「ブレーカーを交換したい」というときに、どのようなものを選んだらよいのか分からないという方は、多いのではないでしょうか。ブレーカーは漏電などの危険を知らせてくれる、建物内に必要不可欠なものです。
ブレーカーにも寿命があり、また近年は電化製品の需要が増え電気容量が足りないからブレーカーを交換したいという方もいらっしゃるかもしれません。
今回はブレーカーの選定で気をつける点についてご紹介します。
目次
ブレーカーとは
ブレーカーを選定するときに役割を知っておくと、その交換の必要性が実感できるかもしれません。
ブレーカーは電気が流れている建物内に設置されているもので、建物内に流れる電流の管理をしています。漏電ブレーカーや安全ブレーカー、アンペアブレーカーの主に3種類があります。
家庭内にも必要不可欠なものですが、ブレーカーが故障した際に交換しようとしても資格が必要です。
ブレーカーは一般用電気工作物または家庭用電気工作物となっており、交換をするときには「第二種電気工事士」以上の資格が必要となります。
第二種電気工事士はコンセントの工事などの、一般家庭や店舗などにおいて600ボルト以下で受電をする設備の工事をおこなうときに必要な資格となっています。ブレーカー本体はもちろん、ブレーカーを切っておこなう工事はこの資格が必要です。
ブレーカーの役割について
突然ブレーカーが切れて驚いたという経験はありませんか。ブレーカーは用途によっていくつかの種類があり、役割ごとに選定する必要があります。ブレーカーには主に3種類のものがあります。
漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは建物内で漏電が発生したときにそれを察知して、自動的に落ちるという機能がついているブレーカーです。漏電による感電・火災などを防止することが目的で、水気のある場所や火気厳禁の場所などに選択されます。家庭では、主幹ブレーカーとして建物全体の電気の漏電を防止してくれるものです。
建物には供給される電流と使用される電流があります。使用される電流と供給される電流に大きく差があった場合に、どこかで電流が漏れていると感知して落ちるという仕組みです。
安全ブレーカー
安全ブレーカー(配線用遮断器)は、電源のON/OFFの切り替えや、許容を超えた電流を感知したときに自動的に回路を切り離す機能をもっています。たとえば、ある部屋で電気を必要以上に使いすぎたときには、安全のため自動的にブレーカーが落ちるのです。また漏電が発生したときには、その場所を特定するために使用することもあります。
電線・家電の保護と火災の防止を目的としていて、分岐ブレーカーとして分岐回路(各部屋やコンセントに電気を運ぶ回路)に設置されるものです。ひと昔前に使用されていたヒューズより早く復旧できるようになったのも利点のひとつですね。
アンペアブレーカー
家庭で使える電流は、電力会社との契約内容によって変わります。アンペアブレーカーは、契約した電力量を越えそうになったときに警告として自動的に落ちるものです。
ブレーカーは掛かる負荷で選定
ブレーカーは選定をする上で、ブレーカーにかかる負荷で選ぶ必要があります。ブレーカーにかかる電圧が高いほど、ブレーカーにかかる負担も大きくなります。その負担に耐えられるようなブレーカーを選ぶことが重要です。
負担に耐えられないようなブレーカーを選んでしまうと、事故などの可能性もあるので注意しなくてはなりません。ブレーカーを選ぶ際には使用できる電圧にあわせて選ぶことが重要です。
使用電圧
定格電圧、使用可能電圧にあわせて選ぶ必要があります。分電盤で漏電ブレーカー(主幹ブレーカー)をチェックすると、100Vで対応しているのか200Vで対応しているのかを確認することができます。定格電圧が100Vのものは使用可能電圧が80V~となっており、また200Vのものは160V~です。
取りつけ方法のおもな手順
取りつけ方法は機種によって異なるので確認が必要です。
(1)3極ブレーカーを単相3線式回路に使用する場合は、中性線を中極に、電圧線を左右極に接続します。
(単相2線式回路に使用する場合は、左右極に接続します。)
(2)インバータ対応をしているか確認し、対応している場合は高調波成分による変化を考慮して定格電流を1.4倍以上のものにします。
(3)周囲温度設定が40度となっている場合が多いので、定格電流を確認して周囲温度を確認します。
ブレーカーを使う上での注意点
ブレーカーを選定したあと、使用する段階になったときには注意が必要です。まず、交換が完了したあとにはスイッチを入れることが必要となりますが、場合によっては電力会社の立ち会いが必要なことがあります。
また、電力量計を交換する必要がある場合があります。ブレーカーの種類によっては電力量が大きく変化するという場合もあるほか、計量方法も変わる場合もあるようなので注意が必要です。
ほかにも200Vに対応していないという場合などは、電力会社に依頼しての施工や電線の張り替えが必要なときもあるので、会社に問い合わせる必要があります。
漏電をおこさないために
家庭内で起こる事故として、感電は一般的によく知られているもののひとつです。水にぬれた家電や、むき出しになった電線から電気が漏れ、そこを人が触ると感電事故が発生します。そういった漏電による事故を未然に防ぐために、漏電遮断器は設置されているのです。
漏電による感電防止策としては、一般的には漏電ブレーカーよりもアース線のほうが有名ですよね。アース線は電流が家電に流れすぎないよう、地中に電気を逃がすために家電に取り付けられています。
多くの人は、電子レンジや洗濯機から伸びている緑色の線を見たことがあるでしょう。それがアース線です。家電から万が一漏電してしまったときは、このアース線が人への感電を防いでくれます。
漏電による感電は身の回りで起こる事故の中でも、もっとも恐ろしいもののひとつです。自身の安全のためにも、事故は未然に防げるように正しくブレーカーを選定してください。もしも、漏電してしまった場合は危険ですので、正しい対処法を熟知しているプロに依頼することをおすすめします。
まとめ
ブレーカーの選定には住宅の使用範囲や使用できる最大の電圧、また配線の数などに注意が必要です。取りつけには資格が必要なので、私たちが直接工事をするということはないかもしれませんが、ブレーカーは市販されているので自分たちで選んで工事をお願いするという機会もあるかもしれません。
もしブレーカーがどのようなものか分からないというときは交換工事もふくめて業者にお願いしたほうがいよいかもしれません。
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