ねずみはふん害などの衛生的な面だけでなく、コードや家具をかじるなど、直接的な被害をもたらすことが多くあります。最悪の場合だと漏電火災につながるケースもあり、ねずみ駆除は専門業者に依頼するなど、確実に行う必要があります。
ねずみは中世ヨーロッパの都市で起こったペストの流行がねずみを感染源にしたものであったことから、「大都市にいる」というイメージも強いかもしれません。しかし実際の被害に関するデータを見てみると、必ずしもそうとはいえない一面がありました。
今回は当社に寄せられたねずみ駆除の相談に関する約3,700件のデータから、ねずみ被害の傾向と対策についてご紹介します。
目次
ねずみ駆除の相談件数が多い・少ない都道府県
まずは当社に寄せられたねずみ駆除の相談件数について、都道府県別に集計を行いました。
とくに東京都は668件と、2番目に多い神奈川県(248件)を大きく上回る相談件数となっています。また、相談件数の上位はいずれも大都市圏ということがわかります。
しかしながら大都市圏ではそもそもの人口や世帯数が多く、ねずみ被害の実態を正確に反映したものとは言えません。そのため「10万世帯あたりの相談件数」を算出し、これを「ねずみ被害指数」として算出し直したのが下表です。
(データ出典:当社相談事例データと平成27年「国勢調査」における世帯数を基に算出)
ねずみ被害指数が最も高い都道府県は、「山梨県(16.67)」で、2位の「岐阜県」と6ポイント以上も差をつける結果となりました。2位以下は僅差ですが「岐阜県(10.37)」「愛媛県(10.15)」「東京都(9.98)」「長野県(9.81)」が続いています。
ねずみ被害が多いのはなぜなのか?
先ほど見たように、ねずみ被害指数の高い都道府県は突出して相談件数の多い東京都を除き、大都市圏ではなく地方都市が上位を占めています。ねずみといえば都市の害獣というイメージが強いと思いますが、このねずみ被害指数からは異なる傾向が読み取れます。
ねずみ被害指数が高い山梨県は、海に面する部分がない内陸県です。相談事例は中心地である甲府市に続き、高原地帯である北杜市の件数が多くなっています。岐阜県や長野県も内陸県であり、岐阜県は岐阜市・大垣市のほかに多治見市、長野県は松本市・上田市・伊那市・飯田市の相談件数が比較的多くなっています。
これらの傾向では、「市街地と山林が同じ市内に隣り合う自治体」のねずみ被害指数が高いことが挙げられます。とくに盆地や谷部分に位置する甲府市・多治見市・松本市・上田市などはこの傾向が強いといえるでしょう。また盆地特有の「最低・最高気温の差が大きい」という気候も、ねずみが暖かい家屋に住み着く一因となっているようです。
「愛媛県」は瀬戸内海や豊後水道などに面した県なので内陸部ではありません。しかし松山市に続いて相談件数の多い宇和島市はリアス式海岸を持つ地域で、市街地と山林の距離が近くなっています。このことから先ほど挙げた各市と同じ特徴を持っており、ねずみ発生と市街地・山林の距離の関係に因果関係を見ることができます。
一方で、ねずみ被害指数の低い都道府県としては、本州で2つの海に接する青森県・山口県・兵庫県がすべて4位までに入っていることが大きな特徴です。また島根県を含め、いずれも日本海に接する県です。このことから、冬の寒さが厳しい日本海側ではねずみの被害が少ない傾向が見られました。
ねずみには暑さに強く寒さに弱いという特徴があり、とくに山林からねずみが市街地に下りてきやすく、寒暖差の大きい盆地では家のなかにねずみが逃げ込みやすいといえるのではないでしょうか。
報告されているねずみ被害
では、ねずみ被害の実態はどのようなものなのでしょうか。当社に寄せられた事例をもとに紹介していきます。
上グラフを見て分かるように、当社に寄せられる相談の過半数は戸建て住宅にお住まいの方からのものです。次に多いのが店舗からの相談です。ただ、意外かもしれませんがマンションやアパートなどの集合住宅での事例も少なくはありません。
次に、場所別被害について見ていきます。
発生場所は天井や屋根裏が最も多く、続いて台所や厨房で見かける場合が多いようです。また、家全体で発生しているケースも相当数が確認できます。
とくに注目するべきは、下記のような相談事例です。
「3年ほど前から物音を感じてはいたが、ねずみの姿を3日前より見かけるようになった。水回りを中心に家中で発生しているので駆除してほしい」
「室内にねずみが出た。以前は天井で物音がしていたが、最近はしていなかったので安心していたのだけれど……」
これらは物音がする早い段階で駆除などのねずみ対策を行えば、大量発生を抑えられたかもしれないケースです。この相談事例のように、ねずみの物音や気配を感じる場合は早めに対策を行うことが大切です。
最後に、戸建住宅と集合住宅の相談事例から「天井裏など物音に気付いたケース」「フンなど、被害が確認されたケース」のどちらが多いか抽出してみました。
戸建て住宅の場合、天井裏の物音などに気が付きねずみ駆除の相談をされるケースが多いようです。一方、集合住宅の場合は実際に被害にあってから相談することが多いことがわかります。これは建物構造の違いで、ねずみ被害の前兆である物音に気付けるかどうかが別れると考えられ、鉄筋コンクリート造りや防音性の高い集合住宅ではねずみ被害が深刻化するまで発見が遅れる傾向が読み取れます。
ねずみ駆除の方法
ねずみ駆除を行うためには、ポイントをしっかり押さえることが重要になります。ここでは家庭で行える駆除方法についてご紹介します。
ねずみの通り道を知る
ねずみの通り道を確認して、その場所に対して対策を行うのが効果を出すために重要となります。
ねずみは体の表面に汚れが付いていることが多く、侵入口には「ラットサイン」と呼ばれる、黒い汚れが付着していることがあります。またフンや足跡、かじった跡なども重要な手がかりです。
こうした通り道は新たなねずみの侵入をも許すことになるため、金属のたわしやパテなどでふさいでおくことが大切です。
あせらず、長期的に駆除する
ねずみは神経質であるといわれており、殺鼠剤を混ぜた毒エサや粘着シートなどを仕掛けてもすぐには効果を発揮しません。効果的に駆除を行うためには、長期的な観点を持つことが大切です。
警戒心を解くため、まずは普通のエサを置く、粘着面を出さないなど、「自分たちにとって無害なもの」と認識させると効果が出やすいとされています。
また、ねずみには食料を巣に持ち帰ってためておく性質があります。仕掛けた毒エサが無くなっても効果を発揮するためには時間がかかることも考えられます。
ねずみが住みにくい環境を作る
ねずみは住みやすい環境であれば繁殖しやすく、数を増やしていきます。そのためねずみにとって住みにくい環境を作ることが、ねずみ被害の防止につながるでしょう。
そのためにはねずみのエサとなる生ゴミや食品を確実にしまう、巣の材料となるものも確実に処分するといった取り組みが大切になります。また、ねずみの嫌うハーブのにおいを利用するのもひとつの手です。
これらねずみ対策は長期的に取り組む必要がありますが、「そのうち出ていくだろう」と放置してしまうと被害も大きくなりがちです。現在ねずみの害を受けていない方も、ねずみを家に入れないこと、ねずみにとって住みにくい環境を作ることが大切です。
【生活110番】ではこのほかにも、ねずみ駆除に関するお役立ち情報 を多数掲載しています。あわせてそちらもぜひご参照ください。
まとめ
ねずみは大都市に発生しやすいというイメージがありますが、当社に寄せられた相談事例を分析するとそれとは異なり、むしろ気候に大きく左右されやすい傾向が見られました。
もちろん都市圏も含めた日本全国どこであってもねずみに対する対策は万全に行う必要があり、ねずみが住みついた際は駆除を確実に行いましょう。また同時に、住みにくい環境を作ることも大切です。特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭や飲食店などはねずみ予防を専門業者に依頼することも有効な一手です。
ねずみ駆除に関するご依頼は
\ 完全無料 /
厳選した全国のねずみ駆除業者を探せます!
×
関連記事カテゴリ一覧
ねずみ駆除の記事アクセスランキング
ねずみ駆除の最新記事
カテゴリ別記事⼀覧
- お庭の手入れ
- 害虫駆除
- 害獣駆除
- 電気工事
- 鍵開け・交換・修理
- 窓ガラス修理・ドアノブ修理
- 家の修理
- バッテリー上がり
- ハウスクリーニング
- ペット火葬・葬儀
- 家電修理
- パソコン修理・ネット回線
- 家具・雑貨の修理
- 外壁・屋根工事
- リフォーム
- 防犯カメラ設置
- 盗聴器・その他調査診断
- 便利屋・代行サービス
- 引越し・配送サービス
- オフィス・店舗向けサービス
- その他