自宅で電子機器や家電を使うのに欠かせないのが、壁に設置されたコンセントです。
縦長の穴が2つついた100Vのコンセントが一般的なものかもしれませんが、それ以外にも、いろいろな形のコンセントがあることをご存知でしょうか?
じつはコンセントには200Vのものも存在しており、コンセントの形は100Vか200Vかという電圧によって異なるのです。
このコラムでは、日本のおもな電圧である100Vと200Vコンセントの形状の違いにあわせて、その秘密を紹介していきます。
日本のコンセントの電圧は主に2種類
日本のコンセントの電圧はおもに、100Vと200Vの2種類に分かれます。この2種類の大きな違いは使用目的です。
100Vコンセントは、一部を除いた一般家庭用に設置されています。2つの縦長の穴がついている一般的なコンセントが、100Vのものです。テレビや電気ポット、スマホの充電など、あらゆる用途で日常的に使用しています。
一方200Vコンセントは、冷蔵庫やエアコンなど大きな電力を必要とする機器に使用するコンセントです。最近は高性能な家電が多く出てきているため、200Vのコンセントが必要となることが増えてくるかもしれません。
100Vコンセントと200Vコンセントは形状が違うので、それぞれ用途にあった形の差込プラグが必要になります。100V仕様の電気機器に200Vの電圧を流すと想定外の力や熱を発し、火災などを引き起こすおそれがあるので注意してください。
「接地極」の有無でも形状は異なる
さまざまな家電製品があるなかで、コンセントの先端から緑色と黄色のコードが出ているものや、丸い棒状のものがついているコンセントがあります。これらのようなコードや棒状のものは「接地極」と呼ばれるものです。
「接地極」は、感電防止、静電気の防止、雷による被害軽減などの目的で使用されている部品です。接地極がついているコンセントは基本的に、プラグを差し込む穴が普通のコンセントより1つ多くついています。コンセントの2つ並んだ穴の下、真ん中あたりに、口のような穴が追加でついている形です。
接地極付きのコンセントかどうかは、コンセントに「口」があるかどうかで見分けましょう。
200vコンセントは大きく分けて4種類!
200Vコンセントの形状は、大きく分けて4種類に分けられます。
「単相 接地極なし」「単相 接地極付き」「三相 接地極なし」「三相 接地極付き」です。
単相とは、一般家庭で利用されているコンセントの配線方法です。配線の数が少ないため電圧が低く、安全性が高いことから、一般家庭で多く利用されています。
三相とは、お店や工場などの電気を多く使う場所などで利用されている配線です。単相に比べ、少ない電流で同じ電力が得られることから、電気損失が少ないのが特徴です。
しかし、単相と比べると安全性は低いため、一般家庭では使用できません。単相は100Vと200Vがあるのに対し、三相は200Vしかないのも特徴のひとつです。
4種類の200Vコンセントの形状について、簡単に説明しましょう。
・単相 接地極なし
横長の穴が2つ隣り合っていて、寝ている顔文字のような形をしています。
・単相 接地極付き
単相・接地極なしのものに、三角に近い口がついたような形です。穴は全部で3つになっています。
・三相 接地極なし
ハの字のように左右の穴があり、その中央をひとつの縦長の穴が開いています。穴は全部で3つです。
・三相 接地極付き
眉がつながった人の顔のような形で、穴が開いています。口の位置にある穴は縦についており、穴は全部で4つです。
コンセント工事には資格が必要
200Vコンセントの形状は、一般的なコンセントとは違うということは理解していただけましたか?「うちには200Vコンセントがないから、新しく設置したい!」と考えている方もいるでしょう。
しかし、コンセントの増設など電気に関わる工事を自身でやってしまうと違法になってしまうのはご存知でしょうか。
コンセントの配線工事には「電気工事士」という資格が必要です。200Vコンセントにかかわらず、コンセントを増設したり配線を変えたりしたい場合は、無資格で作業することは法律で禁止されています。
また、場合によっては大きな火災や事故につながり、取り返しのつかないケガをしてしまうおそれがあるのです。それらを避けるためにも、工事などを考えている場合は一度資格を有している業者へ相談するようにしましょう。
まとめ
200Vのコンセントの形状は、配線が「単相」か「三相」か、「接地極」がついているかついていないかによって異なります。あまり一般家庭では見かけないコンセントですが、使用する際は間違った種類のプラグを接続しないように気を付けてください。漏電や火災など、大きな事故を引き起こすおそれがあります。
また、コンセントを新しく設置したり、配線を変えたりする工事は「電気工事士」の資格が必要です。200Vコンセントの増設を考えている方は、事故や火災などから家などを守るためにも、業者に依頼して安全に工事をおこなってもらうようにしましょう。
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