木材の販売価格は、本数単位ではなく材積(ざいせき)と呼ばれる木の体積で決まります。木は自然のものなので、1本ごとに長さや形が違ったり、幹の中に空洞があったりするのです。しかし、とても大きな木材をはかりに乗せて体積を調べるわけにもいきません。
そのため、一般的に材積を求めるときには幹の直径と高さから算出する方法が使われています。今回のコラムでは、木を切り出して丸太にする前の立木の材積の調べ方について詳しく紹介していきます。立木の材積が求められれば、木を切る前におおよその販売価格の見当をつけることができるかもしれません。
目次
材積とは幹の体積である
冒頭でも紹介したように、材積とは木の体積のことです。体積を求めるためには、直径の2乗×高さを計算する必要があります。
丸太の場合は、すでに切り出して円柱形をしていますが、断面が正確に丸い形をしているわけではないので、測り方にルールがあります。丸太の断面は大きいほうを元口、小さいほうを末口といいます。直径を求めるときには、小さいほうの末口を計測してください。また、樹皮や幹のでっぱりがある部分は取り除くことになっています。
そのようにして、求めた直径の2乗に長さをかけて算出すると材積が計算できます。なお、単位は㎥で表します。
一方、立木の場合は地面に生えている状態のため、断面を計測することができません。そこで、幹の周囲の長さを巻き尺で測ったのち、円周率で割る方法が使われているのです。幹の長さは地面から1.2mと定められていて、これを胸高直径といいます。
また、木の高さについては、測高器や測桿(そっかん)といった道具を使って計測します。立木の直径と高さの詳しい調べ方については、3章を確認してみてください。
材積の概算は直径と高さと表で求められる
立木の材積は木材の直径と高さを基準に、計算式に当てはめて算出できます。しかし、計算式が複雑なため、材積表に直径と高さを当てはめて読みとるのが一般的です。
材積表は県などの自治体や林野庁が発行していて、地域や種類などの条件別に材積を調べられます。同じ種類の木でも、気候や風土といった環境の違いから生育状況は大きく変わるため、地域や種類別の材積表が必要となるのです。
また、最近では森林総合研究所が開発した幹材積計算プログラムというものがあります。林野庁発行の材積表に基づき、複雑な条件に対応して作られたエクセルのプログラムで、ホームページよりダウンロードすることができます。このプログラムは立木の材積を計算するのに対応しているので、胸高直径を調べておくとよいでしょう。
直径と高さの求め方
先にも紹介したように、材積を求めるためには必ず直径と幹の高さを調べる必要があります。幹の直径と高さの調べ方や、必要な道具について確認していきましょう。
立木の直径の調べ方
立木の材積を算出するときには、胸高直径を使います。山林などの斜面に生えている木の直径を調べる場合は、地面の上を基準にしてください。
まず、巻き尺などを使って高さ1.2mの位置の幹の円周を測ります。次に、幹の周囲の長さを円周率の3.14で割ることで、直径を求めることが可能です。
立木の高さの調べ方①測桿
測桿は検測桿やメジャーポールともいわれています。その名の通り、長い棒に目盛りが書いてあり、高さを測りたいものに当てて計測する大きな定規のような道具です。測桿は一般的に立木の高さを調べるほか、看板やトラックの積み荷の高さを測るときにも利用されることがあります。
測桿は数m程度までの木の高さを調べるには便利ですが、大木には不向きです。測桿で測れない立木の高さを調べる方法には、測高器を使うものがあります。
立木の高さの調べ方②測高器
立木の高さを測るときは、測高器を使用する方法が一般的です。測高器とは、目線から対象物の端までの角度をもとに長さを調べる、分度器のような道具です。ブルーメライス式やワイゼー式などいろいろな種類がありますが、最近ではデジタルの測高器や高さが測れるアプリも普及しています。
測高器を使うときには、高さを測る木から離れて、その距離を目盛りに当てはめます。次に、見透かし孔などから木の一番高いところを見て、目線の高さから木の上部までの長さを調べます。同様にして、木の根元を見て、目線から地面までの長さも調べます。これらの2つの長さを合計すると木の高さを調べることができるのです。
木の高さを離れた場所から調べるときには三平方の定理が利用されています。(A)測定している目(B)対象物の先端(C)目から水平の位置にある対象物の高さ、これら3点を三角形で結んだときの角度を調べる必要があるのです。
材積を正確に求めるには計算式を使う
立木の場合でも、胸高直径と木の高さがわかれば、材積を求めることができます。しかし、材積表を用いて材積を調べる方法はあくまで概算になります。より精度の高い材積を調べるためには、計算式を使う必要があります。
材積を調べるためには、複雑な計算式に木の産地や種類ごとに定められた係数を当てはめて算出しなければなりません。より詳しい材積が調べられるかもしれませんが、数学に詳しい人でなければ複雑な計算をするのは難しいでしょう。
もし、材積を知るときに困ったことがあれば、業者に依頼してみるのはいかがでしょうか。業者に伐採と同時に依頼することで、立木を有効活用できる可能性が高まるかもしれません。それでだけでなく、材積の便利な算出方法について教えてくれるかもしれません。
まとめ
材木を販売するときには本数ではなく、材積という木の体積を調べる必要があります。材積は丸太だけでなく、立木でも調べることができるので、あらかじめ木の販売価格を知りたいときなどは便利ですね。
立木の材積を調べるためには、地面から1.2mの高さの胸高直径と木の高さを知り、材積表から読みとる必要があります。木の高さは測高器を使えば、離れた位置から目線の角度で測定することが可能です。
また、より正確な材積を知りたい場合には計算式を使って算出する方法もあります。複雑な計算になるため、精度の高い材積を知りたい場合には業者に相談してみてはいかがでしょうか。
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