非常事態に役立つ?自動ドア「パニックオープン」は災害時にどう動く

2021.4.30

非常事態に役立つ?自動ドア「パニックオープン」は災害時にどう動く

日本は災害大国として有名であり、いつ大規模な災害が発生するかわかりません。もし公共施設や商業施設で大きな地震が発生したとき、電気が使えなくなって自動ドアや電気錠が使用不可能になってしまうと、屋内に閉じ込められてしまうおそれがあります。

そうした危険を回避するために導入されたのが「パニックオープン」です。人が多く出入りする施設でこの機能を採用することにより、万が一の事態が起きても円滑な避難が可能になるとされています。

この記事では、そんなパニックオープンについて詳しくご紹介していきます。どれだけ重要な設備なのかをしっかり把握して、安全意識を高めるようにしましょう。

『パニックオープン』とは?

パニックオープンとは、火災や地震などの災害が発生した際、電子錠や自動ドアといった電気で作動する扉を自動的に開放してくれるシステムです。停電が起きて非常電源に切り替わったときにも作動し、ドアが開放された状態を保ちます。

ちなみに、この機能は専用の連動制御盤によって作動する仕組みとなっています。熱・煙感知器や地震感知器から連動制御盤に信号が送られた後、自動ドアなどを制御するコントローラーに危険が伝わり、自動的に開放するのです。

パニックオープンの重要性

人が多い商業施設や設備などでは、災害になると多くの人がとにかく施設から逃げようとします。ですが、もし避難経路の途中で扉がひとつでも閉まっていたら、逃げようにも逃げられません。閉まった扉の前で渋滞が起きてしまい、結果多くの人が逃げ遅れてしまうでしょう。

そういった危険を避けるためにパニックオープンが存在します。この機能によって電子錠が強制的に開錠されることで、避難経路の確保ができるのです。これによって滞りなく避難をすることが可能になり、逃げ遅れる人を1人でも減らすことにつながります。

また無人状態の建築物で火事が発生した際も、パニックオープンですべてのドアが開放された状態になっていれば消防隊員などが進入口を作る手間が省けます。このように、パニックオープンは救命活動において非常に重要な役割を果たしてくれるのです。

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『パニッククローズ』とは?

パニックオープンとは逆に、自動ドアの電源を強制的に停止させて出入り口を塞ぐ「パニッククローズ」という機能も存在します。基本的な動作や用途はパニックオープンと同じで、こちらも非常事態に多くの命を救う要因になり得る重要な機能です。

パニッククローズの役割とは?

パニッククローズの概要を聞いたとき、「わざわざ逃げ道を防ぐ理由がわからない」と疑問に思う方もいるかもしれません。ですが、火災によって燃え広がる炎や煙から身を守らなければならない場合、この機能がとても効果的に働いてくれるのです。

自動ドアが開放された状態を保つパニックオープンは、避難をおこなうときに大いに活躍してくれます。ですが、仮にすべての扉が開放された状態になってしまうと炎がどんどん燃え広がってしまうため、あっという間に建築物が全焼してしまいかねません。

ですが、強制的にドアが閉まった状態になるパニッククローズが機能していれば、延焼や煙の拡散を食い止めることができます。建物全体に火の手が回るまでの時間稼ぎができるため、建物だけでなく人命の危機も救うこともできるのです。

災害時にパニックにならないために

ここまでパニックオープンについて解説してきましたが、いざ災害が発生した際には、パニック状態に陥ってしまうかもしれません。この項目では、災害が起きた際に逃げ遅れることのないよう、避難経路について解説していきましょう。

避難経路を把握しておこう

今日では、避難経路を考慮に入れて建築物を設計するよう義務付けられています。そのため、避難経路となっている途中の扉はパニックオープンによって解放されるのです。一方それ以外の無関係な道や扉は、延焼を防ぐためにパニッククローズで閉鎖されたり、防火シャッターが下りたりします。

また、避難経路には誘導灯の設置が義務付けられています。この誘導灯には、避難口がどこにあるかを示す「通路誘導標識」と、ここが避難口だということを示す「避難口誘導標識」の2種類があります。通路誘導標式は白地で避難口誘導標式は緑地なので、違いを覚えておくと円滑な避難ができるはずです。

災害時にパニックにならないために

災害時にパニックにならないために

パニックオープン機能や防火戸などの防火設備を安全に使うためには、定期的なメンテナンスが必須になってきます。普段はあまり利用しないこれらの設備ですが、非常事態には「これがあって本当によかった!」と思うほどに必要になってくるのは間違いありません。

もしも、火事が起きた際に防火設備やパニックオープン機能などが作動しないと、防ぐことができたにも関わらず被害を出してしまった「人災」として扱われるおそれがあります。そうなると、責任問題に発展するのは避けられないでしょう。

防火設備のメンテナンスは国によって決められている

2013年に発生した福岡市の火災事故では防火戸が閉まらなかったせいで被害が拡大し、そのせいで10名もの死亡者を出してしまいました。これを重く見た政府は再発防止策として、検査資格者による防火設備の定期点検を義務付けるようになりました。

定期メンテナンスをしないと法律違反となってしまうので、カレンダーやメモなどの人目がつきやすい場所にメンテナンス日を書いておくことが大切です。ご自分で管理するのが難しい場合は、管理会社にメンテナンスに関する管理を一任することも検討しましょう。

過去には防火設備のメンテナンスを怠った結果、非常事態時に防火設備が起動せず何名もの死亡者が出たケースも複数あります。こういった事故を避けるためにも、定期メンテナンスは忘れないように絶対にしっかりとおこなってください。

まとめ

管理している店舗に自動ドアや電気錠を設置されている方は、使用者や自分の身の安全を守るためにも、常時適切な状態でそれらの設備を運用できるように努めなければいけません。それ以外にも、防火設備にも定期点検をするようにと法律で定められています。

万が一の事態が起きたときに人命を守るためにも、パニックオープン機能や防火設備の定期的な点検は必ずおこなうようにしてください。なお、点検には検査資格者の立ち合いが必要なので、業者に点検を依頼するようにしましょう。

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