急な停電は漏電ブレーカーが故障かも?対処方法と確かめ方について

2021.5.12

急な停電は漏電ブレーカーが故障かも?対処方法と確かめ方について

お住まいの電気系統を管理しているブレーカーには二種類あります。一つは電力会社との契約アンペア以上に電化製品を使用した際にはたらく『アンペアプレーカー』。もうひとつは、電気回路が漏電しているなどのトラブルを検知して電気の供給を遮断する『漏電ブレーカー』です。

感電や火花による火災を防いでくれる心強い安全装置である漏電ブレーカーですが、精密機器である以上、長年の使用によって劣化し故障してしまうことがあります。故障した漏電ブレーカーをそのまま使い続けることは、安全装置が機能していないということであり、非常に危険です。
本コラムでは、漏電ブレーカーの故障が疑われる際にどう動くべきかをご説明いたします。

漏電ブレーカーが作動するときとは?

漏電ブレーカーはその名の通り漏電を検知してはたらくブレーカーです。では漏電とは具体的にどんな状態かと言いますと、『電流が回路の外に漏れ出ている状態』を意味します。

電流が漏れる原因はさまざまです。例えば水道管が破裂した時と同じように、電線のビニール被膜が破れて金属の心線がむき出しになっていれば、当然そこから電流が漏れてしまいます。コンセントに接続したプラグとの隙間に埃が溜まると、埃を通じて外に電気が漏れるといったこともあります。

その他、雨に濡れて回路の中に水が侵入した場合や、小さな虫が回路の中に入り込んでそこで感電し、死骸を電気が通って外に逃げるといった事例も報告されています。一般的に防水機能のない家電製品が水没すると壊れると言われているのは、水に触れると漏電してしまうからです。単純に経年劣化によって回路を構成する金属が剥がれて別の場所に触れ、漏電することもあると言われています。

漏電は、本来電気が流れることを想定していない場所に電気が流れてしまいます。漏電箇所に人が触れれば感電のリスクがあるのはもちろん、回路がショートして火花が散り、火災の原因になるといった非常に危険性な状態です。

これを防ぐために漏電ブレーカーを取り付けて、漏電が起きたら即電気を遮断できるようにしているのです。漏電ブレーカーが故障していたために知らない間に漏電していて感電してしまったというケースも報告されています。

漏電ブレーカーは-極側で帰ってきた電気を受け取り、+極を出て行ったときと比較して異変がないかを調べます。回路の外に漏電していれば、-極に帰る電気が減っているなど何らかの異常があるため、ブレーカーが漏電を検知できるというわけです。
          漏電ブレーカーが作動するときとは?

漏電ブレーカーの耐用年数について

漏電ブレーカーは精密機器である以上、どうしても長年の使用で劣化してしまいます。一般的に漏電ブレーカーの耐用年数は10年~15年程度と言われていますが、これはあくまで一度も動作しなかった場合です。

ブレーカーが切れた時によく耳にする『バチン』という音は、内部で遮断機が下りて回路を物理的に遮断する動作音です。照明のスイッチを長く使っていると中のバネがへたれてしまうように、ブレーカーの遮断機も何度も使えばへたってしまいます。

また、ブレーカーの耐用年数は使用環境によっても変わってきます。精密機器にとって埃や湿気は部品を劣化させる大敵です。長く掃除をしていなかったり、近くに別の機械があって高温になりやすい場所、狭くて放熱が妨げられる場所、お風呂場の近くなど湿気の多い場所にブレーカーが設置されている場合、本来の耐用年数よりも早く劣化することがあるとされています。

以上の点を踏まえて、ブレーカーが壊れていないかは4年ごとに点検するのがオススメです。最初に設置してから4年を目処に一度点検を行い、異常がなければまた4年後にチェック。これを習慣づけることで、漏電ブレーカーの故障を早期に発見することができます。

漏電ブレーカーの故障が疑われるときはどうすればいい?

漏電していないのに勝手に遮断機が下りるとき、逆に漏電が明らかにも関わらずブレーカーが作動しない時などは、漏電ブレーカーの故障が疑われます。その他、付近に雷が落ちた時や地震、台風の後なども、漏電ブレーカーに異変が見られないか確認しておくべきと言われています。天災による物理的な破損のほか、雷の高圧電流が漏電ブレーカーの回路を焼いて壊してしまうこともあるためです。

漏電ブレーカーの故障が疑われる時は、速やかに電力会社または電気工事を取り扱う業者に相談をしましょう。そのまま使い続けるのは他の家電の故障や感電、火災につながる可能性もあり、とても危険です。

業者が修理に来るまでは、家の電気系統を全部切ってしまうのが一番安全です。ブレーカーの設置された配電盤を開けてみると、『○○A』と書かれたひときわ大きなスイッチがあります。これが先述のアンペアブレーカーで、家全体の電気の元栓の役割も持っています。元栓を閉めてしまえば、とりあえず漏電による被害の危険はなくなります。

漏電ブレーカーだけが故障しているのに、家全体で電気が使えなくなるのは困るといった場合は、故障している箇所のブレーカーだけを切っておくことも有効です。
      漏電ブレーカーの故障が疑われるときはどうすればいい?

漏電ブレーカーの故障を調査する方法について

漏電ブレーカーが故障しているかどうかを確かめるには、ブレーカーに取り付けられている『テストスイッチ』を使用します。テストスイッチは意図的に漏電状態を発生させる装置で、漏電ブレーカーが正常に動いているのであればテストスイッチを押すと遮断機が作動します。
スイッチを押しても遮断が起きない場合は故障している可能性があります。テストには電流が流れている必要があるので、テスト時にはアンペアブレーカーのスイッチも入れておきましょう。

また、漏電ブレーカーはお部屋やフロアなどの区画ごとに設置されています。そのお部屋のコンセントから全てのプラグを抜き、何の家電も使用していない状態にも関わらず漏電ブレーカーが勝手に遮断してしまう場合も、ブレーカーか電気系統の配線自体のいずれかが故障しているおそれがあります。この場合も速やかに電気工事業者に相談をするべきです。
      漏電ブレーカーの故障を調査する方法について

まとめ

漏電ブレーカーの故障について、覚えておくと役立つ基礎知識をご紹介してきました。下記に要点をまとめます。

・漏電ブレーカーは電気製品や電気系統の漏電を検知して回路を遮断する安全装置のこと。
・漏電ブレーカーが故障していると感電や火災などが発生する可能性があるため非常に危険。
・漏電ブレーカーの耐用年数は10年から15年程度。ただし使用状況によって大幅に変動するため、4年ごとに定期的に点検するのが安全。
・漏電ブレーカーの故障を確認するにはテストスイッチを利用する。また該当するお部屋の電気製品を全てコンセントから抜いて遮断機が下りるかどうかも確かめる。
・漏電ブレーカーの故障が疑われるときはできるだけ早く電力会社に相談し、状況が改善されるまでブレーカーは切っておくのが望ましい。

漏電ブレーカーの修理や交換には、電気工事士の資格が必要になる場合があります。資格をお持ちでない場合は、不要に取り外したり交換することはせず、プロにまかせましょう。

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