竹は日本各地に分布し、昔から身近な素材として生活に広く利用されてきました。そんな身近な植物ですが、放置されている竹林の近くにある田畑に竹の根が侵入すれば、農作物を枯らすおそれがあります。また、民家の床下からたけのこが生えてきて成長するのを放置すれば、竹が床を突き抜けます。このような被害が出てしまうため、竹は放置するのではなく早めに処理しましょう。
今回は竹の枯らし方について解説していきます。被害が出る前にしっかりと根絶させましょう。
目次
竹の繁殖力はその「根」にあり?
竹の枯らし方を見る前に、まずはなぜ竹の成長スピードが早いのかを解説していきます。
竹は非常に繁殖力が強い植物で、その成長スピードはほかの植物と比較すると群を抜いており、ピーク時には1日で1m以上も成長します。
竹の成長が早いのには2つの理由があります。
竹の構造
1つ目の理由は竹の構造です。
多くの植物は茎の先端に成長点と呼ばれる分裂組織があり、ここで活発に細胞分裂が行われます。
竹にも多くの成長点があります。また竹には節があることも特徴で、すべての節には成長帯と呼ばれる帯状の分裂組織があり、ここでも細胞分裂が行われます。この節は、たけのこのときから備わっています。
このように竹には多くの分裂組織があるため、成長のスピードが早いのです。
栄養を根から得る
竹は1本1本がそれぞれ独立した植物ではなく、地下茎と呼ばれる根の部分でつながっています。むしろ竹の本体は地面に埋もれている地下茎ともいえるのです。
春先に顔を出すたけのこは地中の地下茎に直接つながっていて、この地下茎から栄養をもらって成長します。
孟宗竹という品種の竹の場合、春に出てきたたけのこはものすごい勢いで竹に成長して50~60日で成長がストップした後、今度は地下茎が成長を開始します。地下茎は4か月で8mほど伸び、その後成長をやめます。その後作った栄養分は成長には使わず、地下茎にため込んでいきます。
次の年の春に出てくるたけのこが地下茎にため込まれた大量の栄養分を吸収して、ものすごいスピードで急成長するのです。
伐採だけで竹を枯らしたいなら!伐採に適切な時期
竹の枯らし方を紹介します。
12月~翌年の2月くらいまでの間に竹を地面から1mほどの高さで伐採すると竹が根から枯れます。
このとき斜めに切断すると刺さる危険性があるため、切断面が水平になるように伐採するのがポイントです。
また、竹林や竹藪での作業は枝などから目を保護するために作業用の安全メガネを使用すると安心です。さらにとがった切り株を踏むおそれがあるため、安全長靴を履いて作業をすると無難です。
竹を根絶するための、正しい竹の枯らし方
地表の竹を全て取り除いても地中に竹の根が残っていれば竹は復活します。竹を根絶させるためには竹の根も全滅させなければなりません。
根を掘り起こす
竹の根を退治する方法としては根を掘り起こすのが正攻法です。ただ、竹の根は通常地表から約30cm位のところを伸びていきますが、ときには深さ1mに達していることもあります。人力での掘り起こしは重労働になるので、余裕があるなら重機を利用するのがよいでしょう。
農薬を使った駆除方法
竹を伐採して地下茎を掘り起こすのはかなりの重労働になります。そのため、農薬を使った駆除も広く行われています。
農薬を使った竹の枯らし方は竹を根元から30cmほどの高さで切断し、節を抜いて除草剤を注入する方法です。ほかにも木工用ドリルで竹に穴を開け、除草剤を注入後、穴をふさぐという方法もあります。この方法では通常、竹が枯れてから伐採が行われます。
切った竹の処分方法のおすすめ
竹の枯らし方について解説してきましたが、切った竹の処分はどうすればよいのでしょうか。
最も簡単なのは屋外に放置しておくことです。ただし、竹を放置しておくとミミズやムカデやダンゴムシなどの虫が集まってきますし、竹が土と同化するまでには何年もかかります。
なので、とりあえず日当たりのよい場所で乾燥させておくと後の処分が楽です。竹を乾燥させた後、燃やしてしまうのが楽ですが、現在は野焼きが規制されています。野焼きに寛容な地域以外では少しずつ、一般ごみとして出すようにしましょう。ただし、地方自治体によってごみ出しのルールが異なるので注意が必要です。
もしお金に余裕があるなら、竹用の粉砕機で竹パウダーを造り、土壌改良剤や生ごみのにおい消しとして利用するのもいいかもしれません。自治体によっては粉砕機の無料貸し出しや、レンタル料の補助をおこなっているところもあるため、一度確認してみてください。
まとめ
竹の枯らし方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
竹は非常に成長が早く、繁殖力があるため、早めに駆除することをおすすめします。また、隣の土地にも竹が生えている場合、農薬で地下茎を枯らすと、隣の土地の竹も枯れてしまうなどの影響が出る可能性があります。その際は、事前に隣地の所有者と相談しておきましょう。
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