大切に育てていた作物が食べられていた。大切な家の木材、電線などがかじられていた。そんな不幸続きの毎日に不安になる方も多いのではないでしょうか。
被害の形跡からみると小動物なのは確かなのに、調査してみても何の動物なのか検討もつかないと困る方、少しお待ちください。
もしかしたら、その被害【タイワンリス】の仕業かもしれません。リスと聞いて、「日本に野生のリスがいるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、日本にも野生のリスがいて、人間を困らせている種類がいるのです。このコラムではそんなタイワンリスについてご紹介します。
目次
【特定外来種】タイワンリスってどういう動物?
人間が暮らしている中でさまざまな被害を与える野生のリスはタイワンリスであることが多いです。タイワンリスとは元々日本に住んでいたわけはなく、海外からやってきた「特定外来種」に該当されます。そんなタイワンリスの生態を詳しく見ていきましょう。
タイワンリスはこういう動物
タイワンリスとはネズミ目リス科ハイガシラリス属に属する立派なリスであり、日本名はクリハラリスと呼ばれる種類です。タイワンリスは日本に元々生息している固有種、二ホンリスと違い、海外からやってきた外来種です。
体長は二ホンリスより一回り大きく、頭胴の大きさが20~22cm、尻尾の長さが17~20cm程度、重さが360gほどになるといわれています。
昼行性であり、単体で行動することが多いですが、子供のリスは群れで行動します。
食糧は植物系の餌を主体とした雑食で、主に、樹木に実った果実や花などを食べます。しかし、雑食なので、植物だけでなく、昆虫やカタツムリなどを捕食することがあるようです 。
タイワンリス | ニホンリス | |
写真 | ||
20~22cm程度 | 頭胴 | 16~17cm程度 |
17~20cm程度 | 尻尾 | 14~17cm程度 |
360gほど | 重さ | 300gほど |
昼行性・単体行動 | 行動 | 昼行性・単体行動 |
雑食性 | 食性 | 雑食性 |
しない | 冬眠 | しない |
タイワンリスはどうやって日本にやってきたの?
タイワンリスは元々台湾だけでなくインドから中国にかけての地域に生息していた種類です。しかし日本では1935年頃以降に動物園やペットとして飼っていたものが逃げ出して野生化していった説が有力となっています。
1980年代以降になると個体数が増え、分布が拡大していったことで、在来種である二ホンリスと競合が起こり始めます。現在では在来種との個体数を比べると圧倒的な差があるのです
タイワンリスの生息地
二ホンリスは一部の地域では絶滅したと報告されている一方で、タイワンリスは日本全国でないのですが、全都道府県47県中11県で報告されており、そのほとんどが東京から西側の地域です。
普段は低山帯から亜高山帯にかけての常緑広葉樹林に生息しますが、日本では市街地の緑地や公園、寺院や神社などの緑が多い場所に生息する傾向があります。
日本では観光用として放たれているところもある
タイワンリスは都道府県47県の内11県で報告されているとご紹介しましたが、その一部では観光用としてタイワンリスを放逐している場所も含みます。
その一例として、静岡県浜松市の浜松城公園や岐阜県の金華山、和歌山県の和歌山城公園などが挙げられます。
害獣と恐れられている一面を持つタイワンリスですが、その反面観光用として旅行者の心を癒してくれる役割も担っているのです。
タイワンリスによる被害
そんな観光用としても放逐されているタイワンリスですが、先ほども少しだけご紹介した通り、一部の野生のリスは害獣としてその名が知られています。
では、野生のタイワンリスは一体どういった被害を起こすのか見ていきましょう。
タイワンリスによる被害例
タイワンリスは自身の食糧として植物を好みますが、植物を限定とした栄養摂取方法をとっていません。つまり、食べようと思えば、昆虫やカタツムリからも栄養を取ることができるのです。
その雑食性がゆえに人間にとっては厄介なさまざまなトラブルを起こしてしまいます。
被害その①:農作物の被害
農作物の被害については個体数が多い伊豆大島や神奈川県の一部などで報告されています。その被害に一例として、伊豆諸島では特産品である椿湯の原料、椿の実を食害が問題にされています。貴重な収入源であり、我が子のように育てた椿の木をリスに加害されてしまうのは残念でなりませんよね。
神奈川県の方で主に報告されているのは樹皮やミカン、大根などの食害が挙げられます。これらの果実や作物は一度食害されてしまうと、商品価値としてはもちろん、自分で味を確かめることもできなくなってしまうのです。
また木の樹皮を剥がされてしまうと、それが原因で木自体が死んでしまうことがあります。
いくら生きるためとはいえ、自分が大切にしてきた農作物や木を食害されてしまうのは農家の人や育てた人にとっても憤りを感じる行為ではないでしょうか。
被害その②:生活環境
タイワンリスが生息する地域で、人間の生活圏内に出る個体は生活環境でも被害を及ぼします。その例として、電線などの電気を伝達する部分がかじられ、電気自体が使えなくなってしまったり、雨戸や戸袋がかじられ、本来の役割が果たせないなどが挙げられます。
また、お店を営んでいる方などは店の商品が食べられてしまうなどの経済的被害なども該当するのです。
被害その③:生態系
タイワンリスは雑食ではありますが採食よりの雑食であり、肉食の動物と比べると生き物からたんぱく質をとる機会が少ないといっていいでしょう。
そんなタイワンリスがどうやって生態系へ影響するのかというと、このリスの存在自体と表現しても大げさではありません。
例えばレッドリストにも載っている二ホンリスの個体数減少はこのリスが個体数を増やしたことが原因のひとつなのだそうです。
タイワンリスは二ホンリスと生息域が競合しているので、餌の争奪戦はもちろん、交雑して純血種が減少してしまうことなど懸念も多く上がっています。
また、このリスは昆虫やカタツムリだけではなく、鳥の卵も食害します。メジロやコゲラなどの巣に侵入し、大切に育てている卵を食べ、これらの野鳥の個体数減少の原因を作ってしまっているのです。
野生のタイワンリスは放置しない!被害から身を守るために【法律編】
ここまではタイワンリスは人間の日常生活に支障をきたしてしまうことや、そのトラブルについてご紹介してきました。
今やタイワンリスは観光地の名物的な動物として一躍していますが、人間の生活圏内に生息し、危害を加えるタイワンリスに限っては「かわいい動物」と一括りに表現できません。
万が一、自分の家や大切に育てている作物に危害を加えるタイワンリスがいたら、大人しく危害を加えるところを悠長に見ていられませんよね。
ここからはタイワンリスが自分の身の周りで危害を加えていた際におこなうべき、退治ことについて触れていきます。
そのタイワンリス退治の前に知っておかなければいけないことがあります。それはタイワンリスが法律で守られていることです。
被害があれば退治しよう!その前にタイワンリスを保護している法律について
前述したとおり、タイワンリスにはある法律で保護されており、むやみな殺生や駆除はできないようになっています。その法律は生き物を駆除するときによく耳にする機会が多い「鳥獣保護管理法」です。
この鳥獣保護管理法というのは簡単にいってしまえば、害獣でも許可のない殺生や怪我を負わせてはいけないという法律です。
ただタイワンリスはこの鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣として該当されているので、一定の条件を満たせば自治体の許可を得ることなく駆除ができる場合があるのです。
なお大きさが同じように見えるイエネズミについてはこの法律の対象外となっているため、駆除のハードルも低くなっています。
タイワンリスは条件を満たせば駆除できる?
鳥獣保護管理法では、狩猟鳥獣の中で「タイワンリス」の名が挙がっています。これがどういう意味かというと、この動物の害性や生息状況の影響を考慮し、狩猟免許(狩猟に必要な道具を扱える免許)と定められた期間(主に秋から冬にかけて)・認められた場所や方法であれば駆除が可能ということなのです。
また期間外でも地域の自治体の許可が得られれば駆除は可能ですし、「禁止されている方法」「免許の対象の方法」でなければ素人でも不可能ではありません。
ただ禁止されていない方法で免許が必要ない方法となると、手でつかまえるなどなかなか難しくなるのもっ実です。
タイワンリスは特定外来生物にも指定されている
鳥獣保護管理法上、ほかの野生動物よりは駆除のハードルが低いタイワンリスですが、その一方で特定外来生物にも指定されています。これは海外起源の外来種であり、生態系、人への被害、農林水産業へ被害を及ぼすものやそのおそれがあるものの中から指定されます。
つまり、タイワンリスは国も認める厄介者としてその名が特定外来生物として登録されているのです。
野生のタイワンリスは放置しない!被害から身を守るために【退治編】
さて、ここまではタイワンリスにまつわる法律の話をご紹介してきました。許可のない駆除をおこない、タイワンリスの命を奪うことはできません。
しかし、いくら駆除できないからといって放置しているとますます被害は酷くなるのも予想できる事態です。もし、自分の自身が、周りの人たちの間でタイワンリスによる被害があれば、駆除をするのではなく、寄ってこないようにするための対策が必要になります。
まずは、タイワンリスを穏便に退治する方法をご紹介していきます。
邪魔者でも殺さない!タイワンリスを生かして退治する方法
では、自分の周りに危害を加えるタイワンリスを退治する方法をご紹介します。すでに被害を遭われている方はとくに、ここに書かれている退治方法を参考にしてみてください。
退治方法①:捕獲器による捕獲
有効的な退治方法のひとつとして、ねずみ捕り器や捕獲器による捕獲をおこなうことです。お住まいの地域の自治体によっては捕獲器の貸し出しをおこなっていたり、タイワンリスの引き取りをおこなってくれるところもありますので一度、相談してみてはいかがでしょうか。
退治方法②:捕獲をおこなってくれる業者に依頼
有効的な方法その②は害獣の駆除・捕獲をしてくれる業者に被害相談をしてみましょう。前章でご紹介した通り、タイワンリスは許可のない殺生に制限がある動物です。また、捕獲器で捕獲したとしてもその後をどうしたらいいのか対応に困る方もいらっしゃるでしょう。
プロの業者に頼めば捕獲からその後の対応まできちんとおこなってくれるので安心してお任せできるのです。
現状効果的な退治方法で挙げられるのがこの2つです。タイワンリスは体長も小さく運動神経もいいので、電気柵などの物理的な退治方法が効きづらいのです。
また、わなの設置は鳥獣保護管理法などを遵守しておこなわなければならず、多くの設置には狩猟免許が必要となります。それを考慮すると、しっかりと法律を理解しており、幾度の害獣退治の経験がある業者に任せてしまった方が安心でしょう。
タイワンリスを寄せ付けない方法
すでにタイワンリスの被害に遭われている方は早めに退治に乗り出すことが大切です。しかし、タイワンリスの生息地域に住んでいてまだ被害にあわれていない方は、被害にあわないための対策をしましょう。
以下はタイワンリスを寄せ付けないための方法です。
【タイワンリスを寄せ付けない方法】
その①:木酢液
木酢液とは木材を熱したときに出てくる煙を液状化したものです。鼻につくツーンとした臭いは人によって好みが別れますが、動物の多くはこの木酢液の臭いを嫌います。
タイワンリスもこの木酢液の臭いを嫌う1種で、食害する作物の周りなどに散布するだけでも忌避剤としての効果を発揮します。
その②:唐辛子液
唐辛子の成分は防虫効果も期待できるアイテムです。薬剤と違い、自然に優しい素材なので、安心して育てている農作物にも散布できます。
唐辛子に含まれている辛味成分などはタイワンリスも嫌う傾向があるそうなので、予防方法としては適しているのではないでしょうか。
その③:隙間を塞ぐ
物理的な予防方法として家の至るところにある隙間を細かい網目の網などで塞いでしまうことです。物理的に塞いでしまえば、「この家には入れない」とリスが認識して近寄らなくなる効果も期待できます。
その④:朽ちた果実や作物を放置しない
タイワンリスを近づけさせないためには細かな掃除も大切です。とくに農作物を育てている方は落ちてしまった果実などを落としっぱなしにしていると、タイワンリスが餌を求めやってきてしまうことがあります。
近寄ってくると健康で美味しそうな実までリスが食べてしまうことだってあるので、こまめな掃除は忘れないようにしてくださいね。
まとめ
タイワンリスは日本に住まう在来種ではなく、海外からやってきた外来種です。放置しておくと生態系に影響を及ぼすだけでなく、自分の生活の支障になってしまうことだってあります。
もし、自分の周りにタイワンリスが現れ、危害を加えられた場合は早急にタイワンリスへの対策を講じなければいけません。
しかし、タイワンリスは鳥獣保護管理法で保護されている部分もあるので、むやみな駆除がおこなえません。そんなときはお住まいの自治体に被害の相談をしましょう。また、事後処理が面倒な場合は害獣の捕獲をおこなってくれる業者を利用してみるのもいいですね。
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