身体の汚れを落とすお風呂場は、同時に汚れの溜まりやすい場所でもあります。中でもとりわけ厄介な汚れとされるのが、壁やタイルに生えるカビではないでしょうか。お風呂場は家の中でもっともカビの発生しやすい場所だといわれています。深く根を張ったカビはキレイに落とすのが難しく、手間もかかりがちです。
しかしそんな厄介な黒カビを、ご家庭にある道具を用いることで簡単に除去できるかもしれません。スーパーなどでも簡単に手に入る重曹や小麦粉を活用することで、黒カビの根の部分までカビ取り剤を浸透させることができるのです。
本コラムではそんなお風呂のカビ掃除を効率よくおこなうコツとして、カビ取り剤と片栗粉を合わせた効果的な使い方について解説いたします。またカビの前兆ともいえるピンクぬめりの正体についても紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
目次
お風呂場にカビができやすい理由
そもそも、なぜお風呂場にはカビが発生しやすいのでしょうか。それはお風呂場がカビの発生条件を満たしやすい環境にあるからにほかなりません。最初に、なぜお風呂場でカビが繁殖しやすいのかについて触れていきましょう。
お風呂場はカビにとっての天国
ご家庭でもっともよく目にするいわゆる「黒カビ」とは、カビ菌と呼ばれる菌類が繁殖して目に見えるほど巨大化した群れを指します。私たちを苦しめているカビの正体は単なる汚れではなく、大量に寄せ集まった菌の集合体なのです。
そんなカビ菌が繁殖するには、「約20~30℃の適度な温度」、「約65%以上の適度な湿度」、「垢やシャンプーの残りカスなどの十分な栄養源」の3つの条件が必要となってきます。それらを踏まえて、お風呂場の状況を思い出してみましょう。
お風呂場はシャワーやバスタブでお湯を使うため、室温と湿度が高くなりがちです。さらに人がお風呂場で落とす汗や皮脂は、カビ菌にとって豊富な栄養となります。つまり、お風呂場は黒カビの繁殖する条件を3つとも高いレベルで満たした環境といえるわけです。
ただでさえカビ菌が繁殖しやすい環境のお風呂場では、一度黒カビが生えると爆発的に成長していきます。身体をきれいにする場所でカビ菌がはびこっていたら本末転倒。黒カビが生えているのをみつけたら、できるだけはやくお風呂場のカビ掃除をおこないましょう。
塩素系漂白剤と片栗粉を使ったカビ取り
黒カビは「菌糸」という根を張りながら繁殖するため、たとえ表面だけきれいにしたとしてもあまり意味がありません。そのため、黒カビを死滅させるには漂白剤のようなカビ取り剤をしっかりと菌糸にまで浸透させる必要があるのです。
カビ取り剤を奥まで浸透させるには、相応の時間が必要です。具体的には、約15分以上はカビ取り剤が黒カビに密着していると効果が高まるとされています。しかしカビ取り剤は液体タイプのものが多く、スプレーで吹きかけても重力によってすぐに垂れ落ちてしまうものです。
そこで便利なのが、カビ取り剤に片栗粉や重曹といった粉末を混ぜ合わせる方法です。粉末片栗粉と液体のカビ取り剤を混ぜペースト状にすることで、黒カビに長時間密着する「パック」となり、深く根付いたカビにも効率よくダメージを与えることができます。
カビ取り剤の選び方
では、カビ取りで片栗粉を活用する方法について解説していきましょう。片栗粉を使ってカビ取りをする場合、漂白剤は塩素系のものを使用するのがベストです。
塩素系漂白剤について
殺菌作用のある塩素が主な成分となっている漂白剤です。強力なアルカリ性をもっており、カビをはじめとした菌類を退治する力が非常に強いのが特徴です。この漂白剤には塩素臭というプールで嗅いだことのあるような独特の臭いがあり、苦手という方もいるかもしれません。
強力な殺菌力をもつ塩素系漂白剤ですが、使用にあたっては注意しなければならない点があります。それは、酸性の洗剤と混ぜると猛毒のガスを発生させるということです。もしもこの猛毒ガスを吸い込んでしまうと、命に関わる危険性さえあるでしょう。
猛毒ガスによる死亡事故も実際に起きているため、塩素系漂白剤を使用する際は絶対に酸性の洗剤と併用しないよう注意してください。塩素系漂白剤の危険性については、「「まぜるな危険」の洗剤はゼッタイ混ぜない!混ぜると命の危機に…」でも詳しく解説しています。
片栗粉と塩素系漂白剤でカビ退治!
塩素系漂白剤は単体でも強力なアルカリ性をもっているため、片栗粉を使ってペーストを作成します。片栗粉と塩素系漂白剤を1:1の割合で混ぜてよく練っておきましょう。あまりにトロトロだと効果がないので、漂白剤の量のバランスには気を付けてください。
作成したカビ取りペーストは、割り箸などを使って黒カビが発生した部分に盛り付けていきましょう。タオルなどで水分を拭き取ったうえで盛り付け、5分ほど放置しておいてください。その後でお湯で洗い流せば、黒カビがきれいに取れるはずです。
なお塩素系漂白剤は非常に強力なので、あまり長い時間密着させすぎるとお風呂場の表面を傷つけてしまう可能性があります。5分経ったらすぐに水で洗い流しましょう。中でもゴムパッキンは傷みやすいので、より黒カビとの密着時間を短くしてください。
酸素系漂白剤と重曹を使ったカビ取り
カビ取りで片栗粉ではなく重曹を使う場合、使用する漂白剤は酸素系のものを採用するようにしましょう。塩素系漂白剤は強力な洗剤ですので、材質の痛みなどが不安になるようでしたらこちらの方法を活用するのがおすすめです。
酸素系漂白剤について
塩素ではなく酸素を主成分とした弱アルカリ性の漂白剤です。酸素の泡やアルカリ性の力によって汚れを取り除く効果があります。殺菌効果や漂白効果は塩素系よりも低いとされていますが、素材に優しいという利点があるほか、鼻をツンとつくような臭いもありません。
酸性洗剤と混ぜても有毒ガスが発生しないので、万が一の事態を危惧する必要がないのも利点でしょう。小さなお子様のいるご家庭など、何が起こるかわからない場所で危険を可能な限り避けたい場合などは、安全重視で酸素系漂白剤を選ぶといいかもしれません。
重曹と酸素系漂白剤を合わせたカビ掃除
酸素系漂白剤をペーストにする場合は、重曹を利用するのがオススメです。基本的に、漂白剤の漂白力はアルカリの高さで決まります。重曹は弱アルカリ性の粉末なので、同じくアルカリ性である酸素系漂白剤の効果を阻害することなくペーストを作れるのです。
重曹と酸素系漂白剤のペーストも、1:1の割合で調合しましょう。ペーストの盛り付け方についても、片栗粉を使った場合と同様です。ただし酸素系漂白剤は塩素系漂白剤より効果が低いので、盛り付けた後で約2時間は放置するようにしてください。
なお、アルカリ性に弱い大理石に重曹や塩素系漂白剤が付着すると、大理石が溶けてしまって直らない跡が残ってしまいます。もしもお風呂場に大理石を使っているようであれば、カビ取りには中性洗剤を用いるようにしてください。
がんこすぎるカビは業者に相談しよう
もし黒カビがなかなか取れない場合は、風呂掃除を業者に依頼するという手もあります。ハウスクリーニングの業者は業務用の強力な薬剤や特殊な掃除道具を所有しているため、個人ではどうにもならない頑固なカビもきれいに除去してくれるはずです。
ハウスクリーニングにお風呂場の掃除を依頼した場合、必要となる費用の相場は約13,000~18,000円となっています。お風呂場の広さなどによって費用が変動することも珍しくないので、最初に見積もりを取っておくのをおすすめします。
これもカビ?ピンクのぬめりの掃除方法
さて、お風呂場のカビ掃除をしていると、黒カビの発生した場所の付近にピンク色のぬめりを発見することがあります。これがいわゆる「赤カビ」です。赤カビは一見するとカビの仲間のようにも見えますが、実はカビではなく「ロドルルラ」という酵母菌の一種だとされています。
ロドルルラは黒カビのような害をもたらすわけではありませんが、繁殖力が非常に強いためあっという間に広がってしまいます。ピンクのぬめりが発生した床はすべりやすくて危険で、なにより不衛生です。お風呂場の黒カビ掃除の際に、一緒に除去してしまいましょう。
ピンクのぬめりはどう落とす?
黒カビの掃除をする際は、カビ取り剤に片栗粉を混ぜるなどの工夫が必要でした。ですが、赤カビは黒カビと違って表面を覆っているだけなので、消毒さえしておけば簡単に落とすことができます。カビ取り剤はもちろん、消毒用のエタノールでも除去が可能でしょう。
赤カビはそれ自体が害になるわけではなく、掃除するのも簡単です。しかし、黒カビはすばやく繁殖した赤カビをエサにする習性があります。つまりピンクのぬめりが発生している場所は、そのままにしておくと遠からず黒カビが発生するかもしれないということです。
赤カビは黒カビの発生を早期に教えてくれるサインとなります。そのため、洗剤などでぬめりを除去した後は、カビが生えないよう換気や掃除などの対策をしておくのをおすすめします。お風呂に入った後で換気扇を回して乾燥させるだけでも、カビ対策の効果があるはずです。
まとめ
お風呂場で発生する黒カビは、ただこするだけではなかなか取れない厄介な汚れです。しかし、カビ取りに片栗粉や重曹を用いることで、その黒カビを簡単に取り除くことができるかもしれません。
また、ピンクのぬめりを放置するとそこが黒カビの温床になることがあります。幸いにもピンクのぬめりを掃除するのは簡単なので、こまめに掃除をしておくようにしましょう。もちろん、定期的な換気などのカビ対策も忘れてはいけません。
しかし黒カビは時間経過とともに、より頑固な汚れとなっていきます。あまりに長く放置した黒カビだと、市販されている漂白剤では太刀打ちできないかもしれません。もし自分の手ではどうにもならない場合は、ハウスクリーニングの業者にカビ取りを依頼するのがよいでしょう。
バスルームクリーニングを依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「バスルームクリーニング」をご覧ください。
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