タヌキやハクビシンなどに見間違えられやすいアナグマは、可愛らしい見た目をしていますが、放置しておくと、農作物を食い散らかしたりして、経済的損害を出してしまいます。
もし見つけたらこれ以上被害を出さない、増やさないためにも一刻も早くアナグマの駆除をおこなわなければいけません。
このコラムではそんな意外と知られていないアナグマの生態や被害などについてまとめてみました。
アナグマとはどんな動物?
アナグマとは日本の本州、四国、九州地域の比較的人間が暮らしている地域に隣接した、山などに生息しています。アナグマには大きくわけて3種、二ホンアナグマ、アジアアナグマ、ヨーロッパアナグマといますが、その中でも日本に住んでいる野生のアナグマのほとんどが二ホンアナグマです。
まずは、日本の野生アナグマの中でも個体数が多い、二ホンアナグマの生態系についてみていきましょう。
二ホンアナグマについて
二ホンアナグマは食肉目、イタチ科、アナグマ属に分類される雑食性の動物です。日本では本州、四国、九州地域に分布し、11月下旬~4月、暖かくなる季節まで冬眠しますが、地域によっては1年を通して活動することもあります。
身体のサイズは約40~50cm、尻尾の長さは約6~12cm、重さは約4~12kg、体色は茶褐色~灰色で、ずんぐりとした体形が特徴で、基本的によるに活動する夜行性です。
二ホンアナグマの性格は基本的に温厚で、他の動物とも自ら進んで争うことは少ないそうです。警戒心も他の野生動物と比べて強くなく、人に慣れている二ホンアナグマは、人が自分に近づいてもなかなか逃げないこともあるでしょう。
メス1匹だけは一緒に暮らすことがある
子育ての時期を終え、子別れの時期、基本的にアナグマの子供は成長すると親元を離れますが、メス1匹のみは親元を残り、引き続き一緒に生活していくことがあります。
これは、翌年また子どもを出産したときに自分の子供にその子供の世話を任せることがあるためです。
また、それだけではなく、母親の食糧も一緒に用意したりすることがあり、これらの行動、行為は娘が子供を産んで母親になったときの為の子育ての訓練と考えられています。
害獣アナグマの肉はジビエ料理の食材としても
ジビエとはフランス語で狩猟した野生鳥獣の食肉を意味する意味で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として、古くから親しまれてきました。
アナグマはこのジビエ料理の美味な食材として、多くのジビエ料理ファンに知られています。イノシシの肉やウサギの肉などもこのジビエ料理の食材として知られています。
5年で狩猟数が急激に増加
そんな害獣として、ジビエ料理の美味な食材としての一面をもつアナグマですが、2010年の駆除数が約4,600頭だったのに対し、2015年では約13,600頭と駆除数が3倍近くにまで伸びました。
こういった急激な駆除数の増加から、アナグマを研究している研究者からレッドリストに載るのではないかと危惧されています。
その獣は本当にアナグマ?アナグマに似ている動物とは
さて、そんなアナグマですが、アナグマと同じような見た目をした動物も日本に住む野生動物のなかにいます。その見た目は多くの人がこれからご紹介する動物に見間違えることがありますので、もしアナグマらしき動物を発見しても、「アナグマ」だと断定せずに、きちんと野生動物を見分けてみましょう。
アナグマだと間違えやすい動物その1:ハクビシン
ハクビシンとは食肉目、ジャコウネコ科、ハクビシン属に分類される動物で、アナグマとは親戚のようなものですが、仲間というわけではありません。
体長は51~76cm、尻尾の長さは約60cm前後とアナグマよりスレンダーな体形をしているので、ここまで聞いていたらアナグマと似てないと思われる方も多いでしょう。
しかし、体色は、暗い灰褐色と似ており、配色もアナグマと似ているため、見た目で勘違いする人も多いようです。
アナグマだと間違えやすい動物その2:タヌキ
タヌキは哺乳綱、食肉目、イヌ科、タヌキ属とアナグマとは全く異なる動物です。しかし、見た目がそっくりなことから昔からアナグマとタヌキは一緒にされることがありました。
そのそっくりな見た目から、昔話に出てくるタヌキの話や「同じ穴のムジナ」という言葉はタヌキが含まれている反面、アナグマもその話や言葉に含まれています。
体長は50~80cm、体重2~8kg、体色も灰褐色の個体が多く、脚が黒いだけでなく、前脚に関しては肩から脚まで黒色が続いていることが大きな特徴です。
アナグマだと間違えやすい動物その3:アライグマ
哺乳綱、アライグマ科アライグマ属のアライグマはどちらかというとタヌキに近い見た目をしていることから、アナグマと間違われることがあります。
アライグマの最大の特徴はしっぽのシマ模様です。また、4種類のなかで1番灰色が強くでています。足先は黒いことがほとんどですが、脚自体は白色の個体が多いです。
以上が野生の動物の中でアナグマと間違われやすい動物となります。
アナグマはどんな被害をもたらすのか
アナグマは雑食性です。普段はミミズやコガネムシなどの幼虫を好み、地面から掘り出して食べますが、こういった食料がなくなると、人里まで生活範囲を広げ、人の生活に被害をもたらします。
では、アナグマが加害する被害の種類を見ていきましょう。
被害①:農作物の被害
アナグマは雑食性ですので、自分の餌となるものがなければ愛情を持って育てている農作物まで食害してしまいます。その食害される作物の種類は、トウモロコシや落花生、スイカなど地面から生えて育つものから、柿などの木の実として育つものまで幅広く被害を受けています。
農林水産省のデータによると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害金額は約128億円になっており、その前の年と比べると3億円ほど被害金額は減少しています。
またこのうちの100億円ほどがシカやイノシシによる被害ではあるものの、それでも莫大な被害が毎年のようにでていますのでアライグマを含め、鳥獣による農作物の被害はなんとしても気を付けたいところですね。
データ引用:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成30年度)」
被害②:建物への被害
アナグマは基本的に地面に穴を掘って巣をつくります。この巣は継続的に使われていて、使われる度に大きくなっていきます。
イギリスでは中世から数百年に渡り使われたとされるアナグマの巣が発見され、入口は100か所以上、50以上の部屋に約1kmに渡る大規模な巣だったことが確認されています。
このことから地面にアナグマの巣をつくられてしまえば、地面の下、地下は空洞になってしまい、その土地の地盤は緩くなってしまうことがわかりますね。
この巣が建物の下に作られてしまえば、地震が起こってしまったときに、建物自体が崩れやすくなってしまうことから、地震が多い日本ではとくにこの被害が問題視とされることでしょう。
アナグマを駆除する前に知っておくべき注意点
前章で述べた被害にあわないためにはこまめなアナグマの駆除をおこなうことが効果的といえます。しかし、このアナグマの駆除、誰でも簡単に駆除をしてもいいわけではありません。
アナグマは環境省でも認められている「害獣」である反面、鳥獣保護管理法という法律で保護されている動物でもあります。
この鳥獣保護管理法とは簡単にいってしまえば野生の動物をむやみやたらに傷つけたり殺してはいけないというものです。これを破ってしまえば懲役1年以下、または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
アナグマは駆除できるけど許可が必要です
アナグマは法律で保護されてはいますが、その有害性から狩猟したい地域に狩猟に必要な条件を満たし、届出して受理されれば駆除することができます。
しかし、この狩猟条件のほとんどは各種必要な狩猟免許の所持が必須になってきます。こういった点から素人のアナグマ駆除は難しいといっていいでしょう。
安直に駆除をおこなうとトラブルの原因にもなります
2016年には高校生の少年がSNSに「アナグマを殺してやった」と投稿をし、アカウントが炎上、個人情報が特定されるという騒ぎが起きました。
炎上自体はネットモラルの話であるかもしれませんが、この少年本人が無許可捕獲にあたる鳥獣保護法違反なのではないかというような意見も上がりました。
害獣とはいえ、安直に駆除しようとすると、このようなトラブルの原因になってしまう恐れがあります。
アナグマの駆除どうすればいい?
前章ではアナグマ駆除の注意点についてお伝えしてきました。アナグマの駆除には狩猟免許が必要ですが、アナグマの被害が拡大していくなか、何とかしてアナグマ対策をしたいところです。
この章では狩猟免許がなくてもアナグマを撃退する方法をご紹介します。
〇柵を使った方法
農作物の被害がある方は、柵、特に電気柵で畑を囲うとよいでしょう。電気柵で痛い目をみると、次から近づいてくることが減るようです。
〇音や光を使った方法
また、音や光を出す装置で追い払うことも有効です。爆竹やロケット花火などを駆使してアナグマを追い払う装置を作られている農家もあるようです。ただし、アナグマ駆除のためとはいえ過激な追い払いは避けましょう。
〇その他の方法
番犬を飼うことも効果があります。特に地域ぐるみで取り組むことにより、その地域自体からアナグマが番犬たちを警戒して逃げ出すこともあるようです。
そしてやはり害獣ですから駆除をする、という手段も忘れてはいけません。アナグマの駆除にもっともよく使われる手段は罠の設置です。罠はインターネットなどで購入できるほか、害獣駆除業者に依頼することでも設置してくれます。
自分でする対策方法で心配な場合は業者へ
狩猟免許がなくてもおこなえるアナグマ撃退方法についてご紹介してきましたが、これらの対策をおこなっても必ずアナグマが近づかなくなるとは断言できません。
たしかに、対策方法をおこなえば一時的に数は減りますが、やめてしまった途端にアナグマが再び私たちの前に現れることもあります。
こういった懸念が残る場合は少し費用がかさむとしてもアナグマ駆除のプロに被害を相談してみる、頼んでみてはいかがでしょうか。
プロはこういった困ったアナグマトラブルを幾度も解決してきた経験があります。素人がおこなう対策よりも効果は見込めますし、アナグマ対策のアドバイスもいただけることでしょう。
まとめ
もともとは山など人気がなく、隠れられる場所が多いところに住んでいたアナグマも、山の開発などが原因で住む場所がなくなり、人が住んでいる生活地域まで、生息範囲を広げてきています。
そのせいなのか、アナグマを見る機会は地域によっては増えてきており、農作物を荒らす害獣として多くの人に認識されるようになりました。
もし、自分の近くでアナグマが現れて被害を及ぼしている場合は、安全な生活を守るためにも早めの駆除を心掛けましょう。
しかし、アナグマの駆除は鳥獣保護管理法により制限されており、素人ではなかなか駆除することが難しいことでしょう。そんなときはアナグマを駆除してくれる業者へ一度相談してみてください。
\ 完全無料 /
厳選した全国のアライグマ・イタチ・ハクビシン駆除業者を探せます!
×
関連記事カテゴリ一覧
アライグマ・イタチ・ハクビシン駆除の記事アクセスランキング
アライグマ・イタチ・ハクビシン駆除の最新記事
カテゴリ別記事⼀覧
- お庭の手入れ
- 害虫駆除
- 害獣駆除
- 電気工事
- 鍵開け・交換・修理
- 窓ガラス修理・ドアノブ修理
- 家の修理
- バッテリー上がり
- ハウスクリーニング
- ペット火葬・葬儀
- 家電修理
- パソコン修理・ネット回線
- 家具・雑貨の修理
- 外壁・屋根工事
- リフォーム
- 防犯カメラ設置
- 盗聴器・その他調査診断
- 便利屋・代行サービス
- 引越し・配送サービス
- オフィス・店舗向けサービス
- その他