に達するまで土をかぶせます。
株分け
鉢に入っている植物の株をふたつに分け、別々の鉢に入れることで分裂させる方法です。早めに株分けを考えている人は、ライラックを地植えする前に株分けをおこなっておくのがよいかもしれません。
とり木
繁殖させたい枝の皮をむき、そこから根を生やす方法です。
(1)繁殖させる枝の付け根近くから、小指ほどの長さを目安にして枝の皮をむきます。
(2)そこへ水苔をまいてポリ袋で包みます。
(3)ポリ袋が外れないように、上下をひもやテープで固定します。
(4)定期的に水分を与えながら、根っこが生えるのを見守りましょう。
(5)根が生えたら枝を切り取って土に挿します。
まとめ
ライラックを栽培するとき、株が若いうちは日光が必要です。しかし、強い日差しや西日には弱いので、日当たりがよく西日の当たりにくい場所で育ててあげましょう。
さらに、ライラックにはうどんこ病という病気やカイガラムシなどの害虫被害にあうおそれもあります。適度に剪定をおこなって病害虫の対策も忘れずにおこないましょう。
ただし、ライラックは剪定し過ぎると弱ってしまう繊細な植物です。そのため、剪定は最小限にとどめておこなうことが大切になります。
ライラックの剪定が難しいと感じた人は、業者に依頼してみるのもひとつの方法です。業者に依頼することで、ライラックを長く楽しむことができるかもしれません。
また、ライラックはさまざまな方法で繁殖させることができる植物です。美しいライラックの花でお庭をデザインしたいという方は、ご紹介した方法のなかから気に入った方法でライラックを増やしてみてはいかがでしょうか。
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