車のバッテリーの充電は車を走行させておこないます。車を走行させるとエンジンが回転し、それにともなって発電機(オルタネーター)が動くため、カーバッテリーが充電される仕組みになっているのです。
日常で車を使っていると、バッテリーが上がってしまうことがあります。バッテリーが上がり対処した後にも、走行による充電が必要です。消費された状態のバッテリーの回復には、少なくとも一定時間の走行が必要となります。
ここでは、車のバッテリーを充電する走行時間や、今後バッテリーが上がらないための対策、アイドリングでの充電はどうなのかなどをご紹介します。カーバッテリーの充分な充電のためにどのくらい車を走行させたらよいのかわからないと不安にお思いの方は、ぜひご一読ください。
目次
車のバッテリーを充電させる走行時間
上がってしまった車のバッテリーを充電する走行時間は、最低でも30分は、必要とされています。また、時速50キロくらいの速度を保ちながら走行することで、効率よくバッテリーが充電されます。
さらに、室内灯やオーディオなど、不要な電気を極力を使わず走行した場合、バッテリーは、約2~3時間あれば満タンまで回復するといわれています。
アイドリングでも充電はできるが…
アイドリングでも、バッテリーの充電をおこなうことができますが、走行させるよりも時間がかかってしまう傾向があります。必要最低限の充電には、少なくとも1時間程度アイドリングを続ける必要があるといわれます。
アイドリングで充電する際に、注意したいことは、走行で充電させる場合と同じで、エアコンやオーディオなどの余分な機器を使用しないことです。また、条例で禁止されていたり、近所に迷惑がかかったりするおそれがあるので避けたほうがよいでしょう。
走らせずに充電器を使って充電することもできる
カーバッテリー充電器を使用すれば、車を走行させなくても、バッテリーを充電させることができます。フル充電するには、8時間~10時間かかるので、余裕をもって充電をおこないましょう。
すぐに車を走行させたい場合は、ガソリンスタンドで急速充電をしてもらうことで、バッテリーを充電することができます。ガソリンスタンドでは、30分ほどで充電してもらえますが、すばやく充電する(急速充電)ぶん大きなダメージが加わってバッテリーが早く劣化することも考えられるため、注意しましょう。
上げてしまったバッテリーは交換しなければいけないのか
結論からいうと、バッテリーの交換は必須ではありません。すぐにバッテリーがダメになってしまうことはないようです。
バッテリー交換が必要とされるのは、バッテリーの内部が傷んでしまっている場合です。もともとバッテリー内部には、化学反応を起こして電気を生み出す酸性の液体(希硫酸)が入っています。
長年同じバッテリーを使用していると、この希硫酸は劣化したり、蒸発して減ってしまったりします。希硫酸が減ってしまうことによって、電気をため込んでおけなくなるだけでなく、バッテリー内部の金属部品が露出して錆びてしまうこともあるのです。
また、劣化が進行すると、バッテリー内部に発生する水素が多くなり、エンジン内部の火気から引火しやすくなることもあります。そのため、長年使用している場合は、交換をおすすめします。
数年しか使っていないバッテリーは蓄積しているダメージが少ないので、長期放置などをしなければ、交換をしなくても問題なく走行できることがほとんどです。バッテリーが上がったからといってすぐにバッテリー交換をしようと決めるのではなく、まずは車の使用年数から、バッテリーへのダメージを見極めてみましょう。
バッテリーの交換を検討したほうがよいケースも
バッテリーの交換は、検討したほうがよい場合もあります。すぐにバッテリーが上がる場合は、バッテリーの劣化が考えられます。バッテリーの寿命は、2年~3年ほどとされていますが、一度バッテリーが上がってしまっていると、バッテリーの寿命が短くなっている場合があります。
また、車の走行の際に、電気を生み出すオルタネーターなどの発電機構が故障しているおそれもあります。長年、同じバッテリーを使っているのであれば、ディーラーやカー用品店で点検を受けたほうが安心でしょう。
バッテリー上がりを繰り返さないために
バッテリー上がりを繰り返さないためには、バッテリーが上がる原因や対策を知ることが大切です。原因や対策を知り、バッテリー上がりを繰り返さないようにしましょう。
バッテリーが上がる原因と対策
バッテリーが上がるおもな原因は、ヘッドライトやハザードランプ、室内灯の消し忘れです。そもそも車のバッテリーは、窓の開閉、ランプ、カーナビ、空調など車内機器や、エンジンをかけるときの電力源として搭載されています。普段は、エンジン稼働時に自動的に充電されますが、バッテリーにたまった電力よりも車内機器の電力消費量が大きくなると、「バッテリー上がり」とよばれる電力不足を引き起こすのです。
よって、車のエンジンが停止している状態でライトをつけっぱなしにするなど、バッテリーの電力の消費だけおこなわれると、バッテリーが上がりやすくなります。車を使用しないときは、社内機器が動いていないか確認し、ライトの消し忘れなどが起こらないように注意しましょう。
定期的な走行とはどのくらい必要なのか
車の使用頻度があまりない場合も注意が必要です。バッテリーは、時計やカーナビなどの機器の記憶維持にも使われています。そのようなことから、自然放電しているので定期的に走行させて、バッテリー回復させる必要があります。車のバッテリーを充電する走行時間は、週に1度、1時間はあるとよいでしょう。
普段、走行することが、むずかしい場合はカーバッテリー充電機を使用するのも対策のひとつです。1章にもありますが、カーバッテリー充電器を使ってのバッテリーの充電は、8時間~10時間かかります。車を使う前に、余裕をもって充電しましょう。
もしもバッテリーが上がってしまったときのために
バッテリーが上がらないように対策をしていても、バッテリーは上がってしまうこともあるでしょう。バッテリーが劣化している場合や、冬の時期に寒くてバッテリーの性能が一時的に下がっていることも考えられます。バッテリーが上がってしまったときの対処方法をおさらいしていきましょう。
ブースターケーブルを用意しておく
ブースターケーブルは、バッテリーが上がってしまったときおこなう、ジャンプスタートに必要なケーブルです。ほかの車に接続して電気をわけてもらうためのケーブルなので、万が一の場合のことも考えて、ブースターケーブルは車に常備しておくとよいでしょう。
■ジャンプスタートの手順
1.車と救援者をブースターケーブルでつなぐ
バッテリーの上がってしまった車と電気をわけてもらう救援車のバッテリーをブースターケーブルでつないでいきます。ケーブルには、プラスとマイナスがあるので接続するときは、プラス同士、マイナス同士を接続するようにします。
手順は、バッテリーの上がった車のプラスをはじめにつなぎ、つぎに救援車のプラスにケーブルをつないでいきます。プラスがつなぎおわったら、マイナスのケーブルもつないでいきましょう。マイナスケーブルは、救援車→バッテリーの上がった車の順にケーブルをつないでいきます。
2.エンジンをかける
ケーブルの接続がおわったら、まず救援車のエンジンを始動します。そのあと、バッテリーの上がったエンジンを始動していきましょう。エンジンがかかれば、ジャンプスタートに成功したことになります。
上手くエンジンがかかったら、車のエンジンを止めずにケーブルを取り外します。ケーブルは、繋いだときとは逆に、マイナスから取り外しましょう。もしも上手くエンジンがかからなかったり、すぐにエンジンが止まってしまう場合は、バッテリーの劣化・損傷が疑われます。バッテリーや発電機(オルタネーター)の交換を検討しましょう。
3.走行する
上手くエンジンがかかったら、車のバッテリー充電のため走行させましょう。時間の目安は、30分~1時間ほどです。
アイドリングでも充電することはできますが、時間がかかってしまうので効率よく充電するには、走行するほうがよいでしょう。ジャンプスタートは、ハイブリッド・電気自動車での救援はできないので、その場合は業者に依頼することをおすすめします。
ジャンプスターターや充電器を用意しておく
救援車がない場合のときのために、ジャンプスターターなどの充電器を車に常備しておくと安心でしょう。ジャンプスターターがあれば、バッテリーが上がった場合でも、ひとりで対処することが可能です。
駆けつけてくれる業者をあらかじめ調べておく
バッテリーが上がってしまったときに、自分で対処できる場合も万が一のため、駆けつけてくれる業者を調べておいたほうがよいでしょう。失敗してしまった場合なども考えて、駆けつけてくれる業者をみつけておくと安心です。
まとめ
バッテリーが上がってしまったときは、ジャンプスタートをおこなってバッテリーを復活させます。バッテリーを復活させたあとは、走行して充電していきましょう。車のバッテリーを充電する走行時間は、30分~1時間ほどです。ジャンプスタートなどの作業をご自身でおこなっても、解決しない場合は、無理をせず業者に相談しましょう。
また、バッテリーを復活させても、再度バッテリーが上がってしまう場合はバッテリーの劣化やバッテリー周辺の部品が故障しているおそれがあります。その場合も、ディーラーや業者に相談・点検をしてもらうことをおすすめします。ヘッドライトなどのライトの消し忘れなども注意して、バッテリーが上がらないように気をつけましょう。
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