私たちの生活の中で、欠かすことができない電気です。いつもはなに不自由なく使える電気ですが、突然トラブルが起こることもあります。自宅で起こる主な電気のトラブルが漏電です。
「自宅で漏電してしまった……。」そんなとき、電気に詳しければご自身でどうにかしようと思うのではないでしょうか。その際に知っておいていただきたいことが、アースや接地、グラウンドについてです。耳にはしたことがあっても、意味合いが近く、混同してしまっている方も多いかと思います。
グラウンドとはどのようなものを指すのか、また、アース(接地)についても触れていきます。少しでもこれらの知識があると、ご自宅での電気のトラブルがあった際に、役に立つかもしれません。
まずはグラウンドの意味を知ろう
電気について知識がある方の中でも、アース(接地)とグラウンドが同じ意味であると認識している方が多いようです。しかし、詳しく見てみると、グラウンドとアースの電位が異なることもあるようです。それでも、ほとんどは電位が異なることもなく、同じ意味を指します。では、どうしてアースとグラウンドといった、異なる呼び方が存在するのでしょうか。
そもそも、元をたどれば、「アース」はヨーロッパでの「グラウンド」はアメリカでの呼ばれ方の差異です。ヨーロッパでは、一般的に地球に接地するという考え方をしたため、地球という意味の「アース(Earth)」と呼ぶようになりました。
一方で、アメリカでは、地面に接地すると考えたため、「地面(Ground)」と呼ばれるようになったのです。実は、呼び方が異なるだけでもともとの指しているものは同じなのです。
グラウンドとは、電気回路の中で、基準として使われる電位との電位差がない状態の部分を指します。よく簡単な表現として、「グラウンド=マイナスの配線」とされています。
グラウンドは、なにかに電気が使われた後の配線のことを指します。電気回路では、電気を使う物質を通り、役割を果たした電気が通る配線です。一方で、日々の生活に溢れている電気では、グラウンドはその名の通り、地面を指すこともしばしばあります。
電気は、基本的に使われた後には地面へと吸収されていきます。最終的に流れ込む地面こそが、グラウンドの役割を果たしているのです。
アースといっても種類がある
日本では、一般的にグラウンドよりもアースと呼ばれることが多いかと思います。聞きなじみはあっても、一体どのようなものをアースと呼ぶのか、正確にはわからないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなアースには、接地の種別によって4つに区分されます。また、これらのアースは、感電をしてしまわないために、知識のある業者が行うものです。アースによって、私たちは電気の事故から守られているといっても過言ではありません。
・A種接地…高圧用。感電防止。
・B種接地…高圧と低圧がどちらも混ざり合う際の、変圧器としての一線接地。
・C種接地…300Vを超える低圧電気の接地。
・D種接地…300V以下の低圧電気の接地。
これらは、雷などの電気を大気へ逃す避雷針や通信機器を電気から守るために行われるアースです。電気は、私たちの生活に欠かせない大変便利なものである一方で、時には人体の危険を脅かすほどの脅威となることもあります。
電気が常に安全な状態で使えるように、アースは大きな役割を担っているのです。アース(接地)の種類の他に知っておきたいのが、「反限時特性」です。電気回路のなかには、遮断器の役割を果たすものが存在します。
この反限時特性とは、配線に流れる電流の量が基準値を超えたとき、遮断器による遮断作業のタイミングが変わることを指します。
つねに、電気回路のなかでは、一定の時間に電気の遮断が起こります。どの回路にも電流の適切量が存在しますが、その回路に基準より多い量の電流が流れると、遮断器での電気遮断時間が通常時よりも短くなります。
アースは接地抵抗も考えなければならない
アースには接地するともない、抵抗が起こることを知っておく必要があります。地面と接地することで、身の回りの家電製品が使えていたり、各家庭に電力を普及するためのエネルギーを作り出したりできているのです。
このように、地面と接地することで私たちの生活が豊かになっているのですが、接地の際に抵抗が起こることも事実です。地面には、さまざまな種類の砂や粘土、石などが含まれており、その成分によって電気抵抗が起こります。
電気抵抗の大きさは、その土地によって異なります。地面の性質や水分の量により、電気抵抗が大きかったり、小さかったりするのです。
アースはどんな場所に必要なのか
ご自宅の中では、どのような場所にアース(接地)が必要となるのでしょうか。家電製品において、アースが必要なのは主に以下の2種類です。
①多湿となる場所で使う家電
多湿となる場所で使う家電として挙げられるのが、電子レンジや冷蔵庫などです。これらの電化製品は、キッチンに置かれることが多いため、比較的多湿の環境に置かれるものとして挙げられます。
②水を使用する家電
水を使用する家電は、洗濯機やウォシュレットの機能が備わった便座、電気ケトルなどが挙げられます。
漏電による感電を防ぐためにも、アースが必要となる場所では、きちんと接地することが大切です。挙げたものを見るとわかるように、水の近くに置かれる電化製品には、アースの設置をするべきなのです。例えば、水で濡れた手で電気を触ると感電しやすいというのは有名な話ですよね。電気と水は仲が悪いため、そのぶん感電を防ぐ必要があるのです。
まとめ
アースの役割についてよくわからないという方も多かったのではないでしょうか。アースに関係するものとして、グラウンドが挙げられます。一言でアースといえど、その種類は4種類にわたります。電圧の強さによって適切なアースが必要なのです。
アース(接地)による抵抗は、重要な役割を果たします。接地抵抗があることで、電気が有効に使えているのです。
アースはご存じの通り、ご自宅の中にもあります。水場や多湿の場所では、アースが必要となります。漏電や感電事故に繋がらないように、適切にアースを活用しましょう。
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