乾燥=硬化ではない?コンクリートの硬化時間と固まるメカニズム

2021.4.30

乾燥=硬化ではない?コンクリートの硬化時間と固まるメカニズム

外を歩いていると、 時折駐車場や建物の外壁にコンクリートを塗る工事をしている現場を目にすることがあります。水で練り上げたコンクリートは時間経過で硬化して、最終的に石のように頑丈な建材となりますが、具体的にどのようなメカニズムで硬質化するのでしょうか。

これからコンクリートによる舗装を検討されている方は、施工の期間に密接に関わることですから、コンクリートの硬化時間などは特に気がかりなことかと思います。本コラムではコンクリートの硬化に関する疑問のあれこれをまとめてご紹介いたします。

コンクリートが固まる原理とは――乾く前の雨はどう影響する?

よく誤解されがちですが、コンクリートは粘土のように乾燥によって硬化するわけではありません。実はコンクリートの硬化はまったくの別原理です。

コンクリートの元になるセメントは水と混合されることで『水和』という反応を起こし、化学的に結合を強めて硬化します。この接着剤の役割を持つ水を含んだセメントに、砂や砂利といった骨材を混合して固めたものがコンクリートになります。そのためコンクリートが十分に硬化する前に乾燥してしまうと、水和がうまくいかずにひび割れや崩壊の原因になり得ます。

コンクリートの硬化時間中は、水分を確保するために保湿を行ったり、散水して水分をセメントに与えたりといった作業が行われることもあります。硬化速度には温度も関わるため、コンクリートの施工現場では常に温度と湿度が管理されています。これらの調節作業を『養生』と呼び、コンクリートの硬化待ちの期間は養生期間と呼ばれています。

乾燥がコンクリート養生の大敵というのは前述した通りですが、では逆に養生期間中に雨が降った場合はどのような影響があるのでしょうか。コンクリートは水分がないと硬化しませんが、水分が多すぎても硬度に影響が出たり、うまく固まらなかったりします。また雨粒が硬化前のコンクリート表面に衝突すると、セメントが雨水で洗い流されてしまうことがあるため、できる限り雨には打たれないようにする必要があります。
多くの工事現場では、養生期間中の降雨に対応するために防雨シートを用意しています。
      コンクリートが固まる原理とは――乾く前の雨はどう影響する?

強いコンクリートを作るために必要なこととは

コンクリートの硬度はセメントと水の配合比率によって決定されます。実際にはそこに骨材の比率も加味されることになり、養生したコンクリートが強靭な硬度を得るためには、セメント・骨材・水が最適なバランスで混合されていることが何よりも重要になります。

また、適切な養生を行うことも大切です。シートで覆って湿度を保ち、寒冷地などではヒーターを使用してコンクリートを温めて硬化を進めることもあります。コンクリートの強度を高めるには内部に隙間がなく粒子がしっかりと詰まっている必要もあり、セメントの練り方一つとっても仕上がりは大きく変わります。

強いコンクリートを作るには緻密な比率の計算と、繊細な練りの技術が必須と言えます。
      強いコンクリートを作るために必要なこととは

コンクリートの硬化時間に影響するのはどんなことか

コンクリートの硬化時間は含有する水分量のほか、練られたコンクリート自体の温度にも大きく影響を受けます。原則として、コンクリートの温度が高ければ早く、低ければ遅く硬化すると言われています。求められる強度次第ではゆっくりと硬化させた方が都合が良い場合もあり、施工される場所や環境、用途によって厳重に温度を管理されます。

コンクリートのひび割れや塩害を防ぐためには

コンクリートは硬化時間を経て建材として完成した後も、湿度や温度によって膨張・収縮します。硬質なコンクリートは柔軟性がないため、膨張や収縮によってひび割れや亀裂が発生してしまうことがあります。ひび割れを防ぐために用いられる手法としては、タイルのようにコンクリートの施工面を区分けして『目地』をつくり、その隙間で膨張や収縮で起きる体積の変化を吸収する方法があります。

また、コンクリート建築は重量を支えるために内部に鉄筋を仕込む場合が多いですが、沿岸地帯などでは空気に含まれる塩分で鉄筋が錆び付いてしまう場合があります。これは一般に言う『塩害』の一種で、防止するためには鉄筋が外気に触れないように施工する必要があります。コンクリートの表面に残った塩が雨水で溶け、コンクリートの内部に浸透して鉄筋を錆び付かせる場合もあるため、沿岸部では特に定期的にコンクリート舗装の表面を洗うようにしましょう。同様に豪雪地帯で使用される融雪剤にも塩分が含まれるため、長期間舗装面に融雪剤が残らないように気を付けてください。
      コンクリートのひび割れや塩害を防ぐためには

ひび割れなど劣化したコンクリートの補修について

雨風に晒され続ける都合上、どうしてもコンクリートの風化や劣化は避けることのできないものです。ひびや欠け、表面の剥離などの劣化を発見したら、早めに補修を行いましょう。

補修は専門業者に依頼するほか、市販のリペアキットを使用してもある程度軽微な劣化であれば直すことができます。劣化したコンクリートの破損を埋めるようにセメントペーストやパテを塗り込むものが一般的ですが、これもコンクリートなので硬化時間があることには注意が必要です。

コンクリートの補修作業には技術が必要なものも多いため、補修後の品質や仕上がりの美しさを考慮するのであれば、経験豊富なプロに任せることもぜひご検討ください。

まとめ

コンクリートの硬化にまつわる基礎知識についてここまでご紹介してきました。要点をまとめますと以下の通りです。

・コンクリートの硬化は乾燥ではなく水和反応によって起きるため、表面が乾かないように注意が必要。
・コンクリートの硬化時間には温度も密接に関係していて、寒冷地では硬化に時間がかかる。
・コンクリートの強度を決めるのはセメントと水の混合比率。求める硬さによって厳密な分量計算が必須。
・コンクリートは湿度や温度によって膨張と収縮が起き、ひび割れや劣化の原因にもなる。体積の変化を吸収するような施工が必要。
・劣化の補修は市販のリペアキットを使っても可能だが、コンクリートの施工にはデリケートな計算が必要なためプロに依頼すると安心確実。

見栄え良く耐久性も高いコンクリートはとても優秀な建築素材です。その特性と扱い方を把握して、最適な施工を行いましょう。

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