あまりペットとして飼われているイメージのないコウモリですが、種類によっては人になつき、飼育することもできます。とはいえ、飼えるのはあくまで特定の種類のコウモリだけであり、野生のコウモリを捕まえて育てることは原則として不可能です。
飼えるコウモリと飼えないコウモリは、一体なにが違うのでしょうか。また、野生のコウモリが人になつくことはあるのでしょうか。
本コラムでは、飼育が可能なコウモリの紹介と、日本でコウモリを拾った場合の対処法についてご紹介します。コウモリをペットとして飼ってみたい、あるいはコウモリの赤ちゃんが地面に落ちているのを見かけたという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもコウモリってなつく動物なの?
結論からいえば、特定の種類に限ってコウモリを飼うことは可能です。実際にペットショップなどでは、愛玩用のコウモリを販売しているところもあります。コウモリは高い知性をもち、世話してくれる人間を見分けることができるそうです。
また、下の動画のように、野生のコウモリが人になつく事例もあります。こちらはロシアの男性が野生のコウモリにエサを与え、50匹もの大きな群れを飼育している様子を紹介した動画です。
人になついたコウモリは、まるで猫のように甘えたり、飼い主の身体にくっついて離れないといった可愛らしい姿を見せてくれます。日本ではあまり普及はしていませんが、コウモリは人になつく、ペットにすることのできる動物なのです。
ペットにできるコウモリは「フルーツコウモリ」
コウモリは人になつく動物ですが、全ての種類のコウモリがペットに適しているわけではありません。一般的にペットとして飼育されているのは、「フルーツコウモリ」と呼ばれる種類のコウモリです。
フルーツコウモリはコウモリの中でも比較的サイズの大きい「オオコウモリ」の一種であり、主に果物の果汁を飲んで生きています。コウモリというと吸血動物のイメージがありますが、血を吸うコウモリは「チスイコウモリ」というごく一部の種類だけです。
<オオコウモリとココウモリ>
コウモリには大きく分けてふたつの分類があります。「オオコウモリ」と「ココウモリ」です。その名の通り大きなコウモリと小さなコウモリなのですが、サイズ以外にも二種のコウモリにはさまざまな部分に違いがあります。
オオコウモリは果物や木の実を好んで食べる草食動物であり、発達した視覚を使って明るい時間帯に飛び回ります。目が大きく、顔立ちはキツネそっくりです。比較的飼育しやすいコウモリで、なつく個体も多くいます。
ココウモリは種類によって草食、肉食、昆虫食など幅が広く、血液を主食とする吸血コウモリもココウモリに含まれます。視力はあまり発達しておらず、代わりにコウモリの代名詞でもある超音波を使って暗い場所でも障害物や獲物を判別して飛び回ります。顔はネズミそっくりです。
同じコウモリの仲間であり、空を飛ぶ哺乳類という共通点はありますが、オオコウモリとココウモリはほとんど別の生き物だと考えてよいでしょう。
フルーツコウモリをはじめ、オオコウモリはペットとして飼われることがあります。しかし、ココウモリが飼育されるケースはほとんどないのです。日本で主に生息しているアブラコウモリはココウモリの一種なので、ペットになっているコウモリは海外原産のものになります。
野生のコウモリを捕まえて飼うのは違法行為
「コウモリが人になつくのなら、家に住み着いているコウモリもペットにできるのではないか……」と考えている方もいるかもしれません。しかし、日本においては野生のコウモリを捕獲して飼うことが禁じられているのです。
日本では、鳥獣保護法という法律によって、ネズミ以外の野生動物の捕獲や駆除が規制されています。コウモリについても規制の対象となっているため、野生のものを捕まえたり飼ったりすることは許されていません。むやみに捕獲すると、犯罪になってしまう可能性があります。
また、法律以外の部分でも、野生のコウモリは飼育に適した存在とはいえません。日本に住むアブラコウモリは伝染病や寄生虫の宿主であり、身体やフンは病気の感染源となります。
コウモリが媒介する病気のなかには狂犬病など重症化すると命に関わるものもあるため、コウモリに触ったり、あまつさえ飼うようなことは絶対に避けるべきです。
コウモリを飼いたいとお考えの場合は、必ずペットショップや里親募集などを活用して、飼育に適したオオコウモリを入手するようにしましょう。
もしもコウモリの赤ちゃんを見つけたときは……
日本のアブラコウモリは法律的にも衛生的にも飼育のできないコウモリです。なつくことは絶対にないとは言い切れませんが、ペットにするなら飼いやすいオオコウモリを選ぶべきでしょう。
とはいえ、飼育するつもりがなくても、一時的にコウモリの世話をしなければならない事態が発生するかもしれません。たとえば、地面に落下したコウモリの赤ちゃん(幼獣)を保護した場合などです。
とくにアブラコウモリは民家の屋根裏などに住み着きやすいコウモリなので、家の庭などでコウモリの赤ちゃんを拾うケースは珍しくないといわれています。もちろん放っておいても問題はありませんが、赤ちゃんコウモリを助けたいと思ったときの対処法もご紹介しておきます。
素手で触るのは厳禁!
コウモリの赤ちゃんを保護する際、まず注意しなければならないのは「絶対に素手で触らない」ということです。前述の通りコウモリは様々な病原体の媒介となり、それは赤ちゃんであっても変わりません。
何よりも優先すべきは保護主であるあなたの健康です。手袋やマスクを着用し、コウモリには直接触らないという鉄則は何が何でも厳守するようにしてください。
すみやかに当局に通報する
コウモリの飼育は鳥獣保護法によって禁じられていますが、「一時的な保護」であれば飼育を認められるケースがあります。一時的な保護とは、市役所や区役所、「環境管理事務所」といった関係当局に相談して、保護するよう指示を受けて飼育をおこなうことです。
つまり、当局から保護の指示があった場合のみ、コウモリの飼育を続けることができるわけですね。コウモリの赤ちゃんを見つけた場合は、とりあえず保護して当面の安全を確保してから、なるべくすみやかにお住まいの地域の役場に連絡を入れましょう。
連絡を入れないまま飼育を続けてしまうと、鳥獣保護法違反になってしまうかもしれません。
アブラコウモリのエサは小さな虫
虫食性のアブラコウモリは、幼獣の段階から親と同じものを食べます。赤ちゃんコウモリを保護した場合は、その辺にいる小さな虫を捕まえるか釣り餌用のミミズやミルワームをピンセットでつまんで食べさせてあげましょう。
なかなかエサを食べてくれない場合、お腹が空いていないかエサが大きすぎて口に入らないのかもしれません。小さく千切って口元に持っていくと、食べてくれることがあります。
また、動物性のエサは消化に水分を消費するので、とくに赤ちゃんコウモリは水分不足になりがちです。スポイトを使って哺乳瓶のように吸わせるか、ガーゼをひたひたに濡らして渡すなどして、水を飲ませてあげましょう。
小動物飼育用のミルクがあれば、それを与えるのが栄養面でもおすすめです。
飼育をずっと続けることはできない
鳥獣保護法で認められている飼育は、あくまで当局の指示のもとでの「一時的な保護」です。そのため、ペットとしてずっと飼い続けることはできないということはあらかじめ了承しておいてください。
保護した赤ちゃんコウモリは、最終的には野生へ帰ることを目指すことになります。また、保護が落ち着いてから関係当局に引き取ってもらうケースも少なくありません。
アブラコウモリが人になつく可能性は高いとはいえませんが、海外ではココウモリが人にベタ慣れしたという事例もあります。コウモリは知能が高い生き物なので、愛情を注げばこたえてくれる可能性は決して低くありません。
赤ちゃんコウモリが一人前に成長して自然界へ飛び立っていくその日まで、大切に育ててあげましょう。
まとめ
コウモリには大きくわけてオオコウモリとココウモリのふたつの分類があり、同じコウモリの仲間でも食べ物から生態までさまざまな部分でまったく別の生き物といっていいほど異なります。
一般的にペットとして飼われているコウモリは、フルーツコウモリと呼ばれるオオコウモリです。オオコウモリは人になつくことが多く、比較的飼育のしやすいコウモリといえるでしょう。
日本に多く生息しているアブラコウモリはココウモリの一種であり、住宅に住み着きやすいため見かける機会の多いコウモリです。しかし、野生のアブラコウモリを捕獲して飼うことは、鳥獣保護法で禁止されています。
もしもアブラコウモリの赤ちゃんを見つけ、保護したいと考えている場合は、すみやかに役場などの当局に連絡して指示を仰ぎましょう。役場からの指示があれば、一時的な保護というかたちで飼育ができるかもしれません。
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