ピアノは調律しないとどうなるのでしょうか。ピアノは精密な部品のかたまりで、定期的な調律が必要な楽器です。しかし、環境や生活のリズムの変化で、しばらく放置してしまうこともあるかもしれません。
日本はピアノを管理しづらい気候にあり、劣化しやすい環境にあります。そんなときにちょっとした保管のコツで、長期間放置するにしてもある程度劣化を防ぐ術があります。
また、弾いても弾かなくても変わっていくピアノの音。
このコラムでは、適切な調律頻度についても触れていきたいと思います。
目次
ピアノを調律しないとどうなる?調律料金への影響は?
長期間ピアノを調律しないとどうなるのでしょうか。調律しないことの影響を部分ごとにまず解説します。
弦の劣化
ピアノは弦をたたくことで音を出しています。そのため、叩くたびに弦は少しずつ伸びていきます。
これは、音の高さが変わってしまう原因になります。ピアノを弾かなくても弦はさびていき、最終的には切れてしまいます。
フェルトの劣化
弦を叩くハンマーには羊毛のフェルトがついており、叩くたびに弦溝とよばれる弦のあとが残ります。
これにより弦を叩く位置がずれ、音が悪くなってしまいます。また、フェルトは虫に食われることが多く、同様に音を悪くする原因になります。
金属部品の劣化
ピアノの仕組みを支えている部品には金属が使われていることが多く、それがさびてしまうことがあります。
また、ピアノが置かれている環境によっては、温度によって金属部品が膨張することもあり、部品の劣化につながります。
アクションのずれ
鍵盤を押さえることでハンマーが弦を叩く仕組みのことをアクションといいます。
調律をしないとこのアクションがしだいにずれていき、鍵盤を押さえたときの感触が変わっていきます。
湿気の影響
ピアノには木材も使われており、高い湿度はカビの原因になります。
湿気はカビだけでなく木材を変形させ、ピアノ全体のバランスを崩します。その結果、音が悪くなってしまいます。
このような影響がでてしまうと、調律師に依頼して調律してもらうことが考えられますが、定期的に調律師しているピアノと調律していないピアノでは、料金が異なる場合が多いようです。
業者によって違いがありますが、1年以内に調律をしたピアノだと15,000円前後、長期間調律をしていないピアノは30,000円前後から、場合によっては100,000円ほどかかるそうです。
ピアノをしばらく弾かないときはどうするのがいい?
定期的にピアノを調律しないとどうなるかというとカビや部品の劣化に気づくことができないことが多いです。そうなると、調律はよけいに大変になります。では、ピアノをしばらく弾かないことがわかっている場合はどうすればよいのでしょうか。
調律をする
弾いていない場合も調律を行ったほうがよいでしょう。
部品の劣化や音のずれに早めに気をつけるように、弾かなくとも音を出してみるのがよいです。
調律の頻度については後ほど解説します。
保管場所
ピアノの保管場所に気を使うだけで、劣化をある程度防ぐことができます。
外気の影響を受けづらい内壁側の壁に近づける
温度や湿度で影響を受けてしまうため、なるべくピアノを内壁側の壁に近づけるとよいです。
壁に接するピアノの面は、アップライトピアノは背面、グランドピアノは左側面がよいようです。
空調設備の冷気・暖気があたらない場所
外気の影響を軽減しても、空調の影響を受けてしまいます。
急激な温度変化を与えないため、空調から出る冷気・暖気の進行方向には置かないようにしましょう。
日本はピアノ保管がむずかしい気候。注意したいカビのこと
日本は一年を通して温度・湿度の変化が激しい気候にあります。一年中、温度・湿度を管理できればよいですが、多くの場合はむずかしいでしょう。ピアノを調律しないとどうなるのかは、環境によってさまざまにありそうです。
調律師によると、調律の際に湿気によってカビが生えているピアノをよく見かけるそうです。調律をしないとカビの発見も遅れてしまいます。
カビ
湿気が多いと発生するカビですが、ピアノにも発生する可能性が高いです。
カビが多いと、ピアノに使われている木材が傷んでしまいます。
また、カビはダニの発生原因にもなります。カビは調律ではなくクリーニングをする必要がありますが、調律にかかる料金より高い場合が多いようです。
湿気対策
カビを発生させないために、湿気の対策はしっかり行いましょう。
ピアノ用乾燥剤
ピアノの湿気を取り除くための乾燥剤があります。ホームセンターなどで売っているので、比較的簡単に対策できます。
除湿機
湿度を下げるアイテムとして除湿機は非常に有効です。室温上昇を抑えながら除湿をしてくれるものを選ぶとよいでしょう。
ピアノ用ヒーター
ピアノにはダンプチェイサーと呼ばれる専用の除湿機があります。ダンプチェイサーには、市販の除湿機と比較して次のようなメリットはあります。
・動作音が小さい
・水捨ての手間がない
・ 電気代が安い
ピアノ専用に作られただけあってメリットが多いので、購入を検討してもよいかもしれません。
弾いても弾かなくてもピアノの音は変わる。最低限度の調律頻度とは
ピアノは弾いても弾かなくても音が変わっていくもので、ピアノを調律しないとどうなるかというと音は悪くなっていく一方です。そのため、定期的に調律を行うが大切になります。調律の頻度は状況によってことなります。
ピアノを弾く頻度
よくピアノ弾く場合は、音が変わりやすいので短い期間で調律をした方が良いでしょう。
頻繁にひかない場合でも1年に1度は調律するようにしましょう。
大々的な修理にいたるような異常の発見にもつながり、調律にかかる料金も抑えることができます。
ピアノができてからの年数
調律の頻度はピアノが作られてからの年数でも異なります。
作られてから1年程度のものだと部品がまだなじんでいないため、2か月ほどで調律の必要がでてくる場合が多いようです。5年を過ぎたあたりから半年に1回の調律で問題なくなります。
しかし、20年、30年となってくると部品の劣化から、再び狂いやすくなり、調律の頻度を増やす必要があります。
まとめ
ピアノを調律しないとどうなるのかわかっていれば、さまざまな対策を講じることができます。ピアノは繊細な楽器なため、長く使うためにはしっかり管理しなければなりません。
弾くときだけでなく、弾かないときにも調律や湿気対策を行うことが大切です。とくに日本は管理しづらい環境にあり、ときにはお金をかける必要がありますが、対策1つでピアノの寿命はのびていきます。また、調律も自分のピアノにあった頻度で行いましょう。
調律を行うことに不安がある場合は、調律のプロに依頼するのも手です。
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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ピアノ調律 ピアノ修理」をご覧ください。
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