普段身近にある冷蔵庫や洗濯機ですが、じつは感電事故の原因になってしまうことがあるのをご存知ですか?コンセントの経年劣化や雨漏りなどにより漏電してしまった場合、電流が人体に流れて大事故になるおそれあります。
しかし、こうした電気機器の漏電は、アース線を取り付けるだけで、かなり危険を回避することができます。このコラムでは感電の危険性やアース線の役割、また漏電をチェックするブレーカーの重要性などをご紹介していきます。
漏電は感電が危険!感電の仕組みと危険性
電気機器の漏電によるもっとも危険な事故は感電です。電気にはおたがい逆方向へ流れる2本の電線が使われています。電流が流れるのは、この2本の電線に電圧差があるためです。
たとえば鳥は通常1本の電線の上にとまっているため、電圧差はなく感電しません。対して、地面に立っている人が電線に触れた場合は感電してしまいます。これは電線から大地へと、人を通して電流が流れ込むためです。
大地に電流が流れるといわれてもあまりイメージできないかもしれませんが、じつは大地も電気を通す「導体」となります。農場などにある侵入防止の電子柵は、大地が電流を通す導体であることを利用したものです。
電気配線は、電気を通しにくいゴムやプラスティックなどの「絶縁体」でおおわれています。しかし、老朽化だけなく、落雷や雨漏りなどなんらかの理由で断線すると、電気が漏れて「漏電」とよばれる危険な状態になります。
漏電すると感電のリスクが高まります。実際に感電してしまった場合、1mAほどであればわずかにピりっと感じる程度ですが、5mAになるとかなりの痛みを感じます。10mAで耐えられないレベルになり、50mAでは生命に危険をおよぼすほどに危険性が高まります。
こうした漏電による感電事故防止のために、電気器具には漏電防止のアース線というものがつけられているのです
漏電はアースで防げる?漏電の危険は感電だけでなない。
洗濯機やクーラーなどの家電製品には万が一の漏電に備えアース線(接地線)がついています。このアース線をコンセントにつなぐことで、漏電によって行き場のなくなった電流を人体ではなく大地に逃すことができます。漏電した場合に、感電を防ぐとても重要な役割をしているのです。
わずか数mAの感電でも死に至るほど危険である感電ですが、さらに大きな電流の場合、周辺に火災が発生する危険性があります。実際に漏電が原因となった火災事故は多いようです。とくに木造の家の場合、漏電により温度が上昇するため、発火する危険は非常に高まりますので注意が必要です。
漏電ブレーカーがある!なら大丈夫?
一般家庭では、電気を使い過ぎたときに落ちるブレーカーと並んで、「漏電ブレーカー」というものが設置されているのをご存知でしょうか?ブレーカーは3つセットになっており、左から「アンペアブレーカー」、「漏電ブレーカー」、「安全ブレーカー」の順に配置されています。
漏電ブレーカーは、漏電したときアース線から逃した電流を感知しています。電流の強さが0.03A(30mA)を超えた場合に作動し、危険防止のために電気を停止します。強い電流は人体の生命に危険性が高くなるため、漏電ブレーカーが作動するのです。そのため、漏電対策はアース線と漏電ブレーカーはセットで備えておくことが重要なのです。
危険な漏電!アース線の確認を
漏電による感電は命にかかわるほど危険であることを説明してきましたが、同時に漏電はアース線の接続だけでかなり危険を回避することができます。
洗濯機、冷蔵庫、エアコンなど水気や湿気の場所で使用する電気製品にはアース線が義務付けられています。電源プラグから伸びたアース線が、アースのとれるコンセントにしっかり接続されているか確認しましょう。
また、電子レンジも台所にあって多くの電力を使うため、アース線は必須といえます。電子レンジのアース線は感電事故を防ぐだけでなく、電子レンジから発せられる電磁波の漏れを防ぐことができます。電磁波は他の家電の誤作動やノイズの原因にもなるので、確実に対策しておきましょう。
しかし、アース線を接続してはいけない箇所もあります。水道の蛇口やガス管、電話、避雷針など、大きな事故にもつながるため非常に危険です。そのため、自分の判断でアースを取り付けるのではなく、しっかりと業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
電気機器の漏電による感電は非常に危険なものなので、アース線を取り付けることで対策することが必要です。冷蔵庫、洗濯機など水回りにある電気機器のほとんどはアース線がついていますので、確実にコンセントに接続されているかを確認しておきましょう。
一般家庭にはブレーカーと一緒に漏電ブレーカーが備えつけられています。万が一電気機器から漏電してしまったときに、その電流を感知して電気を停止します。
漏電ブレーカーは、アース線がつながっていてはじめて作動する安全装置です。漏電防止にアース線と漏電ブレーカーはセットで備えておくようにしましょう。
漏電改修を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「漏電改修」をご覧ください。
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