草刈りには高刈りという方法がある!高い位置の雑草に効果的な方法

2021.4.30

草刈りには高刈りという方法がある!高い位置の雑草に効果的な方法

「あぜ道で定期的に草刈りをおこなっているのに、害虫が減らない……」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。その場合、草刈りの方法が適切ではないおそれがあります。

あぜ道での草刈りは通常の方法とは違い、高い位置で草を刈る「高刈り」をおこなうのが有効です。草刈り方法を高刈りにすることで、害虫が発生する原因となるイネ科雑草を抑えることができるからです。

ここでは、高刈りについて詳しくご説明していきます。雑草にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

イネ科雑草に効果的な「高刈り」とは?

草刈りを高刈りでおこなう主なメリットは、イネ科雑草を抑えることができる点です。ここでは、高刈りがイネ科雑草を抑える理由や高刈りの方法を見ていきましょう。

高刈りがイネ科植物を抑えることができる理由

なぜ高刈りをおこなうことで、イネ科雑草を抑制することができるかといいますと、「生長点の位置」が関係しています。生長点とは、茎や根にある植物が生長するための組織のことです。植物は生長点を刈り取ってしまうと枯れてしまいます。
草刈りを高刈りでおこなうとイネ科雑草が抑えられる!その理由と方法
イネ科雑草の生長点は低く、地面と接する位置にあります。一方、あぜ道に発生するほかの広葉雑草の生長点は高い位置にあります。

そのため、通常の草刈りをおこなうとき、広葉雑草の場合は生長点の下、イネ科雑草の場合は生長点よりも上で刈ることになります。つまり、広葉雑草のみ生長点が取り除かれるのです。その結果、あぜ道に生える広葉雑草は枯れ、イネ科雑草だけが残るのです。

一方、高刈りでは高い位置で刈ることにより、生長点の上で切ることになるので、広葉雑草が枯れるのを防ぎます。広葉雑草が枯れるのを防ぐことで、葉が覆いかぶさってイネ科雑草に当たる日光が減るので、成長を抑制することができるのです。

高刈りの方法

高刈りの方法は、根元から10cm~15cmの位置で雑草を刈ることです。高刈りは雑草を刈る位置が重要なので、草を刈る位置さえ気をつければ、あとは通常の草刈りの方法と同じ手順でおこなえばよいです。

ちなみに、草を刈る頻度も変えなくてよいでしょう。「10~15cmのところで切ったら草刈りの頻度が上がるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、高刈りをおこなった場合と根元から草を刈った場合では、1か月後の雑草の背丈は同じといわれているのです。そのため、高刈りでも同じ頻度で草刈りをおこなえばよいのです。

高刈りのポイントは水田の害虫予防にもなる

イネ科雑草を抑えることで、水田に現れる害虫であるカメムシを抑えることができます。なぜなら、カメムシはイネ科雑草を好むからです。
あぜ道の草刈りで水田の虫を予防できることも
カメムシが発生すると、米の汁を吸って黒い斑点がある「斑点米」ができる原因になります。そうなると、せっかく生産したお米の品質が下がってしまい、売れなくなってしまうおそれがあります。そのため、イネ科雑草の増加を抑えることでカメムシが減り、斑点米の発生を抑制することができるのです。

また、草刈りを低い位置でおこなうと生き物が住む場所がなくなります。しかし、草刈りの際に高刈りでおこなえば、クモやカエルといった、カメムシを食料とする天敵の棲み処を守ることにもつながるのです。

高刈りで草刈りすることのメリット

草刈りを高刈りでおこなうメリットは、イネ科雑草を抑制して害虫の発生を抑えるだけではありません。ここからは、イネ科雑草の抑制以外の、高刈りのメリットを3つお伝えしていきます。

効率的に雑草駆除をおこなえる

ひとつ目のメリットは、作業効率が上がることです。草のやわらかい部分を刈るので、短時間で刈ることができるのです。

また、柔らかい部分を切ることで、草刈り機の刃が消耗しにくくなります。やわらかい部分を切ることで、刃のダメージが少ないのです。そのため、刃が消耗しにくく、メンテナンスの頻度を抑えることができます。

ケガをするリスクが減る

みっつ目のメリットは、ケガをするリスクが減ることです。通常の草刈りの方法では、低い位置で刈り取るので、地面にある障害物に当たることが考えられます。石などの硬いものに当たると草刈り機が強く跳ね返り、転倒して体に刃が当たるなど大けがにつながってしまうこともあるのです。その点、高刈りでは障害物に当たる心配がなく、安全に草を刈ることが可能です。
イネ科雑草の抑制だけじゃない!草刈りを高刈りですることのメリット
このように高刈りには、さまざまなメリットがあるので、試してみることをおすすめします。

環境によっては高刈りの効果がない!?

ここまで草刈りを高刈りでおこなうメリットをご紹介してきましたが、高刈りはすでにイネ科雑草ばかり生えている場所では効果がありません。広葉雑草を生やすことでイネ科植物の増加を抑制しているので、広葉雑草がない場合はイネ科雑草を抑えるものがないからです。そのため、広葉雑草が生えているときに高刈りをおこなうようにしましょう。

また、高刈りでは雑草を駆除できるわけではありません。高刈りでは、雑草の生長点を取り除くことができないからです。

そのため、「田んぼ周辺の景観が悪いので、雑草を除去したい」という方は、高刈りは不向きです。あくまでも、高刈りは稲を育てるうえでの害虫予防をおこなうための方法だと考えましょう。

もし、「イネ科雑草ばかり生えている」「自宅の雑草の駆除方法がわからない」という方は、業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼することで、豊富な知識を持ったスタッフに最適な方法で作業をおこなってもらうことができます。自分での雑草駆除が大変な方は、ぜひ業者へ依頼してみてください。

まとめ

草刈りを高刈りでおこなうことで、イネ科雑草の増加を抑制することができます。その結果、斑点米の原因となるカメムシを減らすことができるのです。

このほかにも高刈りのメリットとして、作業効率が上がることや刃の消耗を防ぐこと、ケガをするリスクを減らせることがあります。このようにあぜ道に生える雑草に高刈りをおこなうことは、たくさんのメリットがあるのです。

ただ、高刈りは、イネ科雑草ばかりが生えている環境では駆除することができません。また、田んぼの見た目をよくするために草刈りをおこないたい方も高刈りには向いていません。そのため、イネ科ばかり生えている環境では、ほかの方法で雑草の除去をおこなうことをおすすめします。

もし、「どの方法で雑草を駆除したらよいかわからない」「自分で雑草を駆除できるか不安」という方がいれば、業者に依頼することも選択肢のひとつです。自分での雑草駆除が大変な方は、業者への依頼も検討してみてはいかがでしょうか。


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