「水平偏波」と「垂直偏波」ってどう違うの?電波について学ぼう!

2023.11.17

「水平偏波」と「垂直偏波」ってどう違うの?電波について学ぼう!

電波塔から発信される電波には、大きく2種類の電波があるということをご存知でしょうか?電波には「水平偏波」と「垂直偏波」がありますが、2種類で電波の種類を分けていることにも理由があるのです。

また水平偏波か垂直偏波かはアンテナの向きを変えることで、確認することができます。自分の地域がどちらの電波なのか見極めることで、正しい方法でアンテナを設置することができるのです。アンテナは設置方法を間違えてしまうと、正常に受信できないことがあります。

この記事では電波の種類や、アンテナの設置方法についてご紹介します。垂直偏波専用のアンテナについても、ご紹介するのでぜひご参考ください。

「水平偏波」と「垂直偏波」の違い

電波は電波塔から発信されますが、2つの電波の違いは電波が発信される向きにあります。水平偏波は、電波塔から地面に対して平行に電波を飛ばすものです。垂直偏波は電波塔から地面に対して垂直に電波を飛ばします。

2種類の電波は電波の混合を防ぐためにあります。電波機器を使用する機会が多くなった今、電波の混合によるトラブルも発生しているのです。テレビにノイズが走ったり、関係ない無線での会話が聞こえてきたりといったことが発生するおそれがあります。

水平偏波として有名なのは、スカイツリーです。スカイツリーも電波を発信する電波塔の役割があります。日本では水平偏波を出している電波塔が多く、電波の混合を避けるために一部地域で垂直電波を使用しているのです。

テレビアンテナの多くは水平偏波用です。水平偏波用のアンテナで垂直偏波も受信することは可能ですが、受信する際にはアンテナの向きを変える必要があります。水平偏波用のアンテナで垂直偏波を受信するには、受信角度の影響でアンテナを垂直に傾けなければならないのです。

水平偏波」と「垂直偏波」の違い

電波の方向を確認する方法

電波は目に見えないため、目視で電波の方向を確認することはできません。しかしアンテナを正しく設置するためにも、自分の住む地域の電波の方向を確認する必要があります。自分の住む地域の電波の方向は、以下の方法で確かめることができます。

■アンテナの向きを変えてみる
電波塔から出る偏波と受信する側のアンテナの向きがあっていないと、正常に電波の受信を行うことができない場合があります。受信状況が悪い場合、電波の方向とアンテナの向きがあっていない可能性があるので、アンテナが水平に立っている場合は垂直にするなどして調整しましょう。

■周囲の家のアンテナをみてみる
電波は1軒1軒異なるというわけではなく、地域ごとで種類が異なります。電波の方向を確認するときには、周辺住宅のアンテナの向きも参考にすることができるのです。その地域が水平偏波の場合、アンテナは水平に立っていますし、垂直偏波の場合はアンテナが垂直になっています。

アンテナの設置手順と注意点

水平偏波用アンテナや垂直偏波用のアンテナは、自分で設置することが可能です。ここではアンテナの設置手順についてご紹介します。

①アンテナを組み立てる
アンテナは必ず地上で組み立てを行いましょう。屋根に設置する場合、高所で組み立てを行うと部品が落下するおそれがあります。アンテナの部品が人に当たってしまうことも考えられるので、安全のためにも組み立ては地上で行いましょう。

②アンテナに同軸ケーブルを接続する
同軸ケーブルを接続したときに屋根上にケーブルが設置される状態になると思いますが、ケーブルを設置する際にはケーブルをきちんと固定する必要があります。ケーブルの固定がしっかりとしていない場合、風などでケーブルが移動したときに屋根にこすれてしまいます。その結果ケーブルが摩耗し、ケーブルが劣化してしまうのです。また同軸ケーブルは、屋根のほかにアンテナの近くでもきちんと固定するようにしましょう。固定が弱いとアンテナの受電部からケーブルが抜けてしまうことがあります。

③屋根馬の設置
屋根馬はアンテナの台座のようなもので、屋根にアンテナを立てるために必要となります。屋根の形状にあわせたものを選びましょう。

④マストとアンテナを屋根馬に固定する
マストを固定するときには、アンテナの向きを調節するために一度仮止めにします。そのため、屋根馬のマスト固定ボルトはあまりきつく締めすぎないようにしましょう。

⑤支線を張る
支線はアンテナを固定するためのケーブルのようなものです。支線はアンテナに対して鋭角に張ってしまうと、横風に弱くなってしまうので注意しましょう。

⑥アンテナの方向を調整する
電波を受信しやすい角度に、アンテナの向きを調整します。電波感度は方向だけでなく高さによっても異なるので、アンテナの高さも調整しましょう。アンテナを適した角度に調節できたら、固定します。

アンテナの設置手順と注意点

垂直偏波専用のアンテナもある

ほとんどの地域は水平偏波です。そのため、垂直偏波の場合はアンテナを垂直にしなければなりません。水平偏波用のものを横に倒すと景観が悪くなるので、垂直偏波専用のアンテナを使ってみるのもおすすめです。ここでは垂直偏波専用のアンテナをご紹介します。

サン電子 地デジ平面アンテナ スタンド付属 SDA-20-3S-K

室内にも設置が可能な垂直偏波専用のアンテナです。付属の金具で、屋外の壁面やアンテナマスト部分にも設置することができます。また20素子相当のアンテナ受信レベルがあるので、地域によっては屋内に設置することも可能です。ボルトを締めるだけで設置でき、設置した後でもアンテナの方向を調節することができます。

マスプロ ブースター内蔵UHFアンテナ U2SWLA20B

見た目がスタイリッシュで、コンパクトに設置することができます。壁面専用のアンテナですが、 20素子ほどのアンテナと同等の受信感度があります。ブースターを内蔵しているので、ケーブルを長く接続することができたり、複数の機器にテレビ信号を届けるよう配線する場合に便利です。

商品名

重さがわずか1.7kg、11.3cmの薄さで、壁面に設置するタイプです。受信チャンネルは13~52chで、本体は金具を使ってワンタッチで固定することができます。また風速約50mにも耐えることができる設計になっているので、台風などの暴風が発生しているときにも安心です。

まとめ

電波にはおもに2種類あり、水平偏波と垂直偏波があります。国内ではほとんどが水平偏波になっており、一部の地域では垂直偏波が発信されています。垂直偏波は水平偏波用のアンテナを垂直に倒すことで受信も可能ですが、テレビアンテナには垂直偏波用のものもあります。

垂直偏波用のアンテナやその他のアンテナは、自分で設置することも可能ですが、高所での作業になるので危険が伴います。自分での作業が難しい場合は、業者にアンテナ工事を依頼することをおすすめします。

アンテナ工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「アンテナ工事」をご覧ください。

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