「アンテナ修理って誰に相談すると、安くやってもらえるの?」
「そもそもアンテナ修理って業者を呼ばないとダメ?」
アンテナ修理の費用はこれといった定価がなく、頻繁に起こるようなトラブルでもないので困惑してしまいますよね。
ですがアンテナ修理には、意外と簡単に自分で解決できるケースもあります。
また残念ながら自力で解決できなかった場合の、ベストな選択についても解説します。
▼相談先別の修理費用の相場
アンテナ業者 | 家電量販店 | 町の電気屋さん | |
---|---|---|---|
軽度の修理 | 5,000~10,000円 | 7,700~11,000円 | 対応不可 |
アンテナ交換 | 平均41,669円 | 19,500~52,800円 | 72,500円 |
修理期間 | 短い | 長い | やや長い |
本稿では、自力で解決できない場合のベストな相談先として、アンテナ業者をおすすめします。
またそのときの修理費用の相場は「4~5万円」ですが、アンテナ業者なら相場よりも大幅に安く済む可能性が比較的あがります。
本稿では大きくわけて、
- 自力で解決できないかの最終チェック
- アンテナ修理費用の相場
- 誰に依頼するのがベストなのか?
の3点を中心に見ていきます。
もし自力で解決できなさそうな場合でも、読み終えるころには、今回のアンテナ修理を「誰」に「どのくらい」の費用で依頼できるのか、が明確にイメージできるようになります。
それではまず「アンテナ修理に業者は必要か?」という点から確認していきましょう!
目次
アンテナ修理が本当に必要かセルフチェック
テレビ映りの不調はアンテナの修理業者を呼ばずとも自分で解決できる場合があります。
もしかするとどれも基本的なことなので、すでに試したものが含まれるかもしれません。
でもこれくらい簡単に直るケースであっても、修理業者を呼ぶと出張料(数千円ほど)を支払うことになりかねないのです。
依頼前の最終チェックのつもりで、試していないものがないか一度確認してください。
- テレビを再起動する
- B-CASカードを抜き差しする
- ほかの部屋のテレビも正常に映らないか確認する
テレビの再起動は、テレビ本体の側面か背面にある電源ボタンを長押しして電源を落とし、数分後に電源を入れ直します。
電源ボタンの位置がわからない場合は、コンセント自体を抜いても再起動できます。
またB-CASカードは、テレビ本体の背面のいずれかの位置にありますので、差し直してみてください。
B-CASカードのエラーは、E100番台のエラーコードが表示されることもあります。
最後に、もし他の部屋のテレビの映りを確認したときに正常に映るようなら、テレビアンテナが原因ではなく、周辺機器が原因の可能性が高まります。
周辺機器というのは、ケーブル(線)やブースター(電波を増幅する装置)のことです。
ケーブルを挿し直したり、テレビ本体の近くにブースターをつけているのであれば、その電源が落ちていないか確認してください。
ちなみに室内用のブースターはこんな形をしています。
これらを確認してもダメだった場合は、いよいよ修理業者の出番となります。
相談先別に見るアンテナ修理費用の相場
ではここからが本題です。
まずは相談先別にアンテナ修理の費用感を見ていくことにしましょう。
アンテナ修理を相談できるところは主に3つあります。
- アンテナ業者
- 家電量販店
- 町の電気屋さん(個人運営)
本稿ではこれらの相談先の修理費用の相場を調査し、誰に相談するのが安く依頼できるのかを調査しました。
その結果がこちらです。
▼地デジアンテナの修理費用の相場比較
アンテナ業者 ※1 | 家電量販店 ※2 | 町の電気屋さん ※3 | |
---|---|---|---|
軽度の修理 | 5,000~10,000円 | 7,700~11,000円 | 対応NG |
アンテナ交換 | 平均41,669円 | 19,500~52,800円 | 72,500円 |
(2021年8月調査。アンテナ交換の費用はアンテナ本体代込み)
※1 当サイト【生活110番】の施工費用から算出
※2 大手家電量販店3社の料金表に記載されている費用帯
※3 iタウンページより無作為に抽出した5社に修理費用の概算を聞き取り調査した平均値
ここでは「誰に頼むべきか?」という観点はいったん置いておきます。
まず注目すべきは、「軽度の修理」と「アンテナ交換」で2~4倍も修理費用が変わってしまうということです。
もちろん「軽度の修理」で済むのなら、アンテナ本体の「交換」よりも大幅に安く収まるのでそれに越したことはありませんよね。
ではどういうケースならアンテナの修理費用が大幅に下がるのか、掘り下げて見ていきます。
アンテナの修理費用は「アンテナ本体」の状態で大きく変わる
まずおさらいになりますが、先ほどの表を実態にあわせもっとシンプルにまとめると
- 軽度の修理→1万円前後
- アンテナ交換→4~5万円前後
となります。
ひとまずこれをアンテナ修理費用の相場としてイメージしておいてください。
ちなみにテレビアンテナについてはこちらで詳しくまとめています。
では修理費用が安く済む「軽度の修理」とは、具体的にどういう修理のことでしょうか??
実際の例として、弊サイトに寄せられた事例と修理費用を見てみましょう。
事例1.修理費用9,800円
テレビの映りが悪くなった。まったく映らないわけではないので、アンテナの向きがズレたのではないかと思う。一度見てほしい。(岐阜県、2020/7月)
事例2.修理費用6,600円
地デジを見ようとすると、e202というエラーコードが出るので、修理してほしい。アンテナの設置場所は2階の壁面についている。(岡山県、2020/7月)
事例3.修理費用5,060円
近所の電気屋さんに見てもらったらブースターが壊れていると言われた。そのブースターにつなげているテレビだけまったく映らないので直してほしい。(福岡県、2020/7月)
(※ブースターには室内に設置するタイプのものと、屋根裏・屋根上に設置する2タイプがあります)
一方で修理費用が高くなるアンテナ交換になるケースを見ると、より傾向がつかみやすくなります。
事例4.修理費用59,400円
下から屋根を見ると、八木式アンテナの素子(横棒)が1本折れている。天気が悪くなると映りも悪くなるので、修理してほしい(福岡県、2020/7月)
事例5.修理費用36,300円
昨夜強風が吹いたせいかアンテナが傾き、テレビも映らなくなってしまった。家を建てたときに一緒に設置したので13年は経過しているが、このまま使っていてもいいか?(新潟県、2020/07月)
つまり、ここでのポイントは「アンテナ本体が故障しているか/正常か」が、大きな分かれ道になるということです。
もし屋根のうえに立っているアンテナの状態が地面から見えるのであれば、今回発生する修理費用のおおよその見当をつけることができます。
アンテナ本体がグニャっと曲がっていたり、設置してから10年以上経過しているとアンテナの交換です。
一方で、アンテナ本体に特に異常が見られないのであれば、軽い修理で済む可能性が出てきます。
これでアンテナ修理の相場と、アンテナ本体がどういう状態のとき費用が上下するかがイメージできましたね?
では次の章では「誰に頼むのがベストなのか?」について、アンテナ業者、家電量販店、町の電気屋さんの、それぞれを見ていくことにしましょう!
アンテナ業者の修理費用の相場は41,669円
まず最初に本稿でいうアンテナ業者は、下記のような業者のことを指します。
- テレビアンテナの設置・修理を主な業務としている業者
- 法人として住宅設備の工事全般を業務とし、アンテナ工事の経験も豊富な業者
なぜこの定義が必要かというと、個人が運営する小規模な町の電気屋さんとの区別のためです。
ピンとこないかもしれませんが、町の電気屋さんについて解説している章でこの両者の違いが明確になります。
また冒頭で見たとおり、こうしたアンテナ業者にテレビアンテナを修理したときの相場は「41,669円」でした。
アンテナ業者について知っておくべきポイント
では続いてアンテナ業者について知っておきたいポイントを紹介します。
- アンテナ修理の多くは「アンテナ交換」になる
- 技術のある業者なら相場よりも安く頼めることもある
アンテナ修理の多くは「アンテナ交換」になる
前章でアンテナ修理は、軽い修理で済むケースと交換になるケースに分かれると言いました。
ですが弊サイトに寄せられた多くの相談事例を見ると、交換になるケースがどうしても多くなってしまいます。
というのも、それだけアンテナ本体が傷んでいるケースが多いということです。
「それでも安く済むんだから、交換せずに修理をしてくれたらいいのではないか?」という疑問が生じますよね。
ですが実情を見ると、そうもいきません。
大雨や大雪、台風の強風などにさらされる地デジアンテナの耐用年数は10年です。
ですが実際には、家を建てたときにアンテナを設置して以来、10年以上つけっぱなしになっているというケースがとても多く見られます。
一方で、一般的な地デジアンテナである八木式アンテナは、とてもシンプルな構造をしています。
実を言うと、八木式アンテナの本体価格は3,000円前後と安いものです。
耐用年数を超えたアンテナをなんとか修理して使い続けるよりも、せいぜい3,000円くらいのものなら、新しいものに交換してしまったほうが、メリットが多くなるのです。
つまり、これがアンテナ修理の多くが「アンテナ交換」になる理由です。
ただし交換となると、屋根のうえに登って高所で作業をすることになります。
屋根のうえの作業は非常に危険なので、工賃がどうしても高くなります。
また交換工事になると、古いアンテナの「撤去作業費」が別に発生します。
こうした工賃が相場である「4万~5万円」の内訳です。
技術や知識のあるアンテナ業者なら相場よりも安く済むことがある
ところでテレビが映らなくなる原因は、アンテナ本体以外にもいろいろ考えられます。
アンテナ業者はテレビアンテナに関する専門的な知識をもっていますし、また多くの症例を見てきているため、そういった判断が的確です。
また本当にアンテナ本体を交換する必要があるのか、軽い修理で済むのか?の総合的な判断もやはり修理にあたる人の知識や経験値がものを言います。
ところがそうした知識や経験値が乏しいと、「とりあえずアンテナ交換しておこう」という判断になることがあります。
繰り返しますが、この交換か修理かの判断はそのまま修理費用の大きな違いに直結します。
つまり知見の豊富なアンテナ業者はわざわざアンテナを交換しなくても、軽い修理で対応してくれる可能性が比較的高まるということですね。
これは後述する町の電気屋さんと比較したとき、明確な違いになります。
家電量販店の修理費用の相場は「19,500~77,000円」
続いて、家電量販店にアンテナ修理を依頼したときの費用について見ていきましょう。
家電量販店のアンテナ修理の相場は「19,500~77.000円」でした。
これをもう少し具体的に見ます。
大手家電量販店でアンテナの修理交換をしたときの費用をまとめたものが下表です。
▼家電量販店の修理交換費用の比較
ビックカメラ (東京サービスステーション) |
ヤマダデンキ | エディオン | |
---|---|---|---|
向き調整 | 11,000円~ | 不明 | 7,700円~ |
地デジアンテナ設置 | 16,500円~ | 22,000円程度 | 20,900円~+本体代 |
撤去費用 | 3,300円~ | 4,400~11,000円程度 | 発生するが、金額不明 |
(ブースター工事)*1 | 8,800円~ | 16,500~44,000円程度 | 7,150円~ |
交換時の総額(最小) | 19,500円~ | 26,400程度 | 23,900円+撤去費用*2 |
交換時の総額(最大) | 28,600円~ | 77,000円程度 | 32,050円+撤去費用 |
※2021年8月にWEBサイトならびに電話聞き取りにて調査。税込価格
※1お住まいの電波状況では不要な場合もあります
※2アンテナ本体代は3,000円で計算。また撤去費は発生するが金額は不明。
料金の目安表に従えば、家電量販店の中でもっとも安くアンテナ修理ができそうなのはビックカメラ(修理サービスは「東京サービスステーション」という社名)ですが、これはあくまで目安で考えてください。
これまでの話でお気づきだと思いますが、アンテナ修理に定価はありません。
いずれのサービスも電話で問い合わせをすると、「現地調査をしたうえで修理費用のお見積りを出します」という回答が返ってきます。
その結果、アンテナ業者に相談したときと同じ
- 軽度の修理→1万円前後
- アンテナ交換→4~5万円前後
という相場帯に落ち着きます。
とはいえ、もし家電量販店でアンテナ修理の見積もりをとるのであれば、まずビックカメラからとってみるのがよさそうです。
ちなみにビックカメラの「東京サービスステーション」というサービス名ですが、東京以外にも全国対応しています。
家電量販店について知っておくべきポイント
では、家電量販店にアンテナ修理を依頼する際に知っておきたいポイントについて見ていきます。
- 現地にくるのはアンテナ業者or町の電気屋さん
- 工事完了まで長くかかる可能性あり
それぞれのポイントを見ていきましょう。
現地にくるのはアンテナ業者or町の電気屋さん
家電量販店でエアコンを購入したことがある方はご存じでしょう。
実際にエアコンの取り付けにきてくれるのは家電量販店のスタッフではなく、家電量販店から紹介されてきた業者の方です。
これはアンテナ修理でも同じです。
家電量販店に修理スタッフがいるわけではなく、家電量販店から委託を受けたアンテナ業者、もしくは町の電気屋さんが現場に来てくれます。
「それなら直接アンテナ業者とか町の電気屋さんに頼んだ方が、安くなるんじゃないの?」
という疑問が生じませんか?
たしかにそう解説している記事もあるのですが、これは「答えがない」とするべきです。
なぜならまったく同じ現場で同じトラブルというわけでもない限り、修理内容が変わって比較のしようがないからです。
実際に家電量販店とパートナー契約をしている場合、紹介料を払ってお客さんを紹介してもらっているのは事実です。
でもその紹介料を見積もり金額に載せるかどうかは、現地にやってくる業者次第です。
直接頼んだほうが得かどうかは確認のしようがないのでわかりませんが、一方で明確な違いもあります。
それが「工事完了までの期間」です。
工事完了まで長くかかる可能性あり
家電量販店にアンテナ修理を依頼した場合、工事完了までに時間がかかる可能性が高くなります。
これは相談を受ける業者側に目線を変えてみると、とても理解しやすくなります。
つまりこういうことです。
あなたがアンテナ業者だったとして、「自身のところに直接相談にきたお客さん」と、「家電量販店から紹介されたお客さん」のどちらを優先するでしょうか?
もちろん「自身のところに直接相談にきたお客さん」を優先しますよね。
家電量販店に支払わなければならない紹介料がないという、経済的な理由もあります。
また直接相談にきてくれるお客さんは、過去に相談をくれたことがあるお得意さんや、この修理を機に付き合いができてリピーターになってくれるお客さんが多いわけです。
一方で、家電量販店を通して相談してくるお客さんはあくまで家電量販店のお客さんであり、もしまたアンテナが故障したときも家電量販店に相談にいくであろうお客さんたちです。
つまり家電量販店から紹介されてきたお客さんは、修理業者から後回しにされることがあります。
「なんだ、数日遅くなる程度でしょ?」
と思うかもしれませんが、これは思っているよりも長期化することがあります。
というのもテレビアンテナの耐用年数は10年ですが、アンテナが壊れるタイミングは10年ではありません。
特にアンテナが不調になるタイミングとして多いのが、こうした天災のときです。
- 台風や春一番で強風が吹いたとき
- 大雪で屋根にたくさんの雪が積もったとき
- 夕立で激しい落雷があったとき
こうした天災が原因でアンテナが不調になった場合、あなただけでなく、あなたの周辺の住宅もアンテナが傷んでいる可能性が高いのです。
テレビは2、3日見れなくとも生きていけますが、それが1週間や2週間も続くとなるとどうでしょう?
さすがにうんざりしますよね。
これは家電量販店にアンテナ修理を依頼する大きなマイナスポイントとなります。
特に初夏、初冬、台風シーズン、大雪シーズンに家電量販店にアンテナ修理を相談するときは注意してください。
町の電気屋さん(個人)の修理費用の相場は72,500円
3つめの個人が運営する町の電気屋さんの費用感は「72,500円」です。
これは平均値ですが、実際概算が聞けた5店では70,000円か80,000円の2パターンでした。
ほかの相談先より費用があがるのは、町の電気屋さんの得意分野が原因になります。
お医者さんをイメージしてもらえばわかりやすいのですが、歯科の先生もいれば内科の先生もいます。
同じようにエアコンや冷蔵庫などの一般的な家電には詳しくても、テレビアンテナの修理は数えるほどしか経験がないということが、個人運営の町の電気屋さんにはあり得るのです。
もっと言えば、町の電気屋さんにとってアンテナ修理はやや特殊な相談になるでしょう。
そのためアンテナ修理となると、すぐさま本体と周辺機器の交換という判断になりがちです。
実際に今回の調査で町の電気屋さん8社に電話問い合わせを行いましたが、1社をのぞいて現場を見る前から電話口でアンテナ交換を提案されました。
もちろん中にはテレビアンテナも得意とする町の電気屋さんはいます。
ですがたまたま相談にいった町の電気屋さんが、テレビアンテナに造詣の深い人であるかどうかは運次第ということになってしまいます。
ただし個人運営の町の電気屋さんで注意すべきことは費用の高さだけではありません。
町の電気屋さん(個人)について知っておくべきポイント
個人運営の町の電気屋さんについて知っておくべきことは、下記です。
- そもそも依頼を断られることもある
- 部材を取り寄せる時間がかかる
それぞれの詳細をみていきましょう。
そもそも依頼を断られることもある
今回調査のために、タウンページに掲載されている8店の町の電気屋さんに問い合わせを行いました。
そのうち依頼を断られたのは3店で、割合としては実に40%弱を占めます。
断られた理由は下表です。
A店 | エアコン修理で忙しいので、当分修理に行けそうにない |
B店 | 夏季は危険なため、屋根(瓦)のうえでの作業をおこなえない |
C店 | 高齢のため、平たい屋根以外の工事ができない |
(調査日:2021年8月。iタウンページから無作為に選んだ個人運営の電気店に電話問い合わせ)
時期も悪かったのですが、初夏や初冬のエアコンを使い始める時期は、町の電気屋さんはエアコン修理の繁忙期にあたります。
この期間は町の電気屋さんにとって休日もないほど忙しくなる時期なので、依頼を当面受けてもらえない可能性が高まります。
また高所作業は嫌がられるということも重要なポイントです。
地デジの八木式アンテナの修理となれば、ほぼ屋根のうえという高所での作業です。
あまり馴染みがなくピンとこないかもしれませんが、この高所での作業というのは思っている以上に深刻な危険をはらんでいます。
例として厚労省が発表している労災発生状況の統計を見てみましょう。
(出典:厚労省「令和2年 労働災害発生状況」)
令和2年内の「4日以上の休業」が必要となった労災事故の発生数で、「墜落・転落」事故は第2位の20,977件発生しています。
1年間で2万件ということは、1日あたり60件近く発生していることになりますね。
また死亡事故にいたっては、「墜落・転落」事故が死因の第1位(24%)となっています。
つまり高所からの転落・墜落事故はとても身近で、危険性の高い事故であることがわかります。
もちろんこのすべてがアンテナ工事の現場で起きたものではありませんが、屋根のうえでのアンテナ工事の危険性を想像することはできますね。
経験を積んだアンテナ業者であっても、屋根から転落します。
アンテナ工事の工賃には「高所作業費」という考えが含まれています。
これをものすごくシビアな言い方をすると、高所から落下したときに休業にあてる期間の補てん分が工賃に含まれているという見方もできるのです。
もしそうでなければケガをしたら、食べていけなくなってしまうというわけです。
またこうした理由から、高齢の方が個人でやっている電気屋さんでは、アンテナ修理を依頼すること自体が難しいでしょう。
要するに町の電気屋さんに相談する場合、まずアンテナ修理を受けてくれるところを探すこと自体に手間取るいうことは覚えておいてください。
部材を取り寄せる時間がかかる
また町の電気屋さんは、修理期間という観点でもアンテナ業者にやや劣ってしまいます。
というのも、交換するための「部材を取り寄せる」という期間が発生するからです。
アンテナ業者の場合は、現場の環境にあわせたアンテナ本体や周辺機器のストックを車に積んで現地調査にきます。
そのため最短でその日にアンテナ交換が完了し、テレビが見られるようになります。
一方で、町の電気屋さんはストックをもっていないので、現地調査をしたあと必要な部材を仕入れ先から取り寄せて、届き次第交換工事をおこなうという流れになります。
つまりアンテナ業者に比べて、工程が1つ多いのです。
部材の取り寄せは1週間ほど見ておく必要があるので、テレビが映るようになるまでに最低1週間は覚悟しておく必要があるということですね。
(※電話問い合わせ時にヒアリングした内容に基づく)
こうした解決までのスピード感の違いも、アンテナ業者への相談をおすすめする理由です。
アンテナ修理には火災保険が下りることがある
さてここまではアンテナ修理の費用について見てきましたが、ここからは話題を大きく変えて火災保険の話をします。
「なぜアンテナ修理に火災保険の話を?」
と思われるかもしれませんが、アンテナ修理は火災保険の補償を受けることができます。
もし火災保険が使える条件を満たしていれば、アンテナ修理に支払った費用が全額戻ってくる可能性だってあります。
また自動車保険と違い、火災保険は何度使っても保険料があがるということがありません。
使えるなら火災保険を使わない手はないのです。
それでは火災保険の申請の流れを簡単に確認しておきましょう。
- アンテナを修理する
- 支払った領収書を保管し、保険会社に連絡する
- 資料を添えて申請書を返送する
- 保険会社から審査が入る
- 修理費用の一部または全額が保険金として下りる
入院保険の申請などと、ほぼ同じ要領ですね。
ただし同じアンテナ修理でも、ケースによって火災保険が使える場合とそうではないケースがあります。
その違いを詳しく見ていくことにしましょう。
火災保険が適用できるケース
結論から言うと、アンテナ修理で火災保険が使えるケースは「天災」によってアンテナが壊れたときです。
そうした天災には、下記のものが含まれます。
- 台風による強風
- 大雪やひょう
- 落雷
実際に自宅のテレビアンテナが故障した経験がある62名の人に、故障の原因を聞いたところ結果は下図となりました。
(2021年8月、インターネットによるアンケート調査による。回答者数=62名)
強風(48.4%)、大雪やひょう(8.1%)、落雷(4.8%)で、6割超の方が天災が故障の原因と回答しています。
実は火災保険というと火事のときに使える保険のように誤解してしまうのですが、実際は火事以外の天災や盗難に遭ったときにも使えます。
実際に最近では火災保険という名前を使わずに、「家の保険」などのわかりやすい名称に変更されつつあります。
ちなみに火災保険には2種類あります。
- 「建物」だけ補償対象とするもの
- 「建物」と「家財」も補償対象とするもの
家財というのは家に置かれている家具や家電製品のことをイメージしてもらえばいいのですが、アンテナはあくまで住宅設備の扱いになります。
つまり上でいう「建物」にあたりますので、火災保険に家財補償がついていなくても保険適用が受けられるということですね。
元保険代理店経験者が教える火災保険の審査を通しやすくするポイント
アンテナ修理の費用が戻ってくる可能性のある火災保険ですが、一点注意したいことがあります。
それは保険金の申請をしたときに、火災保険会社から審査が入るということです。
その審査結果によっては、保険金を減額されたり、保険金がおりないということもあり得ます。
そこで過去に保険代理店に勤務し、損害保険(火災保険も含む)の申請手続きも担当していた経験者に、匿名を条件に審査を通すコツを聞きました。
まず経験者が教える審査のポイントは、下記の3点です。
- 心当たりがある故障の原因はメモしておく
- 被害状況がわかる写真を撮影しておく
- 見積もりは適正額でとる
心当たりのある原因をメモしておくのは、アンテナが壊れたタイミングが天災と重なっていることを示す資料となるためです。
たとえばこんな感じです。
「9月26日午後21時15分ごろ、おりから接近していた台風13号により、家全体がきしむほどの強風が吹いた。その直後からテレビが映らなくなった。翌朝7時に起床後、屋根を見上げると地デジアンテナが折れていることが判明した」
保険会社はこうした申告内容に基づいて、当時その近辺ではどれくらいの風速の風が吹いていて、その風速はアンテナが壊れるような強さだったかを確認します。
また2点目の被害箇所の写真は、修理内容が妥当な修理であったことを示すための資料になります。
この写真の撮影は事前に修理にきてくれるアンテナ業者に「火災保険を使いたいから、作業するまえに壊れたアンテナを撮影してほしい」と伝えておくといいです。
撮影のために自分で屋根に登る必要はありません。
3点目の適正額の見積もりをとるというのは、保険金を不正に利用しないということです。
具体的にいうと本来なら地デジアンテナの交換だけなのに、保険金が下りるからとBSアンテナも設置するようなことをしてはいけないということですね。
この不正が悪質な場合は、保険会社から契約を解除されたり、最悪の場合だと保険金詐欺となってしまいます。
保険金がおりないケース
一方で、アンテナ修理に火災保険の保険金がおりないケースもあります。
主なケースはこの2つです。
- 経年劣化によって故障した場合
- 火災保険の免責事項にあたる場合
経年劣化によって故障した場合
経年劣化とは、簡単にいうと老朽化です。
地デジアンテナ(八木式アンテナ)は屋根のうえにずっと置かれているものです。
雨や風、強い日差しや凍てつくような寒気に長年さらされているわけで、当然傷んできます。
こうした経年劣化が原因となってアンテナが故障した場合は、火災保険の補償自体を受けることはできません。
ところでこの「経年劣化」という言葉は、突き詰めて考えるとあいまいだと思いませんか?
たとえば「長年同じアンテナを使用していて劣化はしていたけれど、落雷があったタイミングで壊れた」という場合はどうなるのでしょうか?
絶対にこうなるとは言い切れないところですが、火災保険が使える可能性は十分にありますし、アンテナが古いことを理由に減額されることもありません。
というのも、火災保険でおりる保険金は「再調達価格」で計算されるのが一般的だからです。
再調達価格 | 新しく購入しようとしたときに発生する価格 |
時価評額 | 劣化して価値が下がった分を加味した価格 |
説明が難しくなるので、たとえ話で説明しますね。
たとえば台風で家が倒壊してしまったとき、その家に支払われる火災保険金の金額に築年数は関係ありません。
あくまでその家を新築しようとしたときの価格で保険金が算出されます。
これが「再調達価格」ということです。
つまり耐用年数である10年を超えているようなアンテナの修理だったとしても、天災のタイミングで故障したなら火災保険を申請する資格はあります。
「もともと古いアンテナだから……」と自己判断してしまわず、火災保険を積極的に利用してください。
火災保険の免責事項にあたる場合
次の火災保険金がおりないケースは、火災保険の免責事項に該当した場合です。
免責事項というのは、火災保険会社が責任を負わないケースという意味です。
この免責事項に該当してしまうケースで、よくあるのは下記の2つです。
- 免責金額を設定している
- 1996年以前に加入した火災保険をそのまま継続している
まず免責金額ですが、これは私たちが「自腹を切らなければならない金額」のことです。
この免責金額は年間の保険料の支払い額を決めるときに自分で設定します。
ちなみに免責金額(自腹分)を高く設定すると保険料は下がり、免責金額を低く設定すると保険料が下がるという関係性です。
わかりやすくするために、アンテナ修理に40,000円支払ったときの例で説明しましょう。
免責金額 | 自己負担する金額 | 保険会社が負担する金額 |
---|---|---|
0円 | 0円 | 40,000円 |
10,000円 | 10,000円 | 30,000円 |
30,000円 | 30,000円 | 10,000円 |
50,000円 | 40,000円 | 0円 |
免責金額が0円のプランなら、修理費用が全額保険金として戻ってきます。
一方で免責金額を50,000円に設定していた場合は、すべて自腹となって保険金は1円もおりません。
自身が設定した免責金額は、加入後に保険会社から送られてくる保険証券で確認できます。
つづいて、該当することが多い免責事項のもうひとつは「1996年以前の火災保険」によく起こります。
なぜ1996年以前か?というと、その翌年の1997年に「金融ビッグバン」と呼ばれた金融業界の競争自由化が始まりました。
このタイミングで、それまでどこに加入しても大して変わらなかった損害保険も激変します。
そしてこの変化は、火災保険の補償内容にも大きな変更をもたらしました。
そのひとつが「20万フランチャイズ」の取りやめです。
簡単にいうと、それまでの火災保険会社は「修理費用が20万円未満だったら保険適用外にします」という方式(フランチャイズ方式)を採用していました。
それがこの1996年を節目として変更され、オプションであえて設定でもしない限り「修理費用がいくらであれ、免責金額を超えた分は保険適用されます」という方式(エクセス方式)に変わりました。
アンテナ修理で20万円を超すことはかなりレアなケースです。
1996年以前にいまお住まいの住居に移り、そのまま火災保険を見直した記憶がない方はこの20万円フランチャイズの免責事項にひっかかってしまう可能性があります。
そうした場合アンテナ修理で火災保険を使えませんので、心当たりのある方は保険証券の内容を確認してください。
アンテナ修理はアンテナ業者に依頼するのが吉
最後に、本稿のおさらいをしておきましょう。
アンテナ修理が相談できる主なところは、
- アンテナ業者
- 家電量販店
- 個人運営の町の電気屋さん
の3つの選択肢があります。
この3つの選択肢を比較すると、このようになります。
アンテナ業者 | 家電量販店 | 町の電気屋さん | |
---|---|---|---|
軽度の修理 | 5,000~10,000円 | 7,700~11,000円 | 対応不可 |
アンテナ交換 | 平均41,669円 | 19,500~52,800円 | 72,500円 |
修理期間 | 短い | 長い | やや長い |
まず知見が豊富なアンテナ業者なら軽い修理で済む可能性があがりますので、1万円前後で修理できる可能性が比較的高まります。
またアンテナ修理の費用は、アンテナ業者と家電量販店で大きく変わることはありません。
ですがアンテナ修理が完了し、テレビが見られるようになるまでの期間は明確に異なります。
特に初夏、初冬、台風が上陸しやすい8~9月、大雪が起こりやすい1~2月の時期は、この修理期間の差はより大きなものとなります。
そうしたスピード感も加味すると、アンテナ業者に修理を依頼するのがおすすめです。
ただしアンテナ業者と聞いてすぐに思い浮かぶ業者があれば、問題はありません。
ですがアンテナ業者というのは普段の生活をしていてなかなか接点がある業者ではないですよね。
そうなると「すぐに直してくれるアンテナ業者ってどうやって探せばいいの?」と思われるかもしれません。
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