エアコンからそよぐ風が、なんだかカビくさい……鼻をツンと突く変なニオイがする、そんな経験はありませんか?お部屋の温度を快適に保つエアコンなのに、異臭が噴き出してきたら気が滅入ってしまいますよね。エアコンの異臭がもたらす影響は、不快な気持ちになるだけではないかもしれません。フィルターの中に溜まったハウスダストや繁殖したカビの胞子など、健康に被害が出る可能性もあります。健康トラブルに繋がる前に、すみやかに異臭を解決しましょう。本コラムでは、エアコンの異臭を除去する方法についてご紹介いたします。
エアコンが異臭を放つ原因
エアコンから異臭のする風が吹き出してくる原因は、内部に溜まった汚れや埃だと言われています。エアコンはお部屋の空気を吸い込み、内部で冷やしたり温めてから吐き出すという原理の都合上、お部屋を漂う埃や汚れの影響をダイレクトに受けます。内部のフィルターが汚れていると、そこを通って吐き出される空気にもニオイがついてしまうのです。
お部屋の空気には様々な汚れの原因が含まれています。そこで人が生活していれば、蒸発した汗や皮脂が漂い、料理をすれば鍋の上ではじけた油が細かい粒子となって飛び散ります。部屋の中でタバコを吸っていれば当然煙を吸い込みますし、ペットを飼っていれば毛やフケなども飛び交っています。それらのハウスダストがフィルターにこびりつき、異臭となったり、カビが繁殖する栄養源となります。
人の住む家でエアコンを使い続ける以上、どうしてもエアコンの内部には汚れが溜まってしまうものですが、同時にくさいニオイの原因がはっきりしているなら、お手入れで異臭を取り除くことも可能です。
エアコンのニオイを除去する方法
エアコンの異臭を除去する最も手っ取り早い方法は、消臭スプレーをフィルターに吹き付けることです。消臭スプレーの中にはニオイの原因物質を覆い隠して気にならなくさせるものや、ニオイの元を分解して無臭にすることのできるものがあり、エアコンの消臭に大いに役立ちます。
ただしこれはあくまで応急処置です。放っておけばスプレーの効果が切れてまた異臭が発生しますし、そもそもハウスダストやカビを取り除いているわけではないので健康への影響は依然として心配なままです。あくまで一時的にニオイを取るための方法でしかありません。
もっと根本的な部分から異臭を取り除くには、エアコンの内部を徹底的に掃除する必要があります。カバーを取り外し、吸気口や排気口、送風ファンなどに溜まった汚れも取り除きましょう。
中性洗剤を薄めたものを雑巾にしみ込ませて、根気よく拭き掃除をしていきます。フィルターには埃がこびりついているので掃除機などを使って吸い取り、汚れが酷ければぬるま湯で丸洗いしてしまうのも有効です。洗浄が難しければ、思い切ってフィルターを新しいものに交換してしまいましょう。
エアコンを異臭から守るために普段からできること
エアコンに異臭がつかないようにするには、お部屋の空気を清浄に保っておくことが一番の解決策です。こまめに窓を開けて換気をすることで、エアコンの内部に汚れや埃が吸い込まれていくのをある程度防ぐことができます。普段からお部屋の掃除を定期的に行い、埃が舞いにくい環境をつくっておくことも大切です。
もっと簡単に異臭を防ぐには、エアコンの『送風』モードを活用する方法があります。とくに冷房運転を長時間行うと、エアコンの内部が結露して水分が溜まり、カビの温床になってしまうことがあります。冷房を使ったあとはしばらく送風モードで運転して、内部の水分を飛ばしておくとカビが付きにくくなると言われています。エアコンのモデルによっては『脱臭』モードや『クリーン』モードが搭載されていて、同様に内部に溜まった水分を排出してくれるものもあります。
エアコンの異臭で焦げ臭い場合は要注意
エアコンの異臭の中でもとりわけ注意が必要なのが、焦げ臭いニオイがする場合です。内部の電気系統がショートしていたり、ヒーター周りに入り込んだ埃が焦げ付いている可能性があります。そのまま使用すると火災の原因につながることにもなって非常に危険です。焦げ臭いニオイがした場合はすぐに運転を停止して、カバーを取り外して原因を確認しましょう。
一見して焦げ付きの原因が分からない場合、内部のモーター等に故障が起きていることもあるため、購入先の家電量販店やエアコン修理を取り扱っている業者に相談するのが無難です。
まとめ
エアコンの異臭対策についてここまでご紹介してきました。要点をまとめますと下記の通りです。
・エアコンの異臭の原因は主に、内部に溜まった埃や汚れとそれを栄養源にして繁殖したカビ等。
・とくに汚れやすいのがフィルターで、部屋の空気中を漂う汗や皮脂、料理の油などが付着している可能性が高い。
・異臭をすぐに消したいなら消臭スプレーをフィルターに吹き付ける方法が有効。ただしハウスダストを除去するにはしっかりと掃除をする必要がある。
・掃除は中性洗剤を含ませた布などで隅々まで行う。フィルターは可能であれば丸洗いすることが望ましい。
・異臭の付着を防ぐには定期的に換気をして部屋の空気を清浄に保つことが一番。また冷房使用後は送風モードで内部の湿気を飛ばしておくとカビが付きにくくなる。
・焦げ臭い異臭には要注意。内部の電気系統に異常が起きている可能性があるためすぐに使用を中止して修理業者等に相談する。
エアコンの異臭は快適性を損なうだけでなく、アレルギーや喘息の原因にもなるハウスダストの危険を知らせるサインでもあります。大きなトラブルに繋がるまえに、早め早めに対処しておきましょう。
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