小さな花が集まって上品に咲く藤の花。「せっかくなら美しい藤の花をたくさん咲かせたい」と、剪定やお手入れにこだわっている方も多いでしょう。
藤は、夏と冬に2回の剪定を適切におこなうことが重要です。夏や冬におこなう剪定には、花芽を多くつけたり翌年の藤を美しい形で育つように整えたりする目的があります。
逆に、剪定時期や方法を間違えてしまうと、花が咲かなかったり樹形が崩れたりするおそれがあります。当記事で正しい剪定方法や普段の育て方をご紹介しますので、美しい藤の花を楽しむためにぜひお役立てください。
藤の剪定は樹木のなかでも手間がかかる部類なので、何度も剪定して少しずつコツをつかんでいきましょう。そのため、以下に当てはまる方は思い切ってプロに任せてしまったほうがよいかもしれません。
- 夏や冬、厳しい気候のなかで剪定するのは体力的に大変
- 剪定のためにまとまった時間をとることが難しい
- 藤をもっとおしゃれに仕立てたい
プロの手を借りることで、お手入れにかかる負担や時間を軽減しながら、より美しく藤を育てていくことができます。
目次
藤の剪定のまえに!知っておきたい3つのポイント
藤の剪定を実際におこなうまえに、それぞれ剪定の目的の違いを知っておくことをおすすめします。知らないうちに花芽を切ってしまい「予想より花が咲かなかった……。」このような失敗が起こりかねないからです。
また、藤を育てるうえで気になるのがつるのあつかいではないでしょうか。放置したほうがいいのか切ってしまっていいのか悩んでしまう方も多いと思います。ここでは、藤の剪定時期やそれぞれの目的の違い、つるのあつかい方について紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
もしも、「今すぐ藤の具体的な剪定方法が知りたい」という方は、「夏の季節におこなう剪定方法」「冬の季節におこなう剪定方法」にてイラスト付きで解説していますので、そちらをご覧ください。
ポイント【1】剪定時期は2つある
以下では夏と冬それぞれの剪定の目的、間違えやすい花芽や葉芽の違いを紹介しています。剪定する際に戸惑ってしまうことがないようよく読んでおいてください。
夏に剪定する目的
夏の藤を剪定は、樹木全体の基本的な形をつくることや、花芽をよりつきやすくさせるためにおこなうという目的があります。無造作に時期を気にせずに剪定をおこなうと、せっかくの花芽までも切ってしまうので注意しましょう。
おすすめの時期は、藤の花が4月~5月に美しいむらさき色の花をつけたあとの、7月頃におこなうのがベストです。伸びてきて目立つ枝や絡んでいるつるを切りすぎることなく適度に切っていくとよいでしょう。その後、夏の剪定の調整として9月あたりにもう一度枝木の状態を確認します。7月頃に切った部分から伸びたつるや不要な枝を短く整えていきます。
冬に剪定する目的
冬場の藤の剪定の目的は、木のバランスを整えるためのメンテナンスです。伸びている枝をまとめて切っていく場合によい時期といえるでしょう。
冬場におこなう藤の剪定は目安として、藤の葉が落ちてからおこなうのがおすすめです。冬場の剪定の時期としては、紅葉の季節である11月からまだまだ肌寒い3月頃までが対象時期とされています。
夏場よりも剪定で多くの枝を切るため、花芽と葉芽をまちがわないように切っていくことがとても大切です。
丸みを帯びており、全体的にふっくらとした印象です。昨年に咲いた花の元(短く太めの枝)につきやすいのが特徴的で、よく成長したつるの根元にはあまりつきません。
芽の全体が細く尖っています。日光があたりづらい場所によくつき、花芽と違い、よく成長したつるの根元に多くつくのが特徴的です。葉芽は生長したのち、葉から枝へと成長します。
花芽と葉芽についてここまで解説してきました。簡単に見分けがつけばいいのですが、品種によっては見分けがつきにくい種類もあります。見た目の違いでも「どちらかというと細いかな……?」「ふっくらしているかな……?」という目安程度にしかならないこともあるのです。
そのため絶対に花を多く咲かせたい、確実に花芽を多く残しておきたいという方は、剪定業者への依頼を検討するのもひとつの手段になります。プロではない私たちでは、花芽と葉芽をミスなく確実に見分けることはむずかしいため、万全を期すという意味ではおすすめの方法です。
ポイント【2】つるは放置していいの?
藤を育てるうえで多くの方が夏の剪定でも軽く触れましたが、基本的につるをそのまま放置することはありません。つるが伸び続けてしまえば、つるに樹木の栄養が集中してしまい葉が生い茂ってしまいます。
そのため、本来あたるはずだった日光を葉が遮ってしまい、花芽がつきにくくなってしまうのです。もちろん剪定のしすぎはよくありませんが、適度に剪定してあげる必要があります。
ポイント【3】剪定には必要な道具がある
剪定には必要な道具がありますので簡単にご紹介していきます。作業前に確認しておきましょう。
剪定作業では水や土に触れる機会も多くあります。ゴム手袋は手が汚れることを防ぐだけでなく、作業後もすぐに洗うことができるので後処理も非常に楽です。また、剪定バサミなどを使う際の滑り止めにもなり、道具を誤って落とすリスクを減らすことにもつながります。
小枝が生えているような、少し太い枝など切り落とす際に便利なのが剪定バサミです。グリップにバネがついていることで、刃が自動で開いて作業はとても楽におこなえます。切れ味もよいため、一度に多くの枝を切りたいときにも重宝します。
柄の部分が収縮できるのが特徴的です。脚立でも足りない高さの枝でも高枝剪定バサミを使えば楽に切り落とすことができます。
自分より背の高い藤を育てたいときに脚立が必要になりますが、注意してほしいのが脚立の足の数です。脚立といえば4脚のものが安定感が強く使いやすいイメージがありますよね。
じつは、庭木の剪定作業では3脚のものが多く使われています。これは、凹凸のある地面では、4脚では安定することができず、左右の揺れに非常に弱いことが理由です。一方、3脚の脚立は左右の揺れに強く、グラついた際や凹凸のある場所であっても安定感を保ちやすいとされています。そのため、剪定の際に脚立を使う場合は、3脚のものを使うとよいでしょう。
夏の季節におこなう剪定方法
夏は2度の剪定をおこないます。枝木の状態を確認して剪定をおこないましょう。
・7月頃におこなう夏の剪定
つるをそのまま放置すると風通しが悪くなることや日当たりが悪くなってしまいます。そこで剪定をおこないますが、全て切るのではなく伸びたつるを60センチ程度残して切り落とします。このとき、ひこばえ(地面や幹から伸びたつる)があれば元から切って構いません。
・9月頃におこなう夏の剪定
9月におこなう剪定も7月同様、ひこばえが生えていれば根元から切り落とします。7月に剪定した部分から成長して伸びたつるを20センチ程度残し、葉のうえあたりで切ってください。
冬の季節におこなう剪定方法
冬の剪定では樹形を整えるために多くの枝を切るため、花芽と葉芽をまちがわないように切っていくことが大切です。夏の時期よりも花芽と葉芽の区別はつきやすくなっていますが、自信がない場合はあまり大胆な剪定は避けたほうがよいかもしれません。
- 枯れて変色している枝やひこばえがあれば根元から切り落としてください。
- 枝を増やす予定が特別なければ、太く勢いよく伸びたつるは根元から切り落とします。このような枝は、花芽がつきにくくなるためです。
- 藤の花が咲くと長く下に垂れ下がります。これをふまえて花と花が重なり合わないように枝の間隔を切りましょう。
- 混みあった枝木をすくように切っていきます。このとき短花枝が真下や真上に伸びていれば根元から切り落としてください。
- 花芽の数を調整しましょう。藤は40センチほどの花をひとつの花芽から咲かせます。そのため、多くの花を咲かせてしまうと枝の形が崩れたり見た目も悪くなったりしてしまうのです。目安として1本の枝に対して5個程度残して切りとります。
毎年花を咲かせるためのお手入れの仕方
藤の花を毎年咲かせるには適切な管理をおこなう必要があります。きちんと管理していくために、藤を育てるための大切な5つのポイントをおさえておきましょう。毎年美しい花を楽しむことができますよ。
【1】水やり
夏:朝か夕方のどちらかに1水やりをおこないましょう。
春・秋:1~2日程度に1度、水やりをおこないます。
冬:乾燥したら定期的に水やりしてください。
基本的に水やりは必要ありません。ただし、夏季で高温の日が続くようであれば朝・夕方どちらかに十分に水をあげてください。
【2】肥料
落葉期といわれる12月~2月に有機質肥料を株元に施します。この時期に肥料を与えることで花芽をつきやすくすることが可能なのです。
肥料はホームセンターなどで購入することができますが、その際はリン酸やカリウムを多く含むものを選びましょう。リン酸やカリウムが少なく窒素分に偏りがあるような肥料であれば、花つきが悪く葉ばかりが増えてしまうことがあるためです。
【3】害虫や病気への対策
・こぶ病には要注意
藤を育てるうえで気をつけたいのが梅雨の時期~夏にかかりやすいこぶ病になります。こぶ病は枝木や幹に発症し、名前のとおりできたこぶが、段々と肥大化していく病気です。
古くなったこぶは裂けて割れたり、中が腐敗して空洞になったりしてしまいます。そのまま放置するのは藤の健康を損なってしまいますので、こぶを見つけ次第削りとってしまうのがベストな対策方法です。また、切り口には殺菌作用がある癒合剤を塗布しておいてください。こうすることで、新たな細菌の発生を防ぐことができます。
・春と夏の害虫対策
藤につく代表的な害虫は、フジノキクイムシ・ハマキムシ・コガネムシの3種類になりますので順を追って解説します。まず、フジノキクイムシは藤の幹に穴を開けてしまい食害を起こす害虫です。
次にハマキムシやコガネムシですが、両方とも新芽や根を食べ、藤自体を枯れさせてしまうおそれもある害虫です。これらの害虫は、発見次第すぐに殺虫剤で駆除することで対策可能です。できれば、こまめに害虫がついていないかチェックしておくと安心です。
【4】5~6月は花がら摘み
花の時期が過ぎれば花がら(咲き終わってしおれた花)をとっていきましょう。藤は実をつくることに多くの栄養を必要とします。このとき花がらが残っていると、そちらに栄養をとられてしまい、結果的に花つきが悪くなってしまうのです。
藤の葉まで一緒に切ってしまわないように、先端の芽から2センチ程度先を切るとよいでしょう。翌年の花芽になるになるのがこのとき残した短花枝となります。
【5】剪定をやりすぎない
藤を剪定するときの一番の注意点として、花芽のあつかいがあげられるでしょう。新しく生えた藤の花芽は、性質として枝の付け根に近い部分に発芽する傾向があります。
そのため夏に伸びる枝やつるを切りすぎるなど、花芽の発芽があるのに気づかずに剪定してしまうおそれもあるのです。とはいえ剪定をやらないわけにはいかないので、調整はむずかしいですが、少しずつ剪定をしていくことが大切になります。
代表的な藤の品種を紹介
ここでは代表的な藤の品種を簡単にご紹介しています。また、藤の仕立て方についてもあわせて解説していますので参考にしてみてください。
九尺藤・本紅藤・一寸藤
・九尺藤
九尺藤とは花房をとても長く成長させることができる品種のひとつです。うまく育てることができれば2メートル程度に花房を成長させることが可能です。
・本紅藤
花の色が濃いピンク色と独特の美しさがあります。一般的な品種よりも少し遅咲きの品種になります。
・一寸藤
盆栽や鉢植えでも育てやすいのがこの一寸藤です。花房の長さも大きくて40センチ程度となりますのでコンパクトに楽しめる藤でしょう。
立木仕立て・棚仕立てとは
・棚仕立て
用意した棚(格子状や並列状に天板をつくったもの)に藤を這わせます。観賞用として利用されることの多い棚仕立ては、すだれのように下がる藤の花が大変美しく魅力的です。
・立木仕立て
もっとも一般的な藤の仕立てになります。立てた支柱にそって主幹を伸ばし、先端から花をつけさせる方法です。
自分での剪定がむずかしいときは
これまで藤の剪定についてポイントをふまえて見てきました。樹木のなかでも手間のかかる部類だなと感じた方もいらっしゃるかもしれません。藤は形状なども一般の樹木や植物とことなり、枝が上に伸びやすく、つる状になっている性質などがあります。
そのまま自然放置しておくとどんどん枝も増えてしまうため、美しい花をベストな状態で見ていたいと考えるなら手入れは必須になります。
また、藤の剪定では、枝にある花芽の区別やベストな剪定時期を守るなどの重要なポイントもあります。場合によっては脚立を使う高所での作業もしいられるため、自力での剪定は楽な作業ではないでしょう。
普段から趣味に時間を割くことがむずかしい人などは、剪定をしている時間もないかもしれません。「自分での剪定がむずかしい……」「少しでも楽をして藤を育てたい……」そんなときは、業者依頼を検討するのもよいでしょう。剪定業者に任せることによって剪定にかかる手間や負担を大幅に減らせるのではないでしょうか。
まとめ
今回は藤の剪定について特徴やポイントなどをお伝えしてきました。藤は春に美しいむらさきの花をつけて、見る人を豊かな気持ちにしてくれる日本の伝統的な樹木です。
剪定も時期によって役割があり、いずれも美しい花となる花芽をきちんと花開かせることが目的です。藤の特徴であるどんどん伸びる長い枝は、きちんと剪定して手入れしてあげる必要があるでしょう。もしもそのまま放置してしまうと、日光や風通しを悪くして花を咲かせないだけでなく、病気や害虫までも呼び寄せてしまうことが考えられます。
藤を健康に美しく育てるためにはこまめな手入れも必要となってくるでしょう。とはいえ自分だけでおこなう剪定作業は決して楽なものではありません。剪定には適切な時期を見極めるほか、枝についた花芽の区別や高所での作業などの危険もつきものです。
決して無理をせず剪定業者に任せてしまうのもおすすめの方法です。自分で剪定をおこなわない場合には作業や状況になれた剪定業者にお願いするのがよいでしょう。藤の剪定によくなれた、剪定業者に任せれば負担や危険を大きく減らせるためおすすめです。
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