毎日の生活に欠かせないコンセントは、家庭だけでなく色々な場所で見かける機会も多いものです。その中でも病院はたくさんのコンセントを使用しており、病院のいたるところで見かけます。よく見ると、普通のコンセントと見た目も違います。
病院で使用されている医療用コンセントにはどんな用途があるか、知らない方がほとんどではないでしょうか。そこで今回は、あまり知る機会がない医療用コンセントについて詳しくご紹介していきます。
医療用コンセントの違い
一般用コンセントと医療用コンセントでは何が違うのでしょうか。しっかりとした違いを知ることで、医療用コンセントの重要さがわかってきます。
●高い接地性能
病院の電気機器は、皮膚を通し感電する「マクロショック」と、身体の中に処置した心臓カテーテルなどから直接心臓などに感電する「ミクロショック」を防止するため、全ての電気機器の電位を同じとする「等電位接地」が施されています。
等電位接地とは,接地との電圧(電位)を0となるように、電圧(電位)を等しくすることで電気機器が絶縁破壊を起こさないようにしていることを言います。
また、ミクロショックを防止するためには、コンセントから供給される電源の漏れ電流を数十μA以下まで低減させなければならないため、高い接地性能が求められているのです。
●高い強度
一般用コンセントは高いところから落としたときには割れてしまったり、変形してしまい、再び使うことはできません。
しかし、医療用コンセントは高い強度を持っているため、そういったときにも再使用が可能となっているのです。例えば、46cmの高さから2.3kgの鋼製円柱の錘をコンセント表面に落としても、ほとんど破損することなく使用が可能なのです。
●耐薬品性
医療用コンセントは、病室や手術室にももちろん設置されています。
手術や処置などに酸素、二酸化炭素、窒素、笑気(亜酸化窒素)ガスやなど多くのガスにさらされることもあります。そのため、金属部品や端子が腐食しないよう、耐薬品性が強化されているのです。
4色の医療用コンセント
家庭では見ることがないカラーのコンセントは、病院で見かけることがある方もいるかもしれません。このカラーコンセントの見た目はおしゃれですが、それぞれ目的がしっかり定められています。
●白
一般家庭で使用されている電気は「商用電源」と呼ばれています。それと同様に白いコンセントは商用電源だけから供給されるコンセント使用されています。
●赤
商用電源は、落雷や大雪などで送電がストップしたら復旧するまで待つしか方法がありません。
病院も普段は商用電源を使用していますが、機器によっては止められないものもあります。人に命に関わるケースもあるので、回復するまで待つことができないのです。
そこで大きな病院では、発電機やバッテリーによる停電対策がされています。その中でも赤いコンセントはすぐに回復するものとして見分けられるようにしています。
●緑
上記の赤いコンセントと同様に停電時に、電気の供給を止められない電気に使用するのが、緑のコンセントです。赤とは違い絶対に停電しないのが緑のコンセントになっています。
●茶
チョコともよばれている茶色のコンセントですが、一般家庭で使用しているコンセントとは用途が全く違います。
コンセントやプラグに水は厳禁で、濡れるとアースにも電気が流れ、漏電の原因になることはご存じの方も多いのではないでしょうか。そのため、洗濯機や温水洗浄トイレなどの水回りには漏電遮断器を取り付け、漏電を検知し事故を防いでくれます。
しかし、病院ではどうしてもコンセントを必要とする場合も多く、漏電遮断機が邪魔になることもあります。そのため、意図的にアースを取り付けてないコンセントが用意されており、それが茶色のコンセントになっています。漏電すると警報機が作動するので、気づかずに感電ということはないようですが電気は流れ続けています。
カラーのコンセントは見た目は華やかですが、使用用途が違っています。色が付いている医療用コンセントはあくまで緊急用なので、病院で見かけても勝手に使用しないようにしましょう。
内線規程により定められている
病院のコンセントは勝手に設置することは認められていません。
「内線規程(3202-3・5)」により、病院、診察所などにおいては、医療用電気機械器具を使用する部屋には、JIS T 1021(医用差込接続器)に適合する器具を使用しなければならなく、また、JIS T 1022(病院電気設備の安全基準)に基づき適切な接地工事を施さなければならないと決まっています。
したがって、病院、診療所等に設ける電気設備は、医用室の使用目的に応じて医用接地方式、非接地配線方式、非常電源を適用しなければならないと決まっています。
(1) 使用する医用電気機器などの消費電力及び数量を考慮して、必要な数量のコンセントを設ける。
(2) 1分岐回路に接続するコンセントの口数は、通常、10口以下とし、必要な数量の分岐回路を設ける。
(3) 定格電流が10Aを超える医用電気機器を使用する医用室には、専用の分岐回路を設け、かつ、コンセントには見やすい箇所にその旨を表示する。また、分岐回路の過電流遮断器が動作する状態になったとき、これを警報する電流監視装置を設ける。
上記の他に様々な規定があり、病院のどこにでも医療用コンセントを設置できるわけではないのです。
まとめ
医療用コンセントは一般家庭と違い人の命を守るために必要な目的を果たしています。見た目がおしゃれだからといって、一般家庭に同じコンセントを設置できないのです。
コンセントは生活していく上で欠かせないものです。ご自宅家のコンセントもしっかり取り付けられているか、今一度コンセントを見直してみてもいいかもしれません。
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