被害に遭ってからだと追い出すのは困難!鳥よけは事前対策がキモ!

2022.1.25

被害に遭ってからだと追い出すのは困難!鳥よけは事前対策がキモ!

「ベランダに大量のフンが溜まっている」、「朝方に鳥の群れが窓のそばで鳴いている」……このような被害があるときは、ベランダが鳥の溜まり場になってしまっているのかもしれません。

ベランダや洗濯物を汚す鳥は一刻も早く追い出したいところ。しかし、鳥獣保護法によって野鳥の駆除は規制されているため、穏便にお引き取りいただくという回りくどい方法でしか鳥よけ対策ができないのが現状です。

規制の範囲内で最大限の効果を上げるためにも、効率よく鳥を追い出せる鳥よけの方法を確認してみましょう。

鳥よけの必要がある鳥の種類について

近年、人の生活圏内では鳩やカラスといった人に害を及ぼす鳥が増えつつあります。人が住む都市部や住宅街は鳥にとって天敵が少なくエサも豊富なため、巣づくりや子育てがしやすい環境になっていることが大きな原因とされています。

お住まいに住み着いている鳥が何の種類かを知ることは、効果的な鳥よけ対策をおこなううえでとても重要なことです。まずは、どんな場所にどんな鳥が出没しやすいか、以下の表を参考に確認してみましょう。

鳥の種類 被害の種類 主な発生場所
カラス フン・公害・実害 住宅地や都市部
農業・漁業地域など
ハト フン・公害・実害 住宅地や都市部
農業・漁業地域など
スズメ 公害・実害・騒音 住宅地や都市部
農業・漁業地域など
ムクドリ 実害・騒音 住宅地や都市部
農業・漁業地域など
ヒヨドリ 騒音 住宅地など
キジバト 騒音 住宅地など

 

上で挙げた鳥のうち、とくにカラスとハトには注意が必要です。カラスは人間の3~5歳児にも匹敵するといわれる知能をもつため対策が難しく、ハトは数匹住み着くだけでもあっという間に繁殖して大きな群れになってしまいます。

人間が鳥による攻撃の標的となることはそうそうありませんが、カラスなど体格の大きな鳥は人間をケガさせうる攻撃力をもっているため、とくに小さなお子様やペットのいるご家庭では襲われる危険も考えておかなければなりません。

家の周りに住み着いている鳥が何の種類かを特定し、想定される被害に対して対策を練っていきましょう。

こんな鳥よけ対策していませんか?ネットには効果なし方法ものっています

重症化することも!害鳥の媒介する病気

害鳥たちはフンや食害だけでなく、おそろしい病原体の媒介となることがあります。害鳥のもたらす病気にはどんなものがあるのか、以下にまとめてみました。

鳥インフルエンザ

害鳥の媒介する病気のなかでもとくに代表格といえるのが、「鳥インフルエンザ」です。ニュースで取り上げられる機会も多いので、病名だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれません。

鳥インフルエンザはその名の通り主に鳥が感染するインフルエンザなのですが、海外では人への感染・発病も確認されています。この病気の人への感染経路は、鳥インフルエンザに感染している生き物の死骸や臓器、フンへの接触などです。

国内ではまだ鳥インフルエンザの人への感染は確認されていませんが、将来的に人間にも感染するタイプのウイルスが誕生する可能性があるため、野鳥との接触は避けるべきでしょう。

クリプトコッカス症

クリプトコッカス症はハトのフンから感染する感染症です。フンへの接触のほか、フンが乾いたあとに空気中に舞い、その空気を吸ってしまうことでも感染する可能性があります。

クリプトコッカス症は、発熱や頭痛、吐き気などの風邪に似た軽い症状が多いとされる病気です。ただし、臓器移植後の免疫抑制剤などによって著しく免疫力が低下している人では、最悪の場合死に至る可能性があります。

オウム病

鳥の持っている細菌が原因となって感染する病気です。オウム病という名前からオウムはもちろんのことですが、ハトやニワトリ、インコ、アヒルなどのほとんどの鳥が原因となる細菌を持っています。

主な感染経路はクリプトコッカス症と同様にハトのフンですが、菌を所持している鳥に噛まれることや、口移しでの餌やりも主な感染原因のひとつです。

オウム病では高熱や頭痛、悪寒、関節痛などのインフルエンザと似たような症状がみられます。診断が遅れた場合は命の危険性もあるようです。

鳥アレルギー

鳥のフンや羽から抗原を吸い込んでしまうことによって、鳥アレルギー性肺炎が発症してしまう可能性があります。生きている鳥はもちろんのことですが、羽毛布団や鳥の羽でつくられたはたきなどの製品もアレルギーの原因となるかもしれません。

症状は乾いた咳や発熱ですが、急性の場合は呼吸困難を引き起こすこともあるといわれています。

このように、害鳥はときに命に関わることもある危険な病原体の媒介となることがあります。自分自身や家族の健康を守るためにも、効果的な鳥よけ対策をほどこして害鳥を寄せ付けない家づくりを目指しましょう。

あなたの鳥よけ対策がうまくいっていない原因

鳥よけには何が効く?効果的な鳥よけ対策4選!

日本では鳥獣保護法によって野鳥の駆除が規制されているため、ベランダにたむろしている鳥を退治したり追い立てたりすることが原則としてできません。そのため、鳥よけ対策は鳥が住み着く前に、予防的におこなうことが大切になります。

既に家が鳥の溜まり場にされてしまっているという場合は、直接追い払うのではなく、鳥が留まりづらい環境をつくって穏便にお帰りいただくほかにとれる対策はないといってよいでしょう。

ここでは、鳥の溜まり場にされない予防法と、住み着いた害鳥が寄り付きづらくする対策の両方に効果を発揮する鳥よけの方法を4つご紹介します。

①ベランダに防鳥ネットを張り巡らせる

網目の細かいネットをベランダに設置することで、鳥の侵入を物理的に防ぐことができます。設置したその日から確実に近い効果を発揮してくれるため、今すぐ鳥よけをおこないたいという場合に最適といえるでしょう。

ただし、ベランダをネットで覆うことになるため、建物の景観とベランダからの眺めに大きな影響が出ます。ベランダの手すりに洗濯物を干している場合は、ネットが邪魔になってしまうかもしれません。

また、マンションなど集合住宅では、管理会社がネットの設置を制限している場合もあります。

防鳥ネット 鳥よけネット 透明 ベランダ 鳩よけ

たとえば上記の商品のような、網が細く透明な素材でできている防鳥ネットであれば、眺めを損ないにくく悪目立ちしません。家の見た目を崩したくないという方にはおすすめの商品です。

【農研機構、防鳥網】

庭で作物を育てている方や農家の方は、農研機構が提供している防鳥網・デグスがおすすめです。農作物を守ることに特化したネットが紹介されています。農研機構という国立研究開発法人が開発しているため効果の信用度が高いです。

②スパイク(針山)

手すりなどの鳥が留まる場所に鳥よけ用のスパイク(針山)を置く方法です。鳥が留まり続けることを防止し、その場所が留まりづらいと鳥に覚えこませることで、鳥をほかの場所に追いやる効果が期待できます。

上で紹介したような防鳥ネットほど景観を損ねないことや、狭い場所などを局所的に対策できる点は大きなメリットです。

ただし、狭い場所の鳥よけに適している反面、広範囲への対策をスパイクでおこなおうとすると、大量に設置しなければならないためとても大変です。また、スパイクを設置した場所には人も腰掛けたりできなくなるので、場所を選ぶ鳥よけグッズといえるでしょう。

【害獣よけとげマット とげピー】

この鳥よけスパイクは、針の部分がステンレス製のためサビに強く、屋外でも数年間使用することができます。また、土台にあたるシート部分には穴が設けられており、接着剤だけでなく、結束バンド、ネジなどでも固定できる点も魅力です。

③芳香剤を設置する

鳥は匂いに敏感なので、鳥の嫌がる匂いや自然界に存在しない人工的な匂いのするものを避ける性質があります。虫よけ用に市販されている木酢液や、キツい塩素の匂いのする漂白剤、トイレの芳香剤などを設置することも鳥よけ対策として有効です。

芳香剤を置くだけと非常に手軽で場所も選びませんが、鳥によって嫌がる匂いが異なることも多いため、害鳥の種類次第で思うように効果が出ないかもしれません。スパイクなどを組み合わせて使うのがよいでしょう。

④電気ショック

鳥が飛来する場所に電線を設置し、電流の刺激によって鳥よけする方法です。電圧や電流の調整、設置場所によっては高所作業となるため、プロに依頼する必要がありますが、確実な方法と言われています。また、景観をほとんど損ねないのも嬉しいポイントでしょう。

電流といっても鳥がケガや死亡してしまうほどの強さの電流ではなく、静電気に似たようなピリっとする程度の強さのため、人が触ってもけがを負う心配もありません。

こんな鳥よけ対策していませんか?効果の薄い鳥よけ対策

家にたむろする害鳥に悩まされている人は多く、そのためさまざまな鳥よけ対策の方法がインターネットなどで共有されています。しかし、なかには鳥よけ効果について科学的な根拠がなく、迷信にすぎない方法が広まっているケースもあります。

そこでここでは、とくによく見かける効果の薄い鳥よけ対策について取り上げます。もしも以下に紹介するような鳥よけをおこなっている場合は、方法を変えてみるとより高い効果を発揮してくれるかもしれません。

①CDをつるす

古典的な鳥よけ対策として非常に有名なのが、CDをつるしておくという方法です。確かに多くの鳥は強い光を避ける性質があるため、驚かせて追い払うことはできるかもしれません。

しかし、鳥は学習能力が高いため、CDに脅威がないとわかるとすぐに戻ってきてしまいます。また、カラスのように光物を好む習性をもつ鳥に対しては、かえって逆効果となってしまう場合があるでしょう。

②カラスの人形を設置する

ハトにとって恐ろしい存在であるカラスの人形を設置することで、ハトを近寄らなくさせる方法です。これはハトに対しては高い効果を発揮するとされていますが、代わりにカラスが仲間と勘違いして寄ってきてしまうリスクもあるため、注意しておくべきでしょう。

③磁石を敷き詰める

大量の磁石をベランダに取り付けておくと、鳥が飛行するときに使う体内磁石を狂わせるため鳥が寄り付かなくなる、という鳥よけ対策も有名です。

とくに長距離を移動するハトは、自分の位置や進む方向を見失わないために地球の磁気を感じ取ってコンパス代わりにしている、という説があります。磁石が鳥よけになるという話もここから派生したものでしょう。

しかし、コンパスが必要になるのは海の上など目印になるもののない場所を長く飛ぶ場合だけです。日本に住むほとんどの鳥は、渡り鳥でもない限りそれほど長距離を飛ぶわけではありません。鳥は目が良いので、建物や地形を目視で確認して方角を把握できます。

したがって、磁石が鳥よけになるという話には、科学的な根拠がないというのが現状です。

鳥よけの必要がある鳥の種類について

手に負えないときはプロに任せよう!鳥駆除業者の費用相場

鳥よけは、ときに対策すべき場所が広範囲に及んだり、高所での作業が必要になるなど、お住まいの環境によっては困難なケースがあります。また、たとえばカラスよけとハトよけでは必要な対策が違ったりと、鳥に関する知識も必要です。

もしも自分の手に負えないと感じたら、害鳥駆除のプロに相談することもひとつの手段です。害鳥について知り尽くしたプロの手腕で、安全かつ確実に鳥を家から追い出しましょう。

業者がおこなってくれる対策

害鳥駆除業者に対策を依頼すると、以下のような作業をおこなってくれます。

 

・巣を作って住み着いてしまった鳥の駆除
・高所での危険な作業
・菌を残さない清掃
・保障とアフターフォロー
・一戸建てや会社などの広範囲の施工

 

業者に依頼した場合の費用相場

一戸建て住宅で、上記の鳥よけ作業を一通りおこなってもらった場合、駆除費用の相場は「2~4万円」程度だとされています。

作業をおこなうのが一軒家なのか集合住宅なのか、何の種類の鳥が寄ってくるのか、業者とお住まいがどのくらい離れているのかなどによって費用は大幅に変動します。業者に鳥よけ対策を依頼する場合は、必ず事前に見積もりをとっておきましょう。

まとめ

お住まいに住み着く鳥は、鳥獣保護法によって守られているため、安易に駆除することは難しい厄介な存在です。効率よく鳥を追い出すには、鳥の種類と性質を把握して、適切な鳥よけ対策をとる必要があります。

鳥よけをおこなってもなかなか鳥がいなくならない場合、効果の薄い方法を選んでしまっているのかもしれません。科学的な根拠のない迷信に近い鳥よけ対策もあるので、鳥が近寄らなくなる原理に納得できるものを使いましょう。

害鳥対策の経験豊富なプロに依頼すれば、実績を裏付けとした確実な方法で鳥よけ対策をしてくれます。どんな方法がよいか判断がつかないときは、専門家に頼ってみるのもひとつの手です。

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