ねずみは、睡眠中の騒音被害や感染症、食中毒を引き起こすおそれがあるなど、私たちの生活に多くの被害を与えます。また、その被害は年々増加傾向にあります。その背景には「スーパーラット」と呼ばれるねずみの存在があります。スーパーラットの登場によって、ただでさえ難しかったねずみ駆除がもっと難しくなってしまったのです。
今回はそんなスーパーラットの正体から対策についてご紹介します。スーパーラットに関しての知識やそこから生まれる脅威を知ったうえでしっかり対策をして、被害を防いでいきましょう。
目次
毒エサが効かないスーパーラットの正体
近年、毒エサタイプの殺鼠剤が効かない「スーパーラット」というねずみが急増しています。ねずみ被害の大半がスーパーラットによるものだと報告されている地域もあるほど被害が大きくなってきました。
スーパーラットの大半は、クマネズミが毒への耐性を持って進化したものだといわれています。
元々クマネズミは運動能力が高く、どこからでも建物内に侵入してくるという特徴があります。しかも用心深い性格で毒も罠も避けてしまうため、完全に駆除するのが難しいとされてきました。
このため、クマネズミが進化したスーパーラットは毒エサを食べないうえ、仮に食べたとしても効かないという非常に厄介な存在であるといえます。
毒エサへの耐性を調べる実験をおこなったところ、普通のクマネズミが長くても2週間程度で死んでしまったのに対して、スーパーラットは平均160日、最長で440日生き続けたそうです。
スーパーラットへ進化した理由は?
クマネズミがスーパーラットに進化した理由は、遺伝と繁殖力の高さが原因と考えられています。
ねずみの毒に対する耐性には個体差があります。そのため、同じように毒エサを食べても生き残る個体とそうでない個体が現れます。
また、ねずみは短い寿命に反比例するように高い繁殖力を持っています。クマネズミの場合は1度の出産で4~6匹子供が産まれ、その産まれてきた子供も3~4か月ほどで繁殖が可能になります。
よって、毒に強い耐性を持つねずみが交配をし、さらに毒に強い耐性を持つねずみが産まれてきます。その毒に強いねずみ同士が交配をし、さらに毒に強い耐性を持つ子供たちが産まれてくる……ということが繰り返されたことで、スーパーラットが誕生したと考えられています。
この流れから考えていくと今後、もっと毒に強い耐性を持ったスーパーラットがどんどん増えてくると予想されます。
スーパーラット対策はなにがある?
今後、どんどん増加していくことが予想されるスーパーラットですが、毒が効かないという状況でも対策方法はあります。
スーパーラット対策の殺鼠剤として有効とされているのが「リン化亜鉛」と呼ばれる成分を使った殺鼠剤です。
これまで市販されてきた毒エサの多くは「ワルファリン」「クマリン」といった成分が使用されてきました。これらは血液を固まりにくくさせるもので、これを連続で摂取させることで血液が勢いよく流れ血管をもろくさせ、内出血で出血死させるものでした。
対して、リン化亜鉛はねずみの胃液と反応して毒ガスをつくる薬品で、スーパーラットに対しても高い効果を発揮します。
現在ではリン化亜鉛の殺鼠剤も簡単に手に入るようになりましたが、毒性が強く、劇薬指定もされている薬剤なので子供やペットがいるご家庭では取り扱いには注意しましょう。
また、効果が2週間で半減、2か月で10パーセント以下とあまり長く持続しないというデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
ほかにも、エサとなる食料を残さない、ねずみが侵入してくる隙間をつくらない、といったようにねずみが侵入してこないような環境を日頃からつくっておくことも大切です。
「【ネズミを寄せ付けない方法】簡単ネズミ対策で被害発生を未然に防ぐ」では、ねずみの生態や対処方法についてご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
スーパーラット対策に便利なグッズ3選
先ほども述べたとおり、従来の毒エサにはワルファリンやクマリンという薬剤が使用されていましたが、スーパーラットはこれらの薬剤への耐性を得てしまいました。そこで近年では「リン化亜鉛」と呼ばれる薬剤を使った新たな毒エサが開発されています。
リン化亜鉛を使用した毒エサを食べると、胃の中で毒ガスが発生してスーパーラットを死に追いやるとされています。
ここでは、リン化亜鉛を使ったスーパーラットの対策グッズを紹介します。リン化亜鉛はスーパーラットに効果がある強力な毒ですが、人間やペットにも有害です。取り扱いには十分注意するようにしましょう。
スーパーラット・バスター
スーパーラットが好んで食べるよう誘引剤が含まれており、食べたあと数時間で効果が発揮されます。袋ごと設置することができるので、薬剤に直接触れることはありません。死んだスーパーラットをほかの動物が食べても二次被害が起こりにくいなど、安全性にも優れています。室内に設置するときには就寝前に配置し、翌朝には処分するようにしましょう。
ネオラッテ クイックリー
袋に入ったまま使用できるので、手を汚すことなく設置ができます。食べたあと3~5時間ほどで効果が表れるでしょう。スーパーラットが発生する箇所に設置しますが、まわりにある餌となるようなものを取り除いてから設置しておくと、より効果的に食べさせることができます。
メリーネコりん化亜鉛
スーパーラットが食べやすいような味や硬さの餌となっており、設置してから2週間ほど効果を維持します。リン化水素ガスを発生しますが無毒化が早いため、二次被害も起こりにくく安全性も高いでしょう。水濡れや雨雪にも強く、全農地や貯穀倉庫などで使用するときにおすすめです。
スーパーラットから感染症を引き起こすことも
スーパーラットはクマネズミが進化した個体なので、感染症を引き起こすこともあります。特に恐ろしい感染症が「ペスト」と「ハンタウイルス肺症候群」という病気です。
ペストとはペスト菌による全身性の急性感染症で、ねずみに寄生しているノミを介して人間に感染します。ペストは14世紀のヨーロッパで大流行し、ヨーロッパの全人口の30パーセントが死亡するという恐ろしい事態を招きました。日本では1936年以降発生していませんが、世界では撲滅されたわけではありません。
ハンタウイルス肺症候症は風邪に似た症状から重症化し、致死率は60%ほどもあるといわれています。現在、有効な治療法が発見されていないという点も大変恐ろしいです。ハンタウイルス肺症候症は、ねずみの排泄物や唾液が人間の傷口に入り感染します。
より確実で安全な対策をするならプロに依頼しよう
スーパーラットを確実、かつ安全に駆除するためには、業者に依頼するのがおすすめです。さきほどご紹介したような対策グッズも販売されており、スーパーラットは自分で駆除することも可能ではあります。侵入口をふさいでしまえば被害がなくなるともいわれています。
しかし、簡単に駆除できると思い対策をしても、しっかりと対策できていないことや、駆除したはずのスーパーラットが再び発生してしまうことも少なくありません。そのままにしておくと感染症を引き起こすおそれがあり、大変危険です。
専門業者であればリン化亜鉛が含まれた毒エサなどの薬剤を使う以外にも、罠を仕掛けたり侵入口を確実にふさいだりと、さまざまな方法で駆除をしていきます。確実、安全に予防や駆除をするのであれば、業者に依頼したほうがよいでしょう。
まとめ
従来のねずみと比べても駆除しにくくなっているスーパーラットの増加によって、世界中で感染症にかかる患者の数が増え、死亡者も続出しています。こうした事態は日本でも無視することはできず、今後このような事態に見舞われるかもしれません。ねずみ対策としてできることをしっかりやっていきましょう。
スーパーラットに限らず、ねずみによって引き起こされる被害は見逃せません。もしも家にねずみが現れるなど、ねずみの存在が身近になった場合、早めにねずみ駆除のプロに相談しましょう。
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