皆さんは「イルカやサメは魚類か。それとも哺乳類か」で迷ったことはありませんか?その答えは「イルカは哺乳類で、サメは魚類」ですが、他にも分類がややこしい動物が存在します。
そのうちのひとつがコウモリです。空を飛ぶ動物なのでコウモリは鳥類のように見えますが、それは果たして正しいのでしょうか?
当コラムではコウモリの分類を考えるとともに、害獣としての側面と対処法についてご紹介していきます。コウモリに興味をお持ちの方は、ぜひお読みになってください。
目次
コウモリは鳥類じゃない?生物学的な違いについて
コウモリは翼を羽ばたかせて空を飛ぶ動物です。そのため「コウモリは鳥類」と勘違いしそうになりますが、実際は「鳥類」ではなく、「脊椎動物亜門・哺乳綱・コウモリ目」に属する「哺乳類」です。コウモリには以下のような特徴があります。
・産まれ方:鳥類は卵生ですが、コウモリは胎生で乳を与えて子育てします。
・翼:鳥類の翼は羽毛に覆われていますが、コウモリの翼は『飛膜』と呼ばれる膜でできています。また鳥類とコウモリの翼は骨格から違い、コウモリは五本指が細長く伸びた構造になっています。
哺乳類なのに卵を産むカモノハシなど例外はありますが、主に以上の2つの理由からコウモリは哺乳類であるとわかります。
コウモリは鳥類じゃないけど…どうして飛べるの?
コウモリは鳥類ではないので、その翼にはふわふわとした羽毛は付いておらず、代わりにつるりとした飛膜が張っています。そんな姿のコウモリですが、なぜ飛ぶことができるのでしょうか。
鳥類もそうですが、ただ翼を上下にばたつかせれば飛べるわけではありません。たとえば鳥類の多くは、翼を引き上げるときは軽くたたんで空気抵抗を減らし、打ち下ろす際は空気を多く捉えます。これにより、体を浮かせつつ前進する力を得ることができます。
対してコウモリは、飛膜の中に筋肉を持っています。この筋肉が細かい動きを可能にしており、引き上げるときは緩んで空気抵抗を減らし、打ち下ろす際は緊張して空気を捉えます。
コウモリは害獣なのか――危険視されている理由
独特な生態を持つコウモリですが、今では害獣としても知られています。コウモリは鳥類ではありませんが、もたらす害は鳥類と共通する点も多いです。具体的に見ていきましょう。
・糞害をもたらす
家の中にコウモリが侵入すると、徐々に糞尿が蓄積して糞害をもたらすようになります。糞が溜まれば悪臭を放つだけでなく、天井にシミが広がったり、ゴキブリやダニといった害虫を引き寄せたりする原因になります。
・鳴き声がうるさい
日本に生息する『アブラコウモリ』は集団で活動します。加えて夜行性なので、夜になると「キーキー」とうるさい鳴き声を発します。何日も続けば大きなストレスになるでしょう。
・不安をもたらす
コウモリが好きという方は少ないと思います。ただその場に存在するだけでもストレスになるでしょう。
・感染症を媒介する
コウモリは人獣共通感染症の原因になる菌を持っているおそれがあるので、感染症を媒介する危険性があります。日本では報告はありませんが、狂犬病やSARSの原因となるウイルスを持っていることがあるといわれています。
コウモリも野生の動物の一種なので、どうしても不衛生です。また、コウモリは鳥類ではないものの優れた飛行能力を持っているので、屋根付近の高所から入り込むこともできます。知らないうちに侵入されているということも珍しくありません。
それでは、もしもコウモリが家に住み着いてしまったらどうすればいいのでしょうか。その対策を次から見ていきましょう。
コウモリが家に住み着いていたら……?
家に住み着いたコウモリを放置していると、先述の害が深刻化してしまいます。被害を最小限に食い止めるためにもコウモリを追い出す必要があります。その流れをご紹介していきます。
コウモリを追い出す
まずは住み着いたコウモリを追い出さなければいけません。その方法としては以下の4つが代表的です。
・忌避剤を撒く:コウモリが苦手とする匂いを含んだ薬剤をスプレーします。
・燻煙剤を焚く:煙状の薬剤が広がり、見えない場所に潜んだコウモリにも効果を発揮します。
・強い光を浴びせる:強力なストロボライトやレーザーポインターの光を浴びせ、コウモリを驚かせます。
・超音波を発する:超音波を利用するコウモリの生態を逆手に、超音波を発する機械で不快感を与えます。
注意点として、コウモリは鳥類と同様『鳥獣保護管理法』で保護されている動物です。コウモリを傷つけたりする対策は違法なので厳禁です。
侵入口をふさぐ
体の小さなアブラコウモリは2cm程度の隙間からでも侵入できるといわれています。以下の場所はコウモリに狙われやすいので、追い出したらパテを埋めたり網を張ったりしてふさぎます。あわせて忌避剤を設置するとさらに効果的です。
・通気口
・屋根と外壁の隙間
・戸袋(シャッターボックス)
まとめ
いかがでしたか。コウモリと鳥類の関係や、害獣としての側面をご紹介してきました。それらをまとめてみます。
・コウモリは鳥類ではなく哺乳類。
・コウモリの害は糞害や感染症の媒介で、鳥類と似ている点が多い。
・コウモリ対策は「追い出し」と「侵入防止」が鍵。
暖かく雨風をしのげる私たちの家は、コウモリにとっても快適な環境です。さらに餌となる虫などが豊富に生息していれば、侵入する確率はさらに高くなることでしょう。
コウモリ対策に必要な道具は自力で買いそろえることもできますが、高所作業が必要になるケースも多く危険です。危険を冒しても十分な効果を得られないおそれもあるので、コウモリ駆除のプロにご依頼されたほうがよろしいでしょう。その際はぜひ当サイトをご利用いただければと思います。
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