建築現場などでよく聞く、コンクリートとセメントという言葉。DIYをする方は、使用されたこともあるのではないでしょうか?しかしコンクリートの塀やコンクリートブロックというものは目にしたことがありますが、セメント単体ではなかなかみたことがありません。イメージとしてはコンクリートのように灰色の物体というものを思い浮かべますが、そのものを目にしたことがありません。
そこで今回はコンクリートやセメントとはどういうものなのかをご紹介するとともに、その違いをお伝えします。
目次
コンクリートやセメントってなに?どう違うの?
コンクリートとは、セメント・水・砂・砕石・砂利を混ぜて作られたものです。主に生コン工場で生産されて、途中で固まらないようコンクリートミキサー車で運ばれます。砕石や砂利を粗骨材として、構造を保つ骨の役割を果たしています。
セメントとは、そのコンクリートの原料であり、灰色の粉です。主な原料は石灰石や粘土で、建築材としてセメント単独では使用されることはありません。水と反応して砂や砂利などを密着させる重要な役割を持っており、コンクリートやモルタルの原料として大切な物です。
セメントにはさまざまな種類があり、一番日本で生産されているのはボルトランドセメントというものです。ボルトランドセメントは日本での生産量の9割を占めています。このほかに混合セメント・エコセメントがあります。
つまりコンクリートとセメントの違いとは、原料と原料を元に作られるものという違いがあるのです。
では、モルタルやアスファルトってどういうもの?
よくコンクリート同様、建築現場などで使用されているモルタルやアスファルトについてもどういったものなのかご紹介します。
モルタルとは?
モルタルも、コンクリート同様にセメントや石灰を原料として砂を混ぜ、水で練ったものです。壁や塀に塗られていたり、レンガやブロックなどの隙間を塗ったり、コンクリートの表面に塗って表面仕上げに使用されています。しかし、モルタルはコンクリートより強度は落ちるので建物の補助的なものです。
コンクリートとは違い、粗骨材である砕石や砂利がなくて砂のみを使用します。コンクリート同様で工場で生産する場合をプレミックスモルタルと呼び、均質なものができます。しかし、金額は高くなり、現場の個別の要求に答えにくいということがあります。その点、直接現場で職人が調合する場合は金額も抑えられて、その場の必要としているモルタルを作ることができます。しかし、品質にムラが生まれる場合もあります。現場で作る際には空練りと水練りの2つ工程を行い作ります。空練りはシャベルと使ってセメントと砂を混ぜる作業であり、これに水を混ぜて練ることを水練りといいます。
アスファルトとは?
一方で、道路でよく使用されているアスファルトは原油に含まれている炭化水素類の中で一番重いものです。黒色をしており、半固体の物質です。天然のアスファルトもありますが、日本では原油を減圧蒸留して得られたものがほとんど使用されています。主に道路の舗装に使用されたり、ビルやマンションの屋上の防水シートの代わりに塗られたりしています。
インスタントのように使用できるセメントのからくり
インスタントラーメンのように、水を入れて練るだけで使用できるセメントをインスタントセメントといいます。最近では、インスタントモルタルやインスタントコンクリートというものも出てきており、水を入れて練ればセメント系の建材ができて便利なため人気があります。
簡単にホームセンターで購入でき、パテのように使用できるのでこの点でも便利です。自分で砂や砂利を混ぜて作る場合は混ぜる分量はどれぐらいなのか、ちゃんと固まるのかなどと不安になりますよね?そこで、あらかじめ袋に混ざって入っているインスタントのものを利用するとそんな心配もなく使用できるため、素人の方にもおすすめです。
家の玄関先のタイルの隙間があいてきて埋めたい時や、花壇をDIYしたい時に、ぴったりな商品です。しかし、コンクリート・モルタル・セメントどれを選ぶのか迷いますよね?
簡単に使用方法をまとめてみましょう。
インスタントセメント
モルタルと接着剤が入ったものであり、レンガの隙間を埋めたり、接着したりする時に適しています。また、コンクリートの欠けた部分の補修やヒビの補修に適しています。用途と選ばずにいろんな部分に使用できるので、万能性があります。
インスタントコンクリート
コンクリートの粗骨材である5ミリメートルほどの砂利がはいっており、強度はあります。簡単な花壇を作ったり、穴があいた部分を補修したりするのに適しています。セメントとは違い、接着は無いので壁塗りなどには適していません。大量に使用したい場合はセメント・砂・砂利を自身で購入して混ぜて作った方がコストはかからないでしょう。
インスタントモルタル
粘着力があり、薄く塗っただけでもヒビ割れなどがないので、壁塗りや目地に適しています。ヒビ割れ部分の上から塗ったり、仕上げの際上から塗ったりして表面をきれいにする目的で使用するとよいでしょう。
コンクリートの用途。メリットとデメリットについて
コンクリートは成形が簡単にでき、圧縮力があり、優れた耐久性と火に強い性質を持っているため、橋やマンション、ビルなどさまざまな建物に使用されています。そして、コンクリート住宅もあり、数は少ないですが住宅の建材としても使用されています。
しかし、重さがあるため、重みに耐えられるように中に鉄筋を入れて補強する必要があり、コンクリートが乾く際に水が蒸発してヒビが入りやすい、壊す際に強度があるので簡単には壊せないという難点があります。また、コンクリートはセメントと違い粘りがないので、壁の上から塗ったりすると剥がれやすい性質があります。
コンクリートを使用する際には、どこで・どのような目的で・いつ使用するのかを確認することが、もっとも有効にコンクリートを使用できる方法といえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?セメントは、コンクリートやモルタルの原料だったのですね。そのため、そのものの物体をなかなか見たことがなかったのです。コンクリートとセメントの違いというのは、セメントはコンクリートの原料であり、セメント自体は灰色の粉であるということでした。インスタントといって、水を入れるだけで作れるものもあるのでDIYの際にはおすすめです。
しかし、コンクリートやセメントなど使用する際、困った時には当サイトをご活用ください。DIYの情報なども掲載されており、きっと役に立つ情報があるかと思います。
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