ねずみが出る時期・繁殖ピーク・被害時期を知って効果的に駆除しよう

2021.4.30

ねずみが出る時期・繁殖ピーク・被害時期を知って効果的に駆除しよう

ねずみを効果的に駆除するなら、冬におこなうのがおすすめです。なぜなら、ねずみは春と秋に繁殖のピークを迎えるため、その季節にねずみを駆除しようとしても駆除が繁殖スピードにおいつかないからです。そのため、繁殖が落ち着く冬に駆除するのがおすすめなのです。

このコラムでは、ねずみの種類や生態、ねずみがよく出る時期や繁殖についての解説をふまえながら、駆除に適した時期をご紹介していきます。ねずみについてよく知り、適切な駆除ができるようになりましょう。

おもな家ねずみの種類と活動時期

日本に生息しているねずみは約20種類ですが、そのなかでも住宅に住み着く「家ねずみ」はおもに3種類です。まずは家ねずみの種類と特徴についてご紹介します。

■クマネズミ
・体長……15~20㎝
・体重……100~200g
・毛色……黒、茶褐色
・しっぽ……体長より長い
・耳……折ると目を覆うくらい大きい

臆病で警戒心が強い性格のねずみです。狭い所や高い所を好み、縦移動が多く立体的に活動します。ジャンプ力が強く、最大で140㎝ほど飛ぶともいわれています。

寒い所や水は苦手なため、乾燥した天井裏、壁のなかなどに住み着いて巣を作ることが多いようです。穀物や種実を好む雑食で、昆虫も食べることもあります。

一年中活動していますが寒さに弱いため、冬は活動がにぶります。夜行性で、人が寝静まったあとに天井裏で足音を立てていることが多いです。

■ドブネズミ
・体長……20~30㎝
・体重……150~500g
・毛色……茶色、灰色
・しっぽ……体長より短い
・耳……小さい

どう猛で荒い性格をしたねずみで、人間にとびかかったりかみついたりするおそれもあります。湿った場所を好み、泳ぐのが得意ですが高い所へはあまりいきません。

そのため下水道や床下、台所などに侵入して巣を作ることが多いです。雑食ですが肉類や魚介類を好み、生き物の死骸をあさることがあるようです。寒さに強いため、冬に近い春や秋でも活発に活動しています。

■ハツカネズミ
・体長……5~10㎝
・体重……10~30g
・毛色……白、灰色、褐色
・しっぽ……体長より短い
・耳……体長の割に大きい

おとなしい性格のねずみで、警戒心があまり高くありません。泳ぎは苦手ですがとても身軽な体をしており、狭い場所や不安定な場所を簡単に通ることができます。家具と家具の狭い隙間や、倉庫のダンボールなどに巣を作る傾向にあります。

クマネズミと同じく、植物を好んで食べる雑食です。また、寒さに弱いため冬は活動がにぶり、夜行性なので夜遅くに活発になるねずみです。

家ねずみが出る時期は定まっておらず、どの種類も一年を通して活動するためとても厄介です。そんなねずみは繁殖期も決まっておらず、つねに増え続けます。しかし、とくに繁殖が活発になる時期があるのです。

主な家ネズミの種類と活動時期

ねずみの繁殖ピークは春と秋

ねずみは身体が小さく、自然界では捕食される立場なので弱い生き物です。そのため、次々に繁殖して数を増やし続けることで種の繁栄を維持しています。決まった時期や季節にのみ繁殖行動をするわけではありません。

ねずみは、出る時期に関係なく一年中繁殖を繰り返している生き物ですが、ピークになるのは春(3月~5月)と秋(10月~11月)です。基本的に人間と同じく、過ごしやすい涼しい時期を好みます。

また、ビルのなかなど、季節にかかわらずいつも一定の温度を保っている建物などはねずみにとって最適の繁殖場です。冬でも夏でも活発に活動し、数を増やしてしまいます。

さらに、ねずみの繁殖数と寿命についてまとめてみました。

クマネズミ ドブネズミ ハツカネズミ
1年間で産む子どもの数 30匹~40匹程度 35匹~55匹程度 30匹~60匹程度
平均寿命 3年程度 3年程度 1年程度

このように、ねずみは繁殖力が強い生物だということがわかります。一年に何回も出産するため、「駆除に適した時期なんてないのでは?」と感じるかたもいらっしゃるかもしれません。

しかし、繁殖時期のピークや季節ごとに変化するねずみの行動から、効果的に駆除しやすい時期というものはあります。のちほど詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

ねずみ被害が秋と冬に多い理由

ねずみは寒さが苦手なものが多く、春や秋に活発に活動するということを説明してきました。しかし、活発に活動するねずみが出る時期と、家のねずみ被害が多い時期は違うのです。

ねずみは人の住居に、快適な環境を求めてやってきます。秋や冬の住宅の環境が、ねずみにとってどのように快適なのかを説明します。

エサが手に入る
小さな体で激しく動くねずみは、生きるために大量のエネルギーを必要としています。しかし、外の広い世界で走り回ってもなかなか手に入らない食料が、狭い人間の家のなかでたくさん手に入るのです。

安全なすみかになる
捕食される立場であるねずみは、つねにヘビや猫、イタチなどの外敵に命を狙われています。集団で生活する習性を持つねずみが仲間たちとみんなで外敵から隠れるには、人の住居は最適な場所です。

繁殖のための材料がある
繁殖には安全な環境が必要であることはもちろんですが、繁殖場所である巣を作るための材料も大切です。暖かい屋内でなら材料集めがしやすく、巣の材料となる布や紙、プラスチック材などが豊富に手に入るのが、人間の家なのです。

このようにねずみにとって快適な要素が集まっている私たちの家に、ねずみが集まりやすい時期が秋~冬(10月~2月)です。冬の寒さから逃れ、暖かい場所を求めてくるのが、秋から冬にねずみ被害が出やすい大きな理由です。

ねずみはさまざまな被害をもたらす

ねずみはさまざまな被害をもたらします。保管している食料を食べてしまうだけでなく、電気配線や家屋の木材をかじったりするのです。さらに、ねずみの身体には菌、ウイルス、ダニなどが住み着いています。そのため、ねずみが家にいることで健康に影響が出ることもあるといわれています。

このように、ねずみは経済面でも衛生面でも被害をもたらします。ねずみの駆除は簡単ではありませんが、安心して暮らすためには徹底的に駆除や対策をするのがおすすめです。

ねずみ駆除は繁殖ピークの合間である冬がおすすめ!

家のなかにねずみが出る時期は秋から冬が多いですが、繁殖が活発な時期は春と秋です。これらをふまえながら、ねずみが住み着きにくい家の環境を作り上げる必要があります。

ねずみは繁殖力がとても高く、数がいればいるほど短期間で大量に増殖します。そこで、繁殖時期のピークの合間である冬場に駆除対策をするのがおすすめです。

いっぽう、夏場のように暖かい時期の駆除はおすすめできません。なぜなら、ねずみ捕りのワナを仕掛けて何匹か捕まえたとしても、繁殖が活発なのでほとんど数は変わりません。また、死体が腐りやすく、菌や虫、悪臭が増える原因にもなります。

ほかにも、ねずみは春から夏にかけて屋外に出ていく傾向があることから、夏場の駆除は効率が悪いといえるでしょう。

自分でできるおもな駆除方法

今回は、4種類の駆除方法をご紹介していきます。それぞれの特徴を知って、実践しやすい駆除方法を選んでみてください。

殺鼠剤で退治する
殺鼠剤(さっそ剤)とは、毒を含んだエサです。この方法は、秋から初冬にかけておこなうとより効果的です。なぜなら、ねずみの食欲は涼しい時期に増すからです。いっぽう、ねずみは寒さが厳しくなると活動がにぶくなるため、寒さが本格化する前の、秋から初冬に殺鼠剤を使うのがよいのです。

この方法の注意点については、見えない所で死んでしまったねずみの遺体を回収しなくてはならない点です。夏場でなくても、遺体を放置したままだと虫や悪臭が発生してしまうので、こまめに確認するようにしましょう。

ワナで捕獲する
エサでねずみをワナにおびき寄せて捕獲する方法です。ワナの種類として、粘着シート、バネ式ワナ、かご式ワナなどがあります。この方法では、粘着シートとかご式ワナでねずみを捕獲した場合、まだねずみが生きていることがあります。また、バネ式ワナでは、かかったねずみの遺体はつぶれています。

そのため、直接ねずみにトドメをさしたり、傷ついた遺体を見るのがつらい方は、ほかの方法を選択したほうがいいでしょう。

忌避剤で追い出す
忌避剤とは、ねずみがきらいなニオイを含む薬剤です。何種類かタイプがありますが、広い範囲に薬剤がいきわたる、くん煙タイプがよく使用されています。忌避剤を使うことによって、家からねずみを追い出したり、寄り付かせない効果があります。

しかし、くん煙タイプの忌避剤を使う際には、アレルギー反応やペットへの影響に注意する必要があります。商品の注意書きをよく読んで使用しましょう。

超音波で追い出す
ねずみが苦手な超音波を発する機械を使って、ねずみを追い出す方法です。薬剤を使わない方法ですが、ペットの種類によっては超音波の影響を受けることもあります。この方法を試す際には、超音波装置を設置する際のポイントを知っておくとよいです。

退治・捕獲したねずみの処分方法

回収した遺体や捕獲したねずみを処分する方法についても、簡単にお伝えしておきます。遺体の処分方法については、可燃ゴミとして出すのが一般的です。新聞紙などで遺体をくるみ、ビニール袋にいれて密封してからゴミに出しましょう。

捕獲したねずみについては、水をはったバケツにワナを沈めて溺死させる方法があります。しかし、どうしてもトドメをさしたくない方は、離れた山などにねずみを放つという手もあります。

ねずみを駆除する際は衛生面に注意

ねずみの身体には、さまざまな菌やウイルスが付着しています。ねずみの巣やふんを処理したり、ねずみを処分したりする際には、ゴム手袋とマスクを着用してください。また、発見した場所の消毒もしておきましょう。

季節に関係なく普段からやっておきたい対策

ここまでは、駆除に適した時期と駆除方法について解説してきました。ここからは、ねずみ被害を予防するために、季節に関係なくやっておきたい対策をふたつご紹介していきます。

ねずみが住み着きにくい家にする

ねずみが住み着きにくい家にするには、ねずみの食料を徹底的に管理することが大切です。ダンボール箱やプラスチック箱は簡単に破られてしまいますし、床に落ちた食べかすでもねずみにとってはエサとなります。

豆知識
「ねずみが自然といなくなった」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。考えられる原因はいくつかありますが、そのひとつとして、ねずみの食料が家からなくなったことがあげられます。

また、巣作りの材料になりそうなものを放置しないようにしましょう。ネズミは、ティッシュやダンボールなどでも巣を作ってしまいます。とくに繁殖時期は活発になるため注意が必要です。

ねずみの侵入口を塞ぐ

家のねずみを増やさないためには、侵入口を塞ぐ必要があります。ねずみのおもな侵入口は、通気口、換気扇、配管、エアコンの排水ホース、壁のヒビなどです。金網、通気性があるシート、ブラシ、パテなどを使って侵入口を塞ぎましょう。

まとめ

家に住み着くおもなねずみは「クマネズミ」「ドブネズミ」「ハツカネズミ」です。どれも基本的に寒さに弱いため、暖かいすみかを求めて人間の家にやってきます。そのため、ねずみが出る時期は秋~冬にかけてがピークです。

しかし、ねずみは一年中活動し、繁殖を続けています。たとえ姿が見えなかったりおとなしくしているように感じたりしても、決して家からいなくなったと思わないことが大切です。駆除する際には、繁殖のピークが落ち着いた冬がおすすめです。この時期に、毒エサ、ワナ、忌避剤などを使ってねずみを駆除しましょう。

もしねずみがかなりの数まで繁殖してしまったというおそれがあるならば、自力で根絶させるのはほぼ不可能でしょう。ねずみ駆除のプロに依頼して、完全に家からねずみを駆除してもらうことをおすすめします。

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ねずみとの接触は健康被害などのリスクがあります。ねずみを見かけたらすぐにプロへ相談しましょう!また、ねずみは被害の再発が多い為、徹底的な駆除と対策をする必要があります。

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