吹き抜けを設けることが多いリビングなどの空間は、来客を迎える「応接間」としても機能します。また複数の階をつなぐため、家族の交流の中心にもなることが多いです。
そんな重要な役割を果たす吹き抜けは照明選びも工夫したいところ。しかし高さのある部屋だからこそ、どの明るさで、どこに器具を付けるかが重要になってきます。
今回は吹き抜けの照明の種類や取り付ける際の例をご紹介します。照明次第でさまざまな顔を持つようになる吹き抜け、上手に設置して趣ある空間を演出したいところですね。
目次
吹き抜けの照明で陥りがちな失敗例
天井の高さがある吹き抜け空間は通常の部屋とは異なった性質を持っており、照明計画を誤ると過ごしにくい印象を与えてしまいます。まずは失敗例を確認しつつ、吹き抜けの照明について考えてみましょう。
カタログスペックだけを見てしまう
カタログ上の照明器具の明るさは通常の天井の高さに合わせて示していることが大半。高さのある吹き抜けはそれより高い位置にあり光が拡散するため、通常の照明の明るさを選ぶと暗くなる傾向にあるのです。そのためカタログスペックをそのまま当てはめると、薄暗い空間ができてしまいます。
あくまで目安ですが、2階吹き抜けの天井に設置された照明器具の場合、通常の天井に比べて約4分の1の明るさになります。照明の数を増やすか、より明るい器具を選ぶ必要があるでしょう。
部屋全体をとにかく明るくしようとしてしまう
逆に吹き抜けで暗くなることを意識しすぎてしまい、照明の配置を多くすると落ち着きのない空間になってしまいます。どこを向いても照明器具の光が直接目に入る、というのはあまりよくありません。
どうしても目の届く位置に照明を設置するときは間接照明などを利用するのもひとつの方法です。
吹き抜け部分だけで配置してしまう
とくに新築時、部屋の平面図だけを見ていると起きやすいトラブルです。
たとえば吹き抜けの2階部分にテラス状に廊下が張り出している場合。廊下の照明と吹き抜けをバラバラに配置してしまうと照明の数が多くなるほか、配置のバランスも取れなくなってしまいます。
このミスを防止するためには図面上に×印で示される吹き抜けだけでなく、実際に天井続きとなる空間も一緒に確認しておくことが大切です。
部屋内の明るさが不自然にバラバラとなってしまう
空間の高さが高いぶん、吹き抜けに1つの照明だけでは明るさのムラが起こってしまうことが多くなります。そのため吹き抜けではいくつかの照明器具を併用することがほとんどでしょう。
これを費用や電気代がもったいないからといって器具を減らしてしまうと、かえって過ごしにくい空間になってしまいます。できれば照明器具の数を減らしたいのであれば、なるべく明るい照明を使うようにしてください。
一方、作業空間となるテーブルや観葉植物など、特定の箇所を照らして「明かり溜まり」を作るのは、空間の演出法のひとつとして使えるかもしれません。
影が不自然に目立ってしまう
光には方向性があるため、ものに遮られた部分には影が生じます。しかし部屋では複数の方向から照明の光が届くために影は目立ちにくく、あまり意識することなく過ごすことができるのです。そのため照明の設置が片寄ってしまい、たとえば影が天井に映ってしまうような状況はあまりよくないといえます。
また空調が効きにくい吹き抜けではシーリングファンを設置し、室温を均一に近づける方が多いです。しかしシーリングファンと照明が被ってしまうと、シーリングファンの羽根がちらつきを生んでしまうおそれもあるでしょう。
このように、吹き抜けの照明計画は失敗も多いです。安易に考えず、しっかりと効果を確認するようにしてください。
吹き抜けの照明に適した器具の例
天井に埋め込むタイプの照明器具です。近年では寿命の長いLEDの普及に伴い、電球交換のできない一体式が主流となっています。
吹き抜けの天井に設置する場合は実際よりも暗くなりがちなので、明るめの器具を選ぶようにすることがポイントになってくるでしょう。
ダウンライト
天井からぶらさげるように設置する照明器具です。ダウンライトよりも床に近づくために暗くなりにくく、照明カバーとしてデザインに富んだものが多く市販されていることが特徴といえます。
ペンダントライト
天井からぶらさげるように設置する照明器具です。ダウンライトよりも床に近づくために暗くなりにくく、照明カバーとしてデザインに富んだものが多く市販されていることが特徴といえます。
壁面照明(ブラケットライト)
壁に対して固定するタイプの照明器具です。高さの融通が利きやすく、光の方向を調整しやすいのがメリット。一方で照明の光が直接目に入りやすいのがデメリットといえるでしょう。
スポットライト
天井や壁に取り付け、一部だけを照らすタイプの照明です。
多くの場合照明用のレール(ダクトレール)を介して利用されるほか、角度も変更できるものが多いことが特徴。吹き抜けの照明ではこれらの種類の器具を統一して使用する場合、組み合わせて利用する場合の両方があります。
吹き抜けにどう照明を取り付けるか①リビング
それでは、吹き抜けに照明を設置する際の例をご紹介していきます。まずはリビングの例からです。
張り出し部分の下を照らすようにダウンライトを設置することで、光源を確保しつつも落ち着く空間に仕上げることができます。
天井に照明を設置せず、壁にスポットライトを設置して上向きに設置する例です。こうすることによって天井をしっかり照らせるため、吹き抜けの存在感を強調し奥行きのある部屋を演出できます。
コードの長いペンダントライトを使用すれば、吹き抜けの天井に照明を設置しても十分な光量を確保できます。
梁(はり)がある部屋の場合は、梁からペンダントライトを吊るすのもひとつの手です。通常、梁の真下は光が遮られやすいため暗くなりがちです。しかし、この設置方法であればそのような問題を解消できます。
吹き抜けにどう照明を取り付けるか②ダイニング
普段わたしたちが口にしている食事は、光のあたり方ひとつで印象が大きく異なります。暗い場所で食べる食事は、それだけでおいしさが減ってしまいかねません。そのため、ダイニングの照明は十分な光量を確保することを意識して設置することをおすすめします。
吹き抜けは天井が高くなる分、天井に照明を設置するとどうしても下まで届く光量が減って暗くなってしまいがちです。しかし、コードの長いペンダントライトであれば天井に照明を設置してもダイニングを明るく照らすことができます。
吹き抜けの高さやダイニングの位置によっては、ペンダントライトだけでは十分な光量を確保できない場合があります。そのような場合は、ほかの照明と組み合わせることをおすすめします。
吹き抜けにどう照明を取り付けるか③廊下・階段
滞在よりも移動のための空間である廊下や階段は危険性防止のため、足元がしっかり見えるように照明を配置することをおすすめします。
壁面に照明を設置して足元を照らす例です。側板がないタイプの吹き抜け階段(リビング階段)であれば、足元と階段下の両方を照らすことができます。
踏み込み板がない階段の場合は床面近くに照明を設置し、下から上へと照らすようにすると足元を照らしつつおしゃれな雰囲気を演出できます。
吹き抜け階段の天井にダウンライトを設置することで足元を明るくしつつ、リビングとの明暗を際立たせておしゃれな雰囲気を醸し出せます。
吹き抜けにどう照明を取り付けるか④シーリングファンとの組み合わせ
シーリングファンは換気をおこなうために欠かせませんが、照明の設置方法次第では影ができてしまうので注意が必要です。
照明付きのシーリングファンを設置すれば、光を羽に遮られることなく照明を利用することができます。
天井にダウンライトを設置する場合でも、設置する位置をしっかりと考えればシーリングファンの羽に光を遮られる事態を防ぐことが可能です。
照明計画はプロとも相談を
光の広がり方は意外と想像しにくく、いざ照明を取り付けてみたら使いにくくて不便ということも少なくありません。とくに吹き抜けの照明の場合は顕著なため、照明工事のプロと一度相談することをおすすめします。
照明工事のプロは豊富な施工経験と知識から照明ごとの性質を把握しており、理想の空間にあった照明器具選びのお手伝いをすることが可能です。一度イメージを伝え、見積もりとアドバイスを確認してみましょう。
また取り付け位置によっては配線を分岐させたり、新たに屋内配線を敷く必要も出てきます。屋内配線工事には電気工事士資格が必要な点も、プロと綿密に相談するひとつの理由です。
まとめ
吹き抜けの照明器具選びは失敗も多く、適切な明るさになるよう配置や明るさを調整するための知識・経験が必要になります。そのため照明工事のプロを交えて検討し、イメージ通りの明るさを確保できるよう工夫したいところです。
生活110番では照明工事のプロと皆様をおつなぎするお手伝いをしています。吹き抜けの照明を一度見直したい、追加したいなどありましたら一度お問い合わせください。
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