「カギを回してもエンジンがかからない!」
車のバッテリーはいつ上がってしまうかわかりません。もし出先などで上がってしまえば、その場で立ち往生せざるを得なくなってしまうでしょう。しかも、頻繫にあることでもないため、対処法について詳しいという人も少ないかもしれません。
今回のコラムでは、バッテリーが上がってしまったときの対処法として、車のバッテリーを充電する方法について解説します。今、まさにバッテリーが上がってしまったという人は、これを読んですぐにドライブを再開させましょう。
目次
車のバッテリーを充電する方法
エンジンのかからなくなった車のバッテリーを充電するには、ほかの車や機器から電気を分けてもらわなければなりません。おもな充電方法には、ジャンピングスタート後に車を動かす方法と車用の充電器の使用があります。
ジャンピングスタートをして車を動かす
ジャンピングスタートとは、エンジンをかけるのに必要な電気をほかの車から分けてもらう始動方法です。エンジンさえかかれば、車を走らせてバッテリーを充電することができます。30~60分ほど走らせれば、次の始動時に必要な量の電気を貯められるでしょう。
車がもう一台とブースターケーブル(電気を供給するための専用の電線)さえあれば可能な方法のため、家族や友人、知人に助けに来てもらえれば、どんな場所でも使える方法です。出先などのすぐにエンジンをかけたいときでも使える、万能な方法といえるでしょう。
ジャンピングスタートの具体的な手順については、本コラムの「▼車のバッテリーを充電するためにおこなう「ジャンピングスタート」の方法」で解説します。
車用の充電器を使う
その名の通り、車用バッテリーの充電ができる機器です。バッテリー用充電器は、ジャンピングスタートとは異なり、ほかの車を用意しなくていいうえ、車を走らせなくても十分な量の充電が可能というメリットがあります。ただ、この方法には電気を供給するためのコンセントが必要になるため、出先で使うのは難しいでしょう。
詳しい手順は、本コラムの「▼車用の充電器を使った車のバッテリーの充電方法と注意点」で解説していきます。
ハイブリッドカーや電気自動車の充電について
ハイブリッドカーや電気自動車には、バッテリーが2つ積まれています。補機類用バッテリーと駆動用のバッテリーです。これらの車でバッテリーが上がったときに充電しなければならないのは、ほとんどの場合が、補機類用バッテリーです。
補機類用バッテリーとは、走行以外に使われる電気をためておくための場所です。エンジンの始動にも、補機類用バッテリーが使われます。補機類用バッテリーの構造は通常のガソリン車と同じなので、ジャンピングスタートやバッテリー用充電器が使用可能です。
一方、駆動用バッテリーとは自動車を走らせるための電気をためておく場所です。車の走行という大きなエネルギーを必要とするため、補機類用バッテリーに比べて高い電圧が使われています。通常のジャンピングスタートやバッテリー用充電器は電圧をあわせないと使えないため、この2つの充電方法では駆動用バッテリーの充電はできません。
ただ、駆動用バッテリーが上がってしまうことはあまりないといわれているので、そこまで心配する必要はないでしょう。
次章からは、上記2つの充電方法を具体的に解説していきます。まずは、ジャンピングスタートについてです。
車のバッテリーを充電するためにおこなう「ジャンピングスタート」の方法
この章では、ジャンピングスタートをおこなうための手順を、自分でできるのかの判断基準や必要な道具とあわせて解説していきます。
ジャンピングスタートは自分でできるのか
道具さえ揃っていれば、ジャンピングスタートはそこまで難しい作業ではありません。ただ、ジャンピングスタートには車がもう一台必要だったりと、すぐに準備するのが難しい道具が必要です。そのため、場所によっては道具を用意できないこともあります。そういった場合は、ロードサービスや業者にまかせるしかないでしょう。
ジャンピングスタートに使用する道具
〇救援車
ジャンピングスタートの際に電気を分けてもらう車のことを「救援車」と呼びます。この救援車はどんな車でもよいわけではなく、電圧の同じバッテリーが搭載されているものでなければいけません。乗用車であれば基本的に電圧は12Vなので問題ありませんが、トラックなどは24Vの電圧が使われていることが多いので注意が必要です。
〇ブースターケーブル
救援車のバッテリーと、上がってしまったバッテリーをつなぐためのケーブルです。赤と黒の2種類があり、それぞれプラスとマイナスの電極に対応しています。役割が異なるため、必ず2種類用意しましょう。
〇ジャンプスターター
ジャンプスターターとは、ジャンピングスタートのための車用バッテリーです。電気を分けてもらうための車が用意できない場合などに代用することができます。
ジャンピングスタートの手順と注意点
手順の前にまず注意する点として、使用するブースターケーブル自体が劣化していないかをよくチェックしておいてください。ゴムの被膜が破れていたり、グリップの部分が緩んでいたりするブースターケーブルを使用するのは危険です。最悪の場合、出火などにつながることもあるので、くれぐれも注意しましょう。
ほかにも、バッテリーの端子などに素手で触ることは絶対に避けてください。非常に強い電気が流れているため、触れば命に関わります。作業の際は、安全を期してゴム手袋なども用意しておくとさらによいでしょう。
ジャンピングスタートは、下記の手順でおこないます。このなかでも、(2)~(7)のブースターケーブルをつなぐ順番にはとくに注意が必要です。間違えると電圧の関係でバッテリーが壊れてしまうこともあるので、よく確認しながら作業を進めてみてください。
(1)救援車のエンジンを停止
(2)バッテリーが上がった車の室内灯などをオフにする
(3)ボンネットを開いてバッテリーの位置を確認
(4)バッテリーが上がった車のプラス端子に赤のブースターケーブルをつける
(5)救援車のプラス端子に赤のブースターケーブルをつける
(6)救援車のマイナス端子に黒のブースターケーブルをつける
(7)バッテリーが上がった車のエンジンなどの金属部分に黒のブースターケーブルをつける(火花が散るので顔や体は離すこと)
(8)救援車のエンジンをかける
(9)バッテリーが上がった車のエンジンをかける
(10)エンジンがかかったらつないだときとは逆の順番でケーブルをはずす
(11)30~60分ほど走行して車のバッテリーを充電する
次章からは、車用充電器を使う方法について解説していきます。
車用の充電器を使った車のバッテリーの充電方法と注意点
車用充電器を使った方法であれば救援車は必要ないうえ、エンジン始動後に車を走らせなくても充電が可能です。
実際のおおまかな手順は以下の通りですが、安全に作業を進めるためにも、必ず車用充電器に付属している説明書を参照しながら車のバッテリーの充電をおこなってください。
(2)プラス端子に赤のケーブル、マイナス端子に黒のケーブルをつける
(3)充電器をコンセントに挿す
(4)車用充電器の電源を入れる
(5)充電量を確認しながら充電
車用の充電器で充電する場合に注意すること
ジャンピングスタートと同様に、端子につなぐケーブルの扱いにはとくに注意してください。それぞれの端子と対応しないケーブルをつなぐと、車の故障につながることもあります。必ず手順に従って作業を進めるようにしてください。
また、車用充電器にも対応する電圧があります。なかにはいろいろな電圧に対応しているものもありますが、購入の際には必ず確認するようにしましょう。異なる電圧同士で充電しようとすると、バッテリーの故障につながる可能性が高いです。
ここまでバッテリー上がりの対処法について紹介してきましたが、そもそもバッテリー上がりとはなんなのでしょうか。次章からは、バッテリー上がりがなぜ起こってしまうのかについて解説していきます。
車のバッテリー上がりの原因とは
バッテリーが上がる原因のほとんどは、エンジンのかかっていない状態で電気を使いきってしまうことです。また、長い間車のエンジンをかけずに放置していた場合などもバッテリーは上がってしまいます。
そもそも車のバッテリーが充電される仕組みとは
車にはオルタネーターと呼ばれる発電機が搭載されており、走行することによって発電して、車のバッテリーを充電します。バッテリーに充電された電気は、室内灯やカーライト、エンジンを始動する際に使われるのです。
しかし、車のエンジンがついていない状態でバッテリーの電気を使いきってしまうと、エンジンがかけられないため充電もできない状態になってしまいます。これが「バッテリーが上がってしまった」という状態です。
こうした状態を引き起こす原因には以下のようなものが考えられます。
〇半ドア
〇カーライトの消し忘れ
〇エンジンをかけずに電気を使いすぎる
〇長期間放置していたための自然放電
〇バッテリーの寿命
このようにエンジンがかかっていない状態で電気を使いすぎると、バッテリー内部の電気を使いきってしまい、エンジンがかけられなくなってしまうのです。こうした行為に心当たりのある人は、降りるときには室内灯やカーライトがついていないか確認するなど注意するようにしましょう。
ただ、バッテリー上がりの原因は上記のように不注意が原因になっていることが多いですが、バッテリーの状態が原因のこともあります。この場合、たとえバッテリーが上がっていなくても充電をおこなったほうがいいかもしれません。次章では、バッテリー上がり以外で充電が必要な状態について解説していきます。
バッテリー上がり以外で車の充電が必要な状況
バッテリーが上がってしまったとき以外にも、車のバッテリーの充電が必要なタイミングがあります。今はまだバッテリーに問題が起きていない人も、一度確認しておくとよいでしょう。
バッテリーの電圧が低下している
電圧とは、電気を押し出す力のことです。バッテリーを使い続けていると、劣化して電圧が不安定になることがあります。また、エンジンをかけずにエアコンやオーディオなどの電気系統を使う時間が長い場合も、電圧低下につながりやすいです。
この状態のまま使い続けていると、電気系統に不具合が発生することもあります。電圧が低下しているかどうかは、その兆候があるかを確認してみるとわかりやすいです。以下のような症状があれば、電圧が低下していることが考えられます。
〇ヘッドライトがいつもより暗い
〇エンジン始動時にセルモーターの勢いがない
〇パワーウィンドウの動作が遅い
〇バッテリーの寿命が近い
より正確に電圧が低下しているかどうかを知りたい場合は、電圧計を使うとよいでしょう。電圧計を使えばバッテリーの正確な電圧を測れます。
電圧計は車用品店などで購入でき、値段は数千円ほどです。また、電圧を測ってくれるガソリンスタンドもあるので、気になる方は給油のときなどに依頼してみてください。
正常な値はエンジンを切った状態で12.5Vから13Vほどですが、12V以下になってくるとエンジンがかかりにくいなどの不具合が発生する可能性が高いです。電圧低下は、バッテリーの充電で改善可能です。低下の症状がある場合は、充電しておくとよいでしょう。
バッテリーの寿命がきてしまっている場合は交換が必要かも
電圧を測定したとき12V以下になっている場合はバッテリーの寿命が近く、劣化していることが考えられます。劣化したバッテリーの電圧は充電したとしても改善することはないので、電圧が低すぎるときはバッテリーを交換してください。
車のバッテリー上がりはさまざまな要因で起こるため、常にトラブルに備えておくことが肝心です。次章からは、おすすめの車用バッテリー充電器とジャンプスターターをご紹介します。
あると便利!おすすめの車用バッテリー充電器とジャンプスターター
どこで車のバッテリーが上がってしまうかは、誰にもわかりません。もし電波の届かないところで上がってしまったら、ロードサービスさえ呼べないことも。自宅であってもジャンピングスタートには救援車などが必要です。車用充電器やジャンプスターターを常備しておけば、こうした万が一の状況でも車のバッテリーを充電できます。
車用充電器やジャンプスターターを選ぶ際は、以下のようなポイントがあります。自分に最適なものを選ぶために、購入前にしっかりチェックしておきましょう。
〇車載のバッテリーと電圧が同じもの
一般的な乗用車には、12Vのバッテリーが使われていますが、トラックなどは24Vです。車用充電器やジャンプスターターは電圧が対応したものでないと使えないため、まずは電圧が同じかを必ずチェックしましょう。
〇バッテリーの容量にあった電流を流せるもの
車用充電器はバッテリーの容量に対応したものでない場合、充電がまったくできなかったり、過充電になったりすることがあるため、容量にも気を使いましょう。
ジャンプスターターも流せる電流の量が少なすぎると、うまくエンジンをかけられないということもあります。こちらも電流の量が対応したものを選ぶことが肝心です。
〇保護機能がついているもの
車用充電器やジャンプスターターは強力な電気を流せる装置です。使い方を間違えたり、余計に充電してしまったりすると、バッテリーが故障したり寿命を縮めたりしてしまうことがあります。そのため、過充電の防止機能やケーブルの接続方法が違うときに警告してくれる機能をもったものを選んだほうが安心でしょう。
車用バッテリー充電器のおすすめ3選
LST 6Vと12V用 バッテリー充電器 バッテリーチャージャー メンテナンス充電器 修復充電 トリクルチャージ サルフェーション除去 不良バッテリー判断 電圧測定 6-100Ah用 全自動8ステージ充電 LED表示 逆接続&ショート&過電圧&過電流保護 自動車 トラック ヨット 草剃り機用
6Vから12Vまでの電圧への対応が可能です。LEDランプでステータスを教えてくれるため、現在どのくらい充電されているのか、充電時に不具合が発生していないかまでわかります。サイズも小さく車内に常備してあってもそこまで場所をとりません。
◆メルテック バッテリー充電器(バイク~大型トラック) DC12V用 定格12A バッテリー診断機能付 長期保証3年 Meltec SC-1200
バイクから大型トラックまで幅広い電圧に対応しています。診断もおこなってくれるため、バッテリー自体に不具合などが出ているかどうかもわかります。操作盤もシンプルで、ケーブルをつないでコンセントに差し込み、電圧を選ぶだけで充電可能です。
◆LST 12Vバッテリー充電器 バッテリーチャージャー メンテナンス充電器 3-30Ah用 全自動4ステージ充電 LEDランプ 逆接続&ショート&過電圧&過電流保護 (1.1A)
12Vの電圧に対応したバッテリー充電器です。バッテリーを診断しながら充電でき、状況により電流を制御して最適な量の電気を流してくれます。またサルフェ―ションと呼ばれるバッテリーの不具合を除去する機能もついているため、使用することでバッテリーの寿命を延ばすことも可能です。
ジャンプスターターのおすすめ3選
◆日立(HITACHI)ジャンプスターター充電バッテリー日立ポータブルパワーソース16000mAh12V車専用PS-16000RP
対応している電圧は12Vです。多くの保護機能がついており、使用方法を間違えている場合などには警告してくれるため、ミスによるバッテリーの故障を未然に防ぐことができるでしょう。また、防水仕様のため雨の日でも外で安心して使えます。
◆Arteck ジャンプスターター 12V車用エンジンスターター 8000mAh ポータブル充電器最大300A LED緊急ライト搭載 スマホ急速充電器 24ヶ月保証付【日本語取扱説明書付き】
対応している電圧は12Vです。いっぱいまで充電することで最大20回始動させられます。また、ジャンピングスターターとして以外にも、スマートフォンやカメラの充電にも使えるため、普段から充電器として使っていけます。
◆Flylinktech ジャンプスターター 20000mAh 1500Aピーク電流 12V車用バッテリー充電器 ポータブル電源 エンジンスターター (すべてのガソリン車・7.0L以下のディーゼル車に対応) モバイルバッテリー スマホ/カメラ/タブレット/kindleなどへ急速充電 LED緊急ライト搭載 24ヶ月保証付
12Vの車用バッテリーに対応しています。保護機能なども非常に多くついており、安全に使用することが可能です。また、20,000Ahと非常に大容量のため、エンジンの始動に失敗してもジャンプスターターの充電が空になってしまうということは、ほとんどないでしょう。ほかにも、スマートフォンなどへの充電も可能です。
まとめ
バッテリーが上がってしまう原因はバッテリーの電気を使いきってしまうことです。車のバッテリーの充電は車を走行させることでできますが、エンジンをかけないまま車内で電気を使いすぎたりするとバッテリーが上がりやすくなります。
すでに上がってしまった車のバッテリーを充電するには、ジャンピングスタート後に車を動かす方法と車用の充電器を使う方法があります。これらの方法には、専用の道具が必要です。バッテリーが上がってしまったときに備えて、ジャンプスターターや車用充電器をあらかじめ用意しておくことをおすすめします。
また、バッテリーが上がったとき以外にも、電圧低下の兆候が見られる際はバッテリーを充電したほうがよいでしょう。あまりにも電圧が低い場合は、バッテリーを交換して新しくすることをおすすめします。
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