木は風よけの役目を持つ場合もありますが、あまりに強い風をうけると折れたり、根こそぎ倒れたりしてしまいます。台風の通ったあとのテレビなどで、街路樹が倒れているようすを見たことがあるかたも多いのではないでしょうか。
もし、同じことが庭木で起きたらと考えるとぞっとしますよね。実は、火災保険で倒木による被害は補償されることがあります。「庭木が倒れそうで不安」「倒れたときはどこまで補償されるの?」という疑問を解消していきましょう。
目次
倒木は早めに処分を
台風や地震などによる直接の被害が家屋になくとも、「飛んできた木や折れた庭木が原因で被害がでてしまった」ということはないとはいいきれません。そんな倒木はまず、撤去することが大切です。そのまま放置してしまうと、さらなる家屋への被害が懸念されてしまいます。
倒木自体の負荷がかかる
家に倒木が寄り掛かったままの状態ならば、そのままにせず、地面に倒しておくようにしましょう。倒木が寄り掛かったままの状態なら、本来重さがかからないところに負荷がかかってしまいます。そのため、外壁に穴が開いてしまうことなどが予想されます。
シロアリを呼ぶ
シロアリといわれると、家のなかにいて柱などの木を食べてしまうというイメージがあるかと思います。そんなシロアリは自然界では、枯れた木や倒木などを食べて生活しています。つまり、倒木が庭にあるとシロアリのエサが近くにある状態と同じなのです。
倒れた庭木をずっと放置しているとシロアリが湧き、そのシロアリが家に移り住んでしまうことがあります。そのため、できるだけ早く倒木を処分することを心がけましょう。
しかし、倒れてしまった庭木は処分に手間がかかります。実は火災保険で倒木による被害を補償してくれることがあります。
火災保険は庭木に被害があっても対象になる?
庭木は家の庭にずっとあるものであり、四季の移ろいを紅葉や結実というかたちで実感させてくれます。わたしたちの住んでいる家の一部である、庭木が自然災害で折れてしまうとなんだかやるせない気分になってしまいますよね。
倒れた原因について
契約内容によりますが、火災保険の対象は火災だけではありません。最近の火災保険では、火災だけではなく、風災、水災など、幅広い原因の家屋への被害をカバーしてくれます。倒れた原因によって補償カテゴリーが変わるため、注意が必要です。
庭木は「建物」
家屋だけではなく、家財も一緒に保険に入れることができる火災保険もあります。家財とは、家具や生活用品など、生活に欠かせないもののことです。落雷などで家電が故障した場合や誤って家具を壊したときなども、家財を対象としていれば補償できるかもしれません。
火災保険で庭木の転倒による被害も、補償される対象です。庭木は家財に分類されると思われがちですが、建物に該当します。そのため、補償対象に建物を入れていないと、保険金が降りません。
火災保険は建物としてどこまでが対象になるのか
火災保険では、庭木は家財ではなく、建物に分類されます。この家財と建物の分類について詳しく知っておくと、火災保険の対象を削り、火災保険の維持に必要な金額を割り引くことができるかもしれません。
建物と家財についての分類は「建物について、動かせないもの」という基準があります。これに合致すると建物に、あてはまらないなら家財にあたります。
家財にあたるものは、建物の条件の判断基準から外れたものです。タンスやテーブル、イスなど、今すぐ持ち運べ、といわれてもすぐに対応できるものと考えるとわかりやすいかもしれません。
建物に分けられるものの例として、家屋や車庫、便所やシンクなどがあります。どれも水道などで自宅や土地に固定されているもので、移動させるのは難しいですよね。そう考えると、庭木は家財ではなく、建物に分類されることがわかります。
庭木は建物にあたりますので、補償対象に「建物」がないと保障されないことがほとんどです。また、庭木が転倒したことによって被害がでた場合、その被害をうけたものに応じて「建物」か「家財」のどちらが対象になるか変わるということも注意しましょう。
火災保険はどこまでが対象?
火災保険で倒木による被害を保証してもらう場合、「風災・雹災・雪災」または「水濡れ・落下・飛来・騒擾」が適用された保険でなければいけません。このような適用対象は、これ以外にもあります。
火災保険はよく、「火災・落雷・爆発」「風災・雹災・雪災」「水濡れ・落下・飛来・騒擾」「盗難」「水害」に分けられてそれぞれが適用できるようになっています。
「火災・落雷・爆発」
火災保険の基本として、補償対象となっているものです。火災保険の対象としては、落雷による家電の故障、壁を焦がしてしまった、などで多く使われているようです。
「風災・雹災・雪災」
自然災害によって被害をうけた場合、補償対象となります。台風や豪雪による屋根の破損など、地域によっては欠かせないもののひとつです。逆に、台風や雪の心配のない地域では利用しづらいため、オプションとなっているようです。
「水濡れ・落下・飛来」
建物外部からの影響により、水漏れや物体の飛来などに対するオプションです。配水設備の故障などや車の突撃など、あまりない機会ながらも大きな被害をもたらすものを保証してくれます。
「水害」
台風や大雨による洪水・土砂崩れによる被害を補償可能にします。近くに河川があったり、崩れたことのある山があったりする場合は、これがあると安心できます。逆に、高台や高層マンションに住んでいるなど、水害が予想できない場合は外してもリスクは低いといえます。保険にかけるお金を減らしたいというならば削ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
家に倒木があたったり、庭木が倒れ込んできたり、というときは、まず木を処分しなければなりません。そのまま放置してしまうと、さらなる被害やシロアリを湧かせてしまう原因になるおそれがあります。
火災保険で倒木による家屋の被害や折れた庭木は、補償されることがあります。倒木となった原因や契約していた火災保険のプランによって、補償されるかどうかが決まってきます。
近年、火災保険は自分の住む地域によって、必要な補償を選ぶプランが主流になってきています。地域や被害をうけたときのダメージを考え、火災保険をカスタマイズしてみると、効率的な火災保険ができるかもしれません。
庭木が腐りかけで倒れ込んでこないか不安という方は、思い切って伐採してしまうことをおすすめします。庭木の伐採を決めた方は、自分でやると怪我のおそれもあるため、業者に依頼することをおすすめします。
伐採を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「伐採」をご覧ください。
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