屋根裏へのアンテナ設置でもう倒れない!目立たず確実に地デジ・BSアンテナを取り付ける方法

2023.11.17

屋根裏へのアンテナ設置でもう倒れない!目立たず確実に地デジ・BSアンテナを取り付ける方法

テレビアンテナといえば、魚の骨のような形のものを屋根に設置するのが一般的ですよね。
しかし、「屋根上のアンテナが台風で折れてしまった」「強風が吹くたびに倒れないかと心配……」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「屋根に大きなアンテナを付けるのは見栄えが悪くて嫌だ」と思う方も多いでしょう。

その心配や不満は、屋根裏へのアンテナ設置で解消できますよ。
雨や風の当たらない屋根裏なら、屋根が飛ぶほどの災害に遭わないかぎりアンテナは無傷です。
アンテナが倒れて建物を傷付けることもないですし、外からは見えないためご自宅の美観も損ないません。

ただし、アンテナの屋根裏設置にはいくつか条件があります。
「屋根裏にアンテナを取り付けたけどテレビが映らない!」
とならないように、この記事では次の内容を解説します。

この記事のポイント
  • 屋根裏にアンテナを設置できる条件
  • 電波強度の調べ方
  • アンテナの正しい設置方法

読み終えれば、ご自宅でもアンテナの屋根裏設置が可能かわかり、景観を壊すことなく安定した電波でテレビを見られるようになります。
地デジアンテナだけでなく、BSアンテナの目立たない取り付け方もご紹介しますので、最適な方法でアンテナを設置して快適にテレビを楽しんでください。

目次

屋根裏に地デジアンテナを設置できる条件

地デジアンテナをご自宅の屋根裏に設置したいなら、まずは次の条件に当てはまるか確認してください。

屋根裏設置が可能な条件
  • 電波状況に問題がない
  • 屋根裏にスペースがある

また、「費用節約のために自分でアンテナを屋根裏に設置したい」とお考えの方は、こちらの2つも確認が必要です。

DIYでの屋根裏設置が可能な条件
  • 屋根裏にアンテナ配線がある
  • 屋根裏点検口がある

それぞれ詳しく解説します。

電波状況に問題がない

絶対に外せないのが、電波状況のチェックです。
ご自宅の屋根裏に十分な電波が飛んできていない場合、アンテナを設置してもテレビを視聴できないからです。

お住まいの地域の電波状況が良好で、建物が電波を遮る構造になっていないことを確認しましょう。
電波は次のような状況で弱くなるため、いずれかに該当するなら残念ながら屋根裏へのアンテナ設置はできない可能性が高いです。

地域
  • 電波送信塔との距離が離れすぎている
  • 電波塔との間に遮蔽物がある
建物
  • 屋根や外壁の素材がガルバリウム鋼板Ⓡ
  • 鉄筋住宅
  • 屋根に太陽光パネルを取り付けている

※「ガルバリウム鋼板Ⓡ」は日本製鉄株式会社の登録商標です。

地上デジタルテレビ放送を視聴するには、電波塔から送られる電波を受信する必要があります。
電波は距離が伸びるほど弱まってしまうため、電波塔から離れすぎると受信できません。
また、距離が近くても、間に大きなビルや山などの遮蔽物があると電波が遮られてしまいます。

そして、地域の電波状況が良好でも、建物自体が電波を遮りやすい構造をしていると屋根裏にまで電波が届きません。
金属は電波を遮断するため、鉄にガルバリウム(亜鉛・アルミ・シリコンを組み合わせた合金)でメッキを施したガルバリウム鋼板Ⓡや、鉄筋住宅では電波状況が悪くなってしまいます。

電波塔のある方向の屋根に太陽光パネルを設置している場合も、アンテナの屋根裏設置は難しいでしょう。

さらに詳しい調べ方は、のちほど【自宅の電波状況を調べる方法】で解説しますので、ご自宅の電波状況に問題がないか確かめてください。

屋根裏にスペースがある

当然のことですが、屋根裏にアンテナが入るだけのスペースがなければ設置はできません。

また、人が入って作業できる広さがあることも重要です。
最低でも縦横高さが1メートルずつは確保できることを確認しましょう。

屋根裏にアンテナ配線がある

アンテナを設置する予定の場所に、アンテナ配線が来ているかどうかも重要です。

テレビを視聴するためには、アンテナとテレビ機器を同軸ケーブル(電気通信用の電線)でつながなければいけません。
複数の部屋でテレビを見たいなら、分配器という電波を振り分ける機器も必要です。
アンテナの設置場所に配線が来ていれば、アンテナから伸びたケーブルをつなぐだけでスムーズに取り付けられます。

ただし、もしも屋根裏に配線がない場合でも、アンテナ工事業者に依頼すれば配線工事もあわせておこなってもらえます!
「屋根裏にテレビの配線がない」「分配器がどこにあるかわからない」とお困りの方は、業者に相談してみましょう。

屋根裏点検口がある

屋根裏に入るためには、屋根裏点検口が必要です。
浴室や廊下、クローゼットの天井に設置されていることが多いため、探してみてください。

点検口がない建物では、天井を加工して新たに設置しなければいけません。
DIYでの屋根裏点検口の設置は、構造上重要な部材を傷付けてしまうおそれがあります。
そのため、DIY上級者でないかぎり、ご自分では触らずプロに任せたほうがよいでしょう。

多くのアンテナ工事業者では、点検口の設置もあわせておこなってくれますよ。

自宅の電波状況を調べる方法

お住まいの地域や建物内の電波状況を知る方法には、以下のようなものがあります。

地域
  • 強電界地域かインターネットで調べる
  • 近所のアンテナを調べる
建物
  • 電波測定器を入手して調べる
  • ワンセグ携帯電話で調べる
  • 業者に調べてもらう

実際の確認方法をご紹介します。

強電界地域かインターネットで調べる

まずは、お住まいの地域が強電界地域かどうかを調べましょう。
強電界地域とは字のとおり強い電波を受信できる地域で、次の両方に該当する場所です。

  • 電波塔との距離が近い
  • 電波塔との間に遮蔽物がない

そして、上記2つの確認には、A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)のWebサイト内にある地デジ放送エリアのめやすが役立ちます。

ご自宅のある場所を「住所・郵便番号から探す」で指定すれば、近くの送信所・中継局放送エリアが表示されます。
明確に「何キロメートル以内が強電界地域」という決まりはないのですが、おおよそ以下の基準で判断できます。

強電界地域 目視できる距離に送信所や中継局の電波塔がある
中電界地域 目視できる距離に電波塔はないが放送エリア内
弱電界地域 放送エリア外

強電界地域なら屋根裏にアンテナを設置できる可能性がありますが、弱電界地域ではほぼ不可能です。

また、放送エリア内でも立地条件によっては電波が弱くなるため、ご自宅周辺のアンテナの設置状況もあわせて確認しましょう。

※A-PAB「放送エリアのめやす」はあくまでも目安です。エリア内でも周辺の環境によっては電波が届かないことがあるため、弱電界地域かどうかの確認にのみ使用してください。

近所のアンテナを調べる

ご自宅の近所の家に設置されているアンテナの種類から、電波状況を推測できる場合があります。

強電界地域に多いアンテナ 弱電界地域に多いアンテナ
デザインアンテナ
デザインアンテナ
弱電界地域用の八木式アンテナ
横棒の多い八木式アンテナ
外壁に取り付けることの多い板状のアンテナ。
電波感度がやや悪いため、電波の強い地域で採用されることが多い。
屋根上に取り付けることの多い魚の骨のような形のアンテナ。
電波感度がよく、なかでも横棒(電波を呼び込む部分)が多いものは電波が弱い地域で採用されることが多い。

デザインアンテナを設置している家があれば、そこは電波状況の良好な地域の可能性があります。
一方、横棒の多い八木式アンテナが設置されていれば、電波状況が悪いおそれがあります。

目安のひとつとして、近所の住宅がどのようなアンテナを採用しているか屋根や外壁を見てみてください。

ここまでの調べ方を実践すれば、ご自宅周辺の電波状況は大体わかるはずです。
しかし、いくら強電界地域でも、建物自体が電波を遮断しやすい構造だと屋根裏にまで十分な電波が届きません。
そこで、次は屋根裏にきちんと電波が届いているかを調べます。

電波測定器を入手して調べる

電波測定器を使用すれば、屋根裏の電波状況を調べられます。
簡易的な測定なら、2~3千円程度で販売されているアンテナレベルチェッカーを使ってご自分でおこなうこともできます。

日本アンテナⓇ BS/UHFレベルチェッカー NL30S

※「日本アンテナⓇ」は日本アンテナ株式会社の登録商標です。

電波の強さに応じてランプが点灯し、視覚的に電波状況を確認できます。
ただし、アンテナレベルチェッカーはアンテナ本体につないで受信電波の強さを測るものです。
チェッカーだけを購入しても電波状況は調べられないため注意してください。

「屋根上に設置していたアンテナを屋根裏に移設したい」という場合には、お手持ちのアンテナで簡易チェックができるため便利です。

また、実際にアンテナの取り付けをおこなうときにも、レベルチェッカーを使うとアンテナの向きの調節がスムーズにおこなえます。

ワンセグ携帯電話で調べる

お手持ちの携帯電話にワンセグ機能が付いているなら、電波状況を簡単に確認できます。
現在ご使用中のスマートフォンがワンセグ非対応でも、過去に使っていたワンセグ対応の機種が家のどこかに眠っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ワンセグ 13区画(セグメント)ある日本の地上デジタル放送のうち、1つの区画だけを使っておこなわれているテレビ放送。
フルセグ 他の12区画を使った一般家庭向けのテレビ放送。

テレビアンテナで受信するのはフルセグなので、ワンセグの受信状況とまったく同じではないですが、電波の強さの目安にはなります。
フルセグ対応のスマートフォンや携帯テレビをお持ちなら、より確実です。

開けた電波のよい場所で携帯電話のワンセグ機能や携帯テレビを起動し、正常に視聴できることを確認してから屋根裏に持ち込んでみてください。
屋根裏でも画像が乱れることなく視聴できれば、アンテナを屋根裏に設置できる可能性が高いです。

このように、ご自分でも屋根裏の電波状況を調べる方法はありますが、あくまでも目安です。
より確実に電波状況を知りたいなら、アンテナ工事業者への調査依頼をおすすめします。

アンテナ工事ついてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

業者に調べてもらう

実際に屋根裏で安定した電波を拾えるかどうかは、アンテナ工事業者に電波測定をおこなってもらうのが一番確実です。
プロは次のような専用の機材を使って電波状況をチェックします。

マスプロⓇ デジタルレベルチェッカー

※「マスプロⓇ」はマスプロ電工株式会社の登録商標です。

電波の強さ(dBμV)だけでなく、信号をどれだけ正確に受信できるか(BER値)ノイズの割合(C/N比)などを数値で細かくチェックします。
最適なアンテナの種類や設置場所を導き出すことができるため、取り付けたあとで「テレビが映らない!」となる心配がありません。

そして、アンテナ設置工事にともなう調査なら、無料でおこなってくれる業者もあります。
お近くのアンテナ工事業者をお探しの際には、ぜひ生活110番をご利用ください。
生活110番は、地域に密着して活躍するアンテナ工事のプロを日本全国でご紹介しています。

ご相談のお電話は24時間無料で受け付けており、工事にともなう現地調査やお見積りも無料でおこなっています。
お見積り後のキャンセルも可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積り・キャンセルに費用をいただく場合がございます。

BSアンテナの屋根裏設置はほぼ不可能

地デジアンテナだけでなく、BSアンテナを屋根裏に設置したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、BSアンテナの屋根裏設置はほぼ不可能です。
なぜなら、BSの電波は地デジに比べて障害物を通るときに減衰(だんだん弱くなること)しやすく、遮蔽物を通過できないからです。

鉄線の入った窓や厚手のカーテンを挟むだけでも受信状況が著しく悪くなってしまうため、屋根裏の閉ざされた空間へのBSアンテナの設置はできないものと考えてください。
ただし、BSアンテナにも、目立たないように取り付ける方法はあります。

BSアンテナはベランダなら隠蔽設置できる

「BSアンテナが外から丸見えになるのは嫌だ」
「できるだけ雨や風の影響を受けない場所に設置したい」

という方は、ベランダ内への設置を検討してみてはいかがでしょうか。

BSアンテナを設置できる場所

春分の日・秋分の日午後2時の太陽の光が十分当たる場所
(人工衛星のある南西の空に障害物がない場所)

ベランダの内側でも、春分(3月20~21日頃)・秋分(9月22日~23日頃)の午後2時に十分に日が当たる場所ならBSアンテナの設置は可能です。

ただし、分譲マンションや賃貸アパートなどの集合住宅では、アンテナのベランダ設置が禁止されていることもあります。
設置前に必ず規約を確認して、わからないときは管理組合や管理会社に問い合わせてください。

屋根裏設置におすすめのアンテナ

ここまでご紹介してきた設置可能な条件に当てはまる方は、屋根裏に地デジアンテナを設置しましょう。
屋根裏に設置できる地デジアンテナは、デザインアンテナ八木式アンテナの2種類です。
それぞれおすすめの商品をご紹介します。

場所を取らないデザインアンテナ

デザインアンテナ

ご自宅が強電界地域に該当する方には、場所を取らないデザインアンテナがおすすめです!
デザインアンテナはシンプルな構造で扱いやすく、DIYでの設置も比較的おこないやすいですよ。

屋根裏設置には、デザインアンテナのなかでもコンパクトなこちらの商品がイチオシです。

DXアンテナⓇ UAH201

素子数 20素子相当
動作利得
(受信感度)
7.8~9.8dB
偏波面 水平
寸法 590×220×113mm
質量
(アンテナ本体)
1.7kg
価格 5,652円

※価格は2021年11月16日現在のAmazon価格です。
※「DXアンテナⓇ」はDXアンテナ株式会社の登録商標です。

こちらの商品は水平偏波専用のため、垂直偏波の地域にお住まいの方は同じシリーズの垂直偏波用(UAH201V)を選んでください。

水平偏波と垂直偏波に注意!
水平偏波と垂直偏波

地上デジタル放送の送信所には、電波を大地に対して水平の波で送る「水平偏波」と垂直の波で送る「垂直偏波」があります。
送られてくる電波に合ったアンテナを設置しなければいけないため、下記のサイトを参考にお住まいの地域の送信所がどちらの送信方法かを確認してください。
都道府県別地上デジタル放送チャンネル一覧|DXアンテナⓇ

受信感度の高い八木式アンテナ

八木式アンテナ

電波状況に少々不安がある場所なら、受信感度の高い八木式アンテナがおすすめです!
八木式アンテナ購入の際は、次の3点を必ずチェックしてください。

  • 屋根裏点検口から入るか
  • 屋根裏に設置できるスペースはあるか
  • 素子数は適切か

素子数とは、八木式アンテナの横棒(魚のろっ骨のような部分)の数です。
多いほど受信感度が高くなり、屋根裏設置では多くの場合14~20素子のものを取り付けます。

DXアンテナⓇ UA14

素子数 14素子
動作利得
(受信感度)
8.0~12.5dB
偏波面 水平または垂直
寸法 518×1014×340mm
質量
(アンテナ本体)
0.85kg
価格 2,930円

※価格は2021年11月16日現在のAmazon価格です。

こちらの商品は本体が軽量で扱いやすく、性能も安定しているためおすすめです。

DIYで屋根裏にアンテナを取り付ける手順

費用節約のために、ご自分でアンテナを設置したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、屋根裏へのアンテナ設置をDIYでおこなう方法を解説します。

まずは以下の設置条件を再度チェックして、ご自宅の屋根裏がアンテナ設置に適した環境であることを確かめてください。

屋根裏設置が可能な条件
  • 電波状況に問題がない
  • 屋根裏にスペースがある
  • 屋根裏にアンテナ配線と電源がある
  • 屋根裏点検口がある

なお、屋根裏に上る際には梁(はり)以外に体重をかけないように注意してください。
梁以外の場所を踏むと、天井が抜けてしまうおそれがあり危険です。
断熱材に覆われて部材が見えないこともあるため、「どこが梁かわからない」という方は無理に立ち入らずプロに任せましょう。

それでは、手順を説明していきます。

屋根裏へのアンテナ設置手順
  1. 電波の受信感度を調べて設置位置を決める
  2. 土台を屋根裏の柱に固定する
  3. アンテナを土台に取り付ける
  4. アンテナをブースターと分配器に接続する
  5. テレビの映りを確認する

手順1.電波の受信感度を調べて設置位置を決める

屋根裏の電波を調べる

はじめに、屋根裏に入って電波の受信感度を調査し、どの位置にアンテナを設置するかを決めます。
電波測定器を入手して調べる】でご紹介したレベルチェッカーをアンテナにつないで、電波を受信しやすい場所や角度を探しましょう。

位置決めを間違えると、設置後にテレビが映らず取り付け直さなければいけなくなることもあります。
心配な方は、次の手順2(土台の固定)と3(アンテナの取り付け)はいったん飛ばして、先に実際の配線でテレビの映りを確認してください。

八木式アンテナを使用する場合は、組み立ててから屋根裏に持ち込むとスムーズです。
屋根裏に十分なスペースがあり、組み立てると点検口を通らない場合には屋根裏で組み立てます。

手順2.土台を屋根裏の柱に固定する

設置場所が決まったら、アンテナの土台をボルトで柱に固定します。
デザインアンテナは付属の取り付け金具を、八木式アンテナはサイドベースという壁面設置用の土台を使用します。

マスプロⓇ サイドベース SB3220

手順3.アンテナを土台に取り付ける

アンテナを土台に取り付ける

取り付け金具やサイドベースにアンテナを取り付けて、付属のボルトで固定します。
このとき、ボルトをきつく締めないでください。
のちほどテレビの映りを確認しながらアンテナの角度を調節するためです。

手順3.アンテナをブースターと分配器に接続する

アンテナの接続方法

アンテナだけでは電波が弱いときには、ブースター(増幅器)を設置して信号を増幅させます。

DXアンテナⓇ UHFブースターU38A

こちらの商品は小型で場所を取らないため、狭い空間にも簡単に取り付けられます。
ブースター本体(増幅部)はアンテナの下(1メートル以上離す)に、電源部分はテレビの近くに設置して電源プラグをコンセントに挿してください。

ご自宅の複数の部屋でテレビを視聴する場合には、分配器を使って配線を分けます。

マスプロ電工 アンテナ分配器MAS-3P

こちらは電波を3つに分けられる3分配器です。
他に6分配器や8分配器などもありますが、電波は分ければ分けるほど信号が弱くなってしまいます。
そのため、「使う予定はないけど多めの分配器を付けておこう」と過剰に分配することはおすすめできません。
テレビの台数に合わせて最適な数を選びましょう。

分配器は屋根裏点検口の近くにあらかじめ設置されていることもあるので、探してみてください。
各部屋に設置されたアンテナ端子(テレビアンテナ用のコンセント)から壁裏を通って屋根裏の分配器へと配線がつながっていれば、アンテナのケーブルを分配器に挿すだけで施工が完了します。

アンテナの配線がない住宅でも、分配器・同軸ケーブル・アンテナ端子を購入して配線をおこなえば各部屋でテレビを視聴できます。
しかし、壁裏を通して見栄えよく正確に配線をおこなうことは、作業に慣れたプロでなければ難しいです。
各部屋への配線がない場合には、アンテナ工事業者への依頼をおすすめします。

手順4.テレビの映りを確認する

アンテナからテレビまでの配線が完了したら、テレビがきれいに映るかアンテナレベルを確認します。
アンテナレベルはテレビの設定メニューを使って調べられます。
メーカーごとに方法が異なるため、詳しい方法は【テレビが映らないのはアンテナが原因?今すぐできる対処法&それでも見れないときの解決策】を参考にしてください。

映りの確認作業は、2人でおこなうとスムーズです。
1人がアンテナの角度を調整し、もう1人がテレビの映りやアンテナレベルを見ながら電話で指示を出します。

どうしても1人でおこなわなければいけない場合には、アンテナチェッカーで電波が一番強くなる角度を探し、一度部屋に下りてテレビを確認してください。
映りが悪ければ、アンテナの向きを数ミリずつ動かして確認作業を繰り返します。

すべてのチャンネルが乱れなく映る位置が見つかったら、手順3で緩めに締めていたアンテナ固定用のボルトをしっかりと締めます。

テレビが映らないときのチェックポイント

「屋根裏にアンテナを設置したけどテレビが映らない!」
とお困りのときは、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • テレビやブースターの電源が入っているか
  • テレビに地デジ用のB-CASカード(デジタル放送の受信に必要なICカード)が入っているか
  • テレビの視聴設定が地デジになっているか
  • テレビのアンテナレベルは十分か

もしも、テレビは正常に起動できているのにアンテナレベルが低いなら、

  • 屋根裏の電波状況が悪い
  • アンテナの向きが悪い
  • 配線が間違っている

などの原因が考えられます。

この記事でご紹介してきた設置条件や取り付け手順を見直して、間違いがないか確認してください。
それでも原因がわからないときは、DIYは諦めてプロに見てもらいましょう。

このように、テレビが映らないリスクや設置作業の手間を考えると、最初から業者に任せたほうが確実でラクです。
「でもプロに頼むと費用が高いんじゃないの?」と気になる方は、このまま次章を読み進めてください!

屋根裏のアンテナ工事にかかる費用

屋根の上に設置されていることの多いアンテナを屋根裏に設置してもらうとなると、
「特殊な作業で工事費用が高くなりそう……」
と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、一般的には屋根裏へのアンテナ設置工事の費用は、屋根上への設置に比べて特別高額になることはありません。
屋根裏設置には基本料金にプラスして屋根裏作業費点検口の設置費用がかかることがありますが、屋根上設置でも高所作業費などがかかることが多く、その差はあまりないためです。

ちなみに、生活110番の姉妹サイト「アンテナ110番」にご依頼いただいた地デジアンテナ設置工事全体の費用をまとめたところ、4~6万円の価格帯での施工が最も多いことがわかりました。

地デジアンテナ設置の総費用

全体の8割以上が6万円以下に収まっており、6万円より高くなったケースはわずか2割未満です。
実際の費用は電波状況や建物の構造などの条件で変わるため、見積りを取って確認することをおすすめします。

生活110番の無料見積りをご利用ください

屋根裏へのアンテナ設置をご検討中の方は、生活110番の無料見積りをぜひご利用ください。
生活110番では、お住まいの地域で活躍するアンテナ工事のプロを無料でご紹介しています。

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※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積り・キャンセルに費用をいただく場合がございます。

「まずは料金だけ知りたい」「相見積りで他社と比較したい」といったご相談も歓迎しております。
アンテナ工事をご検討中の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

屋根裏へのアンテナ設置に関するQ&A

最後に、屋根裏へのアンテナ設置に関して、よくある7つの質問にまとめてお答えします。

Q.屋根裏設置はメリットとデメリットどっちが大きい?
Q. 火災の心配はない?
Q.アンテナ固定のために柱に穴を開けてもいいの?
Q.蒸し風呂状態の屋根裏にアンテナを置いて壊れない?
Q.雪が降ったら電波が遮られない?
Q.屋根裏に設置する以外に美観を損なわない方法はある?
Q.アンテナなしでテレビを視聴する方法はある?

Q.屋根裏設置はメリットとデメリットどっちが大きい?

A.電波状況をクリアすれば、多くの場合メリットのほうが大きいです。

地デジアンテナを屋根裏に設置するメリット・デメリットをまとめてご紹介します。

メリット デメリット
  • 外からアンテナが一切見えない
  • アンテナやケーブルの劣化が遅くなる
  • 屋根や外壁を破壊する心配がない
  • 点検や設置の危険度が低い
  • 屋根や外壁のメンテナンスの邪魔にならない
  • 屋根上設置より電波が弱くなりやすい
  • ガルバリウム屋根へのリフォームができない
  • 太陽光パネルの設置ができない

アンテナの屋根裏設置のメリットには、見た目から耐久性、安全性までさまざまあります。
設置条件を満たしているなら、屋根裏へのアンテナ設置はかなりおすすめできます。

一方でデメリットとなるのは、やはり電波の受信状況です。
将来的に、ガルバリウム屋根へのリフォームや太陽光発電の導入の可能性がないかも、十分検討してから設置しましょう。

Q. 火災の心配はない?

A.アンテナや周辺機器を適切に設置しているぶんには心配ありません。

アンテナ自体には電気は通っていないので、屋根裏にアンテナを置いても漏電して発火するようなことはありません。

ただし、電波を増幅させるブースターには電気が流れているため、故障などで熱をもつと危険です。
アンテナブースターの耐用年数は、約10年です。
期限が来る前に交換し、テレビが突然映らなくなったなどあればすぐに業者に点検してもらいましょう。

Q.アンテナ固定のために柱に穴を開けてもいいの?

A.ビス止め程度なら構造に影響はありません。

直径3センチメートルを超えるような大きな穴を貫通させれば、柱の強度が下がるおそれがあります。
しかし、取り付け金具やサイドベースの固定に使用するボルトやネジは直径6ミリメートル程度です。
固定用のボルトを数カ所打ち込む程度なら問題ありません。

Q.蒸し風呂状態の屋根裏にアンテナを置いて壊れない?

A.地デジアンテナ自体は高温多湿の環境にも耐えられます。

地デジアンテナや配線は電気機械ではないため、熱や湿気で壊れる心配はありません。
ただし、電源を使用するブースター内臓のアンテナは高温多湿になる場所での使用が禁止されていることもあります。

商品の説明をよく読んで、ご自宅の環境に適したアンテナを設置してください。
(参考:MASPRO「屋外用 ブーズター内臓UHFアンテナ 取扱説明書」

Q.雪が降ったら電波が遮られない?

A.たしかに電波が減衰することはありますが、アンテナ自体に雪が積もるほうが大問題です。

屋根を分厚い雪が覆えば、屋根裏に届く電波はそのぶん弱くなります。
しかし、屋根の上に設置したアンテナに直接雪が積もれば、電波が弱まるだけでなく雪の重みでアンテナが折れてしまうこともあります。

雪国の対策としても屋根裏へのアンテナ設置が有効なケースは多いので、まずはアンテナ工事のプロに相談してみてください。

Q.屋根裏に設置する以外に美観を損なわない方法はある?

A.デザインアンテナ・室内アンテナ・八木式アンテナの壁面設置があります。

デザインアンテナ
デザインアンテナ
外壁に設置されることの多い板状のスタイリッシュなアンテナ。
八木式アンテナに比べると、電波の受信感度がやや弱く本体価格は数千円程度高い。
室内アンテナ
室内アンテナ
ケーブルを直接テレビにつなぐだけで使えるアンテナ。
電波の受信感度が弱いため、画像の乱れなくすべてのチャンネルを視聴するのは、強電界地域でないと難しい。
八木式アンテナの壁面設置
八木式アンテナの壁面設置
サイドベースを使って八木式アンテナを外壁に固定する。
建物の構造や立地条件によっては周囲から見えない場所に設置することが可能。

「最適なアンテナの種類や設置方法がわからない」
とお困りの際には、生活110番 にご相談ください。
お客様のご希望を伺って、ご自宅にぴったりのアンテナ設置方法をご提案いたします。

Q.アンテナなしでテレビを視聴する方法はある?

A.ケーブルテレビや光回線テレビで視聴できます。

工事費や初期費用、月額の使用料がかかりますが、ケーブルテレビや光回線テレビの契約をおこなえば、ご自宅にアンテナを立てなくても地上デジタル放送を視聴できます。

費用は契約する回線によって異なるため、インターネットの使用状況ともあわせて、よくプランを確認しましょう。

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