除草剤の散布時期・タイミングは?効果的な使い方を徹底解説!

2022.11.9

除草剤の散布時期・タイミングは?効果的な使い方を徹底解説!

お庭作りの大敵といえば雑草。きれいなお庭を維持することは雑草との闘いといっても過言ではありません。とくに夏場は刈っても抜いてもどんどん生えてくる雑草に、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

厄介な雑草対策において心強い味方となってくれるのが、化学の力で雑草を枯らす「除草剤」の存在です。除草剤は地道に草刈りするよりも効率的に雑草を処理する、強力な助っ人になります。しかしまき方や時期を工夫しないと、思うような効果が発揮できないかもしれません。

本コラムでは、しっかり効かせるためにおぼえておきたい除草剤をまくタイミングや除草剤の選び方について、簡単に解説していきます。

除草剤の種類とその効果の違いは?

除草剤、と一口にいってもお店で買える除草剤にはさまざまな種類があり、どれを使ったらいいか迷ってしまいがちですよね。まずは除草剤にはどんな種類があり、どのようなお庭の状況で使うのがベストなのかを説明します。

除草剤には「草を枯らすタイミング」によって、大きく分けて2つの分類があります。それぞれの除草剤の特徴についてまとめてみました。

・土壌改善型(どじょうかいぜんがた)


土壌改善型の除草剤は、草の生えている土壌(土)自体に使う除草剤です。


多くの場合、薬剤は粒状になっていて、土や雨の水分で溶けて土に浸透していきます。浸透したあとは土の中に長く薬剤の効果がとどまり、新しい根が成長したり、種が芽を出したりするのを防ぎます。


土壌改善型の除草は「草を枯らす」というよりも、土を「草が生えづらい土」へ改良するといったイメージを持っておきましょう。そのため除草剤をまいてすぐに効果を発揮するというわけではなく、長期的に草を減らしていくこととなります。

・茎葉処理型(けいようしょりがた)


茎葉処理型の除草剤は茎葉、つまり草の茎や葉といった「地上に出て成長している部分」を枯らします。


このタイプの除草剤はほとんどが液体状になっていて、生えている雑草に直接かけることで葉や茎の表面から薬剤が浸透し、効果を発揮します。また雑草へ直接作用するため、土壌改善型と比べると目に見えて効果がでやすいのが特徴です。


茎葉処理型の除草剤は草を枯らし終えると土の中の微生物や日光などで分解され、効力を失うようにできています。そのため長期的に雑草の成長を止めることには向いていません。

しかし枯らしたい草にはピンポイントで薬剤を使えると同時に、その後別の植物を植えることができます。そのため花壇などの除草に適しているのです。

除草剤は目的に応じて使い分けよう

除草剤には土に作用するものと、草自体に作用するものの2種類があります。それぞれ効果を発揮するタイミングや枯らし方が異なるため、除草をおこなう場所と目的に合わせて除草剤を選ぶようにしましょう。

・庭や駐車場は土壌改善型がおすすめ


たとえば、駐車場や庭の通路など、雑草が生えると困る場所には、土壌改善型の除草剤がおすすめです。草が生える前に対処したいので、除草剤をまく時期は草が本格的に生え始める夏前と、草の生育が落ち着く秋ごろが適しています。

・植物を育てる場所では茎葉処理型を使おう


しかし土壌改善型の除草剤は雑草に限らずほとんどの植物の生育を抑える効果があるため、花壇や畑などほかの植物を植えたい場所には使いづらいかもしれません。そういった場所には、枯らしたい草のみに作用させられる茎葉処理型の除草剤がおすすめです。

加えてすでに雑草が生い茂ってしまっている場合など、今すぐ雑草を取り除きたいときにも即効性のある茎葉処理剤が向いています。

短期的に草を枯らしたいか、長期的に草の生育を止めたいか、目的によって除草剤を使い分けてくださいね。

除草剤の種類について

除草剤の細かい分類について

ホームセンターなどで売られている除草剤を見てみると、上でご紹介したような土壌改善型や茎葉処理型といった分類にはなっていないかもしれません。また上で挙げた2種類のほかにも、いくつか細かい分類分けがされていることがあります。

そこで市販の除草剤によくみられる分類と、それぞれの意味を表にまとめました。除草剤選びの際に参考にしてみてください。

種類 効果
接触型 除草剤のかかった場所だけを枯らします
移行型 根や茎、葉から吸収された除草剤が全体に回って作用します
即効型 散布してから短時間で効果がでます。茎葉処理型が代表的
遅効型 散布後時間をかけてゆっくり作用します。土壌改善型が代表的
選択型 特定の種類の雑草のみに作用し、ほかの植物を傷つけません
非選択型 ほぼすべての種類の植物に効果があります
乳剤 水に溶けない有効成分を液体化したものです
フロアブル剤 粒状など固形の除草剤を水に溶いて液体化したものです

市販の除草剤を細かく分類分けすると、さまざまな種類があることがわかります。それぞれ得意な場所や雑草の種類が違うため、除草をおこないたい場所に合わせて使う除草剤を選んでみましょう。

除草剤の細かい分類について

除草剤はどうやって草を枯らすの?

雑草の処理に除草剤を使うとなると安全性が気になる、という方もいるのではないでしょうか。生命力豊かな雑草を枯らすほどの薬ということは、人間の身体に影響があったり建物を傷めたりしないかと不安になってしまうかもしれません。

実際のところ、除草剤はどのような原理で雑草を枯らすのでしょうか。除草剤の草の枯らし方はいくつかの種類があるため、下記にそれぞれの除草剤が作用するメカニズムを簡単に解説します。

植物の光合成を妨害するタイプ

植物は葉に日光を当てることで水と二酸化炭素から栄養を作り出す「光合成」をおこないます。そのため植物の生育にとって、光合成は生きるためにも不可欠な行為です。

除草剤のなかにはこの光合成を妨害して栄養源を断ち、植物をゆるやかに枯らすものがあります。

植物ホルモンをかく乱するタイプ

生き物の身体の機能を調節する物質である「ホルモン」は、動物と同様植物にも存在し、作用しています。これを利用し、植物のホルモンのなかで生長を調節する効果を持ったものを除草剤によってかく乱させるのです。すると植物はうまく生長できなくなり、しだいに枯れていきます。

活性酸素を発生させるタイプ

「活性酸素」は生き物の細胞を破壊する効果を持っており、老化やシミの原因になる物質としても広く知られています。人間にとって厄介な活性酸素ですが、それは植物にとっても同じことなのです。活性酸素を植物内に増やす除草剤を使うことで、急速に植物を老化させて枯らす効果があります。

栄養の代謝を邪魔するタイプ

植物の身体をつくるたんぱく質やアミノ酸、脂肪酸といった栄養素を生み出すはたらきを邪魔するタイプの除草剤があります。光合成妨害タイプと同じように、必要な栄養を作り出せなくなった雑草はゆっくりと枯れていくこととなります。

細胞分裂を阻止するタイプ

植物が茎や葉を伸ばし、新しい芽を出すといった生長にかかわるすべてには「細胞分裂」が伴います。そこでこのタイプの除草剤を生長時期に合わせて散布しておくと、細胞分裂を阻止し、植物がそれ以上生長することができないようにする効果があるのです。

上でご紹介したように、除草剤が草を枯らすメカニズムは種類によってさまざまですが、いずれも除草剤の効果は人間に対しては害とならない安全なものだとされています。ただし、強力な薬剤であることには変わりはなく、目や肌に触れれば刺激で炎症を起こしたり、誤飲などによって大量に体内に入れば悪影響が出るおそれがあります。

除草剤を扱う際は手袋とゴーグル、マスクなどの着用は忘れないようにしましょう。

除草剤はどうやって草を枯らすの?

よく効かせるにはコツがいる?除草剤のまき方

除草剤は重労働となる草刈りに比べると、薬剤をまくだけと非常に簡単に雑草が取り除けますので非常に便利な道具です。とはいえ、思うような効果を発揮するには除草剤の正しいまき方を知っておく必要があります。

ここでは除草剤をまくタイミングとまき方の手順について、一度確認しておきましょう。

①除草剤をまくタイミングは?

前項でも軽く触れましたが、除草剤は効果の発揮の仕方によって散布するタイミングが異なります。

・土壌改善型(粒状タイプ、遅効性):2~3月と9~10月
土壌改善型は効果が表れるまでに時間がかかるため、草が生い茂る前の夏前・草が落ち着いたあとの秋ごろにまきましょう。年2回除草剤をまいておくことで、年間を通じて草を生えにくい環境をつくれます。

・茎葉処理型(液状タイプ、即効性):4~10月(草が生い茂ったタイミングで)
茎葉処理型はすぐに効果が表れるので、草が生い茂ってから散布するのがベストです。葉や茎から吸収されて作用するため、十分に葉や茎が育っていない段階で散布しても思うように効果を発揮してくれません。

また、除草剤をまく時間帯についても注意が必要です。液状タイプの除草剤は強い日差しで蒸発してしまう可能性があるため、朝や夕方などの涼しい時間帯を選びましょう。

よく効かせるにはコツがいる?除草剤のまき方

②下準備

除草剤をまくときには、散布に適した服装に着替えましょう。長袖長ズボンは、除草剤が肌に付着するのを避けるほかに、草むらで作業する際に虫刺されの予防にもなり、着用必須です。手袋ももちろん着けておく必要があります。

液体タイプの除草剤を散布する場合は除草剤の飛沫を吸い込んでしまうおそれがあるため、口や鼻を保護するマスク・目の粘膜を保護するメガネやゴーグルがあるとより安心です。

よく効かせるにはコツがいる?除草剤のまき方

③定量を計り取る

除草剤は除草したい場所全体に、均一な量を散布しなければうまく効果が出ないことがあります。散布の途中で除草剤が足りなくなり中途半端に散布が終わってしまったなんてことにならないよう、1平方メートルあたりにどれくらいの量をまくかあらかじめ決めておきましょう。

なお「希釈(きしゃく)タイプ」と書かれている除草剤は、散布の前に水で薄めておく必要があります。規定の量の薬剤を規定の量の水で薄め、散布してください。

よく効かせるにはコツがいる?除草剤のまき方

④除草剤をムラなくまいていく

除草剤をまくうえで重要なのは、まきムラが出ないようにすることです。一部でも除草剤がまかれていない場所ができてしまうとまばらに雑草が生えて見た目にもよくないですし、そこから雑草がどんどん増えてしまうことにもなりかねません。除草剤を散布したい範囲に、一筆書きでS字をえがくようにゆっくりとまいていきましょう。

茎葉処理型の場合、散布後に雑草の上を歩くとせっかく葉に付着した薬剤が落ちてしまいます。散布後から数時間程度は立ち入らないように気を付けてください。

よく効かせるにはコツがいる?除草剤のまき方

雨上がりは避けるべき?除草剤と雨の関係

除草剤をまくタイミングと「雨」は密接な関係にあります。除草剤の種類によっては、雨あがりにまいたほうがよいものとまくべきではないものに分かれているためです。

粒状タイプと雨の日は相性がいい
粒状タイプの除草剤は地面の水分によってゆっくりと溶け、土にしみ込んでいくことで効果を発揮します。そのため雨上がりで地面が十分に湿っている状態のほうが、より早く効果が出るといえるでしょう。粒状除草剤のなかには「雨上がりにまくよう指示されているもの」もあるほどです。

でも、液状タイプと雨の日は相性最悪
逆に液状タイプの除草剤の場合、雨上がりは散布に適していません。雨が降った直後は雑草の茎や葉に水滴がついているため、除草剤をまいても水滴と一緒に流れ落ちてしまうためです。また茎や葉が水分を多く含んでいると除草剤の浸透がよくないので、ある程度草全体が乾燥しているときに除草剤をまくのがベストだとされています。

同様の理由で、朝露や夜露で除草剤が流れ落ちやすい夜間や明け方の散布も避けておいたほうがよいでしょう。

いずれのタイプの除草剤の場合も、雨が降っている最中には散布すべきではありません。液状タイプが流れ落ちるのはもちろんのこと、粒状タイプも地面に浸透する前に流れていってしまう可能性があるためです。

強風の日にも注意!

強い風の吹いている日に除草剤をまくことはオススメできません。とくに液状タイプの除草剤の場合、風に飛ばされて薬剤が思わぬ場所にかかってしまう可能性があります。

枯らしたくない植物まで枯らしてしまうかもしれないので、除草剤をまくタイミングは風のおだやかな日を選びましょう。

雨上がりは避けるべき?除草剤と雨の関係

除草剤をまくときの注意事項

除草剤をまく時期やタイミングのほかにも、注意しておきたいことがあります。除草剤をまく本人が気を付けていても、お子様やペットなどが除草剤に触ってしまう危険性があるという点です。

ペット、とくにイヌは雑食性なので、雑草でも食べることがあります。除草剤の付着した草を食べてしまったり、草の上を歩いて足に付着した除草剤を舐めてしまったりすると、思わぬ影響が出てしまうかもしれません。また小さな子どもは何であっても口に入れてしまいます。

体内に取り込んだ除草剤は、大人にとっては害とならない量であっても、犬や小さなお子様の場合は身体が小さいため中毒症状を起こすことがあります。除草剤を摂取してしまうことで起こる中毒を「除草剤中毒」といい、症状が重い場合命にかかわることになるかもしれません。

小さなお子様やペットのいるご家庭では厳重な注意のうえで除草剤を散布するようにし、散布した場所に立ち入りできないようにするなど工夫をしましょう。

除草剤をまくときの注意事項

強力な除草剤が必要な植物とは?

竹やササ・スギナなどは非常に生命力が強く、通常の除草剤では駆除ができない場合があります。そうしたしぶとい植物を枯らすためには、除草剤を早い時期にまくようにしたり、希釈するタイプの除草剤を濃い目に作ってまくなどの工夫が必要です。

竹を除草剤で枯らすには

除草剤での駆除が難しい植物として有名なのが竹です。凄まじい成長力と生命力を持つうえ、根が地中深くにあるため通常の除草剤では効果が届きにくいという性質があります。

竹を除草剤で枯らすには、除草剤をただまくだけではなく、ダイレクトに作用させられるよう「注入」をおこないましょう。竹の表面に穴を開け、内部の空洞に除草剤を注ぎ込んでおくのです。

こうすることで茎や葉に散布するよりも大量の除草剤を直に作用させられるため、生命力の強い竹にも効果を発揮できるとされています。ただしこの方法は竹を1本1本処理していかなければならないため、時間と手間が非常にかかります。できる限り竹やササが根付く前に、強力な除草剤を使って生長しにくい土壌をつくっておくのがベストかもしれません。

たとえば「カダン 除草剤 粒タイプ オールキラー」のような商品は、ササやスギナのしぶとい根にまで作用して枯らすことができます。

カダン 除草剤 粒タイプ オールキラー 3kg(約180坪《600㎡》分)

大変な除草作業を少しでも楽にするためにも、除草剤を活用して雑草の生えにくい環境をつくりましょう。










まとめ

雑草対策の心強い味方となる除草剤は、作用する場所や草の枯らし方によっていくつかの種類に分かれています。それぞれ除草剤をまくタイミングや適した場所などの違いがあるため、除草をおこないたい場所に応じて除草剤を選ぶことが必要です。

ゆっくり効く除草剤は草が生える前に、すぐに効く除草剤は草が生えたあとに、それぞれまかないと思うような効果は発揮できません。厄介な雑草を効率よく取り除くためにも、除草剤をまく時期やまき方をしっかりと把握して適した使い方を心がけましょう。

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