除草剤は雨の影響を受けるのか?雨の前後の除草剤の使用について

2021.9.14

除草剤は雨の影響を受けるのか?雨の前後の除草剤の使用について

除草剤は雨の日だと流れてしまうかも……。
せっかく薬剤を撒いても、雨で流されては除草効果があるのか不安ですよね。

庭のある家にお住まいの人のほとんどが、雑草について頭を悩ませるのではないでしょうか。
雑草が比較的たくさん生える夏に草抜きなんて、想像するだけでも大変です。庭以外にも、屋外に土があればどこにでも雑草は生えてきます。

最近では除草剤を利用して庭などのお手入れをされる人も多いと思いますが、もしかしたら正しく除草剤を使えていないかもしれません。
例えば、本当に除草剤は雨の影響を受けるのか知らない人が多いのではないでしょうか。

今回の記事では、除草剤と雨の関係性を中心にご紹介します。一度除草剤を使ったことがある人も、これから使おうと思っている人も、確認してみてはいかがでしょうか。

雨が降りそうでも除草剤は使っていいの?

除草剤は雨で流されてしまうと効果がなくなると心配されると思います。しかし、除草剤の種類によっては使用できるタイミングに気を付ければ効果が期待できますので、どのタイプのものが適しているのか把握しておきましょう。

雨の日に強い除草剤の特徴は

  • 水に流されにくいこと
  • 地面に浸透すること

この2点です。

下記で除草剤の種類と特徴について詳細を解説していくので、天候と相談しながら効率よく除草剤を撒いていきましょう。

除草剤にはどんな種類がある?


除草剤の種類は多種多様です。
使いやすさはもちろんですが、やはり一番大切なのは「効果」ですよね。
雨に強いをテーマに、何を選べばよいのか?をご紹介していきます。

液体タイプ【茎葉処理型】

除草剤といっても、使用する場所や対象の雑草の種類や生育状況など、いろいろな条件に合わせてたくさんの種類があります。大きく分けると3種類に分類されます。
順番に解説していくので、ご自身が使用するとき、特徴を理解するためにもご参考ください。

茎葉処理型
効果 生えている草をすぐ枯らす
メリット 枯らしたくない他の植物の葉に薬剤がかからないよう注意することで、雑草だけの除草を行うことも可能
デメリット 薬剤がかかった茎や葉の表面から薬剤を吸収するため、種には効果がない
持続期間 1~2ヶ月ほど。それ以降は新しく芽が出る
その他 グリホサート塩という成分を主成分とした除草剤が主流
雨の日の使用
  • 雨に流されやすい
  • 雨の降る前に葉や茎にしっかり浸透させれば除草効果に問題なし
  • 雨のときに散布しても浸透しにくいので、雨の日はおすすめしない

茎葉処理剤の中でも、「選択性処理剤」という除草剤は、特定の作物には影響を与えません。雑草の身に除草作用があるものと、散布された場所の植物は全て枯らす「非選択性処理剤」の2種類に分けられます。

液体タイプには原液を雑草にかけるものと、原液を希釈してから使うものがあります。希釈してから使うタイプの方がコスパは高いですが、雑草によって濃度を変える必要があるためご自身の使いやすい方を選びましょう。

粒剤タイプ【土壌処理型】

土壌処理型
効果 雑草がまだ生えていない土の表面に撒き、発芽した種子が育たないように作用することで雑草が生えてくるのを防ぐ
メリット 広範囲に撒きやすいので除草する範囲が広い場合はこちらを選ぶとよい
デメリット ある程度成長してしまうと効きにくい
持続期間 除草効果の期間が最大6ヵ月と長い
雨の日の使用
  • 液体よりは雨に流されにくい
  • しかし大雨だと流されることも
  • 雨に濡れたほうが薬剤が溶けて、除草効果が出やすいメリットもある
  • 反対に、薬剤が流されてしまうと除草したくない場所(花壇など)で除草効果が出てしまう危険性もある

ハイブリッドタイプ【茎葉処理型+土壌処理型】

茎葉処理型+土壌処理型
特徴 茎葉処理(液体)と土壌処理型(粉剤)の両方の効果
メリット 現在生えている雑草にも効き、同時に地面に成分が残るので予防にも有効
持続期間 3~6ヵ月
その他 除草剤を撒く土地がご自宅から遠い場合や、たまにしか手入れをできない方におすすめ
雨の日の使用
  • 雨には弱いのでおすすめしない
  • 晴れた日の除草効果は高いが、残念ながら水には弱い特徴がある
  • 使用するなら雨上がりのほうがよい

結局、雨の日は液体タイプ?粒剤タイプ?

難しいところです。上記の表でまとめたように、使い方しだいといえます。
たとえば、パラパラの小雨程度で、すぐに雨が上がるようなら粒剤を使用してもよいでしょう。

これから雨が降りそう、というときは散布で薬剤を浸透させる液体タイプでも除草はできます。

しかし、どちらにしても大雨のときは効果の期待しないほうがよさそうです。
むしろ、大雨の場合は薬剤がどこへ流れてしまうかわからないので、やめておいたほうが無難です。

では雨が続く梅雨は除草できないの?と、困った問題も出てきますよね。
ご安心ください。
以下では、雨にも強い除草剤をご紹介します。浸透率が高い、流されにくい商品です。

雨の日におすすめの除草剤

雨の降りそうな日に除草剤を散布するには、速浸透タイプの除草剤を使用するとよいでしょう。ここでは雨の日におすすめの除草剤をご紹介します。

ラウンドアップマックスロード

「ラウンドマックスロード」は茎葉から吸収されて、根に移行して根から枯らしていく除草剤です。浸透する時間が早く、散布後1時間たてば雨が降っても除草効果を発揮します。

雑草にかからず土に落ちた成分は、短時間で土の粒子に吸着しその後微生物のエサとなって自然物に分解されるため、土にも高い安全性があります。

フマキラー カダン 除草王 ザッソージエース

薬剤は2時間で雑草に吸収されるため、散布後2時間以降に雨が降っても効き目は変わりません。薬剤は葉茎からのみ吸収され根からは吸収されないので、庭木の周辺に生えた雑草にも使用可能です。

薬剤は土の中ですぐに分解されるため土壌にやさしく、処理後に植物を植えることもできます。

レインボー薬品 除草剤 ネコソギトップW粒剤

1~2週間で枯れ始め、1~2か月後にはほとんど枯らします。効果の持続性が長く最長9カ月もつのがうれしい特徴です。
農林水産省登録の、安全性の高い薬剤なのでペットのいるご家庭の方は、安心して使えます。
箱のまま薬剤を散布でき利便性もよさそうです。

なお、お庭の雑草対策は除草剤以外にもさまざまな方法があります。とくに「家庭菜園の近くで除草剤を使いたくない」というかたは、別の方法も検討してみましょう。生活110番コラム「庭の手入れで雑草を撃退!目的にわけて10コの除草方法を詳しく解説」ではさまざまな雑草対策のメリット・デメリットをご紹介しています。こちらもぜひ、一度ご覧ください。

雨が降った後に除草剤を撒いても効果はある?


では除草剤を雨が降った後の濡れた地面に使用するのは大丈夫なのでしょうか。
実は、地面が濡れている場合には、除草効果は何の問題もないと言われています。
液体タイプの除草剤は葉や茎などから吸収されるので、地面の状況は関係ありません。粒状タイプに関しては、地面が湿っている方が土壌に浸透しやすく、根からの浸透が早いと言われています。

このようなことから、雨が降る前より上がった後に除草剤を撒くこと方が効果的かもしれません。

このように、除草剤と雨の関係は「除草剤の種類」によっても変わります。生活110番コラム「除草剤をまく時期はいつがいい?使用する際に注意すべきことは?」では除草剤の詳しい分類や撒きかたなどを詳しく解説していますので、こちらもぜひお読みください。

除草剤の撒き方

除草剤の撒き方はタイプ別で異なります。ここからはそれぞれの除草剤の正しい撒き方をご紹介していきますので、参考にしてみてください。

まずは除草剤散布に必要な道具を揃えましょう。除草剤を撒くには除草剤だけでは不十分です。除草剤の種類によっては人体に影響のある製品もありますので、散布する際は体を防護するものが必要になります。

除草剤を撒く際に用意しておく道具は以下の通りです。

準備するもの
除草剤 状況に適したタイプの除草剤を用意
噴射機または散粒機 除草剤をムラなく撒くためタイプ別に用意
帽子 熱中症対策や保護のため
保護メガネ(ゴーグル) 目に除草剤が入らないようにするため
農薬用マスク 除草剤の吸い込みを防ぐ。必ず「農薬用マスク」使用
ゴム手袋 除草剤が手につかないよう、軍手ではなくゴム手袋使用
防護服(長袖・長ズボン) 防護服は古着など使い捨てのものがおすすめ
長靴 液体除草剤が靴にしみ込むのを防ぐ
タオル 汗を拭く用と除草剤がついた場合に拭く用の2枚用意

雑草は生命力のしぶとい根強い植物です。そんな植物を即効で枯らすということは、かなり強めの危険な成分であることがわかります。

肌、口、目をしっかり守れるように万全な準備をしましょう。

液体タイプの除草剤の場合

液体タイプの除草剤

液体タイプの除草剤は、茎や葉にまんべんなく撒くようにしましょう。噴射機を使えば作業を効率よくおこなうことができ、ムラなく均一に撒くことができます。

噴射機が用意できない場合はジョウロでも散布可能ですが、普段水やりなどに使用しているものとは別に専用ジョウロを用意する必要があります。使いまわすと、ほかの植物を枯らしてしまう恐れがあるためです。

散布が終わったら、除草剤が完全に乾くまで放置しましょう。薬剤が乾く前に触れてしまうと薬剤が落ちてしまう可能性があるため、通り道の確保もしながら散布するように気を付けましょう。

粒剤タイプの除草剤の場合

粉剤タイプの除草剤

粒剤は均一に撒くのが大切です。散布する場所の広さと除草剤の量のバランスを見ながら撒いていきましょう。はじめは大雑把に撒いていき、2周目は均一になるよう丁寧に撒いていくのがおすすめです。

手で撒くよりも、散粒機を使用するとムラなく除草剤を撒くことができます。電動式、手動式、ハンディタイプなど種類もさまざまですので、状況に適したものを用意するとよいでしょう。

ハイブリッドタイプの除草剤の場合

ハイブリッドタイプの除草剤

ハイブリッドタイプの除草剤は液体タイプと同様、茎や葉にまんべんなく撒くようにしましょう。ハイブリッドタイプの除草剤はシャワータイプのヘッドが付属していることが多く、ジョウロなどを用意しなくても散布することができます。
しかし、ムラなく散布するためには噴射機を使用した方が効率的です。

除草剤を撒くタイミングは雨の後がベスト!

上記でも少しお話しましたが、除草剤は雨が降ったあとに撒くのがおすすめです。
夜に降ったなら次の日の朝、お昼降ったのならその日の夕方が狙い目です。

葉が濡れていると、液体タイプは水滴と一緒に流されます。液体タイプを使うなら、葉や茎が乾いたころが目安です。

除草剤を安全に使用するために知っておくべきこと

除草剤は容量、用法を守らなければとても危険な薬剤になるため、使用には注意が必要です。

【皮膚につかないようにする】
使用の際はマスクや眼鏡、手袋などを着用して皮膚の露出部をできるだけ少なくしましょう。除草剤は雑草を枯らすため強い成分が含まれていますので、皮膚に付いたり吸い込んでしまったりすると危険です。

もしも皮膚に除草剤が付いてしまった場合はすぐに洗い流し、異常があれば病院で診てもらいましょう。除草剤のなかには安全性が高い製品もありますので、心配な方は安全性が高いものを選ぶようにしましょう。

【強風の日は避ける】
風が強い日に使用すると、思わぬところに飛散してしまう可能性があるので、そのような日は避けたほうがよいでしょう。

【幼児やペットを近づけない】
除草剤は小さな子供やペットには有害です。除草剤散布中に幼児やペットが近づかないように注意しましょう。また誤って舐めてしまうなどの危険もありますので、届かない場所に置くなど保管場所にも注意しましょう。

【河川、下水に流さない】
余った除草剤は、絶対に河川や下水等に流さないようにしましょう。生態系に悪影響を与えてしまいます。同様に、河川が近くにある場合は雨の日の除草剤散布は避けましょう。雨で除草剤が川へ流出してしまうおそれがあるためです。

【傾斜地では使用しない】
除草剤を傾斜地で使用すると、傾斜に沿って流れ落ちてしまうことがあります。除草剤の効果が得られないだけでなく、流れ落ちた先の土地に迷惑をかけてしまう恐れがあり思わぬトラブルに発展することも考えられます。

また、雑草を枯らしたことで土壌が弱くなり土壌崩壊につながるおそれもあります。傾斜地では除草剤を使用しない方がよいでしょう。

【除草剤散布後は手洗いうがいを忘れずに】
除草剤散布後は、手洗いうがいだけでなく、できれば足や顔も洗うとよいでしょう。シャワーを浴びるのが一番かもしれません。
除草剤を使用したあとの片づけ、器具のメンテナンスも忘れないようにおこないましょう。
余った薬剤は、取り扱い説明書などに記載してある通りに保管してください。

このように注意する点がたくさんあり、植物だけでなく生き物にも害があるものです。雨の日に除草剤を使えるか見極める前に、きちんと確認をすることが大切です。

除草剤を安全に使用するために知っておくべきこと

まとめ

注意するべき点などはたくさんありますが、きちんとした使い方ができれば、除草剤は雨が降りそうな日でも効果を発揮してくれます。
また、除草したい場所や雑草の生育状況などによって除草剤の種類も選ぶ必要があります。そのため、除草剤の種類も間違ってしまうと効果がでないこともあります。もし、いくら除草剤を使っても効果でないのであれば、一度業者に相談してみるのもおすすめです。相談することで、最適な除草剤を使用することができるかもしれません。

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雑草対策には除草剤を使う方法のほか、瓦チップや砂利などを敷き、表面を覆い生えにくくするという方法もあります。近くで野菜などを育てても安心で、防草シートなどを組み合わせるとより安心です。

以下の2記事では瓦チップの効果や敷く砂利の選びかたなど、砂利敷きの方法について解説しています。


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