エアコンのガス補充の料金はどれくらい?ガス補充はDIYできる?

2021.4.30

エアコンのガス補充の料金はどれくらい?ガス補充はDIYできる?

エアコンが冷風を出すには、「冷媒ガス」と呼ばれる特殊なガスが必要です。冷媒ガスはエアコンの経年劣化やパイプの破損などによって漏れてしまうことがあり、ガスが抜けてしまうとエアコンは正常に動かなくなってしまうことがあります。

エアコンのガスが十分に充填されているかどうかは、自分でチェックすることが可能です。エアコンの冷房を15分ほど運転させ、室内機の内部や室外機とつながるパイプに霜が付着している場合、ガスが漏れている可能性があります。

ガス漏れを起こしたエアコンが本来の冷房能力を取り戻すには、「ガス補充」をおこなう必要があります。ガス補充を修理業者に依頼した場合、かかる費用の相場は1万5,000~2万円程度です。

ガス補充はDIYでおこなうことも可能ですが、パイプを一旦真空状態にするためにポンプや計測器が必要になるなど、高度な知識や技術、機材が必要になります。

DIYでガス補充すれば費用は安く抑えられるかもしれませんが、機材をそろえるためにかかる経費や失敗したときのリスクを考えると、プロに依頼するのが無難といえます。

また、ガス補充の際にはなぜエアコンからガスが漏れていたのかも確認しておきましょう。ガス漏れの原因がわからない場合、エアコン自体を新しいものに買い替えるのが最も時間と費用を安く抑える方法になるかもしれません。

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エアコンは、今では1部屋に1台あるのが当たり前になりつつある電化製品のひとつです。暑さ・寒さが厳しい日も多く、フル稼働している家も多いかと思います。そのため、急に不具合を起こすことも少なくありません。

そんなエアコンにとって必要不可欠なのが「冷媒ガス」です。エアコンはこのガスが循環することで空気を暖めたり冷やしたりします。しかしガス漏れも多く、これが原因となってエアコンが正常に作動しなくなることもあるのです。では、このガスを新たに補充することはできるのでしょうか。

今回はエアコンのガス補充の料金やDIYの仕方についてご紹介していきます。

エアコンにガス補充が必要な症状

エアコンの調子が悪いけれど、ガス漏れが原因かどうかわからない…。そんなかたもいるかもしれません。そこで、ガス漏れが起きやすいエアコンの特徴についてご紹介していきます。ご自宅のエアコンの状態と照らし合わせながら確認してみてください。

こんなエアコンはガス漏れの可能性大!

○故障しているエアコン

エアコン本体のどこかに故障している箇所がある場合、そこからエアコンのガスが漏れるということが考えられます。こういった場合は、故障している箇所を修復してからガス補充をおこなうことになります。ちなみにエアコンの耐用年数は約10年といわれているため、使い始めて10年に近い、もしくはすでに10年が過ぎている場合は故障の可能性を考えてみてください。

○取り付け工事などで不備があったエアコン

エアコンの取り付けや移設をする際、エアコン本体が正しく設置されていなかったり配線作業がきちんとされていなかったりすると、ガス漏れが起きる可能性があります。このようなエアコンはどこかが故障しているわけではないので、いくらガス補充をしてもすぐに漏れ出てしまいます。エアコンの取り付け工事自体をやり直す必要があるでしょう。

○配管が損傷しているエアコン

何らかの理由により配管が傷ついたり腐食したりした際に、そこからガスが漏れ出ることがあります。配管にカバーがない場合や長時間直射日光にさらされている場合は劣化が早く、損傷しやすいといえるでしょう。また修理工事によって配管を新しいものに変えたときに、きちんと取り付けができていないパターンもあります。

簡単にガス漏れの有無を確認する方法

上記のような症状がみられた場合はガス漏れを疑いましょう。そしてそんなときに試してみてほしい、エアコンのガス漏れを自分で確認する方法を以下でご紹介します。

1.エアコンを15分ほど冷房運転します。
2.室外機から外に出ている細い配管と太い配管のうち、細い方を確認します。室外機のカバーを外さなければ見えないため、ドライバーなどで外すようにしてください。また配管にもカバーがしてあるので、ずらして確認できるようにします。
3.細い配管に真っ白な霜が付いていないか確認します。

このとき、真っ白ではなく透明の露が付いている場合は正常に動いている証拠です。真っ白な霜が付くのは、ガスが少ないことにより熱交換器の蒸発作用に異常が生じ、接続部である細い配管のところで蒸発を起こすからです。また、冷房運転中に室外機のパイプが冷たくならない場合もガス漏れの可能性があります。

DIYできるとは限らない!冷媒ガスの種類を知っておこう

エアコンの冷媒ガスにはいくつかの種類があり、自分でガス補充できるものとそうでないものがあります。自宅のエアコンのガスがどの種類に当てはまるのか、ここでしっかり確認していきましょう。

まずは自宅のガスの種類を確認しよう

ガスの種類について説明する前に、自宅のエアコンのガスの種類を確認しましょう。室外機の側面に貼ってあるシールに「冷媒 R410a」のようにガスの種類が記載されています。

冷媒ガスの種類について詳しく解説

〇R410a

この冷媒は、次に紹介するR32とR125を混ぜ合わせてできた冷媒ガスのことを指します。2000年~2011年くらいまでのあいだに生産されたエアコンには、このR410aの冷媒が使われている可能性が高いとされています。

この冷媒がガス漏れを起こした場合、これのもととなるR32とR125のバランスに支障が出てしまうため、ガス補充の際は残りのガスをすべて抜ききったあとで新しいR410aを補充することになります。もしもこの2つのバランスが崩れた状態でガス補充をすると、エアコンが正常通り効かなくなる場合があります。

必要な器具などをそろえ、正しい方法をマスターすれば自分でガス補充することもできるでしょう。具体的なガス補充の手順についてはつぎの章で解説します。

〇R32

この冷媒は最新のもので2012年ごろから現在までの主流となっています。このあいだ生産されたエアコンには、このR32の冷媒が使われているでしょう。含まれている成分はR32のみとなりますが、燃焼性(特定の条件下では燃える可能性)があるため自分でガス補充をおこなうのは控えましょう。エアコンの修理業者に依頼すればガスを補充してもらうことができます。

R454C

この冷媒は、2019年から各エアコンメーカーが採用を始めている新しいタイプのものです。つぎに紹介するR22に代わる冷媒として開発されました。R454Cのもつメリットは地球温暖化への影響が最小限におさえられている点です。しかし微燃性があるため自分でガス補充をおこなう際は十分な注意が必要となります。

R22

この冷媒は2000年以前のエアコンで使われていた「代替フロン」と呼ばれる古い冷媒です。このタイプにガス補充するのはたとえ業者でも困難であるため、エアコン自体を買い替えることになります。ちなみに代替フロン(HCFC)は大気中に放たれるとオゾン層を破壊する危険な面をもっている「フロン(CFC)」の代わりに使用されてきました。しかし代替フロンにもオゾン層を破壊する性質があることから、2020年には生産が終了される予定となっています。

      エアコンのガス補充にかかる料金

DIYでエアコンのガス補充をする方法と注意点

つづいては、自分でエアコンのガス補充をする方法と注意点について詳しく解説していきます。専用の器具などが必要となってくるため、そのあたりもチェックしながら読み進めてみてください。

DIYでガス補充する方法と手順

ガス補充は基本的には以下の方法でおこないます。

準備するもの

ガス補充の際に準備するもの(マニーホールドゲージ・チャージングスケール・ガスボンベ・真空ポンプ)

1.マニホールドを接続していきます。

マニホールド接続

エアコンの室外機と冷媒ガスボンベを、マニホールドという機器を使って接続します。ガスボンベの種類ごとに接続できるマニホールドは異なるため、ガスの種類を確認したうえでマニホールドを使用しましょう。

2.冷媒量がどれくらいなのかを確認します。

冷媒量の確認

補充するガスの量を計るために、チャージングスケールという冷媒充填用のはかりにガスボンベを乗せます。ここで補充するガスの適正量を把握します。

3.真空引きをします。

真空引き

エアコンに少しでもガスが残っているとその後の作業が難しくなるため、エアコン内の真空引きをおこないます。マニホールドと室外機、そして真空ポンプをつないで空気を抜いていきます。

4.ガス補充をします。

ガスの補充
エアコン内を真空状態にし、さらに補充するガスの量を特定できたら、つぎはいよいよガス補充に移ります。エアコンのもつさまざまな機能をフルに発揮させるためには、このガス補充を正しくおこなう必要があります。それだけに高い技術力が必要となるので、ここはプロに依頼することをおすすめします。

5.エアコンの動作確認をおこないます。

動作確認

最後にエアコンが正常に作動するかどうかの確認をして終了となります。

DIYでガス補充するときの注意点

DIYでガスを補充するのは、それが専門知識をもたない素人である場合、リスクと隣り合わせであることを覚えておきましょう。エアコンのガスは1万円ほどで購入できますが、扱い方を間違うと火災などの大きな事故につながるおそれもあります。

もしガス漏れ箇所がある場合は、ガス補充の前にガス漏れ箇所を修理しなければなりません。なかにはどこからガス漏れしているのかわからない場合もあるでしょう。そうした場合はガス漏れ箇所を特定するのに使う検知器が必要となってきます。

エアコンのガス補充は費用面や作業の手間を考えた場合、業者に頼んだ方が安くすむかもしれません。またプロに依頼すれば事故やケガの心配もないため安心です。

      エアコンのガスを補充する方法

エアコンのガス補充を業者に依頼したときの料金

もしエアコンのガス補充を業者に依頼した場合、どれくらいの料金がかかるのでしょうか。だいたいの相場としては、約15,000円~25,000円となっています。これは実際の作業費とは異なる出張費なども含まれた金額です。

エアコン冷媒ガス補充
項目 料金
真空引き 8,000円~
冷媒ガス補充 12,000~25,000円

料金に差が出る要因としては、ガスの種類や補充するガスの量、依頼する業者などが挙げられます。またガスの補充だけですめば問題ないですが、配管が損傷している場合などはさらに損傷箇所の修理費用などもかかってくるでしょう。料金に不安がある場合は、事前に見積りをとって料金についての不明点をなくしておくようにしましょう。

      エアコンのガス漏れは原因の特定を

まとめ

エアコンのガス補充の方法を中心にガスの種類や注意点についてご紹介してきました。こうした専門性の高い作業はさまざまな面で危険を伴うため、業者に依頼したほうがよいということがおわかりいただけたかと思います。

もしエアコンのガス補充を業者に依頼した場合、状況によっては料金が高額になることもあります。またエアコンはガス漏れ以外にも不具合が生じる場合があります。自分では原因を特定することすら難しいこともあるかもしれません。そんなときは業者に相談することをおすすめします。

エアコンは猛暑や極寒の季節を乗り越えるために欠かせない電化製品のひとつです。大切な生活の一部だからこそ、少しでもエアコンに不具合を感じているかたは業者依頼をよく検討してみてください。

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