
「最近エアコンの効きが悪くなった気がする……。」このようにエアコンの不具合が見られる場合、エアコンの寿命が近づいているおそれがあります。エアコンは寿命が近づいてくると、さまざまな症状が見られるようになります。そのため、エアコンに不具合が起きているときは、しっかりと症状を見極めて対処することが大切です。
この記事では、エアコンの寿命が近づいたときに見られる症状や、修理するかどうかの判断方法などについてご紹介します。また、新しいエアコンに変えるときのポイントや寿命を延ばすポイントについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
エアコンの寿命はいつなのか
エアコンは種類や使用頻度などによって異なりますが、平均13.8年程度で買い替える人が多くなっています。買い替える理由として70%(※1)の人が故障となっていることからも、エアコンの寿命は13年~14年程度であると考えられるでしょう。
エアコンは「油」「ホコリ」「結露」などの汚れによって寿命が短くなってしまいます。そのため、普段からエアコンの汚れを掃除して、定期的にメンテナンスをおこなうことが寿命を長持ちさせるためには大切です。
※1)e-Stat.政府統計の総合窓口.統計表.主要耐久消費財の買替え状況(参照 2020-3-23)
エアコンの寿命が来ていると考えていい【症状】リスト
エアコンの寿命が近づいてくると、エアコンにいくつかの症状が見られるようになります。この症状を理解しておくことで、エアコンの寿命にいち早く気づくことができるため、しっかりと理解しておきましょう。
この項目では、エアコンの寿命が近づいてきたときに見られる、おもな症状を5つご紹介します。
エアコンを運転させると異音がする
エアコンの寿命が近づくと、エアコンの室内機や室外機から普段とは違った異音がすることがあります。聞こえる異音によって故障している危険性が異なっており、室内機の場合「ポコポコ」室外機の場合は「ガラガラ」「キュルキュル」「ガコンガコン」という異音がすると故障している危険性が高いでしょう。
室外機はエアコンを稼働させるために一番負荷がかかる部分なので、メーカーも室外機の寿命が近づくと買い替えをすすめるケースがほとんどです。
冷暖房の効きが著しく悪い
エアコンの寿命が近づいたときに起こる症状で、最も多いのが「冷暖房の効きが悪くなる」もしくは「全く効かない」です。この場合、エアコン洗浄をして改善されればよいですが、一向に改善されない場合は、エアコンの寿命が近いと考えられます。
また、修理に出すことである程度の改善が望めますが、一時的な対処となることが多く、今後数年使い続けることは難しいことが多いでしょう。そのため、修理するよりも新しく買い替えるのがおすすめです。
エアコン室内機から水滴が垂れている
エアコンの内部が汚れていると、汚れが原因で水滴が垂れることがあります。掃除をして改善される場合もありますが、それでも水滴が垂れる場合は、エアコンが故障しているおそれが高いです。
エアコン内部を掃除せずにいると内部で結露した水分が外へ排出できず、故障しやすくなります。あまりにも状態が酷いと部品交換では済まず、完全分解して掃除する必要があるため、費用が高額になってしまうことも考えられます。
エアコンの操作が効かない、できない場合
エアコンの「操作が効かない」は、古くなったエアコンによく見られる症状です。操作が効かない例としては、「ボタンを押しても全く反応しない」「風向きが調整できない」「冷房操作したはずなのに暖房や送風になってしまう」などが挙げられます。このような操作の不具合が出た場合は、寿命のサインだと思ってよいでしょう。
リモコンで操作できない場合、本体で直接操作できるタイプは直接操作して、リモコンか本体かの切り分けをおこないましょう。
エアコンを使うとブレーカーが落ちてしまう
エアコンを使ったときにブレーカーが落ちてしまうのには、いくつかの原因があります。考えられる原因については、以下のとおりです。
・エアコンの故障
エアコンが故障している場合、必要以上に電力を消費しながら運転してしまうことがあります。この場合、エアコンからブレーカーに大きな負荷がかかり続けて過負荷となり、そのままブレーカーが落ちてしまうのです。
・エアコンのショート
主幹ブレーカーや漏電ブレーカーといった大きなブレーカーではなく、個別の小さいブレーカーが落ちる場合、エアコンがショートしているおそれがあります。もし、ほかの電化製品を切ったうえで、エアコンを使ってもブレーカーが落ちるのであれば、エアコンのショートや不具合である危険性が高いでしょう。
・エアコンの漏電
エアコンを使ったときに落ちるブレーカーが、漏電ブレーカーである場合、エアコンが漏電しているおそれがあります。
確認方法としては、すべてのブレーカーを落としてから、主幹ブレーカーと漏電ブレーカーを上げ、最後にエアコンと繋がっている小さいブレーカーを上げてください。このとき、小さいブレーカーを上げている最中に漏電ブレーカーが落ちれば、エアコンが漏電している危険性が高いでしょう。
また、すべてのブレーカーが上がった場合、再度エアコンを起動してみてください。このとき、ブレーカーをすべて上げた状態で漏電ブレーカーが落ちた場合も、エアコンが漏電している危険性が高いといえます。
・ブレーカーの故障
エアコンに問題が見られない場合、ブレーカー自体が故障していることも考えられます。ブレーカーが故障している場合、落ちたブレーカーが上がらなくなったり、すぐに落ちたりするようになるので、一度確認してみるとよいでしょう。
修理でいいのは…?
「エアコンの寿命が近くなったら修理をすればいいのでは……?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。たしかに、修理をして長く使うという方法もありますが、いくつか注意しておきたいポイントがあるのです。
エアコンはメーカーごとに、修理するために必要な部品の最低保有期間が定められています。この補修用性能部品の最低保有期間が終了すると、修理対応ができなくなるため、故障した場合は買い替えが必要となります。
逆をいえば、最低保有期間内の修理であれば、どんなエアコンでも対応してもらえる可能性が高いのです。エアコン本体の保証期間は1年と短い場合がほとんどですが、冷媒回路の保証期間は5年程度である場合も多いので、一度確認してみるとよいでしょう。
メリットのある新しいエアコンの選び方
エアコンを買い替えるとき、いくつかおさえておくべきポイントがあります。このポイントをおさえておくことで、自分の希望通りの効果を持ったエアコンに買い換えることが可能です。この項目では、エアコンを買い替えるときにおさえておくべき3つのポイントについてご紹介します。
部屋の広さに合った容量を選ぶ
まずは部屋の広さに合った容量のエアコンを選ぶことが大切です。部屋の大きさに対して小さすぎるエアコンを選んでしまうと、充分な冷暖房効果を得るまでに時間がかかってしまうでしょう。
また、エアコンは消費電力の大きい電化製品のため、電気代が余計にかかってしまうことも考えられます。このように部屋の広さに合わないエアコンを使用し続けていると、エアコンに負荷がかかって寿命を短くしてしまうおそれがあるでしょう。
そのため、部屋の広さに合った容量のエアコンを選ぶために、以下のポイントをおさえておくことが大切です。
エアコンのサイズ表記を確認する
エアコンのサイズは、冷暖房ともそれぞれカタログに「畳数の目安」として表記されています。ここで注意したいのは、カタログの「6~9畳」の表示の読み間違いです。このように書かれていると「6~9畳の部屋で使用できる」と勘違いをしてしまいがちですが、別の意味となっています。
このサイズ表記は、「木造住宅の場合は目安が6畳」「鉄筋住宅の場合は目安が9畳」という意味です。これは、木造住宅よりも鉄筋住宅のほうが密閉率がいいため、このような表記の差が出ます。
エアコンのサイズ表記をしっかりと確認したうえで、エアコンを選ぶようにしましょう。
部屋や建物の条件を考慮
エアコンを選ぶときは、部屋の広さだけでなく、建物の構造や部屋の条件も重要なポイントです。同じ広さの部屋でも建物の構造によって風通しのよさが異なり、部屋の向きや窓の数によっては日差しが入り込むことで室温が変わってきます。
また、室温が違うとエアコンの負担も変わるため、しっかりと考慮することが大切です。エアコンを買い替えるときは、家電量販店などで以下の条件を店員に伝えてアドバイスをもらうのがよいでしょう。
- 寒冷地などの地域環境
- 木造か鉄筋かなど建物の種別
- 断熱や遮熱など建物の構造や建材の機能
- 部屋の向き、窓の数や大きさ
- リビングや寝室などの部屋の用途
リビングやキッチンは注意
最近の住宅は洋風の住宅が多く、リビングとキッチンが一体化となったリビングキッチンが主流です。リビングキッチンの場合、部屋全体の畳数などからエアコンのサイズを選ぶと失敗してしまうおそれがあります。
キッチンは調理のために火を使うことで室温が変化しやすく、換気扇を回すことで冷暖房した空気が逃げてしまうので、エアコンに過剰な負担がかかりやすくなっています。そのため、小さいサイズのエアコンでは、余分な負荷で電気代が増えてしまう傾向にあるのです。
また、家族が集まって日常的に長時間エアコンを使う場所でもあるので、リビングキッチンで使用するエアコンは、大きめのサイズを選ぶとよいでしょう。
暖房時の負荷を考慮する
エアコンのサイズ表記の見方は冷暖房とも同じですが、一般的に暖房のほうが適用する畳数が小さく表記されています。エアコンは冷房よりも暖房のほうがパワーを必要とし、その分消費電力も大きくなるためです。
そのため、冷房の畳数の目安を参考にエアコンを選んでしまうと、部屋の広さとエアコンのサイズが合っていたとしても、暖房時にエアコンの効きが悪いという事態が発生します。そのため、エアコンを選ぶ際は、暖房の畳数目安を参考にサイズ選びをするとよいでしょう。
エアコンの寿命を延ばすためのポイント
エアコンの寿命は、その使用方法やお手入れなどでも大きく変わってくることがあります。正しい使用方法とお手入れで寿命を延ばすこともできるため、しっかりと理解しておきましょう。ここでは、エアコンの寿命を延ばすためのポイントをいくつかご紹介していきます。
使用時間に注意する
エアコンの寿命を延ばすためには、エアコンを使用する時間に注意することが大切です。エアコンは家電製品であるため、使用時間や頻度が多いほど、劣化も早くなってしまいます。そのため、エアコンを使用したまま外出をしたり、寝ているときにずっと使用したりしないようにするとよいでしょう。
室外機が置いてある場所の環境を見直す
エアコンの室外機に付いているコンプレッサーは、エアコンの中でも重要な部品です。室外機は空気を吸ったり吐いたりして循環させています。
室外機の周囲にものがあったりしてこの循環がうまくいかないと、コンプレッサーに負担がかかってエアコンの寿命を近づけてしまうのです。そうならないためにも、室外機が置いてある場所にものを置かないようにしましょう。
室外機とフィルターを定期的に掃除する
室外機やフィルターがほこりなどで汚れていると、エアコンの部品に負担がかかって故障しやすくなってしまいます。そのため、室外機やフィルターは定期的に掃除しておくことが大切です。
掃除をおこなう頻度としては、月に2回程度が理想ですが、掃除の時間がなかなか取れないという場合は、最低でも年に1回はしっかりと掃除するようにしましょう。
エアコンのメンテナンス方法をマスターしよう!
エアコンのメンテナンスは自分でもおこなえます。エアコンは定期的なメンテナンスによって寿命を延ばすことができるため、しっかりと覚えておきましょう。この項目では、エアコンのフィルター掃除と、室外機の掃除の方法を紹介していきます。
【フィルター掃除の方法】
エアコンのフィルターを掃除する方法と手順については、以下のとおりです。
- 掃除機を使ってフィルターの外側のほこりを優しく吸い取り、内側も同様にほこりを取り除きます。
- フィルターを慎重に外してお風呂場へ持っていき、残っている小さなほこりをぬるま湯のシャワーをかけて落とします。この時、外側から水をかけてしまうと目詰まりを起こして落ちにくくなってしまうので、掃除機をかけるときとは逆に内側から水をかけてください。
落としきれない場合は洗剤とスポンジで洗いましょう。洗剤は食器洗い用をお勧めします。枠の部分は古い歯ブラシ等で優しく丁寧に洗ってください。 - 洗った後は軽く拭いてからベランダなどに長く置いて十分に乾かします。
【室外機の掃除の方法】
エアコンの室外機を掃除する方法と手順については、以下のとおりです。
- 周辺の枯れ葉やゴミなどは取り除き、外側の汚れは濡れた雑巾などで拭いておきましょう。内側は、ブラシでかき出すか掃除機で吸い取ってください。
これは見える範囲でとどめておいてください。無理に奥のゴミを棒などで取ろうとすると破損の原因になってしまいます。 - 室外機の裏側もチェックしましょう。裏側に枯れ葉などのゴミが溜まると排熱がうまくできず、エアコンの寿命を縮めてしまう原因となるので、丁寧に取り除いてください。繊細な部分になるので、ブラシが付いた掃除機で吸い取りましょう。
このように、室外機の掃除も大事です。屋外に設置することが前提なので雨風に強く作られていますが、泥や枯れ葉などのゴミが詰まると、エアコンの寿命を縮めてしまいます。目安としては年に1~2回おこなうとよいでしょう。冷房を使い始める6月辺りと、暖房を使い始める11月辺りが適切です
まとめ
エアコンの寿命が近づいているときの症状に思い当たるものはありましたか?異変や不調が出ないと寿命や故障に気づけないものですので、なるべく定期的なメンテナンスをしてあげるように心掛けましょう。寿命の来ている家電をそのまま使い続けることはよくありません。
最近のエアコンは多機能なものが多く出ていますので、省エネ機能の付いたエアコンにして電気代を抑えたり、加湿機能付きのエアコンに買い替えて冬場の乾燥を抑えたり、思い切って新しいものに替えて、生活をより快適にしてみてはいかがでしょうか。
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