夜になると不気味な容姿で空を飛んでいるコウモリをみかけたことがあると思います。しかしコウモリの生態については意外と知らないことが多いのではないでしょうか。
「血を吸う」、「病原菌を持っている」などコウモリと聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、実はコウモリは温厚な性格でペットとして飼うこともできる生き物なのです。
身近な生き物なのに、意外と知られていないコウモリの生態やコウモリの寿命についてお話したいと思います。
コウモリの生態は?どのような性格なの?
コウモリは空を飛ぶので「鳥」だと思っている方もいるかもしれません。しかしコウモリは卵を産む訳ではなく、子どもを産んで育てる「哺乳類」です。そして飛ぶこともできるので、哺乳類で唯一飛行できる生き物でもあります。
コウモリと聞くと「血を吸う」というイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。コウモリの種類は1000種類近く存在しますが、ほとんどのコウモリは昆虫を主食としており、実際に血を吸って生きているコウモリはたったの3種類程度です。
一般的に鳥の血を吸っているといわれていますが最近の研究では、夜間に人間の血も吸うようになっていていることがわかってきました。
コウモリは洞窟や木の穴に住んでおり、夜になるとエサを探しに外へ出ていきます。亜熱帯に住む大型のコウモリは明るいうちから活動するものもいて、すべてのコウモリが夜に活動するとは限りません。暗くなってから活動する夜行性のコウモリは小型の「アブラコウモリ」が多いようです。
そのアブラコウモリの体は4~6㎝で、体重は6~7㎏前後。羽を広げると22㎝程になります。日本ではまだ報告されていませんが、海外ではコウモリから感染して出血熱がおきる感染症の事例が報告されています。野生のコウモリに触れる場合は十分に注意が必要です。
またアブラコウモリは小さい体を活かして、わずか1.5㎝の隙間さえあればどこへでも侵入することができます。小さな隙間や通気口から入り込み、そのまま天井裏や屋根裏などに生息することもあります。コウモリに住み着かれたくないのであれば、天井に隙間がある場合はそのままにせず早急に修理をするなどの対策をしましょう。
コウモリの性格についてですが、ほとんどのコウモリはおとなしい性格をしており、人に向かって襲ってくることはほとんどありません。臆病な性格でもあり静かな場所を好むようです。環境によってコウモリは長く生きることができる生き物として有名です。
コウモリの寿命については次の章でお話したいと思います。
コウモリの寿命は何年?
カラスや鳩は、一般的に寿命は10~15年前後だといわれています。ではコウモリの寿命はどうなのでしょうか?
野生のコウモリは約5年前後ですが、飼育下では20年以上生きることもある寿命の長い生き物です。飼育下と聞いて「コウモリって飼えるの?」と思った方もいるかもしれません。
実はコウモリはペットとして飼うことが可能です。「エジプシャンルーセットオオコウモリ」、「デマレルーセットオオコウモリ」の2種類がペットとして流通しており比較的入手しやすいコウモリです。
このように人間の管理下にありエサに不自由しない環境で育てられるコウモリは、野生のコウモリと比べ寿命も長く20年以上も生きるといわれています。
コウモリの寿命をのばす方法はある?
コウモリは意外にも長寿ですが「なぜ寿命が長いのか」、「もっと寿命を延ばす方法はないのか」という疑問に関してはハッキリとした答えを出すことはできません。というのもコウモリの生態についてはまだ不明なことも多く、その方法はほとんどわかっていません。
ペットにしているコウモリの寿命を少しでも伸ばしたいと考える場合、コウモリの飼育のコツをつかんでおけば、少しでもコウモリが長生きすることにつながるかもしれません。
コウモリはフルーツを好むので、コウモリの口に入るくらいの大きさに刻み朝食に20~40g、夕食に80~100gほど与えましょう。コウモリの栄養補助食品として「ビーポレン」という花の蜜と花粉で作られた食品もあるので、定期的に与えてみてもいいかもしれません。
コウモリは運動量の多い生き物なので、毎日ケージから出して飛行させてあげてください。その際に糞をまき散らすと思うので、こまめに清掃し清潔な環境を保つことも大切です。
また、コウモリは人間に懐く習性があります。コウモリに名前をつけて呼んであげたり、スキンシップをとりましょう。愛情をもって育てればそれがコウモリにとっては快適な住み家となり、長生きすることにつながるかもしれません。
コウモリを見つけて保護したした場合は、個人で飼育や捕獲をすることは注意が必要です。住む地域によってルールが異なってくるので、地域の保健所などに必ず確認をとりましょう。
まとめ
得体の知れない生き物というイメージのコウモリですが、コウモリの生態を知ると意外と親しみがわいてきませんか?
ただ、いくらペットとしても飼育ができるとはいえ野生のコウモリには多くの菌がついています。ダニやノミも寄生しており、家の中にコウモリが入ってきてしまうと人間に害を及ぼす可能性も考えられます。
コウモリの被害を最小限に抑えるためにも野生のコウモリに住み着かれてしまったり、騒音などの被害にあっている場合はできるだけ早くコウモリ駆除の業者に相談をしましょう。コウモリの侵入経路を見つけて確実に塞いでもらうことをおすすめします。
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