ひとり暮らしをするうえでつい怠りがちなのが、部屋の片付けではないでしょうか。いつの間にか部屋に脱いだ服や本などが散乱するようになってしまい、いざ片付けをしようと思ってもなかなか作業が進まない、という方も少なくないはずです。
部屋の片付けが進まないのは、単純に上手な片付け方を知らないだけかもしれません。どうすれば片付けをすばやく終わらせることができるのかを把握しておけば、いつもはうまくいかない片付けもはかどるようになるはずです。
今回のコラムでは、上手な部屋の片付け方について解説してきます。部屋の環境を保つ方法についても紹介しているので、片付けをしてもすぐに散らかしてしまう方も参考にしていただけると幸いです。
部屋の片付け方は考え方から
部屋の片付けがうまく進まないと悩んでいる場合、まずは片付け方についての考え方から変えていく必要があるかもしれません。最初に、なぜ部屋が散らかるのかをよく考えてみるようにしましょう。
部屋が散らかる理由は?
どうして部屋が散らかるのか、それには必ず理由があります。「ものであふれかえっていて収納する場所がない」「使ったものを出しっぱなしにしてしまう」「どれだけ使い古した服や道具でも捨てられない」など、人によって理由はさまざまでしょう。
なぜ部屋が散らかるのか、それを考えれば部屋の片付け方のヒントが見えてきます。収納する場所がないなら、収納する場所を作るかいらないものを処分すればよいのです。ものを出しっぱなしにしてしまうのであれば、使ったものを元に戻す習慣を心がけましょう。
心の状態と部屋の散らかり方は似ている
片付けがうまい人は、人間関係や仕事での心の切り替えもうまいといいます。逆にいえば、片付けができない人は何らかの悩みを抱えている可能性が高いのです。散らかった部屋を自分の心に置き換えてみると、まるで悩んでいる心の状態と同じに見えないでしょうか。
人間関係に悩んでいる場合は、まずはそちらを解決した方がよいかもしれません。なお、あまりに部屋の片付けができない場合は「セルフネグレクト」の疑いがあります。「増える「自分への虐待」……セルフネグレクトの若者を減らすには?」にて詳しく解説しているので、心当たりのある方は参考にしてみてください。
使わないものは捨ててしまおう
使わないものを捨てる目安としては「1年以上使っていないもの」があります。たとえば買ったのに使っていない化粧品や、使いかけなのに新品を買ったことで放置している消耗品などを捨てるようにしましょう。
「もったいないから」といつまでも捨てるのを渋っていると、部屋にものがあふれかえる原因になります。捨てられないものを大量に残しておくと、リラックスできるはずの部屋でも落ち着くことができないものです。本当に必要なもの以外は思い切って捨ててしまいましょう。
部屋の片付け方には準備が必要
上手な部屋の片付け方を実践する前に、以下のような準備をしておきましょう。そうすれば、より効率的に片付けを進めることができるはずです。
空き箱を3つ用意する
散らかった部屋を片付けるといっても、どれが必要でどれがいらないのか、判断がつきにくいこともあるでしょう。それを解決するためにも、3つの箱をそれぞれ「いるもの」「いらないもの」「判断がつかないもの」に分類し、部屋のものをその中に入れていきましょう。
いざ分別してみると、必要だと思っていたものが「いらないもの」に分類されることはよくあることです。どうしても判断がつかないものは「判断がつかないもの」に入れておき、目につく場所に置いておきましょう。生活しているうちに、それらが本当に必要かどうか判断できるようになるはずです。
誰かに手伝ってもらう
部屋の片付けは1人でするよりも、誰かに手伝ってもらう方が効率よく済ませることができます。これは作業が速くなるだけでなく、捨てるべきか判断のつかないものをその人に見てもらうことで必要かどうかをはっきりと判断してもらうことができるためです。また、一人だとサボってしまうのを誰かがいることで防止してくれる効果もあります。
片付けの計画を立てる
一気に部屋を片付けようとすると、途中で挫折してしまうこともあります。そのため「いつ・どこを・どのように掃除するのか」と計画を立てるようにしましょう。たとえば1週間ごとに掃除する場所を決めていく、「今日は棚をやって来週は机の中を整理しよう」などと決めていくと、効率的に片付けを進めることができます。
使わない物はどんどん処分しよう
では、実際に部屋を片付けてみましょう。部屋の片付け方の手順は以下の通りになります。
①床に落ちているものをなくす
まずは、床に散らかっているものを掃除することから始めましょう。せっかく収納をきれいにしても、床にものが散乱しているとそれだけで部屋は汚く思えます。まずは床の掃除をして、不要なものは処分しておきましょう。床がきれいになるだけでも、片付けのためのモチベーションも上がります。
②狭い場所から片付ける
片付けがしやすい狭い場所から整理すると、簡単に達成感を得ることができます。そのためモチベーションを保ったまま片付けがしやすくなるのです。引きだしやクローゼットの中の小物を一度すべて外に出して、先ほど紹介した3つの箱に分類してみましょう。
③上手に収納をする
片付けの結果残った「いるもの」は、以下のような方法で上手に収納をしていきましょう。
収納ケースを活用する
整理整頓をする際は、家具屋やホームセンターなどに売っている収納ケースが便利です。これを使うことで、ベッド下などの空いたスペースにも道具をしまうことができます。また、押入れやクローゼットの中には棚やラックを設置してデッドスペースをなくすと、より効率の良い収納が可能になるでしょう。
ものを分類しておく
ひとつの棚にたくさんの種類のものを収納する場合は、誰が見てもわかるくらいはっきりと分類してしまっておくようにしてください。それにより、使いたい道具を迷わず取り出せるようになって便利になります。先ほど取り上げた収納ケースを活用すれば、上手に分類することができるでしょう。
定位置を決めておく
「リモコンを置くためのカゴをテレビボードの上に設置する」など、あらかじめ道具の定位置を決めておきましょう。そうすることで道具を適当な場所に置くことがなくなるため、散らかることがなくなります。それだけでなく、ものを部屋の中で無くす機会も少なくなるはずです。
使わないものはどんどん処分しよう
部屋の片付け方において重要なのは、どれだけ不必要なものを処分できるかという点です。今後の生活で使わないようなものは、売却や廃棄するなどして部屋から取り除いてしまいましょう。以下はそれらの一例となります。
衣類
クローゼットに服がたくさんあるのにお気に入りの服を着まわしたり、去年買った服をまったく着なかったりというのはよくあることです。また、体型に合わない窮屈な服を「痩せたら着られるから」と残しておくのもよくありません。不必要な服がある場合は、古着屋に売ったりフリーマーケットアプリに出したりするのがおすすめです。
化粧品
使いかけで放置している化粧品は、消費期限も過ぎている可能性が高いです。化粧品にも食品と同じように消費期限があり、それを大幅に過ぎたクリームは成分が分離するなど役に立たなくなってしまっている可能性があります。そのまま放置していても意味がないので、処分してしまいましょう。
本・雑誌など
書籍や雑誌はスペースを多く取るため、机やベッドに平積みのままということも珍しくありません。前に買ってそのままにしてある雑誌や書籍は、もう読むことがないのであれば処分しておきましょう。書籍を処分する際は、古本屋に売るとお金も手に入ってお得です。
使わないポイントカード
ついお店で作ってしまったポイントカードが大量にある、ということはないでしょうか。「いつかまた行くかもしれないし……」と放置したまま別のお店に通うようになったり、そのお店にもう立ち寄らなくなったりするということは珍しくありません。もう使わないポイントカードは所有していても意味がないので、思い切って捨ててしまいましょう。
使わなくなった携帯電話
個人情報の漏えいを恐れて、携帯電話を機種変更した後もそれまで使っていた機種を残している方がいらっしゃるかもしれません。もう使わない携帯電話を処分する際は、初期化して捨てるようにしましょう。データの初期化の方法がわからないまま放置している場合は、近くの携帯ショップに持ち込んで回収をしてもらってください。
レシートなどの紙類
明細やレシートといった紙類はスマートフォンで撮影してパソコンに取り込み、クラウドサービスに保存するなどして電子化する方法もあります。パソコンに情報を残せるので読みたいときはすぐに呼び出せるほか、スペースもとらないので一石二鳥です。撮影したりスキャンしたりする手間はかかりますが、そのぶん後がとても楽になります。
近年では条件を満たせば、税の確定申告でも領収書のデータ化が認められるようになってきました。領収書が多くなりがちな個人事業主の方にもおすすめな方法です。
使わないブランド品
「もらったけど全然使っていない……」というブランド物のバッグや香水が部屋に眠っている場合は、それらをフリーマーケットアプリやリサイクルショップに出すのがおすすめです。新品同様のものや箱がしっかりと残っているものは、高い相場で売れるかもしれません。
部屋をキレイに保つためのポイント
今回紹介した部屋の片付け方を実践して部屋をきれいにしても、数日で元の状態に戻ってしまっては意味がありません。以下に紹介するポイントを常日頃から意識することで、部屋をきれいに保つようにしましょう。
使ったら元に戻す
「本は読んだら本棚に戻す」「化粧品は使ったらこのボックスに入れる」など、使い終わったものは元あった場所に戻しておく習慣をつけておくようにしましょう。また、頻繁に使っている道具をすぐ取り出せる場所にしまっておくと、戻しておく際に手間がかかりません。
すぐに道具を増やさない
「今使っているものがあるけれど、この口紅かわいいし買おうかな」など、部屋にあるもので十分なのに余計なものを増やしてしまうと、自分がなにをもっているかが把握できなくなります。極力今所有しているもので対処をするようにして、シンプルな生活にしましょう。
床には服や書籍を置かない
服を脱ぎっぱなしにしたり読んだ本を床に置いたりなどしておくと、それだけで部屋が汚く見えてしまいます。生活スペースである床に服や本を放置するのをやめて、しっかり元の場所に収納する習慣をつけるようにしましょう。
部屋を広く見せるためには
「部屋の片付け方を実践したのに部屋が狭く感じる……」という方は、以下のことを試してみると部屋が広く見えるかもしれません。
不要な家具は処分する
片付けをしたのに部屋が狭いという場合は、そもそも置いている家具が多すぎるという場合があります。大きすぎて不要なソファや何年も使っていないデスクなど、自分の部屋と合っていない家具が多い場合は、家具を小さいものに買い替えたりいらない家具を処分したりしましょう。家具の状態によっては、リサイクルショップで売却できる場合もあります。
新しく家具を買うなら「一石二鳥」な家具を買う
最近は、1つの家具に2つ以上の役割がある家具も多くなってきました。古い家具の代わりに新しくそのような家具を買うことで、部屋の中のものを減らすことができます。「収納機能がついているベッド」や「引き出しのついたテーブル」を購入してみるのがおすすめです。
床を見せるように工夫する
部屋をすっきりと見せるためには、全体の3分の2以上は床が見えているのがよいとされています。つまり、家具などで覆い隠しても問題ない面積は、10畳の部屋なら3.5畳、6畳の部屋なら2畳程度となるわけです。かといって最初から一気に家具を減らすのではなく、少しずつ床の面積を増やすよう意識しましょう。
床に接地している家具ではなく、ソファやベッドを脚のあるものにすることで床を見せるというテクニックもあります。さらに、テーブルを小さいものにして床に座るようにすると大きなテーブルや椅子が不要になるため、空きスペースを増やすこともできるでしょう。
模様替えをする際のより具体的な工夫の仕方を知りたい方は、こちらの「必見!おしゃれで機能的なお部屋へ模様替えするコツや便利グッズ」で、詳しく解説しています。こちらの記事を参考に、床の見える機能的なお部屋にしてみてはいかがでしょうか。
困ったときはハウスクリーニングに頼ろう
もし部屋が汚すぎて自分1人では手に負えないのなら、ハウスクリーニングの業者に依頼するという手もあります。もしも業者に片付けを依頼した場合は、1DKの場合は約30,000~50,000円が費用相場となっています。
また、ハウスクリーニングのプロの手にかかれば、普段の掃除ではピカピカにできないような場所もきれいにしてくれるでしょう。ひとり暮らしで忙しくしっかりと掃除する暇がなかなかない方や共働きで忙しい方も、ハウスクリーニングのプロに掃除を依頼するのもよいかもしれませんね。
自分だけの空間でもある部屋に人を入れたくないという方は、こちらの「間違っていませんか?モップの使い方を知ればお掃除はもっと楽に!」を参考にしてみてください。部屋の片づけには欠かせない、モップの使い方について解説しています。正しいモップの使い方を知ることで、自分で納得のゆくきれいな部屋に仕上げることもできるでしょう。
まとめ
部屋の片付けが思うように進まないのは、上手な部屋の片付け方を知らないせいかもしれません。どうして部屋が散らかってしまうかを分析し、そしてその問題をどうすれば解決できるかをまず考えるようにしましょう。
どうしても片付けが進まない場合は、ハウスクリーニングに片付けの依頼をするのをおすすめします。お掃除のプロである彼らは、片付けだけでなくお風呂場をはじめとするさまざまな箇所の掃除も代行してくれるでしょう。
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またもうひとつの記事では、模様替えの仕方についてを解説しています。機能的な模様替えだけでなく基本的なことも知ることで、より自分なりの部屋に仕上げることもできるでしょう。きれいな部屋づくりのために、こちらの記事もぜひ目を通してみてください。
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