
マングースと聞けば思い浮かぶのが「ハブ対マングース」のように、毒ヘビであるハブを退治するマングースの姿です。そのようなマングースは動物園や外国でしか見られないと思われがちですが、実は日本にも生息しています。ただしその個体はとても少ないです、その理由には悲しい現実がありました……。
今回は、マングースの駆除が進んでいる理由について紹介します。
特定外来生物『フイリマングース』の生態
日本に生息しているマングースはエジプト原産の「フイリマングース」という個体です。このフイリマングースはハブ駆除のために1910年代に沖縄の那覇市・西原市に導入されたのをきっかけに1970年代に奄美大島にも導入され、他にも渡名喜島・伊江島・石垣島などにも導入されました。
フイリマングースは体重約1kgと全体的に小さい割に、体長は25cmと胴長なマングースです。体色は黒褐色・黄土色で、肛門付近に臭腺がありイタチなどと同じく悪臭を放つことがあります。ですが、イタチと違い穴を掘ったりするという行動は見られないうえ、木を登るのも苦手であり、水が苦手なため泳ぐこともありません。
ハブ駆除にやってきたマングース。その結果は?
ハブの駆除を期待されて導入されたマングースでしたが、そもそもハブは夜行性でマングースは昼行性と生活時間帯が合わないうえに、マングースがハブ駆除をせず逆にハブに食べられるという事態まで起こりました。
また、木に登らないマングースは木に登る種類の害獣であるクマネズミを捕食しないため、クマネズミが増えるということもありました。
マングースがもたらす被害
ハブを駆除するのに期待をされたマングースでしたが、マングースはハブ駆除をせず他の奄美大島に住んでいるアマミノクロウサギやアマミヤマシギなどの貴重な在来生物を捕食するようになりました。
こうしたことが起こったのには、アマミノクロウサギはハブに抵抗するすべはもっていたものの、外来種であるマングースには抵抗するすべがなかったのも大きな要因だと言われています。
沖縄で養鶏を営んでいる人にとってはマングースによって鶏が捕食されるなど深刻な問題とされているほか、マンゴーやバナナなどが食い荒らされるなど農業を営んでいる人にも被害が報告されています。
また、マングースは感染症である「レプトスピラ症」を媒介する危険性があります。レプトスピラ症とは悪寒・発熱・頭痛・全身の倦怠感などを発症するほか、重篤な症状だとエボラ出血熱と同等の全身出血を伴う危険な感染症です。最大50%の死亡率にもなる危険な感染症のため、野生のマングースを見つけても触るのはやめましょう。
こうした事態を受けて、人間の手で持ち込まれたマングースは1980年代には地元の自然保護団体が生態系への影響を調査し、1993年からは有害鳥獣駆除としての捕獲事業がスタートしました。
駆除が進んでいるマングース
1993年から捕獲事業がスタートしたマングースは、2005年には「奄美マングースバスターズ」が結成され、本格的にマングース駆除がされるようになりました。マングースは「箱わな」で捕獲をされているほか、よりマングースを捕獲しやすいよう「筒わな」でも捕獲されるようになりました。
現在ではこうした罠はマングースが生息している場所全域に設置がされ、その数は3万個にもなると言われています。このような罠の設置もあり2000年ごろには10,000頭いたマングースも、2012年には300頭以下になり、2016年には50頭以下にまで減少したと言われています。このペースで駆除が続けば2020年にはマングースの数はほぼゼロになると予想をされています。
捕獲数が減少した現在でも駆除は続けられていて、マングースがどこに潜んでいるか確認するために自動撮影カメラなどの機械を使うなどをして捕獲をしています。そのほか、2008年からはマングースを探し出す探索犬も導入されています。
探索犬にはマングース自体を探しだす探索犬とマングースの糞の臭いをかぎ分ける探索犬がいて、糞の臭いをかぎ分ける探索犬がいることでその地域にマングースがいる可能性が低いということを確認するために活躍しているとのことです。
まとめ
マングースの駆除が行われた結果奄美大島などにおけるマングースの個体数は激減しました。しかし、マングース以外にも日本にはアライグマ・キョンなどの外来生物が今でも繁殖し続けています。これらの外来生物はマングースと同じように人間が日本に持ち込んだことで繁殖したものです。在来種の生息を脅かさないためにもこれらの外来生物は駆除をしなければなりません。
外来生物は在来種を捕食してしまうだけではなく人間にとって脅威である感染症も媒介します。そのためそのような害獣を見つけた場合はすみやかに害獣駆除のプロに相談をするようにしましょう。
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