普段生活しているなかで、自由に飛んでいる姿を見かけることも多い鳥ですが、ときには死骸となった状態で出くわすこともあります。しかし、いざ野鳥の死骸を目の前にすると、どう対処したらよいのか困ってしまう方が多いのではないでしょうか。なにより鳥インフルエンザのような病気が心配で、触れずに放置することにもなりかねません。
そこで今回は、野鳥の死骸処理について詳しくご紹介していきます。野鳥の死骸を見つけたときの対応から危険性、野鳥が死んでしまう理由、自分での処理方法まで解説しています。野鳥の死骸にはさまざまな危険が潜んでいますので、この記事を読んで正しい対処ができるようにしておきましょう。
目次
野鳥の死骸を見つけたときの対応
鳩やカラスといった野鳥の死骸処理をするには、まずどういった状況で死んでいるのかを確認する必要があります。死骸の状況によっては、鳥インフルエンザなどの病気を持っている可能性もあるためです。ここでは死骸を見つけたときの対応の仕方と、どんな対応をしたらよいかの判断方法をご紹介していきます。
死骸に触れる前に確認するべきこと
自宅の庭や玄関先、道端などで野鳥の死骸を見つけたら、死んでいる鳥の種類と数を確認する必要があります。もし見つけた鳥の死骸の近くに、ほかの鳥の死骸が5羽以上あるようなら、鳥インフルエンザの可能性も考えられるのです。
とくに「カモメ・白鳥・ペリカンといった水鳥」や「フクロウ・ワシ・タカといった猛禽類」の死骸である場合には、鳥インフルエンザが原因である可能性が高まります。ただ、死骸や排泄物に直接触れるような接触がない限り、基本的に人が感染することはないようです。これは、厚生労働省でも確認することができ、日本での感染例は報告されていません。
こういったことを踏まえて鳥の死骸を見つけたときには、以下の状況と照らし合わせて対応方法を判断してください。
【周辺で4羽以下の死骸を見つけた場合】
鳥インフルエンザなどの病気によって死んだ可能性は低く、野鳥の死骸処理を自分で対応することも可能
【周辺に5羽以上の死骸を見つけたとき】
鳥インフルエンザなどの病気で死んだ可能性があるため、不用意に近づかないで、なるべく早く自治体や業者に連絡
【道路など公共の場に野鳥の死骸がある】
自治体に連絡し対応してもらう
鳥の死骸から対応方法が判断できたら、次は具体的にどういった行動をとっていくかの確認です。対応方法にわけてご紹介していきます。
自治体へ連絡して処理してもらう場合
野鳥の死骸の状況から鳥インフルエンザなどの病気が疑われる場合は、自治体へ連絡をして対応してもらいましょう。連絡する先は、お住まいの地域を担当している保健所や環境事業所です。連絡先がわからないという方は、インターネットから確認することができます。
また、野鳥の死骸の状況をしっかりと確認することができないといった場合も、一度お近くの自治体で相談してみるのもよいでしょう。どちらとも判断できない状況で触れてしまうと病気などに感染するリスクもあるため、万全を期して対応することをおすすめします。
大家などに連絡して相談する
一軒家など私有地で野鳥の死骸を見つけたときは、基本的に自分で対応するしかありません。しかし、マンションなどの集合住宅の場合、必ずしも自分で対応する必要はないのです。とくに、集合住宅の共用部などで野鳥の死骸を発見したときは、大家や管理会社へ対応を任せることができます。無理に自分で対応しようとはせず、大家や管理会社へ相談してみましょう。
自分で処理する
水鳥・猛禽類以外の野鳥が1~4羽死んでいる場合、人が鳥インフルエンザに感染するなどの可能性が低いため、野鳥以外の動物と同じような処理をする必要があります。野鳥の死骸処理を自治体にお願いする場合は、環境事業所などに連絡をして対応してもらうことができるようです。
ただ、私有地で野鳥が死んでいる場合、環境事業所では対応できないこともあります。このような場合は、野鳥の死骸を敷地外まで運ぶか、自分で処理する必要が出てくるのです。
野鳥の死骸が持つ危険性
野鳥の死骸は、状況によって自分で処理する必要があるため、どんな危険性があるのかを知っておくとよいでしょう。町を飛んでいる鳩などの野鳥には、さまざまな病原菌や寄生虫がついている可能性もあります。
先ほども説明しましたが、死骸や排泄物に直接触れるようなことになると、それらに人が感染する危険性があるのです。そこで、より安全に鳥の死骸処理をおこなうためにも、鳥の持つ危険性について確認しておきましょう。
野鳥の持つ病原菌
野鳥が持っている可能性のある病原菌には、鳥インフルエンザのように国が監視する重度なものから、サルモネラ菌などの重篤化しにくい病気まであります。野鳥に触れることで感染しやすい病気を、いくつかご紹介していきます。野鳥の死骸処理の危険性についても、しっかりと知っておきましょう。
鳥インフルエンザ:
人にも感染する危険性があるインフルエンザの一種、鳥が大量死する原因となる病気のひとつ
クリプトコックス症:
肺や皮膚から感染する、脳髄膜炎を引き起こす可能性が高い
オウム病:
野鳥の糞などから感染することがある、高熱を引き起こす
トキソプラズマ病:
胎児にまで悪影響を及ぼす可能性のある危険な病原菌
サルモネラ菌:
死骸に素手で触れたりすることで感染する、下痢や嘔吐などの症状が出る
ほかにもさまざまな病気に感染する可能性があり、国や地域によっても野鳥の死骸が持つ病原菌は違ってくるようです。また、死骸だけでなく排泄物や羽といった部分から感染してしまうこともあるため、野鳥の死骸を処理するときは十分に注意しましょう。
野鳥の持つ寄生虫
野鳥には、病原菌以外にも寄生虫がついている可能性も高くなります。野鳥についている寄生虫には、大きくダニ類と昆虫類があり、なかには人に噛みつき、それが原因となってアレルギーや病気になることもあるのです。
素手で直接触れるようなことをしなければ、寄生されることはほとんどありません。しかし、野鳥の死骸を処理せず放置してしまうと、新たな宿主を求めて人が寄生されることもあるようです。そのため、野鳥の死骸を見つけたときは、適した対応で速やかに処理することが大切です。
野鳥の糞にも注意
先ほども少し触れましたが、野鳥の排泄物にも十分な注意が必要です。とくに、市街地でもよく見かける鳩やカラスといった野鳥の糞によって、さまざまな感染症になる危険性があります。野鳥の死骸周りに大量の糞があるような状況は少ないかもしれませんが、自分で死骸を処理するときは素手で触らないように注意しましょう。
野鳥が市街地で死んでしまう理由
野鳥の死骸処理をしようと思ったとき、どういった対応をするべきか判断するには、死んでしまった理由を探る必要もあります。野鳥が死んでしまった理由がはっきりすれば、間違った対応を避けることもできるでしょう。ここでは、野鳥が市街地で死んでしまう理由として多いものを、ご紹介していきます。
窓ガラスに激突
鳩やカラスといった野鳥が、市街地で死んでしまう理由としてもっとも多いとされるのが、窓ガラスへの激突になります。きれいに磨かれた窓になると、室内と外との境目がわかりづらくなってしまい、飛んでいる野鳥がそのまま激突してしまうようなのです。
もし窓の近くで野鳥の死骸を見つけたら、窓ガラスに激突したことで死んでしまったのかもしれません。窓の近くに1匹だけ野鳥が死んでいるような場合は、自分で死骸を処理してしまってもよいでしょう。また、何度も激突による死骸が見つかるようであれば、一度業者に野鳥が寄りつかないよう対策してもらうのもおすすめです。
薬物や農薬、殺虫剤に侵された虫を食べた
野鳥が死んでしまう原因として多いとされるもうひとつが、薬物や農薬、殺虫剤に侵された虫を食べたというものです。作物を害虫被害から守るために農薬を使ったり、家に出た虫を殺すために殺虫剤を使ったりすることも多くなっています。
そういった虫を野鳥が餌として食べてしまい、次第に弱り死んでしまうことも多くなっているようです。これが原因の場合、集団で野鳥が死んでいるような状況は考えにくいので、自分で処理することもできると判断できるでしょう。
鳥インフルエンザなどの病気
野鳥の死骸を単体で見つけたような場合は、上記のような理由が考えられます。しかし、近くで複数の野鳥が死んでいるようなら、鳥インフルエンザなど危険な病気の可能性も出てくるのです。そのため、近くで複数の野鳥の死骸を見つけたときは自治体へ連絡し、死骸を検査してもらう必要があります。
また、鳥インフルエンザになりやすい野鳥もいるようなので、それらの野鳥をご紹介していきます。なかなか目にすることのない野鳥もいると思いますが、頭の片隅に覚えておくと、いざというときに役立つことでしょう。
鳥インフルエンザにかかりやすい野鳥 | |||
ヒシクイ | マガン | シジュウカラ | コクチョウ |
コブハクチョウ | コハクチョウ | オオハクチョウ | オシドリ |
ヒドリガモ | キンクロハジロ | カイツブリ | カンムリカイツブリ |
マナヅル | ナベヅル | ユリカモメ | オオタカ |
ハヤブサ |
野鳥の死骸を自分で処理する方法
最後にご紹介するのは、自分で野鳥の死骸処理をする方法です。さまざまな病原菌や寄生虫を持っており、処理するときには十分な注意が必要です。しっかりと安全を守るための準備をし、正しい方法で死骸を処理していきましょう。
【要注意】絶対に素手では触らない!
ここまで何度も説明していますが、野鳥の死骸処理をするときは、絶対に素手では触らないようにしてください。これは死骸に関係なく、基本的に野鳥は素手で触らないようにするのがよいでしょう。
鳥インフルエンザの場合は、死骸を触った手をそのまま口に入れるなど、よほど濃厚な接触がない限り感染することはないようです。しかし、鳥インフルエンザ以外の病気に感染してしまう可能性は高いので、絶対に素手で触らないよう注意しましょう。
死骸処理に必要なもの
野鳥の大きさにもよりますが、それほど大がかりな準備は必要ありません。
手袋:
死骸処理をするのなら必ず着用、ゴム手袋がおすすめ
ゴミ袋:
野鳥の死骸を入れて縛れるくらいの袋、可燃ゴミとして出せればゴミ袋以外でも可
トング:
必ず必要なものではありませんが死骸を触るのが嫌な方にはおすすめ
もし自宅で野鳥の死骸を見つけて、土に埋めるなどの処理をしたい場合は、上記の道具とあわせてスコップを用意しましょう。また、自治体に死骸の回収を依頼する場合にも、袋に入れておくと病気や寄生虫の感染を抑えることができます。
一般ごみとして回収業者に出す
野鳥の死骸をゴミ袋に入れて縛ったら、可燃ゴミとして回収業者に出しましょう。ただ、自治体によっては可燃ゴミとして出せない地域もあるようなので、事前に死骸の処分方法を確認しておくと安心です。
また、可燃ゴミとして出すのが可哀そうに感じるようであれば、自然史博物館などに持って行って、はく製として利用してもらうこともできるようです。こういった場所に飾られているはく製の多くは、寄贈によって作られているようなので、死骸を冷凍して持って行くのもひとつの選択になります。
ただ、見つけた鳥の死骸をはく製にする場合には、ひとつ注意しなければならないことがあります。それは、死骸を拾った都道府県の環境管理事務所へ、「へい死体鳥獣拾得届」を提出しなければいけないということです。
この届け出を提出することによって、密猟などをおこなって得たものではないという証明になり、博物館やはく製業者に死骸を持ち込むことができます。そのため、死骸をはく製にしようと考えている方は、拾った場所や日付といった情報をメモに残しておくと、手続きをスムーズに終えることができるでしょう。
まとめ
野鳥の死骸を見つけたときは、鳥の種類や死んでいる数、状況によって、どういった対応をするべきかが変わります。鳩やカラスといった野鳥が1匹だけ死んでいるようであれば、自分で処理をするなどの対応をすることもできます。
しかし、水鳥・猛禽類が1羽以上死んでいたり、野鳥が5羽以上死んでいたりする場合は、不用意に近づかないで保健所か環境事業所へ連絡しましょう。このような状態で野鳥が死んでいると、鳥インフルエンザといった重大な病気の可能性が出てくるのです。自分で処理しようとはせず、自治体からの指示に従うようにしましょう。
もし野鳥の死骸がある原因が、窓ガラスに激突したことなどであれば、鳩やカラスを遠ざける対策しておくのもおすすめです。何度も死骸が見つかり、毎回鳥インフルエンザを疑っていては、安心して暮らすことができません。鳩にお悩みの方は、ぜひ一度生活110番までご相談ください。
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