お庭や駐車場に砂利を敷くご家庭は多いですが、そんな砂利と似たものに「砕石」というものがあるのはご存じでしょうか。砂利が全体的に丸みを帯びているのに対し、砕石は尖っていて角張っているのが特徴となっています。
駐車場などに活用される機会の多い砕石ですが、その1種として「再生砕石」というものもあります。「再生」の名前が示す通りリサイクルによって作られた代物であり、非常に安価なのでさまざまな場面に活用されているのです。
今回は、そんな再生砕石について紹介していきましょう。用途や代表的な種類だけでなく、有害物質であるアスベストとの関係性についても解説していきます。
目次
公共事業にも使われる再生砕石
一般的な砕石は、採掘所で採れた天然の岩石を小さく砕いて加工したものです。一方で再生砕石は、建築物を解体する際に発生するコンクリートやアスファル、スレート材などの廃材を砕き、粒度を調整することで作られた砕石のことを指しています。
「建築リサイクル法」という法律により建築物廃材のリサイクルが促進されました。そのため、コンクリート塊などのリサイクルによる再生砕石の量は2008年度では3,720万トンに及んでいます。これにより、リサイクル率は98パーセントにまで達しているのです。
再生砕石の使い道
再生砕石はあくまでリサイクル品なので、プラスチックの破片などの異物が混入している場合もあります。ですので、お庭に敷くのにはあまり適しておらず、主に以下のような用途で使われることが多いです。
駐車場や道路の路盤材
駐車場や道路の下層路盤を作るための路盤材として、再生砕石が活用されることは少なくありません。白っぽい再生砕石は見栄えがあまりよくないので、下層路盤などの目に見えない部分に使うのに適しているといえるでしょう。
レンガ敷きや石畳の基礎
基礎がない状態でレンガや石畳をお庭に敷くと、数年でレンガや石畳が沈んで道に凹凸ができてしまう場合があります。事前に再生砕石を敷いて転圧をしておくことにより、その上に施工したレンガや石畳に凹凸が出るのを防ぐことができるのです。
空き地の雑草対策
再生砕石に使われるコンクリートはアルカリ性なので、空き地のような雑草が生えがちな土地に敷いておくと雑草対策になります。雑草は酸性の土壌に生える傾向があるため、アルカリ性の再生砕石で中和することで雑草を抑制できるのです。
一般的な再生砕石『RC-40』とは?
再生砕石にはいくつか種類があり、「RB-40」「スレートアスコン」などがあります。どれも道路の下層の路盤や公共工事・民間工事などに使われますが、中でも代表的な再生砕石が、「RC-40」でしょう。
再生砕石RC-40は「C-40」という採掘場で採れた硬質砂岩をクラッシャーで砕いた砕石に、コンクリートやレンガなどの建設廃材を混ぜたものです。名前の「40」は『粒度』を表し、この場合は「粒度0~40mmの砕石」を意味しています。
再生砕石は一般的な公共工事によく使われていますが、廃材を混ぜている関係上価格は普通の砕石より安くなります。例えば、今回紹介しているRC-40の場合だと、最安値で1トンあたり約300円で売られていることもあるのです。
また、最大の粒が40mmとなるほか、小粒やほぼ砂状のものも混じっているため、隙間なく締まりやすいという利点があります。そのため、駐車場や道路の路盤材などにも活用しやすく、再生砕石の中でもとくに人気の高い種類だといえるのです。
再生砕石にアスベストが含まれた事件も……
安価かつリサイクルによって環境にも配慮している再生砕石ですが、2010年にはある問題が発生していることはご存じでしょうか。現在では使うことが禁止されているアスベストが、再生砕石から発見されたのです。
昔は使われていたアスベストとは
アスベストとは天然の繊維状の鉱物で、石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれているものです。熱や摩擦に強いだけでなく、丈夫で変化しにくいという性質をしているのが特徴です。その利便性から、昔は耐火・断熱・防音などの目的で建材に利用されてきました。
ところが、1970年代に入るとアスベストが起こす健康被害が問題になるようになります。事実として、アスベストの非常に細かい繊維を体内に吸収してしまうと、肺がんや中皮腫などの死に直結する病気の原因になる危険性があるのです。
日本でも2006年にアスベストの製造や輸入が全面禁止されるようになり、アスベストが建設物に使われることはなくなりました。ですが、過去にアスベストを使った建造物は現在も数多く残っており、アスベスト被害はまだ根絶していないのが現状となっています。
なお、アスベストの危険性については「アスベスト(石綿)が原因かも?危険な因果関係と病気について」でも紹介しています。アスベストについてより詳しく知りたい場合は、参考にしてくださると幸いです。
ちなみに、現在はアスベストの代替品として「ロックウール」という人造の鉱物が活用されています。こちらはアスベストと似ていますがまったくの別物であり、日本やアメリカでは発がん性は確認されていないという見解が出ているそうです。
再生砕石にアスベストが!?
さて、そんな肺がんのリスクをもたらすアスベストが、再生砕石にも含まれていることが明らかとなりました。2010年に市民グループが東京都・埼玉県・神奈川県でおこなった調査によって、再生砕石からアスベストが検出されることがあったことを発表したのです。
再生砕石はコンクリートやアスファルト、スレート材などの廃材をリサイクルすることで作られています。それらの廃材にアスベストが使われていた場合、廃材を原料とする再生砕石にもアスベストが混入してしまうのです。
再生砕石に含まれるアスベストの発じん性は高い?
アスベストの欠片が飛散する度合いを「発じん性」と呼び、危険度に応じて3つのレベルに区分しています。アスベストを含んだ再生砕石は発じん性が比較的低い「レベル3」に区分される建材です。危険度はあまり高くないのですが、有害であることに変わりはありません。
なお、吹き付け材は危険度がもっとも高い「レベル1」で、保温材や断熱材はそれより少し危険度の下がる「レベル2」だと明記されています。レベルによって必要な作業や費用が変わり、レベル3の場合は手作業を中心とする作業をおこなうことが多いそうです。
国がおこなったアスベスト混入対策
2010年で起きた再生砕石のアスベスト混入のニュースは、新聞でも大きく取り上げられて問題となりました。この騒動を経て、政府はアスベスト対策を強化するようになります。もちろんそれ以前もアスベストに対しては法規制をかけていたのですが、より積極的な対策に取り組むこととなりました。
現在では再生砕石の管理が厳格に
再生砕石からアスベストが発見された問題を受けて、環境省・厚生労働省・国土交通省は、アスベスト関係の解体工事や廃棄物処理をおこなう業者に対して、建設リサイクル法をはじめとする法律の尊守や、アスベストに携わる労働者の安全確保の徹底について周知しました。
また、都道府県・労働基準監督署に「再生砕石に混入するアスベスト対策のパトロール及び立入検査」を実施するよう要請しています。これは、解体現場や破砕施設において不適正事例が見られた場合、適正処理を指示して改善させるというものです。
それ以外にも、アスベストが検出された再生砕石の使用場所に対して、環境省は大気環境のモニタリングを実施しています。こうした対策がおこなわれた結果、現在では再生砕石をとくに問題もなく使えるようになりました。
個人で使うなら普通の砕石がおすすめ?
現在では安全に使える再生砕石ですが、だからといって個人で気軽に使えるかというと、そうとも限りません。再生砕石は主に公共事業などで使うのに適しています。
最初の項目でも書きましたが、再生砕石には砕石以外にもプラスチックのパーツなどの異物が混入している場合があります。また、素材にコンクリートを使っている関係上、車などで踏み砕かれることで粉じんが発生してしまうおそれもあるのです。
そのため、もしお庭や駐車場に砕石を敷きたいと考えた場合は、「C-30」をはじめとする一般的な砕石を利用することをおすすめします。なお、砕石には色合いから粒の大きさまでさまざまな種類が存在しますので、業者と相談してご家庭に合った砕石を選ぶのがよいでしょう。
まとめ
再生砕石は一般には業務用であり、道路の路盤材や石畳の基礎などに使われる場合が多いです。住宅の駐車場やお庭に砕石を敷く場合は、ホームセンターなどに売られている天然の砕石を使うのが無難でしょう。
ただ、普通の砕石を施工するという場合も、「個人で施工するのは難しい」「砕石を施工する時間がない」という方も少なくはありません。そんなときには、砂利敷きのプロの手を借りてみるのをおすすめします。
砂利敷きのプロに施工を依頼すれば、個人で施工する手間をはぶいてくれるほか、プロの技術によって仕上がりもきれいにしてくれます。予算がある場合やDIYが苦手な場合は、砂利敷きのプロに依頼をしましょう。
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