
換気の方法はご家庭によりけりだと思います。換気を何分行うかも、ご家庭によって異なるでしょう。何時間もたっぷり換気することもあれば、「部屋が寒くなるから」と全く換気しないこともあるかと思います。
果たして、正解は何分なのでしょうか。最低限の時間で、最大限の換気効果を発揮するには何分換気すればいいのでしょうか。その時間について考えていきましょう。
目次
換気はどうして必要なの?
「換気は大切」とよく聞きますが、なぜ換気が必要なのでしょうか。その必要性がわからなければ、積極的に換気をする気分にもならないでしょう。あまり乗り気ではないという方は、まず換気のメリットを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
新鮮な空気を取り入れる
お部屋の中の空気は汚れています。人の呼吸によって二酸化炭素が増えますし、建材からはシックハウス症候群の原因物質であるVOC(揮発性有機化合物)が放出されます。他にもカビやダニ、石油ストーブなどを使えば一酸化炭素中毒の危険もあります。
汚れた空気を新鮮な空気と入れ替えることは、健康のために欠かせないことなのです。
臭いを追い出す
汚れた空気には臭いも含まれます。たとえば、トイレの臭いや、キッチンの調理の臭いなどが考えられます。室内に臭いが染みつかないように換気が必要です。
湿気を追い出す
人の呼気には水分が含まれています。現代の住宅は気密性が高いので、換気しなければ空気中の水分量は増えていきます。
その状態で室内の空気が窓際で冷やされれば、結露となって水滴が発生します。結露はカビや建材の劣化につながるため、換気をして湿気を追い出す必要があります。
温度を調節する
空調を使用していると、暖め過ぎたり、冷やしすぎたりすることがあります。その場合は換気して空気を入れ替えれば、同時に温度もリセットすることができます。
ただし、換気を何分も行えば空調の意味がなくなってしまいます。適度に行いましょう。
換気は何分しないとダメ?正しい換気方法
換気には多くのメリットがありますが、換気は長くやればいいというものではありません。春や秋ならまだしも、空調機器を使う夏や冬の場合、温度を調節した室内の空気が外に逃げてしまいます。
効率的に換気するためには、以下のポイントを押さえるようにしてください。
換気時間を知る
具体的に、換気は何分行えばよいのでしょうか。さまざまな説がありますが、8畳程度のお部屋であれば「1時間に5~10分」程度で充分だと言われています。たったこれだけの時間で、お部屋の空気はほとんど入れ替えることができます。
空気の通り道を作る
ありがちなミスとして、窓を片方しか開けないという換気方法があります。換気する際は、対極にある窓を2か所開けましょう。開ける幅は10~20cm程度で十分です。
空気の通り道が上手く作れないという場合は、換気扇やサーキュレーターを用いて、人工的に換気を促進させる方法もあります。換気扇はスイッチを入れるだけですが、サーキュレーターは窓側に向けて使用してください。
エアコンに換気機能はないって本当?
結論から言えば、エアコンに換気機能はありません。
エアコンを稼働させると、吹き出し口から暖かい(冷房なら冷たい)風が吹き出します。この風は、室内から空気を吸い込み、熱交換器(フィン)で温度を調整して吹き出した風なのです。
つまり、エアコンは室内の空気を循環させているにすぎません。室外機から吹き出す風も室内の空気ではなく、受け取った熱気や冷気を放出しているだけなのです。
エアコンにはフィルターがあるので、ハウスダストなどはフィルターで食い止めることができるかもしれません。ただし、それには限界がありますし、エアコンの機能が低下してしまいます。
「エアコンで換気を何分続けても空気がきれいにならない」と感じたら、そのエアコンに換気機能がないと考えたほうがよいでしょう。エアコンを買い替えるよりも、窓を開けるなど手軽に換気することをおすすめします。
24時間換気の使用が大切。あるなら必ず回しておこう
「換気は何分行うべきか?」という問いに「換気は1時間に5~10分で大丈夫」とご紹介しましたが、『24時間換気システム』があるのなら活用することをおすすめします。
『24時間換気システム』とは、窓などの自然換気と換気扇などの機械換気を組み合わせ、24時間換気するシステムのことです。2003年の建築基準法の改定により、新築住宅への導入が義務となりました。24時間換気をすることで、最初に述べたような多くのメリットを享受することができます。
あくまで義務なのは設置に関してなので、換気システムをオフにすることもできます。しかしメリットとデメリットのバランスを考えれば、基本的には常にオンにするべきです。どうしても寒いという場合は、風量を弱く調整するとよいでしょう。その手順については説明書などをご確認ください。
まとめ
換気時間について簡単にご紹介してきました。「換気は何分すればいい?」という疑問をお持ちの方の助けになれば幸いです。
住宅の気密性と換気はシーソーのようなもので、どちらかを立てればもう片方が立たなくなります。現代の住宅は気密性が向上しているので、換気が滞りがちです。古い住宅なら5分だけでも窓を開け、新しい住宅なら24時間換気を維持しましょう。それがマイホームで健やかに過ごすコツです。
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