キッチンをはじめ、浴室やトイレにある換気扇は、常にキレイな空気を維持するために欠かせない生活家電のひとつです。一般的に換気扇の寿命は、使用頻度によって異なりますが、約8~10年とされています。長く使っていると、経年劣化によってどうしても不具合が出やすくなるものです。
換気扇に不具合が出た場合、修理や交換にどれくらい費用がかかるのか気になるところではないでしょうか。DIYで換気扇の修理や交換ができれば、費用は安く抑えることができます。しかし、修理や交換は必ずしも自分でできるとは限りません。知識や技術がないまま作業すると、故障の原因になるだけでなく事故に巻き込まれるおそれもあります。
当記事では、自分で換気扇を交換する方法や業者に依頼したときにかかる費用の目安を解説します。換気扇を自分で掃除する方法にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロペラファンとシロッコファンの違い
換気扇には、プロペラファンとシロッコファンの2棲類があります。換気扇の修理や交換はファンのタイプによって費用が変わるので、まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。
プロペラファンの特徴
プロペラファンは、文字通りプロペラが回ることで換気をするタイプです。壁に直接取り付ける換気扇は、プロペラファンの場合が多いです。シロッコファンよりも吸い込む力が大きいのが特徴ですが、壁に取り付けた場合は外風の影響を受けやすいというデメリットもあります。
シロッコファンの特徴
シロッコファンは、細長い板が集まった筒状になっているのが特徴で、おもにキッチンのレンジフードで使用されています。プロペラファンとは異なり、ダクトを通して排気するため壁でなくても場所を選ばずに設置できます。さらに、プロペラファンに比べて静音性に優れているため、近年はプロペラタイプからシロッコタイプに切り替えるケースが増えているようです。
不具合が起きている原因を確認してみよう
換気扇に不具合が起きた場合は、どこに原因があるのか確認してみましょう。不具合の原因がわかれば、修理できるものか交換が必要なのか判断基準にできます。
運転中の異音や振動
換気扇は、モーターによってファンが回る仕組みになっています。モーターが劣化して消耗してくると、異音や振動が発生することがあります。また、ファン部分にゴミや汚れが付着している場合や内部で破損が生じている場合も異音が発生しやすくなります。
不具合があるまま使い続けると、モーターの過熱や換気扇内部にたまったほこりなどが原因で発火する危険があります。異音や振動が発生した場合は、使用を止めてモーター部分を交換するなどの対処をしましょう。
換気扇が作動しない
電源スイッチを押しても換気扇が作動しない場合は、換気扇の寿命や配線部分の不具合が考えられます。10年以上使用している換気扇が作動しなくなった場合は、寿命なのかもしれません。
また、劣化するのは換気扇だけではなく、電源スイッチ部分の摩耗によって作動しなくなることもあります。スイッチを押してみて、手応えが軽すぎたりガタガタしたりする場合は、電源の配線部分に不具合の疑いがあります。
換気の力が弱い
キッチンで調理しているときなどに、換気扇を回しても煙が排出されない場合やニオイが残ったままになるなら、換気機能が落ちているのかもしれません。
プロペラファンは、プロペラ自体に多くの油汚れが付着すると回転が鈍くなります。ダクトを通じて排気するシロッコファンの場合は、フィルターやダクトの途中で空気の通り道が詰まって遮断されていると、吸引力が落ちる原因になります。
換気扇の不具合は掃除で解消できることがある
換気扇の不具合は、症状によって掃除をすれば解消できることがあります。掃除で解消できれば、部品の取り替えや交換に費用をかける必要はありません。交換や修理を検討する前に、まずは換気扇の掃除をして不具合が解消できるか試してみましょう。効果的な掃除方法については、シロッコファンとプロペラファンの掃除方法でご紹介しています。
定期的に掃除することが大切
換気扇を長持ちさせるには、定期的に掃除をすることが大切です。特に、キッチン付近の換気扇は、ファンやフィルターに料理中に出る油分が付着しやすくなります。付着したほこりを取り除くことで異音が解消されることがあるので、最低でも年に1回は汚れをキレイに取り除きましょう。
換気扇の修理や交換はDIYできるもの?
換気扇の掃除をしても不具合が改善されない場合は、修理や交換が必要かもしれません。しかし、修理や交換をプロに依頼すると、部品代だけでなく工賃も発生するため自分で何とかしたいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、換気扇の修理や交換は、DIYが困難な場合があります。
部品交換による修理はDIYが難しい
換気扇のモーター部品などはインターネット販売を通じて購入できます。ただし、専門的な知識や技術がないと自分で修理するのは困難です。対応した部品を選ばなくてはいけませんし、自分で交換するにしても技術や専用の工具も必要になります。慣れない作業で故障やケガをしないためにも、部品の交換を自分でするのは避けたほうがよいでしょう。
配線工事には電気工事士の資格が必要
電源スイッチが壁面にあるタイプの換気扇は、取り付けや交換に電気配線の工事が必要です。配線工事は誰でもできるわけではなく、電気工事士の資格を保有している人に限られています。
資格がないままむやみに配線に触れてしまと、換気扇を故障させてしまうだけでなく感電などの事故に巻き込まれるおそれがあります。電気工事士の資格がない場合は、資格を保有している業者に依頼するようにしましょう。
配線工事が不要の換気扇はDIYでの交換が可能
コンセントに接続されたプロペラ式の換気扇であれば、配線工事が必要ないためDIYで新しいものに交換できます。ここでは、キッチン付近の壁に多いプロペラファンタイプの交換を例に挙げてご紹介します。
- ゴム手袋
- ドライバー
- ペンチ
- 新聞紙
- 脚立
DIYで換気扇を交換する手順
換気扇交換のおもな手順は、以下のとおりです。油汚れが多いので必ずゴム手袋をして作業をしましょう。油が垂れてもいいように、下に新聞紙を敷いておくことをおすすめします。
1.コンセントからプラグを抜く
誤作動によるケガを防ぐため、必ずプラグをコンセントから抜いて作業を始めます。換気扇の交換作業は高所での作業になるので、脚立はしっかりと固定してください。
2.ドライバーでネジをゆるめてカバーを外す
カバーが固定されているネジをドライバーでゆるめて外します。
3.壁に固定するための取り付けネジやビスをゆるめる
プロペラファンの多くは、固定用のネジが上部に2箇所あるのでペンチなどでゆるめます。下部に固定用のビスがある場合も外しておきましょう。
4.本体を手間に引いて壁から外す
固定用のネジやビスを外したあとは、本体ごと手前に引っ張ると本体を外すことができるはずです。
5.取り外したときと逆の要領で新しい換気扇を取り付ける
古い換気扇を外したら木枠などの汚れを拭き取っておきましょう。あとは、新しい換気扇を逆の要領で取り付ければ完了です。
取扱説明書は必ず確認しましょう
換気扇によって仕様や交換の方法は異なるので、正しく取り付けるためにも取扱説明書を確認しましょう。手元に取扱説明書がない場合は、換気扇メーカーのホームページを参考にしてください。メーカーによっては、取扱説明書のダウンロードや閲覧が可能です。
新しく交換する換気扇は、同じ型番であれば問題なくそのまま購入できます。しかし、古い型番の場合は、生産が終了している可能性があります。一般的に普及しているプロペラタイプの換気扇は、25㎝角と30㎝角の2種類なので適したサイズを選ぶようにしましょう。レンジフード付きのシロッコファンの場合は、60㎝・75㎝・90㎝など横幅の確認もしてください。
原因不明の場合はプロに任せたほうが安全
たとえ電気工事士の資格をもっていても、換気扇に起きた不具合の原因が分からない場合は、DIYすることをおすすめしません。むやみに配線をいじってしまうと、症状が余計に悪化しまうおそれがあるからです。
換気扇の不具合が分からない場合は、電気工事のプロに任せるようにしましょう。プロであれば、不具合の原因を特定して、対応している換気扇を正しい方法で設置してくれます。
また、古い換気扇を取り外す際は固定しているネジが腐食している可能性があります。もし自分で交換するのが不安な場合は、安全に交換するためにもプロに任せたほうがよいでしょう。
賃貸物件の場合は業者依頼する前に注意が必要
マンションやアパートなどに設置してある換気扇は初期設備になります。初期設備は家主の所有物であることから、故障した場合にかかる交換や修理の費用は家主が負担するのが一般的です。
ただし、条件によっては借主が費用を負担しなくてはいけないケースもあります。例えば、借主の過失で換気扇を故障させてしまった場合や故障したまま故意に放置して症状が悪化した場合は、借主に復旧費用を求められるケースがあります。
また、家主の許可なく業者に依頼してしまうと、修理や交換の費用が全額自己負担になる可能性があるので注意してください。原状回復の義務や初期設備の扱いは家主によって異なるため、不安な場合は入居時の契約内容を確認しておきましょう。換気扇に不具合を感じたときは、はじめに家主または管理会社に連絡するのがおすすめです。
業者に取り付けや交換を依頼したときの費用相場
換気扇の修理や交換を業者にした場合は、本体代もしくは部品代に加え工事費用がかかります。工事費用には工賃のほかに出張費などもかかってくるのが一般的です。ここでは、換気扇の修理や交換などをおこなう業者を比較した費用相場をご紹介します。
工賃は作業内容や取り付け場所で異なる
修理や交換の工賃は、依頼先の業者によって料金体系が異なり、以下のような作業内容の違いによっても差が出てきます。
- 電気配線工事の有無
- ダクト工事の有無
- 換気扇のサイズ
- 排気量 など
スイッチやモーターなどの部分修理であれば、工賃と部品代合わせて1万5千円前後の費用で対応してくれることが多いようです。また、トイレや浴室の天井にある小型のプロペラタイプの交換なら1人でも作業できることから、2万円前後の工賃で対応してもらえるところが多いようです。
しかし、大型のレンジフードを取り付ける場合やダクト工事が必要な場合は、工賃が高くなります。特に、プロペラファンからシロッコファンに切り替える場合は、天井に穴を開けて埋め込みするなど大がかりな工事が必要です。このため、工賃と本体代を合わせて20~40万円前後かかることもあります。
本体価格は多機能なものほど高額になる
換気扇の本体価格は設置場所にかかわらず、機能が充実するほど価格も高くなります。種類によって取り付け作業の内容が異なるので、工賃と合わせて適したものを選ぶとよいでしょう。
キッチン換気扇
プロペラファンタイプは、換気機能のみであれば5,000円前後です。不燃金属製や電動シャッターなどの機能が付くと1~2万円ほどになります。
シロッコファンタイプの場合、換気機能のみであれば2万円~6万円前後で、機能性の高いものになると約10万~15万円が相場です。レンジフードには、ファンやフィルターの自動洗浄機能が付いたものやコンロと連動して運転や停止を自動でしてくれるものなどが販売されています。
浴室換気扇
浴室換気扇は、換気機能のみのものであれば5千円~1万円前後で本体が購入できます。近年は、暖房機能や乾燥機能などの機能を兼ね備えているタイプも多く、本体価格だけで5万円ほどするものもあります。多機能タイプの換気扇は、リフォーム費用をセットにされていることが多いです。
トイレ換気扇
トイレ換気扇は小型のものであれば、3千~5千円前後で購入できます。タイマー運転や対人センサーで自動運転できるタイプの場合は、本体価格だけで2万円くらいするものもあります。
費用を抑えるには業者の選び方が大切
費用が安いからといって安易な気持ちで業者に依頼すると、トラブルに巻き込まれることがあるので注意しなくてはいけません。トラブルを避けるためにも、工事を依頼する業者は慎重に選ぶべきです。
複数の業者を比較して検討するのがポイント
業者に依頼するときは、1社で決めるのではなく複数の業者を比較しながら費用が抑えられるところを選びましょう。ただし、費用の安さだけで決めることはおすすめできません。費用が安すぎる業者のなかには、ずさんな工事をするケースもあるからです。
業者選びに失敗しないためには、信頼できる業者か事前に調べておくことが大切です。業者にホームページや実際に利用した人の口コミなどがあれば、参考にするのもよいでしょう。
工事を始める前に見積りを出してもらうこと
トラブルを避けるには、換気扇の本体価格だけ聞いて工事を依頼するのではなく、必ず見積りを出してもらうことも大切です。見積りを出さないまま工事の依頼をすると、施工後に高額な追加料金を請求されトラブルになるおそれがあります。全体の工事費用を内訳まで確認して、納得したうえで依頼しましょう。
もし換気扇の掃除をしても不具合が解消されないなら、症状が悪化する前に業者への依頼を検討してみましょう。弊社では、換気扇の交換など電気工事をおこなうプロを数多くご紹介していますので、お悩みの場合はぜひ一度点検を依頼してみてください。
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