抜群の耐久性を持ち、長年の風雪に耐えるコンクリート造りのガレージですが、やはり形あるものいつかは壊れ、コンクリートもいつかは寿命を迎えます。直射日光や雨風による風化はもとより、季節の移り変わりに伴う気温の変化、日本では特に顕著な湿気、日常の自動車等の往来がもたらす振動などでも、コンクリートは少しずつ劣化していきます。
劣化したコンクリートガレージは亀裂から雨漏りや隙間風が侵入したり、やがては倒壊につながる危険性もあるため、日頃から劣化具合をチェックして必要ならメンテナンスを行いましょう。
目次
コンクリートガレージの劣化に気が付いたら?耐用年数
コンクリートの建築物は、木造建築よりもはるかに耐久性と防火性、防音性などに優れていますが、それらの品質をいつまでも維持できるわけではありません。年を経るごとに劣化していくコンクリートガレージの耐用年数は、日本の気象条件下では大体30年から50年程度と言われています。
特に高温多湿な日本の場合、コンクリートそのものよりも中に骨組みとして入っている鉄筋の方が錆び付き、劣化して建築物の重量を支え切れなくなってしまうといったケースが多いようです。そのため、築30年前後を迎えたあたりから、コンクリートガレージの劣化具合は常に気に掛けておく必要があります。
チェックポイントとしては「コンクリート表面の摩耗の程度、ひび割れや亀裂が発生していないか」「鉄筋が露出していないか」などを確認しましょう。微細な表面のひび割れから内部に雨水が侵入して鉄筋を錆び付かせてしまうことも珍しくはないとされています。
コンクリートガレージの劣化につながる原因とメンテの仕方
コンクリートガレージは基本的に屋外に建築するものなので、常に直射日光や雨風に晒され続けています。これらの気象条件による風化は避けられないものですが、環境によっては更に劣化を加速させる原因が存在します。
まず気を付けるべきなのは、落ち葉やゴミなどがガレージの内部や屋根の上などに堆積している状態です。特に落ち葉などの有機物が溜まっていると微生物がそれを分解し、繁殖のための栄養源にします。日当たりの悪い場所などでびっしりと繁茂するコケや藻、カビなどはそれら有機分解物を栄養にして繁殖します。微生物が繁殖すると酸を出したり、水分を溜め込むなどしてコンクリートを浸食するおそれがあります。
また、コンクリートの劣化要因として代表的なものに『中性化』があります。素材に石灰が含まれているため、基本的にコンクリートはアルカリ性を示します。そのため支持材として入っている鉄筋が酸化、つまり錆びにくいという性質を持っています。
しかしコンクリートのアルカリは、酸性雨や空気中の二酸化炭素が溶け込んだ雨などに晒されると中和され、中性になってしまうことがあります。コンクリートのアルカリ性が失われると、鉄筋の酸化を抑制する性質が機能せず、鉄筋が錆び付いてしまうことにつながります。
メンテナンス方法
コンクリートガレージを長持ちさせるには、第一にこまめな掃除を行いましょう。前述の通り落ち葉やゴミの堆積は微生物の繁殖につながるため、できる限り表面にはなにもない状態を保っておくことが大切です。
同様に雨水が長時間滞留しないように気を付けましょう。水はけの良い構造にすることで勝手に排水されるようにしておくと便利です。特に冬場などは、毛細管現象で微細なひびに染み込んだ水が凍りつくと膨張し、亀裂を広げるおそれがあるため水分は大敵です。
凍結が心配な寒冷地では、融雪剤による塩害も注意が必要です。融雪剤の主成分である塩化カルシウムは、鉄筋のサビ付きの原因になります。融雪剤で溶けた雪がコンクリートガレージに溜まらないよう気を付けておきましょう。
表面を塗装でコーティングすれば、飛躍的に劣化を緩和することができます。お住まいのコンクリートガレージの環境に適した塗料を選び、保護をしてあげましょう。
コンクリートガレージを補修しよう。必要なもの
ここまでは劣化の予防方法についてご紹介しましたが、本項からは実際に発生してしまった劣化に対してどのように対応すべきかを解説していきます。コンクリートガレージの劣化具合をチェックして、劣化が認められれば補修を行う必要があります。
中性化してしまったコンクリートを元のアルカリ性に戻す方法もありますが、これは電流を流して酸性値を制御するといった高度な専門知識と機材が必要になるため、ここでは割愛し、市販の補修グッズで可能なメンテナンスをご紹介します。
補修に必要なものとして、下記にホームセンター等で入手可能な補修グッズを列挙します。
補修用モルタル(コンクリート)
劣化してしまったコンクリートの表面を剥がし、新しく施工し直すための素材です。セメントと骨材を水で練るタイプや、既にペースト状になっていてそのまま使用できるタイプ、スプレー式で吹き付けて使えるタイプもあります。
隙間埋め用パテ
ひび割れや亀裂などに充填して隙間を埋めたり、剥がれてしまった破片同士をくっつけます。
モルタル混合容器
セメントと骨材と水とを混合してモルタルを生成するための専用容器です。
モルタル用ヘラ、スクレイバー
練ったモルタルを施工面に塗りつけるためのヘラと、表面をならすのに使うスクレイバーです。
養生テープ、養生シート
モルタルを塗る際に他の場所に飛散するのを防止したり、硬化するまでの間表面を保護するのに使います。
仕上げ剤
硬化したモルタルの防水処理に仕上げ剤を塗布することもあります。
コンクリートガレージの補修テクニック
補修の方法については使用する補修キットによってさまざまになるため、ここではコンクリートガレージの補修施工の際に知っておくと役立つちょっとしたテクニックをご紹介します。
U字カット工法
ひび割れの補修を行う際は、グラインダー(石材などの切断に使用する道具)やドリルなどを使って大きく掘り込み、補修用のモルタルを埋め込んでいくときれいに仕上げられます。掘り口がU字やV字の形になるため、「U字カット工法」や「V字カット工法」と呼ばれている手法です。
ひび割れの補修は亀裂に新しいモルタルで『蓋』をするイメージですが、表面にただモルタルを塗りつけるだけでは接着力が足りずに塗ったモルタルが剥がれ落ちてしまうおそれがあります。そこでこのU字カット工法を使い、蓋の接着面積を大きくすることで接着力を確保します。
プロに頼んだ場合の補修のメリットと費用について
コンクリートガレージの補修工事は、ちょっとした亀裂の補修から広範囲の表面の張り替えまで施工の規模の大小に大きな幅があります。自力での施工が大変な場合は、コンクリート補修のプロに依頼することも一つの手段です。
プロに補修を依頼した場合、メリットとしては施工品質が確保されることが挙げられます。補修工事の経験豊富な業者を選ぶことで、長期間にわたって耐久性を維持でき、表面も美しく仕上げてもらうことができます。
またプロは施工のノウハウを持っているため、劣化の状況に応じて最適な補修プランを提案してくれます。最低限の材料でしっかり補修を行ってくれるため、何が適しているかわからず補修キットをあれこれ買い集める費用と手間を省けるかもしれません。
プロに依頼した場合の補修費用は、補修が必要な面積とコンクリートの種類によって大きく変動します。単純な材料費のほか、どの程度の工期が必要かによっても人件費が変わるため、事前に見積りをとるようにしましょう。
まとめ
コンクリートガレージの劣化を防ぎ、補修する方法についてここまでご紹介してきました。要点をまとめますと以下の通りです。
・コンクリート建築の耐用年数は30年から50年程度。ただし環境によって寿命は大きく変動する。
・コンクリートの寿命を縮めるのは雨風や直射日光のほか、落ち葉やゴミの堆積による微生物の繁殖や、酸性の雨がしみ込むことによる中性化など。
・コンクリートガレージの劣化を防ぐにはこまめな掃除と水はけの管理が重要。
・表面の亀裂や表面の剥がれ落ちは市販のモルタルやパテを使用して補修が可能。プロに依頼することでその後の耐用年数を伸ばしたりきれいな仕上げが期待できる。
コンクリートは頑丈な建築素材ですが、頑丈ゆえに普段気にしない場所から劣化が始まっているかもしれません。日頃から劣化のチェックを行い、早め早めに補修をしましょう。
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