街中でよく見かける鳩。そんな鳩の被害で最も危険なのが糞害と言いわれています。でもどんな被害があるの?景観だけじゃないの?という疑問がわいてくると思います。
そこで、今回は、鳩の種類から被害の実態まで、いろいろな角度から疑問にお答えしていきたいと思います。
人に被害を出す鳩の種類は?
私たちが日常よく目にする鳩はドバト、別名カワラバトと呼ばれる鳩です。クルックーという鳴き声、白いくちばしの頭、首元がすこし緑がかっているのが特徴の鳩ですね。純粋な日本の鳩ではなく、ヨーロッパや北アフリカなどの乾燥地帯に生息していた鳩で、伝書鳩やレース鳩として使用されていたものが野生化されたといわれる外来種です。
羽の色は白や黒、茶色と様々ですが、首元が緑色がかっていたらこのドバトです。繁殖力がとても強いため、鳩の個体数が増え、被害が急増しています。ドバトは巣に対する執着心が強く、一度巣を作ってしまうと何度も何度も帰ってきてしまうので、駆除が難しいのです。
もう1種類よく目にするのが、キジバト、別名ヤマバトという鳩です。特徴はドゥードゥー、ポッポーという独特な鳴き声とうろこ状の羽の模様。体色が雌のキジに似ていることからこの名前が付けられました。もともと山地に生息していたのですが、人間への恐怖感がだんだん薄まってきたため、人里におりてきたと言われています。キジバトは基本的に雄と雌が一緒に行動しているのですが、子供を連れている場合、近場で巣作りをして、繁殖を行っている可能性があります。
どちらの鳩も、賢く、安心できる場所、人間を覚えたりします。安心できる場所と認識されてしまうと、幾度となく被害がもたらされてしまう場合があります。鳩の被害で恐ろしいものって、具体的にどういうものなのでしょうか?
鳩の被害で最も恐ろしいのは「糞」
鳩の被害の中でも恐ろしいのは糞の被害です。一般家庭だけではなく、工場や学校などでも被害が確認されています。
鳩は自分の糞がある場所、自分の臭いのある場所を安全と認識するため、臭いを残さないよう掃除をすることが早急な対策のカギとなっているのです。ただし鳩は自分の体重の10分の1もの餌を食べているため、そのぶん他の鳥類よりも糞が非常に多いことが挙げられます。そのためいくら掃除をしても追いつかない、ということが起きてしまいます。
では、糞による被害とはどのようなものがあるのでしょうか?大きく5つにわけてご紹介します。
・汚れによって、物をダメにしてしまう
工場などでよく確認されているトラブルで、商品価値がなくなるほか、気づかずに出荷してしまいクレームにつながってしまう危険もあります。また、掃除するための人件費もかかってしまうため、大きい被害となっています。
・病気やアレルギーの原因
糞そのものの害ではなく、糞によってアレルギーや病気の原因になってしまう場合もあります。被害が軽度の場合掃除は軽視されることもありますが、病気を発症してしまうと大きな問題に発展してしまいます。糞が原因で引き起こされる主な病気は、オウム病やクリプトコックス症などが挙げられます。また、ハトジラミなど、アレルギーの原因も運んでくる場合があるので、健康を損なわないためにも対策を心がけましょう。
・美観の損ない、臭いの被害
また、視覚的、嗅覚的にも糞は被害をもたらします。一般家庭でも美観が損なわれたり、糞の臭いの不快感などは十分な被害です。また、食品加工をおこなう工場の場合、清潔感が重要になりますが、それが損なわれてしまいます。
・金属の腐食
あまり知られていませんが、鳩の糞による金属の腐食も問題となっています。鳩の糞には酸成分が含まれており、少量、短い時間だけならあまり大きな問題ではありません。しかし大量だったり、長時間放置したりすると、 金属を腐食させてしまいます。海外では、鳩の糞によって橋の崩落が起こったこともあるそうです。
・害虫被害
また、害虫の温床になってしまうのも大きな被害の一つです。ゴキブリなどが代表的ですね。害虫は糞まで餌としてしまうので、衛生面、不快感ともに大きな被害といえるでしょう。
糞以外の鳩の被害とは
糞以外の鳩の被害を上げると、主に騒音、食害、衛生被害です。
騒音は、言うまでもなく、鳩の鳴き声が原因です。ベランダに止まった鳩の鳴き声で隣人から苦情が入ったり、自分自身でも気にかかってしまいます。巣を作られてしまうと、鳴き声も昼夜問わずですから、睡眠の妨げになります。
また、鳩がベランダに生えた植物を食べてしまうという被害も確認されています。鳩は雑食なので何でも食べてしまいます。また、生ごみなども漁って食べてしまうので、十分な注意が必要となってきます。
鳩に限らず、野生生物は自身に病原菌や有害生物を保有している可能性があり、大変危険です。糞だけではなく、鳩自身にも注意をしておきましょう。
鳩の対策は時間が経つほど難しくなる。対策はすぐに行おう!
鳩は自分の安心できる場所を覚え、強い帰巣本能で何度も何度も帰ってきてしまう鳥です。最初は休憩するだけでも、段々と滞在時間が増え、ねぐらになり、巣を作ってしまいます。そうなってしまうと、巣の片づけ、糞の掃除、鳩を追い払うだけでは駆除できなくなってしまうため、鳩の被害に合わないためにも、早期発見と早い対策や駆除がカギとなります。また、高所作業が発生したりと危険なことも多いため、無理をせず、業者に頼んでみるのも一つの方法です。
まとめ
鳩は身近な存在で親しみを持つこともありますが、もっとも問題になりやすい糞の害をはじめ、鳩の被害も少なくありません。そして人に近い存在ゆえ、被害も拡大しやすいのです。
野外を歩いている鳩はほとんどが野生の鳩です。持っている病原菌などが広がらないよう、鳩に触れないだけでなく糞のたまり場などがあれば早期発見・早期対策・こまめな掃除が大切になります。掃除してもすぐに糞がたまるなど深刻な状態であればハト駆除のプロなどを頼ることも大切になってくるでしょう。
身近な鳩ですが、被害は大きく、決して軽いものではありません。早期発見、対策、そしてこまめな掃除を心がけましょう。
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