マテバシイは、主に九州地方など暖かい気候の土地で自生する、硬くて丈夫な常緑樹です。また、大気汚染や潮風にも強いことから、街路樹や防風林をはじめ、生垣などにも用いられることが多い植物でもあります。
そんなマテバシイの特徴のひとつが、秋に実る細長いドングリではないでしょうか。ほかの木のドングリに比べて苦みも少なく、食用として食べることもできます。せっかくなら、たくさんドングリを実らせてみたいですよね。
では、たくさんのドングリを実らせるにはどうしたらよいのでしょうか。そのためには適切な手入れが必要ですし、その方法も間違ってしまえば、木を枯らしてしまうおそれがあります。ここではマテバシイの剪定方法や剪定に適した時期、株の増やしかたなどをご紹介します。
目次
マテバシイの剪定のコツはやりすぎないこと
剪定には、強剪定という太い枝を切りつめる方法もありますが、マテバシイの剪定は不要な枝葉を間引いて透かしていく、弱剪定がコツとなります。
剪定は透かすくらいで十分
マテバシイは、発芽力が強く、盛んに枝分かれをして枝の先端に葉が茂っていきます。自然の状態でも樹形はある程度は整っていくので、育てやすい植物です。
葉が混みあい日光を取り込めないと吸収できる栄養は少なくなり、生育が悪くなることもでてくるでしょう。葉の密度が高いと湿度が上がり、病気や害虫が発生してしまう原因にもなります。
しかし、思うままに枝を切り落として良いわけではありません。とくに老木を剪定する場合は、剪定を強くしすぎると枯れてしまうおそれがあります。
剪定の時期と回数
土地の気候にもよりますが、剪定の時期は7月前後と11月前後の、年2回が適しています。
春に新芽がでて、成長が落ち着いた初夏に1回目の剪定をおこないます。寒さに強くない木なので、冬など気温が低すぎるときに剪定してしまうと、弱らせてしまうことがあるので注意が必要です。
また真夏は生育が盛んなので、この時期に剪定してしまうと、すぐに成長して樹形も乱れてしまいます。そのため、2回目の剪定は秋ごろがおすすめです。
具体的な剪定のやり方をチェック
マテバシイの剪定をするまえに、剪定したあとのイメージをしておきましょう。樹冠(じゅかん)とよばれる枝葉の茂った外形が、楕円形になるよう保ちながら全体を整えて、イメージに近づけていくのがポイントです。
マテバシイは、ひとつの枝から5本ほど新芽が枝分かれをして、葉を広げて成長していきます。剪定するときは、1年の間に枝分かれした箇所を2~3本減らして間引くように切っていきましょう。前年の枝についた葉も取り除いていけば、混みあった内部もスッキリして風通りもよくなり、病害虫の発生も予防することができるでしょう。
マテバシイは葉が先端に多いので、切り返しをしすぎると極端に葉が減って、見映えが悪くなってしまうこともあります。また枝の先端を剪定していくときに、花芽のついた枝まで切ってしまうと花がつかなくなってしまうどころか、ドングリも実らなくなってしまいます。そのため、枝の先端を切りすぎないように注意しましょう。
マテバシイは花が咲いて、ドングリが成熟するまで2年かかります。5月ごろに花を咲かせたあと、ドングリが実るのは翌年の秋となります。ドングリをたくさん実らせたいときは、花芽のついた枝は大切に残しておくことが大切です。
剪定のほかにも気をつけたいこと
苗木や若い木のころは栄養をたくさん必要とするので、2月ごろにたい肥などの肥料、9月ごろに化成肥料を施します。庭植えなどで大きく根付けば、肥料もほとんど必要なく水やりだけでも育っていきます。
マテバシイを剪定するときは、病気や害虫も気にかけておきましょう。成長の早いマテバシイは、葉が混みあい、害虫が発生しやすくなります。また葉や枝が一度病気におかされてしまうと、健康な葉や枝にも次々と伝染していきます。それを防ぐためにも、定期的に枝葉を間引いておくことが大切なのです。
うどんこ病
葉や茎にうどん粉をまぶしたような、白いカビが付着します。これによって、栄養を吸い取られた葉は、光合成ができなくなり変色して枯れていきます。うどんこ病は湿度が低くても発生し、さらには伝染もしていくので注意が必要です。
病気の枝葉を見つけたら、切除することがおすすめです。切ったあとも放置しておくと風で胞子が飛び二次伝染してしまうので、必ず廃棄するようにしましょう。
カイガラムシ
1年を通して、発生しやすいカメムシの仲間です。体が貝殻のような殻で覆われていて、葉や茎などから栄養を吸い取って木を弱らせてしまいます。葉の色が変色していたり、白い斑点を見つけたら注意してください。また害虫はアリと共生していることもあるため、それも害虫を見つけるヒントとなるでしょう。
病害虫を見つけたら、それぞれ適した殺虫剤や薬剤が発売されていますので、症状にあわせていち早く防除することが重要です。
マテバシイを増やしてみよう
マテバシイはドングリを使って株を増やすことができます。植え付けるタイミングなども大切なので、ぜひ参考にしてみてください。
発芽のやり方
秋ごろに、成熟して落ちるドングリを集めておきます。マテバシイを秋に剪定するときに、あわせておこなうとよいでしょう。すぐにまかないときには、実を湿らせた状態で、冷蔵庫などに保管しておくこともできます。しかし、ドングリは実の内部まで乾燥してしまうと、発芽しにくくなってしまうので、早いうちに植えつけることがおすすめです。
また、実が虫に食われていないかを確認することも大切です。水をためた容器にドングリを浸して、沈んでいるものだけを使います。虫に食われていれば、中身が空洞になるので浮いてきます。虫に食われてしまった実は、埋めても発芽しませんので廃棄しましょう。また実に穴が開いていたり、ヒビがはいったりしたものも避けたほうがよいかもしれません。
土をいれた小さめの鉢に、2~3センチの深さで穴を掘り、ドングリをいくつか横向きにして植えます。乾かないよう腐葉土や枯葉で覆うのもよいでしょう。水は数日に1回、表面の土が乾かない程度に与えていきます。順調に育てば、秋に植えたものなら翌年の春には発芽してきます。
植えつけのやり方
植えつけに適している時期は6月ごろか9月ごろで、日当たりと風通しの良い環境が適しています。マテバシイは寒さに弱いため、気温の低い初春や晩秋はおすすめできません。環境は栄養豊富で湿度の高い土が適しているので、植えこむときには、たい肥や腐葉土などを混ぜ込んでおくとよいでしょう。
しっかり根付くまでは水やりも大切です。とくに夏場は朝と夕方の1日2回ほど、冬場は表面の土が乾かないように湿度を保ってあげたほうがよいでしょう。
まとめ
マテバシイの剪定は、枝をこまめに間引きする方法が基本となってきます。間引くときには、花芽のついた枝を切らないようにして、病害虫を気にかけながら、ドングリができる環境を整えてあげることが大切です。
マテバシイは大きくなると、2~3階建ての住宅ほどにまで高く成長することもあります。そのため、剪定には脚立などが必要となり、高所での作業は危険をともないます。
そういったときには、業者に依頼したほうが手間と時間も省けるので便利でしょう。剪定だけでなく、病害虫の対策など木の健康状態もみてもらえるので安心です。たくさんドングリを実らせるため、近道になるかもしれません。
剪定を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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