アスファルトは熱で溶ける?海外での事例と今の日本のアスファルト事情

2021.4.30

アスファルトは熱で溶ける?海外での事例と今の日本のアスファルト事情

私たちの生活に欠かせないものの一つが、道路などを便利に安全にしてくれる舗装技術です。通行しやすい道路にするため表面整備するだけでなく、道路にさまざまな機能を持たせてくれています。

その舗装で一番使用されているのがアスファルトではないでしょうか。しかしアスファルトは、暑い日には溶けるといったことを聞いたことがある方も少なくありません。では、なせそういった事故が起きていたのか、原因と現在のアスファルトの安全性について詳しくご紹介していきます。

アスファルトが真夏に溶けた…一昔前のアスファルトとは

昔のアスファルト舗装は現在のアスファルト舗装と工法や構造が違うため、真夏に溶けていたこともあるようです。 

日本でアスファルトによる道路舗装が始まったのは、自動車が普及し始めた明治末年の頃と言われています。しかし、このときはあくまで試験的なものにすぎず、本格的にアスファルト舗装が行われ始めたのは大正に入ってからと言われています。

大正6年に京浜国道で、また12年には明治神宮外苑で舗装の工事が始まったのです。都心でのアスファルト舗装は大正12年の関東大震災以後盛んとなっていきますが、工事費がかかってしまう問題がありました。この問題を解決するために、昭和初期に「簡易舗装」が考案されたと言われています。

簡易舗装は交通量の少ない道路を舗装する工法でした。この工法を利用すると工事費を安くすることができ、当初6つほど方法がありました。この方法の中でも道路の舗装にアスファルト乳剤を使用する方法が普及していきました。
アスファルト乳剤は、アスファルトを溶かして特殊な乳化剤と混ぜて作っていきます。これをならした砂利などの上に撒いて表面を固めていく方法でした。

ただし、砂利との隙間を埋めるためには多量のアスファルトが必要でした。そのため、夏の猛暑のときには溶けてしまい、表面がベタベタになるという欠点があったのです。この欠点を防ぐために撒く乳剤を減らしてしまうと、冬には道路にひび割れができてしまうため、夏のベタベタは我慢しなければなりませんでした。

こういった欠点があったにもかかわらず、費用はかなり安価であったために、この方法は戦後になってもしばらくの間普及していきました。そのため夏はアスファルトが溶けるというイメージがあるのかもしれません。
      アスファルトが真夏に溶けた…一昔前のアスファルトとは

現在のアスファルトは熱で溶けない!違いについて

現在のアスファルトとは昔と工法と構造が違うため、夏にアスファルトが溶けることはないのです。一番大きいのは簡易舗装の方法が変わったことです。あらかじめ砂利とアスファルトを混ぜておき、これを道路に敷いてローラーなどで押し固める方法になりました。

この方法に変わったことで、アスファルトの使用量は昔に比べて大幅に減りました。さらにアスファルトの質自体が向上したこともあり、アスファルト自体が溶けにくくなり、現在はアスファルトが溶けるということはないようです。

現在のアスファルトの溶解温度はどれぐらい?海外での事故

現在のアスファルトが溶けることはほとんどありません。その溶解温度は摂氏140度~160度と言われているため、真夏でも温度がそこまで上がることはないようです。しかし海外では、アスファルトが溶け出して事故につながったことがあります。

2010年7月は中国各地で記録的な猛暑が襲っていました。そんな中、北京市では40度以上の高温が観測された日もありました。その日の路面道路は60度を超えてしまったと言われています。
こういった猛暑が続き、ついに河南省鄭州では道路のアスファルトが溶けだしていまい、車にからみついてしまい大渋滞を引き起こしたという事故が発生してしまいました。

また、同じ時期のインドでは道路が溶けだし、まるで道路が人を飲み込んでしまうような状況になりました。道路の表面が溶けて靴底に瞬間的に接着し、転んでしまったり動けなくなってしまったりしたようです。

これらは連日の猛暑により、表面温度が溶ける温度にまで熱せられたのだと考えられています。また、インドの道路舗装はより溶解点の低いタールが多く使われているので、この現象はおそらくタールが引き起こしているとも考えられています。

日本のアスファルトは安全か

海外でアスファルトが溶ける事故を聞いてしまうと、日本は安全なのかと思ってしまう方もいるかと思います。

日本のアスファルトは品質が保たれているのがほとんどです。品質を保つためにアスファルト試験を行っています。この試験によりアスファルトの安全性と品質が保たれているのです。アスファルト試験について詳しくは「見た目ではわからない?アスファルトは試験で品質が保たれます」 をご覧ください。
      日本のアスファルトは安全か

まとめ

身近で便利なアスファルトは溶けることはまずないようです。コンクリート舗装に比べてアスファルト舗装は工事が比較的容易であり、ひび割れなどが起こりにくいです。補修工事がしやすいだけでなく、工事終了後すぐに通行できるという長所があり、広く利用されています。

他にも、骨材の材質や粒の大きさを変えてみたり、骨材の隙間を利用して、道に対してさまざまな機能性を持たせるための舗装技術が研究され続けています。そのため、ご自宅にも安心してアスファルトを導入することができます。

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