地面の素材として人気な砂利。これから新築物件を建てる方や、駐車場をつくろうとしている方の中には、砂利を使おうと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな砂利ですが、じつは『駐車場の地面には適していない』ケースもあることをご存じでしょうか。この特徴を知らずに施工してしまうと、思っていたイメージと違う結果になってしまうこともあるかもしれません。駐車場の施工の前に、砂利の特徴についてしっかり知っておきましょう。
この記事では駐車場の砂利の特徴や、デメリットをおぎなう方法も合わせてご紹介しています。駐車場に使う素材でお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次
駐車場には『砂利』?『コンクリート』?特徴を比較します
駐車場に敷く砂利には、見た目がきれいであること以外にもさまざまな特徴があることをご存じでしょうか。その特徴の中には、メリットはもちろんデメリットも存在します。もうひとつの代表的な駐車場資材、コンクリートと比較して、それぞれの特徴をしっかり知っておきましょう。
施工価格・手間
設置・施工にかかる費用は、業者に依頼するかにかかわらず砂利の方がコンクリートより明らかに安いといえます。また、施工にかかる時間や手間もそれほどではなく、慣れていれば自分でも可能な作業といえるでしょう。
逆にコンクリートは施工の手間がかかる分、費用も少々高くなっています。自分でおこなうのも少々難しく、その施工を依頼しても砂利に比べて約2~3倍、またはそれ以上の金額がかかってしまうこともあるのです。
運用・撤去のスムーズさ
駐車場砂利のメリットは、何といってもその手軽さです。コンクリートが施工から実際に車を乗り入れられるまで数週間かかる(これを養生期間といいます)のに対し、砂利は施工が完了したらスムーズに運用開始できます。
また、撤去したくなったときの容易さも大きな魅力です。砂利は撤去時の作業もそれほど難易度が高くなく、業者に依頼した場合も比較的安い費用で施工してもらえます。対してコンクリートの場合、10万円を超えるような高額の撤去費用がかかることもあるのです。
防犯性能
平らなコンクリートとは違い、砂利の場合は上を歩くと「ザッザッ」や「ジャリジャリ」などといった音が出ます。この音があれば、侵入者などの足音を把握しやすくなるでしょう。
車上荒らしなどの不審者対策としては、非常に効果のあるメリットといえます。
車体の安全性
砂利の大きなデメリットとして、『車が少々傷つきやすい』という点が挙げられます。これは砂利を形成する材料が大きな原因です。
砂利の場合、タイヤのみぞに石がはまりやすく、跳ね上がってしまえば車にあたってしまうことも。また、泥も発生しやすいため汚れも付きやすいでしょう。コンクリートの場合はそのような心配が少ないため、比較的安心して利用することができます。
清掃・管理
砂利は地面が平らではないため、ごみや落ち葉などの掃除が少々しにくいと感じるかもしれません。コンクリートの場合はさっと掃いたり水で流したりできるのに対して、砂利の場合は石のみぞなどに入り込んでしまうためなかなか大変な作業となるでしょう。
また、コンクリートにはないデメリットとして、雑草が生えやすい、というものがあります。砂利は日光をさえぎるため防草効果はもちろんあるのですが、土の上に置いている以上、どうしても少しずつは草が生えてきてしまうでしょう
また、一般家庭ではあまり利用されませんが、駐車場建材の中には『アスファルト』というものもあります。詳しくはアスファルトとコンクリートを比較してご紹介している記事「駐車場に使うコンクリートの費用とアスファルトの費用を徹底比較!」 もぜひ参考にしてください。
丸い砂利駐車場に適していない?『砕石』がよい理由とは
ここまでは砂利の特徴を解説してきましたが、駐車場に砂利を敷いていくにおいて、前提として知っておかなければならないことがもうひとつあります。それは、『粒のそろった丸砂利は駐車場に適さない』、という点です。
駐車場に粒のそろった丸い砂利を敷いてしまうと、地盤の安定度が低くなってしまいます。なぜなら、丸いものを利用すると砂利同士や土がうまくかみ合わず、地面が固まらなくなってしまうからです。
地面の固まっていない駐車場だとタイヤが沈んでしまったり、走行時にすべってしまったりすることも。駐車場としての安定性をかんがみても、形のそろったきれいな砂利はあまり適していません。
駐車場に適した石材を挙げるのであれば、『砕石』が当てはまるでしょう。ここでは砕石について、詳しく解説していきます。
『砕石』
砕石は、石を加工してつくられた資材です。一般的な砂利と似た扱いを受けることも多い砕石ですが、実際はまったく違う種類といえます。
均一な大きさかつ、丸い形状の石が多い のが一般的な砂利。対して砕石は石を人工的に砕いたものであるため、大きく角ばっているものから、細かい砂のような破片までさまざまな石が混入しています。
石が不ぞろいなぶん、砂利よりも小さな石がタイヤのみぞに挟まりやすく、弾き飛ばされやすい、というデメリットもたしかにあります。しかし砕石はそのデメリットをもおぎなう、駐車場にとって重要な要素を持っているのです。
その要素とは『地面の安定性』です。
皆さんは石垣の積み方を知っているでしょうか。表面だけみると整えられた石が並べられているように見えますが、その内側は意外といびつ。そこに細かい石が埋められ、石同士をかみ合わせることで崩壊しにくくなっています。
砕石もそのいびつさにより、石や砂同士が砂利よりもしっかりとかみ合わされているのです。すると地面全体が固められ、地盤の強度が上がります。砂利の場合は安定しなかった車体も、地面の強度がしっかりすることによってしっかり安定するでしょう。
砕石は砂利よりもデザイン性こそ劣りますが、価格が安く導入しやすい素材となっています。以上の理由から、駐車場に使うのであれば砂利ではなく砕石が適しているといえるでしょう。
すぐに使える!おすすめ砕石商品
砕石はそれほど高価ではないため、比較的気軽に購入することができます。自分の理想の駐車場に合わせて、好みの砕石を選びましょう。
■NXstyle 雑草抑制 タイヤにやさしい 駐車場のジャリ
駐車場の砂利と名の付くように、駐車場に敷くことを前提として扱いやすく開発された商品です。比較的砂利に近く、デザイン性も高くなっています。一粒が大粒でタイヤに挟まりにくく、かつ飛びにくいというメリットがあり、駐車場に敷く砂利として非常にありがたいといえるでしょう。
■砕石 クラッシャーラン30 20kg袋売り
このクラッシャーランは駐車場にも活用できる、有用な砕石です。石のサイズのばらつきがあることにより、しっかりかみ合って固めることができますよ。
■青砕石 20-30mm 20kg
粒の大きい、駐車場向きの砕石です。20mm以上の大きさがあるためタイヤに挟まりにくく、安定感があります。やや青みがかったその見た目には風情があり、駐車場全体の景観を向上させてくれるでしょう。同シリーズには白砕石などもあるため、興味のある方はあわせてご検討ください。
駐車場の砂利・砕石敷きに必須の知識!『転圧』・『防草』
駐車場に砂利や砕石を自分で設置する際、やっておかなければならないことがあります。それが、この『転圧』と『防草』の作業です。下記で詳しく解説していきましょう。
転圧
転圧とは、土そのものや敷いた直後の砂利・砕石に圧力をかけることによって、地盤をしっかり固める作業のことをいいます。いわゆる、整地です。
砂利は角が丸いものが多く、転圧してもなかなか固まりませんが、砕石の場合はしっかりと固まって強固な地盤となってくれます。地盤の安定感に大きくかかわる大切な作業なので、砂利や砕石を敷いた際には必ずやっておきましょう。
〇転圧作業
転圧作業には、基本的に転圧機と呼ばれる機械が必要です。この転圧機には、ひたすら手動で押し固めていくものやローラー式のもの、電動で動くものなど、さまざまな種類があります。転圧の際はどうしても砂や細かい石が舞ってしまうため、事前に軽く散水をしておくとよいでしょう。
また当然ではありますが、利便性に合わせて費用も上がっていきます。とくに電動のものは利便性が高いぶん、購入費用は約5万円~とやや高額です。
安く、効果的な転圧をしておきたい、と思っている方には、『レンタル』という方法もおすすめです。レンタルであれば、電動のものでも1日数千円で借りることができますよ。
〇転圧作業は意外と大変
転圧は広い駐車場をひたすら踏み固める必要があるため、かなりの重労働となります。また、転圧機も重めの機械となるため、使い慣れていないと扱いが難しいかもしれません。
かといって、転圧をしなければ駐車場としての安定感が損なわれてしまいます。砂利・砕石敷きの作業に不安のある方は、プロの業者に依頼して施工してもらうと安心ですね。
防草
前述したように、砂利や砕石には防草効果があるものの、どうしても『雑草』は生えてきてしまうことが多いでしょう。なぜなら、砂利や砕石は完全に地面をおおい隠せるわけではないためです。
長く使っていると砂利や砕石が減ってきたり、タイヤの通る部分だけへこんできたりすることもあります。そうなると、できたすき間から雑草が生えてしまうことにつながります。
すき間から雑草が生えると、処理が非常に面倒です。対策のためにも、防草シートなどを敷いて雑草の生えない環境をつくりましょう。
〇防草シート
防草シートとは、地面に敷くことで日光をさえぎり、雑草の成長をおさえるものです。もともと防草効果のある砂利や砕石とあわせて使用すれば、かなりの防草効果が見込めるようになります。
この防草シートを選ぶときは、駐車場での使用に適したものを購入するようにしましょう。
とはいえ、砂利・砕石や防草シートも使用年月が増えるにつれどうしても劣化してきます。雑草などがどうしても気になる方は、一度砂利・砕石の敷き替えや防草シートの張り替えなどを検討してみましょう。
コンクリートと砂利の併用もできる!?駐車場の工夫・アイデア
「デザインがすきだから駐車場に砂利を敷きたいけど、デメリットが気になる……」
「砕石よりも、できれば砂利がいい!」
そんなお悩みも、アイデア次第で解決できます。駐車場の工夫やアイデアを知って、より駐車場デザインを楽しみましょう。
コンクリートと砂利を併用してデメリットを補う!
どうしても砂利を使いたい方は、『コンクリート+砂利の駐車場』を検討してみてはいかがでしょうか。この併用駐車場は、お互いのデメリットをおぎなうことができる近年人気の駐車場です。
これは地面には砂利を敷いておき、車のタイヤが通る部分のみをコンクリートで施工する、というものになります。これにより、『砂利の安定感のなさ』と『コンクリートの施工費用の高さ』というデメリットを補うことができます。
転がってしまいやすい丸砂利は一方でデザイン性も高く、駐車場をきれいに見せてくれるため、興味のある方はぜひご検討ください。
砂利との併用はコンクリート以外にも!好みの景観を選ぼう
砂利と併用して使える資材は、コンクリートだけではありません。駐車場の景観をより自分好みにするなら、それ以外の資材もあわせて使ってみましょう。
〇枕木
駐車する場所に枕木を設置しても、コンクリートを敷くことと同じ効果が得られます。この部分に枕木を利用することで、コンクリートとは真逆のあたたかい植物の雰囲気を出すことができるでしょう。
合わせて砂利の色や形状も替えるとさらに見栄えがよくなります。自分の好みに合わせて、いろいろデザインしてみましょう。
〇石
高級感や厳格さのある石の駐車スペースは、強度が高く安定感があります。とくに天然石などは非常に人気があり、砂利との併用にも適しているといえます。
少々高価ですが、高級感のある見た目に仕上げるならこの天然石もおすすめですよ。
〇レンガ
レンガはさまざまな用途で人気のある資材です。砂利との併用にももちろんあっており、独特の雰囲気を持った駐車場になってくれます。
またこれはすべての資材にいえますが、砂利と併用資材の配分は一定ではありません。好みに合わせて、例えばレンガメインの駐車場を改造、またはすき間などに砂利を敷くなど、多種多様な楽しみ方があります。自分の理想に合わせて施工したり、業者の方と相談しましょう。
砂利の飛散防止グッズ
砂利の下に設置することで、飛散や安定感を改善してくれるグッズがあります。完全におぎなうとまではいきませんが、大きなデメリットをかなり軽減してくれるすぐれものです。設置も難しくないため、興味のある方はぜひ参考にしてください。
■四国化成 砂利パーキング~砂利の散乱を防止する砂利舗装路~ 2平米分 8枚入りJRP
駐車場に設置し、その上から砂利・砕石を敷くことで効果を発揮する飛散防止グッズです。設置も非常にカンタンで、砂利や砕石の飛散を抑えてくれます。またタイヤなどによるわだちやへこみも軽減してくれるため、景観の維持にも役立つでしょう。
■かんたん固まるくんスーパー 1kgセット
駐車場の砂利にスプレーするだけでズレを防止する、便利な一品です。地盤の不安定な砂利もしっかり固めてくれるため、不要な砂利の飛散などを防いでくれます。初心者でも対策しやすいため、気軽に試せる商品といえるでしょう。
まとめ
駐車場の砂利や砕石は、防犯効果や設置のしやすさなど、さまざまな面から車を支えてくれます。とくに砕石は駐車場として大切な地盤の安定感をしっかり持っているため、単純に駐車場の石材として使うのであればこの砕石がおすすめです。
砂利や砕石の設置費用がコンクリートよりも安いことは、やはり非常に魅力的ですよね。また、いざというときは撤去も簡単にできることから、施工のハードルも低いのではないでしょうか。
とはいえ車に影響をおよぼしやすかったり、コンクリートに比べてやや強度が低かったりと、デメリットはどうしても発生してしまいます。コンクリートの駐車場とも比較し、どちらが自分の理想にあうかじっくり考えてみましょう。
駐車場の砂利敷きは、難易度自体はDIYでも可能なレベルです。しかし少々広めの駐車場ともなるとかなりの時間と労力がかかってしまいます。時間や体力に不安があるのであれば、プロの業者に砂利敷きを依頼しましょう。プロの技術で施工してもらえば、よりしっかりとした駐車場に仕上げてくれますよ。
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