災害で停電したらブレーカーを落とす!危険な通電火災を防ごう

2021.4.30

災害で停電したらブレーカーを落とす!危険な通電火災を防ごう

台風や地震などで避難する際、停電したらブレーカーを落とすのがよいでしょう。また、電化製品のコンセントを抜いておくなど、状況を把握したうえで冷静に行動してください。そうすることで、電化製品による火災などの被害を抑えることができるからです。

また、災害以外の停電の原因や復旧したあとの注意点なども把握しておいてください。このコラムを参考に、停電の影響を最小限にしましょう。

台風や地震で停電!避難するならブレーカーを落とそう

台風や地震などの災害によって、家を離れて避難するときには、ガスの元栓と一緒にブレーカーも落としておくのがよいとされています。引火性のガス漏れを防ぐために元栓を締めるのは理解できますが、ブレーカーの停止がなぜ重要なのでしょうか。

それは、地震や台風が物理的な衝撃と振動で家屋や建物を破壊するだけでなく、二次被害で火災をもたらすおそれがあるからです。ガスの配管が破損してガスが漏れることによる火災は有名ですが、じつは電気と電化製品により火災が発生するおそれのほうが高いのです。

なぜ「避難時にはブレーカーを落とす」のが大切なの?

そのような電気と電化製品による火災は、とくに地震が原因となっている火災のうち6割の事例を占めているとされています。そのため、避難をする際はブレーカーの落とし方を把握し、家を出る前に落としておくようにしましょう。そうすると家に流れる電気が止まるため、火災を防ぐことができます。

電化製品によって火災が起きる理由

そもそもなぜ電気で火災が起きるのでしょうか?その理由について見ていきましょう。

電気火災のなかでもとりわけ事例が多いのが、「通電火災」と呼ばれる遅延型の火災だといわれています。通電火災とは、一度台風や地震で停電したあと、電気系統が復旧した際に起こる火災のことです。

通電火災のおそろしいところは地震の起きたそのときではなく、住人が避難を終えたあと電気が復旧してから発生する点です。付近に誰もいなくなってから火事になるため、発見が遅れ、しばしば大規模の火災となりやすいとされています。

電気ストーブやヒーターをはじめとした電熱線に電気を流して熱を発生させる暖房器具は、一般的に、安全装置としてサーモスタットや転倒感知スイッチが搭載されています。平時であればこれらの安全装置が機能して、仮にヒーターをつけっぱなしにしておいても、温度が上がりすぎれば自動でヒーターを切ったり、倒れた状態ではヒーターがつかないようになっていたりします。

しかし、台風や地震が発生して家具が倒れたり上からものが落ちてきたりすると、転倒スイッチの動作を阻害したり、ヒーター部の上に衣類がかぶさり、こもった熱から火がついてしまうことがあります。

また、台風や地震で電気ケーブルにキズがつき、ショートしやすい状態になったまま時間が経過し、電力の復旧と同時にケーブルに電気が流れ火花が散って火災になってしまうということもあります。

このように、災害による電化製品のトラブルで電気火災へとつながるケースがあるのです。

停電時の行動について

災害などで停電した場合、ブレーカーを落とすこともそうですが、通常とは違う行動を取らなければいけません。そこで、ここでは停電した際にどのような行動を取ればよいかをご説明していきます。

停電の発生状況を把握する
災害によって停電したと思ったら、じつは違う原因で停電していたということもあり得ます。そのため、まずは近所や外の街灯などを見て、停電しているのは地域なのか自宅だけなのか確認しましょう。停電の原因については後ほど詳しくご紹介します。

電化製品のコンセントを抜く
停電から復旧しブレーカーを入れると、電化製品へ一斉に電気が流れます。その際、電化製品の故障や電化製品による火災を防ぐため、パソコンや熱を発する機器などはコンセントを抜いておくようにしましょう。

必要のない冷蔵庫の開閉をしない
停電すると、もちろん冷蔵庫も止まってしまいます。その際、必要がなければ冷蔵庫は開閉をしないようにしましょう。開閉してしまうと冷蔵庫内の温度が上がってしまい、中に入っているものが傷んでしまう原因になるからです。

ろうそくなどの火を使うものを灯かりにしない
停電した場合、灯かりが必要になることもありますが、ろうそくなど火を使うものを使用するのは避けましょう。火を使用する道具を使うと、火事の原因となってしまうことがあるからです。

スマートフォンの充電がなるべくもつようにする
停電時、スマートフォンは災害の情報を確認したり、連絡したりすることができる貴重な道具です。しかし、充電することができなくなってしまうので、機内モードにする・省エネモードにする・画面を暗くする・通知を切るなどして使用し、必要がない場合は電源を切っておきましょう。

停電から復旧したときに気を付けること

停電から復旧した際、もっとも気を付けないといけないのは、電気による火災や電化製品の故障です。しかし、それらは上述したようにブレーカーを落とす・コンセントを抜くといったことで対策をすることができます。

それ以外で気を付けることとして、電化製品の設定があります。電化製品のなかには、お風呂や炊飯器など、時計や温度などの設定がされているものがありますが、停電するとリセットされてしまうことがあるのです。

漏電遮断器は間違えて使うと大事故に

それらの電化製品の設定がリセットされた状態で使用してしまうと、使用時に支障が出てしまうこともあります。そのようなことにならないために、停電から復旧したあとは電化製品の設定を一度見直すようにしましょう。

停電の原因は災害でないことも

いきなり停電してしまうと、何かの災害によるものかと思う方もいるかもしれませんが、実際停電の原因はさまざまなことがあります。そのうち、代表的なものは以下のようになります。

・台風、地震、雷などの災害
・電気の使いすぎでアンペアブレーカーが落ちた
・漏電が発生し、漏電ブレーカーが落ちた
・電気機器のショートや特定の場所で電気を使いすぎたりして安全ブレーカーが落ちた
・ブレーカーの故障
・工事などによる計画的な停電

実際に停電が起こった場合、自宅以外も停電しているかどうかをまず確認しましょう。もし自宅のみ停電している場合は、ブレーカーが落ちていないか確認し、対処をすることで復旧できます。

ブレーカーが故障している場合は、対処は個人でおこなえないこともあります。そのような場合は、業者に調査や修理をお願いするようにしましょう。

もし自宅以外も停電しているのであれば、スマートフォンやラジオなどで停電の情報を集めて、原因を探りましょう。

停電は対策をして備えておこう

停電は、事前に備えておくことで、いざ起こったときにあせらずに済みます。停電に備えて、以下のようなものを準備しておくとよいでしょう。

・懐中電灯や電気式のランタン
・防災ラジオ
・モバイルバッテリー
・熱を使わないで食べられるもの

このようなものを準備し、取り出しやすいところに置いておくようにしましょう。

また、地震による停電の場合、役に立つのが感震ブレーカーです。一定以上の震度を検知すると自動でブレーカーを落としてくれるこの装置があれば「ブレーカーの切り忘れ」が原因の火災トラブルを未然に防ぐことができます。

上述したように通電火災を防ぐためには、避難する際に電力が復旧してもすぐに家電へ電気が流れないよう、あらかじめブレーカーを落としておかなければなりません。

しかし、地震の場合、パニックになっているなかガスの元栓は締めることができても、ブレーカーまではなかなか意識が向かいにくいものではないでしょうか。とくに余震が続く場合は即座に避難をしなければならず、ブレーカーに割ける時間的な余裕もそうそうありません。

また、家のブレーカーは大抵天井に近い位置やわかりづらい場所にあります。そのため、家にお子様しかいない場合や、急いで避難しなければならないといった場合を考えると、感震ブレーカーがあればより安心です。

感震ブレーカーにも種類がある

感震ブレーカーにもいくつかの種類があり、家の電気系統に取り付けるとなると、実際どれを選べばよいのか判断が難しいという方もいらっしゃるかと思われます。

そこで、市販されている感電ブレーカーからおもな種類のものをいくつか抜き出して、下記にご紹介いたします。

感震センサータイプ

リンテック21 感震ブレーカーダプター

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内部に搭載されたセンサーが一定以上の振動を感知すると作動し、強力なバネの力でブレーカーのレバーを押すタイプの感震ブレーカーです。バネ動力なので電源が要らず、レバーの方向を問わないため動作の信頼性が高いことが魅力です。

重り玉タイプ

スイッチ断ボールII

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台の上に重り玉が乗っていて、重り玉から伸びる紐をブレーカーのレバーに引っ掛けておく簡易タイプです。地震が起きると重り玉が台から落下し、紐を引いてレバーを下げてくれます。

機械的な部品がないため故障が少ないのが魅力ですが、「下げて切る」タイプのブレーカーにしか使えないという点は注意が必要です。

まとめ

災害で停電したら、ブレーカーを落としておくことは火災を防ぐのに有効な行動です。非難する場合は、ブレーカーを落とすようにしましょう。また、停電時は普段と違う行動が求められます。どのように行動したらよいか把握し、被害を最小限にしてください。

停電は災害以外が原因となることもあります。そのため、停電したらしっかり状況を確認するようにしましょう。もしブレーカーの故障が原因であれば、業者に調査や修理を任せるようにしてください。

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