寒い日に暖房をつけていても一向に部屋が暖まらず、調べてみたら温風が出ていないといった経験はありませんか?
じつはこの現象は故障ではなく、霜取り運転といってエアコンの正しい機能だったということがよくあります。
寒いときに温風が出ず部屋が暖まらないのは嫌ですよね。今回はエアコンの霜取り運転で暖房が止まるのを防ぐ対策について説明します。
目次
寒い冬はエアコン室外機の「霜取り運転」が必要
エアコンの霜取りの対策を紹介する前に、まずはなぜ霜取りが必要か説明していきます。
エアコンの室外機のなかには「熱交換機」と呼ばれる部品が入っています。暖房をつけたとき、エアコンはこの熱交換機を使って室内に暖かい空気を送るのです。
このとき、室外機からは外に冷たい風を吹き出すので、室外機内部の熱交換器は非常に冷たくなっています。すると冷やされた空気中の水蒸気が結露して凍り、「霜」となって熱交換器に付くのです。
熱交換器に霜が付着してしまうと室外機の空気の吸い込みが妨げられ、屋外の熱を効率的に取り込むことができなくなってしまいます。霜による故障を防ぐために、エアコンには熱交換器に付着した霜を溶かす霜取り運転の機能が付いています。
霜取り運転時には一時的に温風が出なくなる
霜取り運転が開始されると、室外機は熱交換機を暖めはじめます。このとき、室内には暖かい空気を送ることができません。そのため、霜取り運転時は一時的にエアコンから暖かい風が出てこなくなり、故障したと勘違いしがちです。
霜取り運転を開始してからしばらくすると霜が溶けてなくなり、通常の暖房運転が再開されます。霜取り運転で霜を溶かす際には、周囲の温度差により湯気が発生したり、室外機から「プシュー」「シャー」「ポコポコ」という音が聞こえたりすることもありますが、これも故障ではないので心配はいりません。
このように寒いときや寒冷地では必要な機能ですが、一時的に暖房が止まります。霜取り運転で暖房が止まる回数を減らすためには、エアコンに霜が付かないような対策が必要です。
20分以上待っても運転再開しないときは別の原因を疑う
霜取り運転は、通常10~20分ほどで終わります。そのため、20分以上待ってもエアコンの暖房が作動しない場合、別の原因が考えられます。
まずは、汚れやゴミがたまっていないか確認してみましょう。室内機のフィルター、室外機の内部や周辺、水を排出するドレンホースなどにゴミがたまるなどしていると、エアコンの動作に悪影響を与えます。
ゴミなどがたまっている場合は取り除くことで、エアコンが途中で止まってしまう不具合が解消することが可能です。掃除をしてからもう一度運転してみて、しばらく様子を見ましょう。
溜まっているゴミを取り除いたり、フィルターを掃除したりする程度であれば、自分でも対処が可能です。フィルターの掃除方法は当記事の「こまめにフィルターの掃除をする」でご紹介していますので、実践してみてください。
ただし、室内機や室外機の手の届かない部分に汚れやホコリや溜まっていると、自分で掃除するのが困難なこともあります。機器の奥まった部分の掃除をしたい場合は自分で分解などすると故障の原因になりますので、プロのクリーニング業者などに依頼を検討しましょう。
掃除をしても直らないときは業者に相談
エアコンの内部や周辺をきれいにしてもまだ止まってしまうという場合は、機器自体が故障しているおそれがあります。
エアコンは精密機器ですので、内部の基盤や配線といった部分を知識のない方が動かすとかえって事態が悪化することが多いです。そのため、まずはメーカーや電気工事業者などに相談してみましょう。
業者に電話で症状を伝えれば、一般の人でもできるアドバイスをくれるはずです。業者を呼ぶべきかどうかの判断基準について、もっと詳しく知りたいという方は、下の別記事をご覧ください。エアコンが暖まらない原因について解説しています。
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霜取り運転の回数を減らす方法
では、エアコンの霜取りの対策方法を紹介していきます。
設定温度を低くする
寒いからといって暖房の温度を高く設定しないようにしましょう。室内を温めようとする力が強いほど、熱交換器が冷やされて霜が付きやすくなります。頻繁に霜取り運転が発生するようであれば、設定温度を1~2℃ほど低くしてみましょう。そうすることでエアコンの負担が減り、霜取りの回数も少なくなります。
こまめにフィルターの掃除をする
フィルターを汚れたままにしておくと、エアコン本来の能力を発揮できず、霜取りの回数を増やす原因にもなります。フィルターを掃除する際の準備と手順をご紹介しますので、一度試してみてください。
※詳細な部品の位置や扱い方法は製品によって異なる場合がありますので、事前に取り扱い説明書を確認してください。
・いらない歯ブラシなど
・雑巾
・新聞紙
・手袋
・マスク
エアコンフィルター掃除の手順
1.室内機の前面カバーを開け、フィルターの表面に掃除機をかけて大きなホコリを取り除きます。(掃除機が届かない場合は、フィルターを取り外して床に置いて掃除機をかけましょう)
2.フィルターを取り外し、お風呂場などへもっていきます。
3.シャワーで水をかけながら歯ブラシなどでフィルターの裏面をこすり、目につまったホコリを洗い流します。
4.洗い終えたフィルターはタオルで水気を拭き取り、日陰干しなどでよく乾燥させます。
5.フィルターが完全に乾燥したら、元通り室内機に取り付けます。
ホコリがそこまでひどくない場合は、掃除機をかけるだけでも十分きれいになります。汚れをためないよう、こまめにお手入れをしておくことが大切です。
室外機はできるだけ高い場所に
積雪の多い地域ではエアコンの室外機を地面ではなく壁や天井に設置するなどして、位置を高くしておきましょう。室外機の側面や下部、ドレンホースなどに雪が積もって塞がれてしまうと、エアコンが正常な運転をできなくなり、止まる原因となります。高い位置に室外機を設置することで、雪で埋もれてしまうのを防ぐことが可能です。
ただ、自分で室外機の移設をしようとするのは、あまりおすすめできません。
室外機を移設するためには配管を延長したりつなぎ直したりといった専門的な工事が必要です。うまく移設できていない場合、ガス漏れなど別の原因によってエアコンが止まってしまうことも考えられます。
そのため、エアコンの室外機を移設するときは、業者に依頼するのがよいでしょう。生活110番では、さまざまなエアコントラブルに対応できる業者をご紹介しています。移設の際には、ぜひご相談ください。
部屋の大きさよりも少し大きめのエアコンを使う
広い部屋で小さなエアコンを使っていると、部屋を暖めるためにも余計なエネルギーが必要になり、霜取り運転の回数も増えてしまいます。その逆に大きなエアコンを使えば、少ないエネルギーで部屋を暖められるようになるため、霜取り運転の回数も減らすことが可能です。さらに、電気光熱費の節約にもつながります。
ちなみにエアコンには目安の広さがあり、「8~10畳」などと記載されていますが、8~10畳の広さに適しているというわけではありません。これは「木造なら8畳、鉄筋なら10畳が目安」という意味です。エアコンを新しく購入する際は、このことも頭に入れておきましょう。
やってはいけないこと
エアコンの霜取り対策として、寒い空気を取り込まないように室外機の周りを風よけすことを考える人がいるようですが、やめておきましょう。
室外機の吸い込み口がふさがっていると、空気を効率的に吸い込むことができません。また、吹き出し口がふさがっていると、室外機から吹き出された冷たい空気を、室外機が再び吸い込んでしまう「ショートサーキット」という現象が起こります。
すると、屋外の熱を効率よく取り込むことができず、電気代が高くなってしまうばかりか、暖房運転が停止してしまうこともあるのです。
エアコンの暖房で部屋を暖めるコツ
エアコンの霜取りの対策方法を紹介しましたが、設定温度を低くするなどをしてしまうと部屋が暖かくならないという方も多いのではないでしょうか。効率よく部屋を暖かくする方法を紹介します。
エアコンが効きやすい部屋にする
部屋の中で少し工夫するだけでエアコンが効きやすくなります。
気軽にできる方法を紹介します。
扇風機やサーキュレーターを使う
扇風機といえば夏に使うものですが、実は冬でも使えるんです。
冬は上向きにして使いましょう。
暖かい空気は上の方へ、冷たい空気は下の方へ溜まりやすいという性質があります。そこで上向きにした扇風機やサーキュレーターを置いておくことで、暖かい空気を部屋の中で循環させることができるのです。
断熱シートやプチプチを使う
断熱シートやプチプチを窓に貼っておくと、外気からの冷気を防ぐことができます。どちらも簡単に手に入るものなので、一度試してみてください。
※プチプチは川上産業株式会社の登録商標です。
厚手のカーテンをつける
窓からの冷気の侵入を防ぐ方法として、カーテンを厚手のものにすることも有効です。暖房器具をつけるときにカーテンを閉めるようにすると外からの冷気が入りづらくなり、断熱効果が上がります。
ただし、冷たい空気は下のほうにたまりますので、カーテンが短いと隙間から冷気が入ってきてしまう場合があります。断熱効果をより高めるなら、床まで届く長さのカーテンを設置しましょう。
寒冷地用エアコンに変える
「寒冷地用エアコン」というものも各メーカーから販売されています。これは外気温が低い環境でも運転できるエアコンです。
完全に霜がついてしまうようなマイナス15℃といった低温でも連続運転ができたり、部屋が暖まるのが早かったりといったメリットがあります。
しかし、その分通常のエアコンに比べると値段は高くなります。
まとめ
霜取り運転でエアコンの暖房が止まるのは、エアコンにとって必要な機能ですが、なるべくなら避けたいところですね。
エアコンが止まってしまうことを防ぐためにエアコンの霜が付かない対策を行ってみてください。
また、部屋を暖かくする工夫をしてみたり、扇風機やサーキュレーターを補助的に使用したりといった方法もおすすめです。
エアコンが故障したと思ったときは、弊社までご連絡いただければ、すぐに最適な業者をご紹介します。ぜひご利用ください。
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